【感想・ネタバレ】とわの庭(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

盲目の女の子とわは、大好きな母と二人暮らし。母が言葉を、庭の植物が四季を、鳥の合唱団が朝の訪れを教えてくれた。でもある日、母がいなくなり……それから何年経っただろう。壮絶な孤独の闇を抜け、とわは自分の人生を歩き出す。おいしいご飯、沢山の本、大切な友人、一夏の恋、そしてあの家の庭。盲導犬ジョイと切り拓いた世界は眩い光と愛に満ちていた。涙と生きる力が溢れ出す感動長編。(解説・平松洋子)

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匿名

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後半の展開に驚き

前半は幸福感溢れる生活が描かれていてテンポも緩めだったのに、後半は次々に変化する状況、明かされていく真実に飲み込まれるかのように一気に読み。

人は善しか選ばない。
その人がどうしてそれを最善だと思ったのかと考えを巡らせると心が痛む。
そんな中でも自分を見失わず、新しい礎を築いていった主人公の生き方は爽快感が残った。

#癒やされる #切ない #ドキドキハラハラ

1
2024年11月28日

Posted by ブクログ

物語りを読んで泣いたのは久しぶりのこと。

とわさんには幸せになってもらいたい。

☘️人を赦すことは「光」を見出すこと
☘️不自由に見えても、その世界にはその世界にしかない自由もあって、幸せは自分でみつけることが出来ること

を教えてもらいました。

若い頃、盲導犬のシャンプーボランティアをしていたので、ジョイのことがとてもよくわかります。

ジョイが仕事を全うできますように。
そして、とわさんとの生活が楽しくありますように。
引退するまで、元気で頑張るんだぞ。

魔法使いのマキさん、スズさん、写真館のおじさん、、、良い方々に囲まれてよかっね、とわさん。

そして、「ゆきずりの恋」という言葉に、ぺっ!と唾を吐きたくなるとわさんがとても好きになりました。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

表紙はほんわかだし、盲目だけれど大切に育てられてる子だと思ってたらどんどん雲行き怪しくなり…よくぞ生きてたと思うような辛い状況…何度季節は巡るの、早く誰か助けてと思いながら読んだ。
後半幸せそうでよかった。殺されなかったこと、壮絶な中で生き延びたことに意味があると思えた。

0
2025年12月02日

Posted by ブクログ

前半と後半の落差がすごい小説だった。
しかし前半の地獄があるから、後半の光や匂いの鮮やかな様子がより引き立つ。

主人公のとわは目が見えず、子ども時代、家から一歩も出されず育てられた。
母はあいと言い、「とわのあい」で母娘が結びついていると娘に話した。
しかし、母が外で働くようになってから少しずつ母の心は壊れていき、二人の満ち足りていた暮らしも崩壊する。
ある時、仕事に出た母は家に帰らなかった。
「外に出てはいけない」と厳命されていたとわは外に出ることも助けを求めることもできず、母はいつか帰ってくると信じたまま食べ物もなく飢餓に陥る。

救い出されてからもとわにはたくさんのことが起こるが、数少ない友達、パートナーである盲導犬のジョイ、出会う人に恵まれ、普通の暮らしを取り戻す。

とわは目が見えない分、匂いと音を敏感に感知する。季節の花々、鳥の声などから自然とのつながりを得る。
できること、持っているものを十分に享受して、満たされた生活を送る。

晴眼者であるし、虐待サバイバーではない自分が言ったらおかしいが、そのような五感で感じる、丁寧な暮らしをしたいと感じた。
幸福感が得られなかったり、満たされない気持ちになったり。しかし、与えられたものを得るだけの感性が欠けている(鈍っている)のでは?と感じる。

あと、本筋ではないかもしれないが、とわの母、あいも実母から蔑まれ、20で家を放り出された。おそらく十分な備えをしてもらえずに。
そしてあいは娘を愛したにも関わらず結果的に虐待してしまう。
虐待の連鎖は、福祉や人とのつながりでおそらく断ち切られそうである。
社会にはちゃんと、人を幸せにする力がある。

0
2025年11月16日

Posted by ブクログ

前半はすごく辛いけど、とわが一歩外へ踏み出したところから心がどんどん浄化されていく。
文章から、草花や紅茶や空気の匂いが漂ってくるような錯覚を覚える。
自分が普段いかに視覚からの情報に頼ってるか。
明日から、匂いや温度や手触りにも意識を向けて、丁寧に生きてみたいなって前向きな気持ちになった。

0
2025年11月05日

Posted by ブクログ

目が見えない人の話。私が知らない世界。
生き様、生きる力、前向きさ。
盲導犬も登場します。
在宅勤務以降、家にいることが多いので、盲導犬を見る機会が減った気がする。

少し、詩的な表現が多い作家さんかも。

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2025年08月01日

Posted by ブクログ

正直読んでてだいぶ辛かった。
だけど、とわだからこそ乗り越えられて今に至っているんだなと思った。
生きているってすごいことだと改めて感じた。

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2025年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼少期の描写が途中読んでて苦しくなったが、とわちゃんが身の回りの小さな事柄に幸せを見つけ出す天才だったので、暗くなりすぎなくて良かった。
私は目が見えるので普段どうしても視覚情報に頼ってしまうけれど、ときには目を閉じて臭いや音をじっくり感じてみたいと思った。
盲導犬の話って実はちょっと苦手だけど、(たいてい犬にばかり負担が多くて、人間がすいません…って気持ちになってしまうので)この話ではとわちゃんが本当に大事にしてるのがわかって、安心して読めた。
身近にある幸せをひとつひとつ大切に掬い上げるようなお話。

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

盲目の少女とわの力強く生きようとする姿に勇気を貰った。
幼い頃から盲目で唯一の希望の母も途中から居なくなり一人過酷な状況の中あらゆる五感を駆使して日常を送るとわ。
運良く大人に助けられた後相棒に出会い幸せに暮らせるようになってくれて本当に良かった。

0
2025年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半はもう読むのが辛かった。
けれど、命からがら救われて少しずつ周りの人の助けや(犬や)自分の力で幸せを取り戻していくとわちゃん。
いろんな香りが美しく描かれていて素敵。

0
2025年10月23日

Posted by ブクログ

前半と後半の色の違いが凄かったが前半の童話の世界が現実を支えているという図式は所謂「絵本は子供の心に腰掛けを作る」という言葉そのままで世界は心の中にあるのだと思わされた。

0
2025年10月05日

Posted by ブクログ

優しい表紙と題名に惹かれて購入してみました。永遠の愛……形は変わっても、相手を思い続ける気持ちは変わらないことだと思いました。ワンピースの色は何色だったのかな

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

前半の長い長い逆境の描写から、とわちゃんが、自分自身の足で一歩ずつ、自分の世界をつくっていく姿が、とても力強く、勇気づけられるものだった。
自分自身もそうだが、辛い子供時代を送った人たちに、世界は自分自身で感じて、つくっていけるんだよ、かならず幸せになれる、という励ましのメッセージがつよくきこえてくるように感じた。

どんなに理不尽な目に遭っても、自分の力で、自分の人生をきりひらいていくことはできる。
小川糸さんの作品は他のものもそうだが、辛い境遇をのりこえるにあたってとても励まされるものだった。

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

表紙の絵から、すごく平和なお話なのかな、と思っていたけど思ったよりもドラマがあって、読み応えがありました。

とわちゃんの成長と、たくさんの人の心の温かさにほんわか、ほろりんでした!

なにか、心の支えになるものがあるって、いいことなのだと気が付きました!

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

盲目のとわが語り手なので、とわが想像する様子と文字を追いながら想像する様子が重なっている気がして、とわと繋がっている感覚になった。切なくて悲しい方向にいくかと思いきや、パァーっと光が差して広がっていくような話だった。

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2025年08月18日

Posted by ブクログ

序盤から中盤にかけては、読み進めるのが辛くなるような展開でしたが、最終的に心が洗われるような...読み終わった時の物語の余韻のようなものが、すーっと心に残る作品でした。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とわのように厳しい現実を抱え、命を落としてしまう子どもたちがいる。それでも、とわのように幸せを感じられた時間があってくれたらと思う。とわのように世界が美しいと思って生きることができなくても、幸せな時を思い出して逝ってくれたらと思う。

とわの10歳の誕生日写真の二人が笑っていてよかった。

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2025年08月10日

Posted by ブクログ

前半、読むのが辛かったーー、
裏の内容紹介?を読んでなかったら辛くて途中で離脱してたかも。
前半が暗いにびいろの激しく悲しく悲劇的な音楽だったとしたら、後半は表紙のような明るく優しいパステルカラーのような穏やかな音楽の中に、
力強い生きている音がしているようなそんな物語。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

目が見えない女の子の話って情報だけで読み始めた。文章に違和感を感じ始めて、それが明らかになった時、とてつもない恐怖と気持ち悪さ、嫌悪感に襲われた。

けど、とわが足を踏み出し始めてからは、暖かくて平穏な日々が続いて、「目が見えない」って聞いたらどうしても大変なことばかりが浮かんでくるけど、世界をこんなにも丁寧に味わうこともできるのか、綺麗に感じることもできるのか、ってなんだか世界が新しくなったみたいで新鮮な気持ちになった。

日常の中の奇跡や変化が丁寧に紡がれていく、小川糸さんの作品、やっぱりすごく好きかもしれない。


(追記)
とわの世界を体験してみようと思って人気のない道で点字ブロックを頼りに目を瞑って歩いてみた。
聴覚と違って、嗅覚を研ぎ澄ますのって案外難しい!新たな発見だった!

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

盲目の主人公が、親からの愛情を注がれた素敵な日々、そしてその反対におこる虐待から、孤独の闇をぬけ、人や動物や植物の温かさを受け再生する物語。

小川さんは本当に言葉を糸みたいに紡いで物語をかく。そうゆう所が本を読んでいて楽しいと素敵だと思うが、今回のテーマが少しありえない事の連続で現実味が少しなく心から震えたりはしなかった。ミトンとライオンのおやつを見た後だからなのか、少し物足りない気もするがまた素敵な言葉には出会えた。

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2025年07月10日

Posted by ブクログ

ほんわかした話なんだろうなと思い読み始めた本作。前半部分は想像とは違い、つらくなる描写が多かった。小川糸さんの作品は何作か読んできたが、私が読んだ中では1番胸が締め付けられる場面が多い作品だった。その前半部分があるからこそ、後半からの人との出会いや盲導犬との出会いなど全てがキラキラしていた。人生つらいこともあるけど、生きているからこそ見ることのできる光があることに気付かされる作品だった。

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

目が見えないのは不幸ではないけど不便だ、とはいいつつも、やはり見えないというのは十分に不安なことなのだ。だからこそ、主人公のとわは母に依存してしまう。
途中までの母との蜜月のような時が、急変した後のとわの暮らしは本当に読んでいて辛いけれど、
でも、良い本でした。

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2025年05月30日

Posted by ブクログ

どうなっちゃうの?とわちゃん。と心配しながら、読んだけど、強く、いい人たちに囲まれて、しっかり自分の「足」(土踏まずがある)で、生きてる。
続編も読みたい!

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2025年05月23日

Posted by ブクログ

体感を伴った感情と心の芯を描いた素敵な物語。連休中のゆっくりした時間の中で読むことができて良かったです。読みいそがず、ゆっくりと自分の感覚を重ねて読むのがお勧めの一冊です。

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2025年05月06日

Posted by ブクログ

小川糸さんの本は4冊目。
どれもとても感動させてくれる。
最初はとても悲しくて、可哀想な話なので読み進めるのが辛くなる。
けれど、初めて外に出て一歩進めたことから、幸せがどんどん広がっていく。
出会う人たちがみんなステキな人ばかりだ。
若い頃に読んでいたら、もっと人にやさしくなれたかも。
だから、若い頃に読んで欲しいと思わせる本でした。

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2025年04月23日

Posted by ブクログ

母親のせいで鉛筆や消しゴムを食べるしかない絶望的な状況になっても、
目が見えない歩けもしないのに一人で生きていかなくてはいけなくても、
死にたいと思ったことはない、生きていたいと考えるとわ。
本当に生命力に満ち溢れていて、読み終わった今、じわじわと感動している。

母と娘の話はいつも難しい。
毒親なのか、毒親と思いたくないだけなのか、分からない。そんな一言では表現できない。
恨む気持ちもある、だけど、それだけではない。
とわの母親はとんでもないことをしてしまったと思う。
でもとわが人や植物や生き物を愛する気持ちをこんなにもてるのは、
幼い頃母親に愛されて育った証拠でもある気がしてしまう。

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2025年04月01日

Posted by ブクログ

物語が途中まで残酷というか、読み進めるに耐えないくらい救いようがない話で辛かった。。

だけど、「小川糸さんの感動長編」ということで、頑張って読みました。

どん底を抜けてからは、普通に読める内容になりました。小川さんの言葉や視点は、どんな状況でもそれを率直に表現する力があるなと思いました。

生きる意味についての一つの見解が見て取れました。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

盲目の児童虐待した女の子が、
10代で放置されて成人して社会に復帰していく話。

虐待時の物語はかなり濃厚な苦しみ。
食べ物がない。目が見えない。
最終的にレモンと思って食べたのが消しゴム。
苦しい日々。

そこからなんとか救い出されて、
パートナーである介護犬と出会い、
自分の家に戻って生活する。

前半の虐待パートが読んでいて、いたかった。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

辛い経験をした主人公がしまっていた問題に答えを見つけた希望に満ちた最後が好きです。人は辛いことがあると暗い部分が増えると思っていましたがそうでない主人公に勇気づけられます。
ワンピースは何色だったんだろう?

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

とわとお母さんと庭の描写から幸せな生活がずっと続くものだと思いきやお母さんが突然いなくなってしまう展開に引き込まれました。とわの生命力の強さに感動し、その努力が実り助けられ新たな生活を手に入れることができてよかったと思いました。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

盲目の女の子の「とわ」の物語。
母親との温かい親子愛の物語かと思いきや、次第に母親がとるとわへの行動が変。
そもそも、どうやってこの二人は暮らしているの?
目の見えないとわにとって母親は重要な存在。

しかし、母親は徐々に離れていき、ついには、母親は帰ってこなくなります。
ここから、とわの壮絶なサバイバルが始まります。
たった一人で、家の中で、生きるとわ。
あまりに過酷で壮絶!
この前半のシーンは読むのが辛い。
読むの辛くて、やめそうになりました。
まさに闇の中の世界観!
「誰も知らない」の映画を思い出しました。

そして後半は、光の世界です。
彼女の前向きに生きる世界が描かれています。
様々な人のサポートと出会い。
そして一番の出会いは盲導犬。
相棒と一緒に閉じこもっていた家の中から、外の世界へ!
もう目が見えないということを感じさせないぐらい生活とその生き方に自分自身も前向きになれます。
彼女の人生への前向きな考えがうつってきそうです(笑)

前半は辛いですが、その分後半の生きることへのすばらしさを感じられます。前半で読むのをやめないで、最後まで読みましょう。

お勧めです!

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2025年06月21日

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