歴史・時代小説 - 講談社作品一覧

  • 暖鳥 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    見届け人・秋月伊織は、笛の音で女を誘い出そうとする男と、それを阻む老夫の修羅場を目撃した。例幣使(れいへいし)に関わるという笛の男を、父の敵として追っている足袋屋に会った伊織は、許されざる町人の敵討ちを見届けることになるのか? 凍えた心をやさしく溶かす人の情けの温もりに触れる、話題集中の文庫書下ろしシリーズ第3弾。(講談社文庫)
  • 闇の歯車
    3.4
    川端にひっそりとある赤提灯で、互いに話すこともなく黙々と盃を重ねる4人の常連。30過ぎの浪人と危険なにおいの遊び人。白髪の隠居と商家の若旦那。ここに4人を〈押し込み強盗〉に誘う謎の男があらわれた。そして、それぞれに関わる女達。誰が操るのか、皮肉なさだめに人を引き込む、闇の歯車が回る。
  • 中国皇帝伝 歴史を動かした28人の光と影
    3.3
    中国史上、一番の名君は誰か。歴代皇帝の総数は少なくとも二百を超えるが名君と呼ばれる皇帝はわずかだ。しかし名君とは何か、その答えは簡単ではない。王朝の創業者か、領土を拡げた征服者か、善政を布いた為政者か。あるいは上司にするなら誰がいいか、という身近な基準もありだ。様々な角度から探った素顔の皇帝伝。
  • 子づれ兵法者
    -
    剛剣が唸り小太刀が舞う、武士の世界。我が子の命を賭け真剣で勝負を挑んだ兵法者と、その男を愛してしまった道場主の娘を描いた表題作をはじめとする7編の時代小説短編集。自らも剣の達人である筆者が洞察力鋭く、緊迫した立ち合いの瞬間を描く。ドゥ・マゴ文学賞に輝いた『黄落』に続く佐江作品の傑作。
  • 降りしきる
    4.3
    激しく降り続ける雨の中、女が一人壬生村の新選組屯所に駈け込んだ。好きで来たわけではない、と自棄ぎみにからむ芹沢鴨の女を、沖田総司や土方歳三は、強引に追い返そうとする。その夜、屯所内では凄惨な斬り合いが――。幕末から明治にかけて、時代の奔流に浮き沈みする男女の哀歓を描く、名作短編集。
  • 風塵
    4.3
    人は塵の如く風に翻弄され散る――。まったく新しい徳川家康像を創り出した表題作『風塵』。藩政を守るために乱心と称して壮絶な死を選んだ酒井家の家老、川合勘解由左衛門とその生死のまぎわを一瞬照らす女の命を描く「九思の剣」を含む6作を収録。武士道の厳しさと哀しみを生き生きと伝える傑作短編集。(講談社文庫)
  • 甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1)
    4.3
    家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽くし、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ!
  • 幕末御用盗
    -
    京都朝廷から薩摩藩へ倒幕の密勅が下った慶応3年秋。倒幕戦の端緒をつかもうと西郷吉之助は、江戸に騒擾を起こすべく、浪士を集め御用盗なる組織をつくり、幕府御用達の豪商を襲わせた。その中の1人に薩摩示現流の使い手・大迫新太郎がいた……。維新の変革の裏面史を鮮やかに描いた痛快傑作歴史長編。
  • 続 御書物同心日記
    3.7
    嫁入り道具の絵巻物を担保に、大名家が古本屋に金を借りにきた。目利きを頼まれた御書物同心の丈太郎は、極彩色の春画にうろたえる。一方、将軍家の書物を管理する御文庫では将軍遺愛の本が紛失した。書名を聞いた途端、丈太郎は驚愕する。そして「事件」は意外な展開をみせた・・・。江戸情緒あふれる連作集。(講談社文庫)
  • 其の一日
    4.0
    吉川英治文学新人賞に輝いた傑作短編集。安政7年3月3日、井伊家の密偵・可寿江(かずえ)は水戸浪士の不穏な動きを察知し、主君でかつて恋人でもあった直弼に通報しようとするが。「桜田門外の変」「箕輪心中」などの事件を題材に、江戸市中で懸命に生きる人々の、運命を変えた1日を描いた時代小説短編集。全4編を収録。<第24回吉川英治文学新人賞受賞作>
  • 風来の剣
    4.0
    料理屋の女将(おかみ)が襲われ、奉公人が殺された。同じ頃、材木問屋の主が川で謎の転落死を遂げる。事件を追う蓮見宗二郎ら始末人だが、魔手は始末屋の元締・文蔵にまで伸びる! 陰に見え隠れする謎の老武士は何者か?  宗二郎の秘剣“鱗返し”を突き崩す“風来の剣”とは? 始末人に最大の危機が迫る! (講談社文庫)
  • 妻敵討ち 鴉道場日月抄
    -
    江戸・小石川の貧乏剣術道場、柳花館で病に倒れた道場主の代わりを務める師範代・高森弦十郎。門弟とその姉が胡乱な浪人に付け狙われていることを知った弦十郎は二人を匿うが、裏には意外な事情が隠されていた。表題作ほか、世の不条理、時代の波に翻弄される人情の機微を描く、書き下ろし時代小説連作集。
  • 抜討ち半九郎
    -
    抜討ちの達人関根半九郎は、許嫁を犯した上役を斬り、破牢して盗賊の群に落ちた。拾った女お民を連れて、殺人と強盗の凄惨な日々。やがて、最後の大仕事に失敗し、奉行所の追手、血みどろの仲間割れ、敵(かたき)たちとの対決、とすべての結着をつける時が迫って――。苦い人生を急ぐ男を、鮮烈に描く傑作他6編を収録。
  • 絵島疑獄(上)
    -
    七代将軍家継の生母月光院に仕える、大奥大年寄絵島と、当代の人気役者生島新五郎のスキャンダルは事実無根、全くのデッチ上げ! 連坐者千五百名に及んだ一大疑獄事件を、正室派対側室派、保守対革新、尾州家対紀州家等々、幕閣内に渦まく派閥抗争と捉え、犠牲者絵島の人間像に迫る、杉本史眼が冴える長編。
  • 花隠密
    -
    花を好んだ11代将軍・徳川家斉に、各藩は競って自慢の花を献上した。四国・宇和島藩も、花造りの名人・田吹弥兵衛に花菖蒲を造らせ献上した。だが無残にも家斉は冷笑し、細川家献上の肥後菖蒲を讃美する。その結果、弥兵衛は割腹した。息子・弥十郎は、悲憤に耐え肥後に潜入する。花造りを盗むための隠密である。異色の題材に挑んだ時代長篇。
  • 武将と茶道
    -
    名器をあさり、名物道具を無上の贈り物とした武将たち。茶道は、武将の重要なたしなみの一つだった。それは智的レベルの高さを強調する手段でもあり、権力の象徴でもあった。弱肉強食の変転きわまりない社会機構の下で、武将間の離反確執の原因となったり、逆に時代の潤滑油となったりした例も多い。この書は、茶道が歴史に果した役割を興味深く解明するものである。茶道は歴史にいかなる影響を与えたのか?
  • 石田三成
    3.0
    石田三成にまつわる陰湿なイメージは、江戸時代、幕府御用学者によってでっちあげられた虚像である。では、三成という武将のまことのすがたは、どのようであったのか? ――「士は己れを知るものの為に死す」との真の武士の信念を常に肚に収め、故・秀吉の信頼と恩顧にこたえて、大敵・家康に挑み殉じた、三成の生涯と実像を描く会心作。
  • 首一万両
    -
    面子を捨てて利のみを求めて生きる、したたかな商人上りの侍。毒と知りつつ、あえて江戸友禅の秘法に挑む職人。幕府の禁令に抗して、嫌いな家業を継ぐ張形師。若気の至りが、思いがけない人生を招く浮世絵の絵師と彫り師。……意地と工夫で日々の暮しをしのいでいく、江戸の庶民たちを描く、傑作時代小説集。
  • 天下を呑んだ男 「秀吉」が生まれた朝
    -
    夢は身銭を切って購うもの――東海道吉田宿の一夜、針売りの青年・藤吉郎は、旅の僧にこう言い放った。一升八文の酒を仲立ちに「天下」への道が招き寄せられ、一人の男が歩き始める。平凡な人生を大きく転回させ、歴史に名を成す豊臣秀吉へと変貌させた叡智とは何か。英雄誕生に秘められた、成功への発想法を描く。
  • 紅椿無惨 唐人お吉
    -
    下田一の美妓で、明烏のお吉と人気の高かった娘に立った白羽の矢。お国のために、好いた男の夢のために、異人の許に送られたが、通商条約締結後、無惨に砕かれた女だけが残された。ハリスの許から暇を出されたお吉には、下田の町は居づらかった。愛しい鶴松が侍になっているはずの江戸へ、身を隠して行く。時代の嵐に巻き込まれ、男たちの明治維新に利用された女心。美しくて脆かった女の意地を切々と描く、著者初の時代長編小説。
  • 不知火の化粧まわし なにわの源蔵事件帳
    -
    大阪と東京との対抗意識は相撲界にも持ちこまれ、東西合併興行は大さわぎ。上方力士の梅ヶ谷が勝利を収めて湧く大阪の町で、元大関・不知火の化粧まわしが3本盗まれる。不知火も上方から東京に出て、頂上をきわめた名力士だった。元大関のまわしなどを、誰が何の目的で盗み出したか? 海坊主の親分の活躍に期待が集まる! 快調大阪捕物帳。
  • 六歌仙暗殺考
    3.3
    不可解な心中事件から始まった連続殺人の謎に挑む、名探偵・南条圭の推理。殺害現場には僧正遍昭、在原業平といった六歌仙の歌仙絵が、つねに残されていた。犯人を追う鍵は六歌仙の秘密にあるのだろうか。最も現代的な舞台設定と懐しい探偵小説の世界。古典と現代を結びつける、井沢元彦の歴史ミステリー。
  • 武蔵坊弁慶(一)玉虫の巻
    4.3
    源氏再興に義経と行動を共にし、衣川で果てたわれらが弁慶は、身の丈2メートル、130キロの巨躯にみなぎる怪力に似ず、美女・玉虫との恋に身を灼く純情な青年でもあった。正義感に燃えてふるった蛮勇のせいで比叡山を追われた弁慶を待つものは……。剛力無双のヒーロー・弁慶の波乱万丈の生涯を描く痛快巨編。男の強さ、優しさ、哀しさがみなぎる、NHK大型時代劇原作にもなった全10巻。
  • 青江鬼丸夢想剣
    -
    刀鍛冶に育てられた美少年・次郎丸は、一刀流奥義"夢想剣"の会得と引き換えに師匠・伊藤一雲斎を斬り、育ての親を見殺しにする。非情の剣鬼と化した彼は「鬼丸」と名を変え江戸を目指すが、謎の魔手が行く手を阻む。やがて幕府を巻き込む大騒動が!? 吉宗暗殺を目論む異能集団と新陰流一門に挑む、瞠目の剣豪小説。
  • 海音寺潮五郎短篇総集(一)大老堀田正俊他
    -
    歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短編80余編を全8巻に編成。武士の潔さ、日本人の美意識を追求した作家の精髄がここに。第1巻は処女作「うたかた草紙」、実録文学「大老堀田正俊」、西南戦争を背景とした「南風薩摩歌」、忠臣蔵の片岡源五右衛門を通して武士道観を描く「白菊」など、著者が作家としての地位を確立させた記念碑的作品群12篇を収録する。
  • 五人女捕物くらべ(上)
    3.0
    朝の神田川に、女が1人釣り糸を垂れていた。「おおい、姐さん、御注進」。猪牙舟(ちょきぶね)が真一文字に近づいて来る。太公望のおせんと綽名(あだな)される売れっ妓は、老岡っ引小平次の手先として、恐るべき連続女殺しに取り組んでいく……。次々と、五人の女岡っ引が小平次と共に難事件に挑む、連作江戸推理作品集。
  • 公子曹植の恋
    3.3
    三国志の英傑・曹操の公子曹植が13歳で出会った人は、兄の妻となる人だった。義姉への叶わぬ恋を詠んだ詩篇は都の文壇で噂となる。その妃の死後、兄である皇帝の非情な仕打ちに不遇の時を過ごしながらも詩作に打ちこみ変わらぬ想いを抱いた。秘めねばならぬ愛を貫いた詩人の生涯を清新に描く中国純愛ロマン。
  • 本能寺の変
    3.0
    信長の天下統一に向けての戦いのなか戦場での武功は目覚ましいものではなかったが、行政処理の敏腕を買われ信長に重用された明智光秀。39歳のときから信長に仕えて15年、なぜ光秀は信長を討とうと決意したのか? 歴史上もっとも有名な謀叛の真実と本能寺の謎を、画期的な視点から解き明かす傑作歴史長編。
  • 勇のこと 坂本龍馬、西郷隆盛が示した変革期の生き方
    -
    改革も闘争の創造も、最後は勇気があるかないか、この1点が勝負を決める。幕末の混乱期に、類(たぐい)まれなる勇気を持って時代を切りひらいた、坂本龍馬と西郷隆盛。この2人の勇気の源とは? 歴史小説家・津本陽が資料を駆使し分析。どん底の日本を変えるために何が必要か。龍馬や西郷の生きかたに答えがある!
  • 謀殺
    -
    竜造寺隆信は、柳川城主蒲池民部大輔を宴に招き、討ち取ろうと企てる。使者は西岡美濃。美濃は竜造寺家切っての正直者として名高い。彼が「身の危険などなし」と告げ、相手を信用させるわけである。果たして美濃の一世一代のウソは通じるだろうか? 竜造寺家、鍋島家にかかわる悲劇の数々を、練達の筆致で描いた歴史小説集。
  • 講談名作文庫13 荒木又右衛門
    5.0
    「荒木の前に荒木なく、荒木の後に荒木なし」と後の世までも謳われた大剣士荒木又右衛門。宝蔵院覚禅坊、柳生十兵衛、塚原卜伝の三名人から奥義を授けられ、武者修行に出ても敵する者はいない。義弟渡邊数馬に助太刀し三十六人を斬って捨て、義父の仇を討つなど勇名を天下に轟かした、痛快無比の大剣士物語。
  • 講談名作文庫12 快傑自来也
    -
    蝦蟇の上で呪文を唱え、印を結ぶ義賊自来也。あるときは雷獣を手捕りにし、またあるときは仇討ちの後ろ盾になり、出没自在の大立ち回り。佐渡島に籠れる大蛇丸一味と攻防激戦、日本海を挟んで術合戦が炸裂する。怪奇幻妙の大怪奇譚!
  • 講談名作文庫11 由井正雪
    -
    駿河国由井の里に生まれた天才児正雪が、勤王の志に燃え、莫大な軍用金と大勢の剣客・豪傑を集め、徳川幕府を倒そうと企てる。丸橋忠彌、牧野兵庫、柴田三郎兵衛など名だたる人物を仲間に大活躍をみせるが、ついには事破れてしまう。天下を驚嘆させた、慶安年間の大騒動。
  • 講談名作文庫10 一休和尚漫遊記
    -
    幼くして仏門に入り、大徳寺で禅の道を究めた一休和尚。並外れた知恵と頓智で、閻魔様から将軍様までまわりの者を笑わせながら、有り難い仏の教えを説く。「このはしわたるべからず」の立て札を尻目に堂々と橋を渡り、「絵にかいた虎を縛ってみよ」といわれれば、平然と縄を借り受ける。
  • 講談名作文庫9 猿飛佐助
    -
    十歳で戸沢白雲斎より忍術を教わり、修行ののち免許皆伝となった佐助は、十六歳で幸村と出会い家来になる。得意の忍術をもって諸国を漫遊中、至る所で弱者を扶けて強者を挫く。彦根の城下に伊井を脅かし、江戸城に関東方の総帥家康に怖じ気を震わせ、仙台青葉城内では政宗を罵る。時に風を呼び火をおこし雨を呼ぶ変幻出没の快場面の連続、痛快講談。
  • 講談名作文庫8 いれずみ奉行
    -
    桜吹雪のいれずみに世情に通じた名裁き。その名も高いご存じ遠山の金さん。一途な忠誠心を買われて北町奉行に推挙され、権勢欲の権化、鳥居耀蔵一味を駆逐して江戸市民の喝采を浴びる。名奉行の一代記。
  • 講談名作文庫7 鼠小僧次郎吉
    -
    十二歳にして世情に義憤を感じ、善悪の見境なく義侠心を振り回す次郎吉は、親に勘当され、京阪まで男修行の旅に出る。貧しき者を救い不善をなす者を挫くその義侠心と人情味。生粋の江戸っ子魂、鼠小僧次郎吉、侠盗の一代記。
  • 講談名作文庫6 太閤記
    -
    尾張愛知郡中村の農家に生まれた日吉丸は、青雲の志を抱いて家を飛び出し、やがて織田信長に仕える。卓越した手腕、生来の人情味によって、木下藤吉郎、羽柴筑前守と名を変えつつ異数の出世を遂げ、信長亡きあと、明智光秀を倒して天下を統一する。人心魅了の天才の、痛快なる出世講談。
  • 講談名作文庫5 赤穂義士銘々伝
    -
    浅野内匠頭殿中の刃傷、内匠頭の切腹と片岡源五右衛門、母と仲間の殉死になく武林唯七、義士の統領大石内蔵助良雄、堀部安兵衛高田馬場の仇討ち、大高源吾、中村勘助東くだり、神崎与五郎かながきのわび証文、夜なき蕎麦売り杉野十平次、酒屋の手代、恋の岡野金右衛門……など、義士の銘々伝。
  • 講談名作文庫4 柳生旅日記
    -
    父但馬守の腕試しにあって右目を失った十兵衛は、将軍の密命をおびて西国を旅する。沢庵和尚に粗暴を諭され、独眼竜片目はずしの正眼を編み出し、名高き剣豪たちと術を競いながら、薩摩藩へ乗り込む。
  • 講談名作文庫3 大岡政談
    -
    厳正さと人情を失わない名裁きによって江戸市民の喝采を浴び、名奉行の名を残した大岡越前守忠相。扱った多くの公事の中でも、最も許しがたいのは天一坊の偽ご落胤騒動だった。切腹まで覚悟した事件の顛末はいかに。
  • 講談名作文庫2 水戸黄門
    -
    天下の副将軍として諸大名を縮み上がらせた水戸光圀公。隠居してからは百姓姿に身をやつし、助さん格さんという剣術の名人をお供に連れ、諸国漫遊に出かけた。お役人やお侍が、百姓爺だと馬鹿にすると、あに図らんやそれが光圀公。びっくり仰天して大騒ぎ! 山賊退治や孝子の助太刀等、痛快愉快の大活躍。
  • 講談名作文庫1 真田幸村
    5.0
    徳川の大軍を向こうにまわしてびくともしなかった大阪方の強みは、軍略の神真田幸村のいたことだ。自製の新兵器地雷火大砲を用い、たくさんの忍術者を八方にとばし、敵の総大将家康を幾度となく追い詰める。大阪冬夏二陣の際の智謀と追撃に、誰もかれもが大拍手大喝采!
  • 御書物同心日記
    3.8
    将軍家の蔵書を守れ! 新米同心の奮闘記。本の知識では誰にもひけをとらない丈太郎は、天下の稀本珍本が集められた将軍家の御文庫に勤める新米同心。その使命は一にも二にも本を大切に保管すること。個性豊かな先輩同心がそろう御文庫に、同じく新米同心として角一郎がやって来たときから、奇妙な事件が相次いだ――。江戸情緒あふれる連作集。(講談社文庫)
  • 彼も人の子 ナポレオン
    3.0
    世界史の上で、最も強烈な光を放った男、ナポレオン。勇敢さと人並み外れた集中力で、仏皇帝の座に就いた彼もまた人の子であった。幼児性を残し、自己正当化の果てに破滅していく生涯。少年兵の体験を持つ著者が、矛盾する大号令を臆面もなくかけ続けた男の素顔に、現地取材して迫る。(講談社文庫)
  • 雁金屋草紙
    -
    慕情を胸に異才尾形光琳を見つめる女の心裡。奈津が雁金屋の次男と出会ったのは光琳八歳、奈津十歳のときだった。早くも逸材の片鱗を見せる光琳に奈津は胸をときめかすが、それは果たせぬ恋の始まりだった。(講談社文庫)
  • 神州日月変(上)
    1.0
    江戸で評判の美女が次々神隠しにあった。娘達はすべて十八歳で人気絵師清春の姿絵になったという共通点があった。事件を追う同心古河雷四郎を取巻く妖気の正体は。(講談社文庫)
  • 講談名作文庫22 左甚五郎
    -
    古今に類のない名人甚五郎の神技! ちょっと見ると阿呆のように見える彫物大工の甚五郎が、天下の大久保彦左衛門老人をすっかり感心させ、将軍家光公からは莫大なご褒美に預かる。知恩院や広徳寺建築では恩義のため身の危険も顧みず大苦心。日光陽明門の普請の時にはあまりの腕前に仲間から妬まれ、遂に右腕を切られたりする左甚五郎の血と涙の修行物語、任侠義烈の一生です。
  • 講談名作文庫23 幡随院長兵衛
    -
    悪の限りを尽くす直参旗本と、侠客の間で争いが耐えなかった寛永年間の江戸。侠客の代表的存在である長兵衛は、堅気の人々にまで被害が及ぶ大規模抗争になることを懸念、方々走って和解の道を探る。しかし必死の働きも虚しく、狼藉を重ねる旗本。孝行ものの力士が闇討ちされ、手打ちの約束も反故にされた長兵衛は、遂に自らの命をもって旗本頭、水野十郎左衛門を破滅させる道を選ぶ。身を捨てて江戸を救った、真の侠客ここにあり!
  • 講談名作文庫29 野狐三次
    -
    江戸の花形、火消しの中でも男の中の男とうたわれた、野狐三次の痛快活劇! 捨て子の境遇ながらも、華々しい火消しの職を得るまでになる三次。しかし義人の行く手に試練はつきもの、悪旗本から芸者を助け、火事に喧嘩に向かう先々で苦難の連続。けれどもさすがは男・三次、果てには天晴親の仇討ちもなし、継ぐは父の名上州屋秀五郎。火消しの頭にもめでたく相成り、愛する人とも結ばれ、全てが万々歳のうちに終わる胸のすく物語。
  • 講談名作文庫24 田宮坊太郎
    -
    苦心に苦心を重ねて十一年、首尾よく親の仇を討った田宮坊太郎の血沸き肉踊る武勇伝! 運命の孤児となって寺へ預けられた坊太郎が、僅か八歳の身で四国から遥々江戸に上って柳生飛騨守(宗冬)の弟子となり、遂に水戸、柳生両家の後ろ盾で天下御免の大仇討ちをするまでの物語。母親おつじの涙ぐましい激励あり、感激のうちに面白く読める名講談!
  • 講談名作文庫30 佐倉宗五郎
    -
    不当な年貢の取り立てに対し、義人・宗五郎が立ち上がる! 唐突に告げられた年貢の増税に対し、一揆寸前もやむなしとする仲間たち。それを抑えて殿様に不当を直訴しに行く宗五郎だったが、暗君である堀田上野介は聞く耳を持たない。こうなっては命がけで将軍に直訴するしかないと、我が身を省みずに行った訴えは聞き入れられ、堀田家の重臣はそのかどで重く罰されるが……。涙なしには読めない、佐倉宗五郎、任侠義烈の生涯!
  • 講談名作文庫27 後藤又兵衛
    -
    7、8歳のころから怪童丸とあだ名をされた後藤又兵衛。10歳の時にものすごい唐犬を退治し、12歳の時には海賊を退治するなどたちまち黒田家の人気者となる。14歳の時には河屋城攻めに初陣して敵の大将を難なく槍玉にあげ、その名を天下に轟かせた。諸国へ武者修行に出かけ、数多の豪傑と腕比べをし、関ヶ原の戦い、大阪冬夏の両陣には大暴れ、大手柄を立てるなど大活躍の痛快物語。
  • 講談名作文庫25 国定忠治
    -
    僅か十四で病気の父のため、馬方として世に出た忠治。ずる賢い継母の奸計で父を殺されるも、見事親の仇を取る。その見上げた孝行心と人情味溢れる人柄を買われ、若くして親分となった忠治。持ち前の義侠心から、飢饉の村に金を届け、非道な悪人を斬って捨てる善行を行う。しかし往くは極道、日陰の渡世、人々にはその徳を讃えられながらも、お上からは追われる立場になってしまう。その身を仁義の二文字に捧げた、胸を打つ一代記!
  • 講談名作文庫28 寛永御前試合
    -
    時は寛永年間、三代将軍家光公の御前において行われた古今未曾有の武術大試合! 出場するは荒木又右衛門、宮本無三四、関口弥太郎、伊達政宗、大久保彦左衛門、笹野権三郎、間垣平九郎、羽賀井一心斎、磯端伴蔵、柳生飛騨守、由比正雪等々、いずれも当代一流の錚々たる面々! その神技を尽くした決死の大試合は、読者をして手に汗握らせ、快哉を叫ばせずにはいない!
  • 講談名作文庫26 岩見重太郎
    -
    見よ! 愉快! 痛快! 物凄い大場面! 大豪傑の岩見重太郎が大勇を奮って掛川堤の28人斬、7メートルある大蛇退治や身の毛もよだつ怪物退治、父と兄の敵をたずねて血の出るような大苦心、遂に天橋立で晴れの大仇討ちなど、聞いただけでも胸は高鳴り、血を湧かさずにいられぬ場面が次から次への大講談!
  • 講談名作文庫21 雷電為右衛門
    -
    天下無敵!! 大関を16年間張り通した稀代の名力士雷電の手に汗握る大相撲物語。小さい時から力自慢で、大釣鐘を担ぎあげて40人力を現したのをはじめ驚異の怪力ぶり。力士を志して江戸に上り、谷風の弟子となっては場所毎に優勝。トントン拍子の出世。相撲道の名誉のために悪人と戦ったり、愛弟子越の海の仇討ち相撲をとったり痛快な大活躍。
  • 講談名作文庫16 弥次喜多道中記
    -
    面白い! 又とない滑稽読み物! 天下一の滑稽で、弥次さん喜多さんの底抜けの道中記。名を聞いただけでもおかしくなるような、弥次郎兵衛と喜多八は生まれつき天下無類の呑気者で、頓狂であわてもの。昔の東海道五十三次を歩きながら旅をする二人が、あちこちで大騒ぎ。次から次へと、道中いたるところで珍妙無類の大活躍、読み始めたらとても手放すことができない。
  • 講談名作文庫15 天保六花撰
    -
    悪童・河内山宗俊、大いに世にはばかる! 金はない地位もない数寄屋坊主が、持ち前の舌先三寸で江戸八百八町を渡ってゆく痛快譚。悪でありながら人情家でもある宗俊の下に集うは片岡直次郎、森田屋清蔵、金子市之丞、闇の丑松、花魁三千歳という、いずれも一筋縄ではいかない怪人物。世のしがらみに囚われず、思うまま生きるその姿は正に大輪の悪の花、となえて天保六花撰! 江戸に咲いた徒花の散り際、とくと見よ!
  • 講談名作文庫19 塚原卜伝
    -
    後世に剣聖と称えられる塚原卜伝、その血沸き肉踊る生涯を余すところ無く伝える名講談! 幼い時から才の片鱗を煌めかせ、師である上泉伊勢守から見事一本! 長じて後は諸国漫遊、各国名人達人、更には怪猫との死闘までも繰り広げ、遂には父兄の仇、卑怯千万な佐竹弾正を見事討ち取る! これぞ男子の鑑。八面六臂の大活躍を、とくと御覧じろ!
  • 講談名作文庫14 伊達騒動
    4.0
    数多きお家騒動の中で善と悪との争い、これほど腹の底から湧く憤激、これほど腹の底から泣ける感激感動の物語なし。
  • 講談名作文庫18 清水次郎長
    4.0
    「清水港は鬼よりこわい、大政小政の声がする」と恐れられた大政、小政を始め、あまたの子分から親分と慕われ、海道一の侠客としてその名を天下に轟かした清水次郎長の一代任侠物語。死相を気にして家業をやめて侠客となる。石松の金毘羅参り、卑怯な都鳥の刃にかかって無念の最期を遂げた石松の仇を討ちとる次郎長の子分思い、大侠客の面目躍如として痛快無比な物語。
  • 講談名作文庫17 寛永三馬術
    -
    天下の三名人が秘術を尽くして天晴れ輝く技くらべ!! 三代将軍家光公の頃、その人ありと知られた、馬術の三代名人、曲垣平九郎、向井蔵人、筑紫市兵衛が火花を散らして秘伝の技くらべ。手に汗握る大試合、壮絶快絶の大場面ばかり。壮快だ! 人間業ではない素晴らしいものだ。
  • 講談名作文庫20 大久保彦左衛門
    -
    家康、秀忠、家光のような将軍達も、彦左衛門には叱られるという天下御免の御意見番!! 二言目には『鳶の巣文珠山……』を持ちだして、諸大名や旗本達をピシャッと押さえる痛快さ。たらいに乗って登城したり、我慢会を催し若い旗本連中を驚かしたり、胸のすくような痛快な活躍。しかも、誠忠無二の忠臣で、情あり、涙あり、智あり、勇ある快男児。
  • 笑う花魁 結わえ師・紋重郎始末記
    4.0
    菊花結び、鶴結び、宝珠結びに五行結び――。あらゆる“結び”から超人的捕縛術までを操る、漢部紋重郎(あやべもんじゅうろう)は、江戸の花街・吉原で仕事をする結師(ゆわえし)である。ある日、金持の座興で花魁を縛るという依頼を受けた紋重郎は、特注の組紐を手に場に臨む。意外な事の成りゆきと、あらゆるものを結び、解く、神業が連続する痛快書下ろし長編時代小説!   (講談社文庫)
  • 婆沙羅
    3.0
    鎌倉幕府打倒に失敗し、隠岐へ流される後醍醐天皇、お人よしで涙もろい足利尊氏、冷徹な合理主義者足利直義、好色悪逆に生きる高ノ師直、師泰兄弟……百獣横行の乱世を、綺羅をかざり、放埒狼藉をきわめ、したたかに、自在に生きぬいた、稀代の婆沙羅大名・佐々木道誉の生涯を描く、絢爛妖美の時代絵巻。
  • 遺恨の譜
    -
    薩摩藩の勤王派による先走りを、上意によって阻もうとした寺田屋の変。辛くも生き残った志士たちは、国元へ送り返されたかにみえたが、長州とのリーダーシップ争いに腐心する薩摩藩としては、若者たちに苛酷な運命を刻印せざるをえなかった! 歴史の変動に挟みこまれた犠牲者のうめき、酷薄な人生を、鮮やかに浮き彫りにする表題作等4篇。
  • 薩摩軍法
    5.0
    ひっそり暮らす田舎の老爺与茂作に、突然七十万石の太守島津家久から呼び出し命令がきた。「きっとあのことじゃ」と胸に覚えのある与茂作は腰をぬかしそうになる。40年も前の戦場で起きたあの出来事こそ、薩摩武士の酷薄な掟ゆえ秘匿された与茂作の秘密であった。士道の表裏を鮮烈に描く俊英の代表作品集。
  • 恨み黒髪
    -
    猛将立花道雪のもとで、長い滞陣をもて余した35人がひそかに家庭に戻った。これを知った道雪は成敗を命じ討つ手が35人のもとに走った。三杉右京の新妻真砂は、討つ手として訪れた夫の親友甲斐源吾に向かい、夫の自害ののち、ある決意を告げる……。軍律の酷薄さに抗う女心のしたたかさを描いた表題作等、鮮烈な7編を収録。
  • 葉隠無残
    -
    急死した姉に代わって義兄の後添えにと望まれたみなは、そこで初めて驚くべき真相を知らされた。姉は病死ではなく、若党と密通し、それを目撃した義兄に成敗されたのだという。愛妻の裏切りにも毅然と武士道(体面)を貫き通した義兄に、みなは人間としての対決を迫る。葉隠精神の峻烈さと人間性との接点を鮮やかに描いた秀作集。
  • 落日の鷹
    5.0
    天正12年、九州の雄だった竜造寺隆信が戦死し、佐賀35万石の藩主の地位は、隆信の家臣だった鍋島氏に引き継がれた。異例のこの交代劇は、表面おだやかにみえたが、竜造寺家につながる人々にとって、次第に怨念をつのらせる推移となった……。乱世に生きる武門の消長と士魂をドラマチックに描いた歴史長篇小説。
  • 拝領妻始末
    -
    会津藩主松平正容の愛妾お市の方は男子を生んだが、藩主の気まぐれから家臣笹原与五郎の妻として生きる。夫や舅にいたわられる幸せな一時の後、突如再び藩に戻された。彼女の生んだ子がお世継ぎとなったのだ。藩命に屈すべきかどうか。与五郎は父と共に決心をした……。武家社会の非合理を峻烈に描く名作短編集。映画『切腹』の原作「異聞浪人記」を含む8編。
  • 猿ケ辻風聞
    -
    動乱の幕末、尊攘派の公卿姉小路公知は、京都猿ケ辻で刺客に襲われ、非業の死をとげた。刺客の持っていた刀が薩摩の田中新兵衛の差料だったことから彼が容疑をかけられるが、刀は盗まれたものと主張して自決する。複雑な政治状況のもとでの暗殺事件はついに謎のままか? この事件の謎や風聞を巧みにからめた表題作など、歴史秀作10編収録。
  • 胸に棲む鬼
    4.0
    志賀島の竜女に恋着された、凜々しい若者の悲劇、奴隷の牧畜を考える冷酷な美女の本性、防人の留守家族に起った戦慄の事件、女奴隷と恋に落ちた高僧の宿業、女の奸計に引っかかり、生霊をとりちがえてしまった傀儡師の嘆き等、奈良、平安朝の下層民の、命のしたたかな強さとあっけない死を語る、傑作短編集。
  • 斎藤道三
    -
    蝮と言われ、梟雄と呼ばれる戦国の怪物斎藤道三。彼はまさしく国を盗った。一介の素牢人が油売りから身を立てて、ついには美濃一国の主に成り上がったのだ。その智謀と武略、非情ともいえる自在な権謀術数は、さすがの戦国時代においても群を抜いていたといえよう。この一代の傑物の生涯を克明に描く好著。
  • 江戸城大奥列伝
    -
    春日の局――徳川三代将軍家光の乳人となり、家光の将軍継嗣に尽力し、「表」の老中に匹敵するほどの権勢を持つようになった、江戸城「大奥」の取締役。ついでお万の方、矢島の局、桂昌院、右衛門佐の局、お伝の方、左京の方、絵島等々、江戸の時代を背後から彩る大奥婦女を活き活きと描く海音寺史伝。
  • 新顎十郎捕物帳
    5.0
    旗本木村軍之助の屋敷でばくちに負けた大工の棟梁が、美しい娘を借金のかたに奪われた。娘の連れ戻しをたのまれた顎十郎こと仙波阿古十郎は、客を装って旗本屋敷に乗りこむ。しかし、なぜかその旗本が殺されて……。久生十蘭の名作「顎十郎捕物帳」を名手都筑道夫が書き継ぎ、現代に顎十郎をよみがえらせたユニーク捕物シリーズ。
  • 上杉謙信 天の巻
    -
    戦国の動乱を乗り切る武将の経略には現代社会の経営に共通するイズムがある。熾烈を極める戦争と弱肉強食の苛酷な世界を彼らはどう生き抜いたか? では、著者が初の歴史小説として渾身の力で描く、時代の寵児上杉謙信の、真摯・激烈な生涯をのぞいてみよう。時は天文五年(一五三六)の暮れ……。〈全三冊〉
  • 市塵(上)
    4.0
    貧しい浪人生活から儒者、歴史家としてようやく甲府藩に召し抱えられた新井白石は、綱吉の死後、六代将軍家宣となった藩主とともに天下の経営にのり出していく。和漢の学に精通し、幕政改革の理想に燃えたが、守旧派の抵抗は執拗だった。政治家としても抜群の力量を発揮した白石の生涯を描く長編感動作。
  • 天保図録1
    5.0
    上意! 江戸城老中部屋に呼ばれた将軍家慶の側用人水野美濃守は、老中筆頭水野越前守忠邦から、突然の罷免を告げられた。その瞬間こそ天保の改革の幕あけだったのだ。家慶の信を得た忠邦は野望に燃える鳥居耀蔵を町奉行に抜擢、苛烈ともいえる容赦ない諸改革を断行する。天保政治の実相を壮大に描く時代長編〈全5巻〉
  • 異変街道(上)
    3.0
    幕府直轄の要衝、甲府勤番に役替されたばかりの鈴木栄吾が死んだ。死んだはずの栄吾に会ったという向両国水茶屋の主人が何者かに殺された。栄吾は生きている――、親友、銀之介は真相究明のため甲州街道を西へ馳る。そのあとを女が、そして岡っ引が、謎の影が追いかける。街道に異変がおきている――。
  • 決戦!忠臣蔵
    値引きあり
    4.5
    三百有余年、日本人が愛し涙を流し続けた続けた歴史物語『忠臣蔵』。多くの文学賞を受賞している歴史小説界の至宝とも言うべき作家たちが、日本最大の歴史サーガに挑む。傑作アンソロジーが待望の文庫化。
  • 孤愁の岸(上)
    3.8
    財政難に喘ぐ薩摩藩に突如濃尾三川治水の幕命が下る。露骨な外様潰しの策謀と知りつつ、平田靭負ら薩摩藩士は遥か濃尾の地に赴いた。利に走る商人、自村のエゴに狂奔する百姓、腐敗しきった公儀役人らを相手に、お手伝い方の勝算なき戦いが始まった……。史上名高い宝暦大治水をグローバルに描く傑作長編。
  • どうした、家康
    値引きあり
    4.0
    人質から天下人へ。徳川家康のドラマチック人生! 幼少で母と生き別れ、少年時代は人質として各地を転々とした徳川家康。戦国の世を勝ち抜き、天下人として幕府を開くまでに、何度も訪れる人生の節目で、都度難しい選択を迫られた。織田家に囚われてから大坂の陣まで、歴史時代小説の精鋭十三人が趣向を凝らす、歴史改変もありの短編集。〈文庫オリジナル〉 織田家の人質となっていた少年時代 桶狭間の戦い 三河一向一揆 三方ヶ原の戦い 本能寺の変後の伊賀越え 小牧長久手の戦い 関東移封 関ヶ原の戦い 大坂夏の陣 など。 徳川家康の節目となった事績や事件をテーマに、ついに天下を手中に収めるまでの分かれ道を彼がどう切り抜けたか、史実に忠実な作品だけではなく、「あのときこうなっていたら」という歴史改変ものも含むバラエティー豊かなラインナップで、超短編を集めました。
  • 天女湯おれん これがはじまり
    -
    人気作『天女湯おれん』の前夜を生き生きと描く。文政十二年、江戸の町を焼き尽くす大火によって、おれんは、義父も湯屋も失ってしまう。幕府が作ったお救い小屋で生活を始めるおれん。しかし、気風の良さで天女と慕われる彼女のもとには、ここでも次々と厄介事が持ち込まれるのだった。湯屋と裏長屋の再建のため、懸命に走るおれんを描く、爽快な人情話(講談社文庫)
  • 新装版 若き獅子
    3.4
    高杉晋作は、幼い頃から文武に秀で、鬼才と呼ばれた。「脱藩」しては主家に戻り、たちまちにゆるされた。これは異例のことである。いかに彼の才能が頼まれていたかがわかる(「若き獅子」より)。ほかに浅野内匠頭、葛飾北斎、明治の逆賊・小栗忠順など、時代を動かした英雄たちの激烈な人生を描く短編集。
  • 一命
    3.8
    病床の妻子を置いて家を出た浪人は、なぜ自ら命を絶ったのか?―二度映画化され、二度ともカンヌ国際映画祭に出品された不朽の名作「異聞浪人記」の他、武家における殉死の意味を問う「高柳父子」、家族愛を描く「拝領妻始末」など6編を収録。武士の悲哀を描き続けた時代小説家の傑作選。
  • 大江戸遊仙記
    4.0
    隅田川の川面に吹く心地よい春の風。船にゆられて墨提のお花見を満喫した後は深川で牡丹、谷中で螢を愛でる。せわしない現代の東京から、一気に160年前の江戸の町にタイムスリップ(転時)した中年男と意気で気風(きっぷ)のいい芸者の大江戸遊覧紀行。綿密な考証で江戸に遊び、江戸に学ぶ「大江戸シリーズ」第3弾。(講談社文庫)
  • 謀略の首 織田信長推理帳
    4.0
    天下統一を目前にした織田信長にとって、最大にして最後の敵は一向宗の総本山石山本願寺であった。彼らを壊滅すべく、配下の九鬼水軍では秘密兵器、鉄甲船の建造に着手した。本願寺と組む毛利家はスパイを信長の側近に送り込み、計画の妨害を狙った……。怪事件に信長の推理が冴える!長編歴史ミステリー。
  • はやぶさ新八御用旅(一) 東海道五十三次
    3.6
    身分を隠して江戸を発ち、国許へ向かった大名の姫君をお護りせよ。主君根岸肥前守の密命を受け、東海道を西進する隼新八郎。箱根では5人の追手が斬りかかり、宇津ノ谷(うつのや)峠では虚無僧(こむそう)姿の刺客が現れる。容易ならざる道行きには意外な結末が待っていた。大人気「はやぶさ新八」シリーズが新たな旅に出立す!
  • 私説聊斎志異
    値引きあり
    -
    官吏の登竜門である科挙の試験に生涯落第し続けて、その鬱屈をバネに幻想怪異譚『聊斎志異』16巻を書いた、清代の蒲松齢。著者・安岡章太郎は、己れの屈折した戦時下体験をこの作者に重ね合わせつつ、回想小説風に筆を進める。時代と社会と個人の根っこの関係を自在に描いて、人間存在の不可思議な面白さを生きいき剔出する。後の『流離譚』などの作品とも通ずる名篇。
  • 城壁/星 小島信夫戦争小説集
    値引きあり
    5.0
    イデオロギー的偏向やうすっぺらな善悪を超え、戦場の奇妙な人間模様を描くことで、不気味なユーモア、シュールな世界として、〈戦争〉を読者に刻みこむ。兵士たちに蔓延する「迷子病」が県城自体の引っ越しを誘発する「城壁」ほか、寓話的ともいえる作品のなかにも暗号兵としての体験が息づく。戦争文学のもつ既成像を粉砕し、小島信夫の世界観の核を示す九作品。
  • 異域の人 幽鬼 井上靖歴史小説集
    値引きあり
    4.0
    半生を西域に捧げた後漢の人・班超の苦難に満ちた道と孤独な魂の彷徨を追った「異域の人」、留学僧・行賀の在唐31年の軌跡と、入唐した日本人のさまざまな生の選択を描いた「僧行賀の涙」、謀反へと明智光秀を導く心の闇に巣くった亡者に迫る「幽鬼」など、歴史小説の名作8篇を収録。時代の激動を生きぬいた人間の姿を比類なき語りの力で描破する井上文学の魅力溢れる1冊。
  • おろおろ草紙
    値引きあり
    4.0
    天明の大飢饉に見舞われた奥州八戸藩での凄惨な人肉食を鉄砲隊足軽小十郎の日録を追いながら苛烈に描写。飢饉による死者たちの嘆き、生に執着する人々の業を直視し、人間存在の根本に迫る代表作「おろおろ草紙」。ほかに、「暁闇の海」「北の砦」「海村異聞」の歴史小説3篇を収録。著者の郷里に材を得、庶民の強靱な生きざまを鮮やかに描いた傑作小説集。
  • 随筆三国志
    値引きあり
    3.0
    流行りの梁父吟(ロカビリー)が大好きな諸葛孔明は当時のアプレ・ゲール! 強靱なレトリックと博覧強記で縦横に古典を論じ、同じく乱世の修羅にある現代の貌を浮き彫りにする花田流三国志論。戦争中に書かれた比類なき抵抗の書『復興期の精神』から最後の著作『日本のルネッサンス人』まで首尾一貫、転形期の人間像を描き続けた花田清輝が、三国志に託して今の世界を、さらに歴史の未来を透視する知的興奮に満ちた1冊。
  • 日の果てから
    値引きあり
    -
    1945年4月、アメリカ軍沖縄本島に上陸。凄絶な地上戦の〈地獄絵〉の中、逃げ惑う住民。刑務所も遊廓も、そこに縛られる人々も何もかも、沖縄は死の渦のなかで回転しやがて敗戦とともに浄化される。神女殿内(のろどんち)の家柄である神屋家を絡め、文化、歴史、風土を背景に太平洋戦争末期の沖縄戦を神話的世界にまで昇華させた傑作長篇。平林たい子賞受賞。
  • 漂民宇三郎
    値引きあり
    1.5
    天保9年、金六、宇三郎兄弟は、松前を出帆、江戸に回航途中、西風に遭い、漂流6ヵ月、天保10年、米捕鯨船に救助され、ハワイ群島オワフ島に着く。兄と仲間3人を失った宇三郎達生残りは、ロシア領カムチャツカ、オホーツク、シトカを経て、エトロフに送られ、天保14年9月上旬、宇三郎をのぞいて、松前城下に着いた。"自選全集"版未収録の芸術院賞受賞の鏤骨の名品。
  • 江戸文学掌記 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    4.0
    狂歌師・宿屋飯盛はその族籍を四民の外の「遊民」に区分けられたという。名称に潜む軽侮、対する反骨。文学の毒を練り風雅の妙を極めた「遊民」たる江戸文人たちの人、生活、作品を論じ、江戸文学の根幹に迫って精髄を伝える石川淳の真骨頂8篇。「山東京伝」「横井也有」「其角」「長嘯子雑記」ほか。読売文学賞受賞。
  • 鳥獣戯話 小説平家
    値引きあり
    4.0
    一等史料、正史とやらに隠蔽された人物たちを、周到な論理と、痛快・奔放な推理力を駆使して復権し、常に未来に向けての力強いメッセージとして語る、"本物のアバンギャルド"花田清輝の毎日出版文化賞受賞の『鳥獣戯話』、"平家作者考"とも言うべき異色の秀作『小説平家』を併録。
  • 室町小説集
    値引きあり
    -
    三種の神器の一つの“玉”を巡り、吉野川源流の山奥での武家、公家、入道、神官入り乱れての争奪の顛末。南北朝の対立が生んだ吉野・川上村の伝説が、博渉、強靱な思考の虚々実々の息吹で鮮烈に蘇る。転換期の奔流するエネルギーの“魔”を凝視しつづける常に尖鋭なアヴァンギャルド・花田清輝が、“日本のルネッサンス草創期”の“虚実”を「『吉野葛』注」「画人伝」「力婦伝」等の5篇で構築する連作小説。

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