小川糸のレビュー一覧
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母親のせいで鉛筆や消しゴムを食べるしかない絶望的な状況になっても、
目が見えない歩けもしないのに一人で生きていかなくてはいけなくても、
死にたいと思ったことはない、生きていたいと考えるとわ。
本当に生命力に満ち溢れていて、読み終わった今、じわじわと感動している。
母と娘の話はいつも難しい。
毒親なのか、毒親と思いたくないだけなのか、分からない。そんな一言では表現できない。
恨む気持ちもある、だけど、それだけではない。
とわの母親はとんでもないことをしてしまったと思う。
でもとわが人や植物や生き物を愛する気持ちをこんなにもてるのは、
幼い頃母親に愛されて育った証拠でもある気がしてしまう。
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ネタバレ「私はもう、日本で一番美味しい食パンをわざわざ取り寄せてまで食べたいとは思わない。
けれど、近所にあるパン屋さんで買ってきた食パンを、たった一枚食べるのでも、最大限、美味しく工夫して食べたいとは思う。
仕事というのは、そういうものなのではないかと、最近しみじみ思うのだ。
自分のできる範囲で、最大限できることをする。
ウィンウィンという言葉があるけど、私はそれよりも、ハッピーハッピーがいいなぁ、と感じている」
「私は最近つくづく、人生を幸せに生きるコツは、ひとり遊びができるかどうか、で決まるのではないかと感じているのだけど、そこに一匹動物がいたら、それはもう鬼に金棒というか、パーフェクトなんじ -
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夏は避暑地で過ごすことの多い糸さん。今年は、鎌倉で過ごす様子がえがかれています。きっとこの時の経験からツバキ文具店ができあがって行ったのかな?と思い、生活と物語をつなぐリボンのようなものが見えたエッセイでした。鎌倉、また行きたいな。
自宅のリフォームをするからと、友人のお子さんを招いてリフォーム前の壁に絵を描いてもらう様子もとっても素敵でした。
想像するだけですごく絵になるというか…小説の1ページのような出来事だなと。
あとやっぱり、糸さんの持つ感性はすごい。
海風に長く当たると、体の中にまで海風が入ってざわざわして、うまく寝付けなくなってしまうそう。
そんなこと、私は考えたこともなかった -
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⬛︎小川さんの、人生の転機を垣間見る
デビュー作・食堂かたつむりが出版された年の日記です。小川さんは、エッセイなどでもあまり文章を書く苦労を表に出さない人だな、と思っていました。
しかし、本作ではそんな苦悩の道のりから、著書がヒット作となり取材やメディア出演などに引っ張りだこになる渦中を垣間見れます。
これがダメだったら諦めよう…と、小説大賞に応募し入賞こそしなかったものの、その後編集者から声がかかり出版にいたった背景。その前に、約10年の下積み期間があったこと。
小川さんのような感性や文章力を持つ人でも、10年間芽が出なかった。個人的には、見つけられていなかった…が正しい気もしますが。
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⬛︎小川糸さんの日記エッセイ第一弾
彼女の日記エッセイを最新刊から順にすべて拝読しまして、今回は古い順から再読です。
まだ小川糸さんが小説家としてデビューする前の(今となっては新鮮!)日記になります。
当時から今と変わらぬ、自分にも自然にも心地良い暮らしを送るための工夫や心がけがたくさん書かれていて、素敵だなあと思います。
一方で、うまく言語化できないけれど、今のエッセイと比べて文章が若いというか、親近感があります。当時の糸さんは私より少し歳上ぐらい。年齢が近いからなのかな。その温度感もよかった。
北米で暮らす民族「アーミッシュ」、起業家を訪ねる旅路を描いた「未来を変える80人」、酒造・