小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ4章あり、家族4人それぞれの視点が描かれる。時系列は同じではなく章が進むごとにゆっくり進行していく。
最初の泉視点は新しい家族の幕開けで希望が感じられる。この雰囲気が続くのかなと思ったら少しずつこの家族の儚さや不安定さが見えてくるようになる。そうして3章の草介の視点でそれが浮き彫りになる。
草介の視点がとにかく苦しい。泉視点が明るい話なのは鈍感ゆえに物事を表面的にしか捉えらていなかったからと分かり、悲しい気持ちになる。
宗介の事故さえなければ、社会の常識から外れた形で家族になり、母千代子の死を乗り越えていく物語だとわかるが、草介が悲惨すぎて最後の前向きな描写も前向きに捉えられない。
性を超えた愛が息子を苦しめていた。駆け落ちは間違った選択だった?多様性を認めるというより多様性に翻弄される家族の物語に感じた。 -
Posted by ブクログ
とってもステキなエッセイでした!!出会えて良かったです。
たまたま本屋さんでタイトルに惹かれて手に取って、装丁が可愛くて惹かれ、最初の文章のペンギンと暮らしたいから夫をペンギンだと思うことにした。という文で一気に心を鷲掴みにされました。小川糸さんの作品は知っていましたがまだ読んだことがなくこのエッセイをきっかけに読んでみたいと思いました!こういうのを丁寧な暮らしというのかなというお手本の暮らしをされていると思うのですが謙虚で周りへの感謝を忘れない気持ちにほっこりでした。小説を書くときの指に傷をつけて血で書くような思いというのは、作品を作り出す作家さんの苦悩を知ることが出来て、本を読めるありがたみを感じました。所々のイラストも好みすぎてこれから大切に持っておきたい1冊になりました。 -
Posted by ブクログ
喋々喃々とは、男女が楽しげに小声で語り合うさまのこと。東京谷中でアンティーク着物店を営む栞。ある日店に父親に似た声をした男性客が訪れる。少しずつ膨らむ恋心や家族との葛藤が季節の移ろいや美味しいものの描写を交え丁寧に描かれる。
春牡丹もいいけど、冬牡丹も格別ね。(まどかさん)冬牡丹 胸に姫たる恋のあり(まどかさん)絶対にお菓子を持って栞に会いに来るまどかさん。まどかさんの粋な計らいに、癒され、格別に素敵なまどかさんを想像してしまった。主人公は栞だけど。栞とまどかさんのお喋りに私も参加したいくらい、温かく身近に感じるのに、洗練されたものを感じるのは、2人の言葉遣いや雰囲気が格別だからだと思う。全ての会話をメモしたいくらいだった。
優しい気持ちになりたい時、春の訪れを待つ厳しい寒さの日にぜひ読んで欲しい一冊だと思う。
2人が自然と惹かれ合う様子から、そうそう、恋ってこんな感じだよなあ、胸がそわそわして、気になっていくっていうこの初々しさを感じた。冷えた、なんとなく寂しい心に刺さると思う。
終わり方は少し雑に感じた部分もあるけれど、それでももう一回読みたい本。
空気に紅をさすみたいに街全体が少しずつ淡いピンク色に染まっていく。
私にとって春一郎さんは陽だまりだ。
春一郎さんの、ちょうど旋毛の上あたりに、桜の花びらが一枚くっついている。ーそのままにしておくことにする。これも、ささやかなお花見のような気がしたのだ。春一郎さんがこの部屋に春を連れてきたみたいだ。
↑こんな素敵な文章に溢れた一冊。