小説・文芸 - 角川春樹事務所作品一覧

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  • ブラザーズ
    3.0
    『ブラザーズ』『ムショぼけ』『インフォーマ』の著者、最新作! 震える、笑える、そして痺れる——ぴっかぴかのヤクザ小説、爆誕! 関西ヤクザ界に「ヒットマンブラザーズ」の異名で知られる危険な男、天空会の萩原紅。懲役囚だが刑務所内に絶大な影響力を持ち、不自由ながら懲役の面白さを感じながら刑期を過ごしていた。やがて出所し組に戻った萩原が引き起こした、構成員1万人とも言われる大川連合とのもめ事。10人の組員しかいない天空会だが、誰も引く気はない。難しいこと考えて、こぢんまりまとまっても、しゃあない――そして、また熱い日々がやってくる。
  • ブラックシープ・キーパー
    -
    異能力を持つ元警察官の桐也は、2年前に姉が精神を病んでいく姿に耐えられず、自らの手で姉を撃ったトラウマに囚われていた。そんな自己嫌悪と孤独に苛まれる日常の中で、無垢なある少女に出会う。この日から、桐也は、生きるための小さな光を見つけていく。映画『レオン』と『ブレードランナー』へのオマージュを込めた、近未来の札幌を舞台に描く希望と再生の物語。選考委員が温かく応援!今野敏氏絶賛の第11回角川春樹小説賞受賞作。
  • 北斗の邦へ翔べ
    4.0
    松前家中の少年、春山伸輔は、尊皇攘夷に与しなかったことで落ちぶれてしまった家名を復権させるべく、箱館の遊軍隊と合流。 榎本軍への撹乱活動を行っていた。 一方、新選組副長だった土方歳三は、蝦夷地にできた箱館政府において陸軍奉行並となっていた。 市中の混乱を収めつつ、近藤勇らと夢見た国盗りを、再びこの地で実現させようとしていた。 薬売りに変じて市中見廻りに出ていた土方歳三は、撹乱活動中だった伸輔と偶然にも知り合うことになる。 互いの正体を知らないままに、知遇を得た二人。 だが激化する戦いが、やがて二人の運命を切り裂いていく。待望の文庫化。
  • 遠足はたまごサンド 星空病院 キッチン花
    3.7
    「遠足のお弁当は、卵サンドとハムサンド、昆布と梅干しとおかかのおにぎり!」──生まれながら心臓に病を抱えている聖也は、手術を決意、入院したが、そこに思いがけないサプライズが……(「遠足は卵サンド」)。八十歳の夫の誕生日に、好物を作ろうと買い物に出た三江子は病院にかつぎ込まれ……(「傘寿のハッピーバースデー」)。星空病院の名誉院長がとびっきりおいしい料理で、幸せの小さな奇跡を起こす全四話。
  • 星空病院 キッチン花
    3.5
    半熟とろりのスコッチエッグ、春の豆ご飯とふきのとうの天ぷら、母の味の水餃子、絶品のハンバーガー──星空病院の新人看護師・高貝志穂は、患者にふりまわされ、先輩からはキツイ注意を受ける日々。そんなある日、今度こそ辞めよう、と落ちこんで寮に帰る途中、ふらりと病院の別館へと吸いこまれた。そこには、名誉院長が特別な患者や客をもてなす食堂・キッチン花があった……。悲しいとき、不安なとき、もちろん嬉しいときにも、美味しくて温かい料理を頂きたい。病院の中の食堂を舞台に描く、心に沁みいる物語。
  • 雪に撃つ
    3.4
    さっぽろ雪まつり開幕前日に北海道警察本部大通署管内で起こった、自動車窃盗事件、少女の家出、そして発砲事件。無関係に見える事件が、一年で一番賑わう札幌でひとつに収束し激化していく。虐待、不正、外国人労働者――佐伯たち刑事たちの執念は届くか? 警察小説の金字塔&大ベストセラー道警シリーズ、圧巻のタイムリミット・サスペンス!(解説 西上心太)
  • パズルの軌跡 穂瑞沙羅華の課外活動
    3.6
    1~5巻733~942円 (税込)
    ようやく就職した綿貫基一の元に一通のメールが届いた。それは“ネオ・ピグマリオン”という怪しげな会社から接触を求めるものだった。渋々担当者と会った綿貫だったが、彼の依頼は、資産家息子の失踪事件の調査を、量子コンピュータを開発した転載美少女・森矢沙羅華にしてほしいというものだった。綿貫は、普通の女子高生に戻ろうとしている沙羅華を説得し、調査への協力を取り付けたのだが――。沙羅華と綿貫に、待ち受ける難事件とは!? 『神様のパズル』の待望の続編、ついに刊行! (解説 山岸真)
  • ボクシング日和
    3.0
    「私は幾度でも、奇跡の目撃者になりたい。そこに物語が生まれるから」──小説家の角田光代さんは、ともかくも心を強くしたいと切望し、二〇〇一年元世界チャンピオンの輪島功一さんが会長をつとめるボクシングジムに入会した。そこから、何度か生の試合を見に行くようになり、ボクシングのファンになった。角田さんは思う。「真の強さとは何かを思わず考えてしまうような試合を見たいものだ」。打たれても打たれても何度でも立ち上がり、懸命に戦う男たちの感動のドラマ。
  • 僕たちの終末
    3.8
    二〇五〇年、太陽活動の異常により人類滅亡の危機が迫るなか、ネット上には〈宇宙船をつくりませんか?〉という怪しげなサイトが立ち上げられていた。詐欺とも思えるサイトの首謀者に接触するため、スタッフに応募した瀬河那由は、その人物が天文学者の神崎であることを知る。宇宙船を作るという無謀な計画に巻き込まれた那由は、父親と神崎とともに“ワールド・エンド・スペーストラベル”を立ち上げるが……。待ち受ける難問の数々を乗り越え、宇宙船を作り上げることはできるのか? 傑作長篇SF。
  • 僕はお金持ちの付き人
    -
    世界53カ国を超お金持ちのボスとともに回り、動画を配信してきた著者からのメッセージ! 130万人超のフォロアーを持つ人気TikTokerはどうやって付き人になったのか? そして、超お金持ちのボスの素顔とは? 大阪・西成で生まれ育った青年・水川友樹。お金も、コネも、将来の夢もない。何も持たない青年は、ただひたすらに「ここではないどこか」を求め、海外に出ることを選んだ。そして運命に導かれるように、日本人の超ド級「お金持ち」に出会う。そこから彼の運命は大きく、大きく変わっていく――。
  • ぼくもだよ。 神楽坂の奇跡の木曜日
    3.5
    「人は食べたものと、読んだものでできている」──書評家のよう子は、神楽坂に盲導犬のアンと暮らしている。出版社の担当の希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。一方、神楽坂で〈古書Slope〉を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。書物への深い愛と強い信頼、それを共有できる大切な人。本に込められた〝想い〟を伝えていく──。(解説・新川帆立)
  • ナイトランナー ボディーガード工藤兵悟1
    3.5
    1~4巻691~693円 (税込)
    世界の戦場で戦ってきた工藤兵悟は、その優れた格闘術と傭兵経験を活かしてボディーガードを生業としている。ある日、工藤の元に、水木亜希子と名乗る女が現れた。かつての仲間の紹介で、依頼を持ちかけられた工藤だったが、直後彼女を狙う男たちに襲撃されてしまう。依頼は、謎に包まれた機密文書と彼女自身を死守すること--期限は3日間。だが、彼女を追ってきた敵は、世界最大の諜報機関CIAだったのだ。警察とCIAを敵に回し、工藤は彼女を守り抜くことはできるのか。傑作冒険サスペンス。
  • またたび回覧板
    -
    どうしてもやめられない日なたぼっこ、山奥の温泉で真っ裸のまま男性用露天風呂をのぞいて見てしまったもの、オードリー・ヘプバーンの髪型にするはずが鳳啓助に似てしまった友人、かわいい女の子だけにすり寄る近所のブチ猫、寝ている間に脳にたまった電磁波を取り除くことが出来る(?!)アイマスク……。大爆笑必至のエッセイ本、装いも新たに登場!著者の自信作「税金童話」も収録。(解説・西村かえで)
  • 街角小走り日記
    3.3
    「公園で池のあひるにガアガアいわれてませんでしたか」などファンの方から「群ようこらしき人物を見た」お便りが送られてくる(「目撃者」)。博物館の厨房に迷い込み、コックさんと目が合った(「方向オンチ」)。ほか、ぴりっとしたユーモア、なるほど! という発見、フムフム、という共感──忍び笑いから大笑い必至の名エッセイ、一〇〇。装いも新たに登場。(解説・永倉万治)
  • 待っていた女・渇き
    3.8
    1巻1,005円 (税込)
    八年前、卑劣な罠で新聞記者を追われた畝原は、以来探偵として一人娘の冴香を養ってきた。ある日、畝原は娘の通う学童保育所で美貌のデザイナー・姉川明美と出会った。悪意に満ちた脅迫状を送りつけられて怯える彼女の依頼を受けた畝原は、その真相を探りはじめたが―。畝原と姉川が出会う猟奇事件を描いた短編「待っていた女」と長篇「渇き」を併録した、感動のハードボイルド完全版。       (解説・長谷部史親)
  • マティーニに懺悔を(新装版)
    4.1
    教会のベンソン神父が若い女性を伴って、街のバーへ私を訪ねてきた。連れの女性・長原美沙子の婚約で、神父は上機嫌に祝杯をあげた。だが、一週間後、自殺未遂の新聞記事に彼女の名前が……。暴力団に乱暴され、婚約を破棄されたのだという。それを知った神父は一人で乗り込み、逆に返り討ちに遭ってしまった。どうやら茶道の師匠である私の、封印したもう一つの顔の出番のようだ――。傑作ハードボイルド、待望の新装版。(解説・西上心太)
  • ミサコ、三十八歳(新装版)
    3.3
    私の幸せはどこにあるのだろう――ミサコは小説誌の副編集長、都心にマンショ ンも買った。でも、四十路を前に、心身とも少々疲れ気味。癖のある作家とのつ きあい、バカなうえやる気がないバイトの男の子の面倒、徹夜での原稿チェック などなど、仕事中心の毎日。それに加え、一人暮らしの父親の心配に、妹の結婚 問題……彼女の心のよりどころは、愛猫のあーちゃんだけ! 働く女の真実と切 実さを、鋭くかつ暖かい眼差しで描く長篇小説。
  • 三鷹台おでん屋心霊相談所
    3.0
    霊が「見える」けれど、その存在を否定したい天哉。霊は「見えない」けれど、信じている陽太(ただし霊がいると無自覚にくしゃみが出る)。幼馴染だが正反対の二人が立ち上げたのは、怪奇現象を科学的に解明する相談所!? そんな彼らのアジトは、三鷹台にある若い女将が営むおでん屋。しかし、この組み合わせにも理由があり……。驚きと温かな感動も呼び起こす心霊ミステリー。
  • 導きの星Ⅰ 目覚めの大地
    3.7
    銀河に進出して数多くの異星人と邂逅した地球は、文明の遅れた彼らを宇宙航行種族にすべく〈外文明支援省〉を設立。〈外文明観察官〉を派遣して、秘密裏に援助を開始した。だが、若き観察官・辻元司と三人の美少女アンドロイドが発見した「スワリス」との意外な接触(と失敗)が、やがて銀河全体を波乱へと巻き込んでいく……。第40回日本SF大賞受賞作家である小川一水が描く、ハートフル・ファーストコンタクトSF。第一巻は「炎」の発明と大航海時代。
  • 密売人
    3.7
    十月下旬の北海道で、ほぼ同時期に三つの死体が発見された。函館で転落死体、釧路で溺死体、小樽で焼死体。それぞれ事件性があると判断され、津久井卓は小樽の事件を追っていた。一方、小島百合は札幌で女子児童が何者かに車で連れ去られたとの通報を受け、捜査に向かった。偶然とは思えない三つの不審死と誘拐。次は自分の協力者が殺人の標的になると直感した佐伯宏一は、一人裏捜査を始めるのだが……。道警シリーズ第五弾、待望の文庫化! (解説・青木千恵)
  • 三星京香の殺人捜査
    4.0
    県警本部刑事部捜査一課の三星京香は、とあることから刑事部長に拳を振り上げ、十年の警察人生に終止符を打った。五歳になる娘を抱える彼女の再就職先は、県内でも有数の法律事務所。だが、事務所内にキッズルームまで作ってくれた居心地の良い事務所の副代表が、殺人事件の重要参考人として警察署に任意同行された!?京香にできることは事件の真相を探ることか……元女性警察官の著者が、警察における女性の立場や警察官の考え方をちりばめながら描く、新しい警察小説。
  • ブロッケンの悪魔 南アルプス山岳救助隊K-9
    3.7
    南アルプス北岳に至る三つの林道で崩落事故が発生、一帯は陸の孤島になった。その頃、内閣危機管理センターに集まる閣僚たちの元へ、自衛隊施設からVXガスが盗まれたと報告がもたらされ、やがて北岳山荘に立てこもるテロリストからの要求が届いた!大型台風の到来で警察も自衛隊も接近不能。しかしそこには三頭の救助犬と山岳救助隊がいた──。
  • 美作の風
    -
    津山藩士の生瀬圭吾は、家格をおとしてまでも一緒になった妻・美音と母親の三人で、つつましくも平穏な暮らしを送っていた。しかしそんなある日、城代家老から、年貢収納の貫徹を補佐するように言われる。不作に加えて年貢加増で百姓の不満が高まる懸念があったのだ。山中一揆の渦に巻き込まれた圭吾は、さまざまな苦難に立ち向かいながら、人間の誇りと愛する者を守るために闘うが……。市井に生きる人々の祈りと夢を描き切る、感涙の傑作時代小説。(解説・細谷正充)
  • 未来へ……上
    4.2
    1~2巻748円 (税込)
    「かなちゃんのお仏壇を、だして」。多賀内若葉は、成人式を迎えた“ひとり娘”の菜苗から、思わぬ願い事をされた。二十年前に双子を授かったときには、愛らしい娘たちと優しい夫の家族四人、いつまでも幸せに暮らすのだと思っていた。けれど、それから五年後の夏、双子の姉・香苗は遠足のバス事故で亡くなってしまった。菜苗の願いを聞き入れ、しまい込んでいた仏壇を出してから、若葉は封印していた悲しい記憶を呼び起こされ、不思議な夢を見るようになる――(全2巻)。
  • 無根の樹
    4.5
    京都西町奉行所同心、榊玄一郎の元に、手下の小吉が現れた。堀川に相対死(心中)の水死体が上がったのだという。骸が発見された橋のたもとに向かった玄一郎だが、現場には西町奉行の侍医、久我島冬吾の姿があった。この医者は頼みもしないのに勝手に検分をして、同心たちとは全く違う見解を述べるので、評判はかなり悪い。しかも『相対死は三日間、四条河原に晒される』という法度があるにもかかわらず、久我島は玄一郎に、人助けと思って、心中である事実をもみ消せと言い出した。一体何が目的なのか!? しかしこの心中事件が市中を震撼させる事態へと発展していく──。
  • メシアの処方箋
    3.4
    ヒマラヤで氷河湖が決壊した。下流のダム湖に浮かび上がったのは、なんと古代の「方舟」だった。こんな高地になぜ文明の跡が? いぶかる調査隊をさらに驚愕させたのは内部から発見された大量の木簡。それらにはみな、不思議な蓮華模様が刻まれており、文字とも絵とも判然としなかったが、なんらかのメッセージを伝えているのは確かだった――。一体、何者が、何を伝えようというのか? 第3回小松左京賞受賞作『神様のパズル』に続く、傑作長編SF、待望の文庫化。
  • 屋根裏のチェリー
    4.0
    もういちど会いたいです──都会のはずれのガケの上にある古いアパート。その屋根裏にひっそり暮らしている元オーケストラのオーボエ奏者のサユリ。唯一の友だちは、頭の中にいる小さなチェリー。「もっと外へ出て行かなくちゃ」とチェリーは言うが……。ハンバーガーやササミカツ定食やレモン・ソーダが好き。食いしん坊でこよなく音楽を愛するサユリと個性的な登場人物が織りなす、『流星シネマ』と響きあう愛おしい小さな奇跡の物語。
  • 山手線謎日和
    3.6
    1~2巻638~704円 (税込)
    小さな出版社の営業として働く折川イズミは、山手線の車内で自社の新刊を熱心に読む男性に気づく。その翌日、五反田駅のホームで歩きスマホの女性が何者かに押され転倒する事件が。怪我人が出たものの、犯人は分からずじまい。目撃したイズミは真相が気になって……。一方、和泉怜史は三十五歳で会社を退職して以来、毎日山手線内で読書するのが日課という変わり者。彼もまた、五反田駅の事件に居合わせていた。正義感の強いイズミと、ひねくれ者の和泉。二人が出会う事件の数々――。
  • ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った
    3.6
    それでも、恋を信じますか-。 幸せになれないとわかっているのに駄目な男に魅かれてしまう麻子、男に妻と離婚させ結婚したが、生活に疲れてゆく宏美、別れた男にストーカーしてしまう誠子、「男なんて、みんなみんな嘘つき」と思わず叫んでしまう私……すれ違い、傷つけ合っても求め合わずにはいられない、男と女のさまざまな愛の形を描く24のショートストーリー。 きっとあなた自身に出会えます。 (解説・鎌田敏夫)
  • 夢のまた夢 人が、命をかけて守りたいものは、何か。
    完結
    -
    天正時代、ローマに派遣されることになった原マルティーノ、中浦ジュリアン、千々石ミゲル、伊東祐益の四人の少年は、フロイスと、ヴァリニャーノに連れられ、安土城へ向かった。織田信長は宣教師の言うことを信じていないという祐益に、「愛というものがどういうものか。自分を信じ、まっすぐに生きるとはどういうことか、帰ってきてわしに語って聞かせろ」と問いかける。ドラマ「MAGI 天正遣欧少年使節」の脚本(鎌田敏夫)を元に、戦国の世を描いた描き下ろし小説。
  • ゆめ姫事件帖
    3.0
    将軍家の末娘“ゆめ姫”は、このところ、一橋慶斉様への輿入れを周りから急かされていた。が、彼女には、その前に、「慶斉様のわらわへの嘘偽りのないお気持ちと、生母上様の死の因だけは、どうしても突き止めたい」という強い気持ちがあったのだ……。市井に飛び出した美しき姫が、不思議な力で、難事件を次々と解決しながら成長していく姿を描く、傑作時代小説。「余々姫夢見帖」シリーズを全面改稿。装いも新たに、待望の刊行開始!
  • ゆるしてはいけない
    3.5
    あの人が、今日壊れた……。恋人や友人に、気を、心を、許してしまったばっかりに、身も凍る体験をしてしまった人々がいる。自分の血を冷凍して食べる彼、どこまでもつきまとってくる友達、実の子供の命を狙う父親――この世でいちばん怖いのは、人間の心の闇だった。「Popteen」連載の二十本と、本書のために書き下ろされたとっておきの十六本を収録した、超恐怖体験満載の一冊。あなたは、簡単に人を信用しすぎていませんか?
  • 宵待草夜情
    4.6
    大正九年の東京。祭りの夜に、カフェ「入船亭」の女給・照代が殺された。着物を血に染めて店を出てきたのは、同じ店で働く鈴子。鈴子の恋人・古宮は、彼女が殺したのかと考えるが──。はかない男女の哀歓を描き、驚きの結末を迎える表題作ほか五篇。人の心の底知れぬ謎、深く秘められた情念から、予想をはるかに超える真実が立ち上がる。不朽の傑作ミステリー、待望の新装版。(解説・泡坂妻夫)
  • 横浜ネイバーズ
    3.9
    横浜・中華街、四川料理の名店「翠玉楼」は来月で閉店を迎える。いずれはオーナーの座を継ぐつもりでいたロンこと小柳龍一は当てが外れ、毎日することもなく、ぶらぶらと暇を持て余していた。二十歳を超えたからって、まだ将来なんて決められない。そんな働く気も夢も、何もない彼の元に次々と厄介事が持ち込まれる。それはロンが〈山下町の名探偵〉と呼ばれていたからだ。「何も手にはもっていないけれど、それでも」──大きな共感を集める等身大のヒーローが誕生!
  • 夜がどれほど暗くても
    完結
    3.8
    全1巻770円 (税込)
    志賀倫成は、大手出版社の雑誌『週刊春潮』の副編集長。スキャンダル記事に自負を持ち、充実した編集者生活を送ってきた。しかし、大学生の息子・健輔にストーカー殺人を犯して自殺したという疑いがかかる。彼の幸福は崩れ去り、取材対象からも罵倒される日々に精神がすり潰されていく。だが被害者遺族である奈々美と出会い……。圧倒的筆致で真実と愛を描く、傑作ミステリー(解説・西原理恵子)。
  • 四階の女
    3.2
    静かで快適な生活をもとめて、新しい部屋に引っ越してきた吉川真昼。しかし彼女には人に言えない秘密があった・・・・・・。常人ばなれした異常な聴覚。普通には絶対聞こえないはずの、日常の騒音――階下の部屋の電話で話す声や小さな物音――まで聞こえてしまうのだ。そして引っ越した矢先に、真昼は階上の住人にある疑念を抱く・・・・・・その男は殺人者ではないか? 人間の心の闇を聞かされてしまう真昼に、いままでにない恐怖が襲いかかる!(『闇の音』)を改題しました)
  • ライオンズ、1958。
    3.7
    一九五六年師走。博多の町は、西鉄ライオンズの大下弘や稲尾和久らの活躍で?んだ日本一の余韻にまだ酔っていた。そんなある日、地元紙の記者・木屋淳二の元に、田宮と名乗るヤクザがやって来た。西鉄をクビになったばかりの川内と中洲の娼妓・双葉が駆け落ちをしたという。木屋は弟分のような川内を心配するが……。「史上最強のスラッガー大下弘」と「伝説のやくざ」そして「普通の記者」の仁義と熱き人情を描き切り、各紙誌でも大絶賛された圧巻の長篇デビュー作。
  • 楽園の犬
    4.2
    1940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が降り立つ。表向きは、南洋庁サイパン支庁庶務係として。だが彼は日本海軍のスパイという密命を帯びていた。日本による南洋群島の支配は1914年にさかのぼるが、海軍の唱える南進論が「国策の基準」として日本の外交方針となったのは1936年だった。その後、一般国民の間でも南進論が浸透していった。この地にはあらゆる種類のスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、海軍の前線基地となるサイパンで情報収集に励んでいた。麻田は、沖縄から移住してきた漁師が自殺した真相を探ることをきっかけに、南洋群島の闇に踏み込んでいく……。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか? そして、どこまで自らの意思を通すことができるのか? 南洋の地を舞台にした壮大な物語がここに――。
  • 乱世を看取った男 山名豊国
    3.5
    かつて「六分の一殿」と呼ばれた山名家は、十二代目・山名宗全が応仁の乱を起こしたことで凋落を始める。この家に生まれた山名豊国は、苦境をはねのけて家を再興することを幼き日からの悲願とするが、毛利と織田の二大勢力に挟まれて国は混乱し、家臣・国衆の反発がその道を阻む。生き残るために心ならずも裏切りを繰り返し、誰よりも太平の世を求め続けた豊国。後世に悪名と轟かせた戦国武将の隠された一面を描く歴史長篇。
  • 乱世をゆけ 織田の徒花、滝川一益
    3.3
    甲賀の忍びあがりの土豪、滝川久助は、里の陰謀で父を失い、兄を殺め出奔。久助は名を一益と改め、諸国を放浪中に織田信長と運命的な出会いをする。一益は、射撃や忍びの腕だけでなく、武将としても力をつけ、信長の寵臣として存在を大きくしていく。天下への道を着々と進んでいく信長だったが、天正十年(一五八二)、家臣・明智光秀の突然の謀反によって斃れてしまう──。一益を頼みとする若き前田慶次郎、伝説の忍者・飛び加藤といった魅力的な脇役も登場。謎多き武将、滝川一益の波乱に満ちた生涯を描く。選考委員が大絶賛した、第九回角川春樹小説賞受賞作。
  • 陸軍中野学校外伝蒋介石暗殺命令を受けた男
    3.3
    自衛隊に特殊部隊を創った著者が自らのルーツである父の人生を明かす、『邦人奪還』を越える衝撃作! 士族の家に生まれ、9歳でニトログリセリンを自製。陸軍中野学校の課題を次々とクリアし、教範を作成し直させた異才は、蒋介石暗殺命令を受けるが……特殊戦に生きる者の心情と歴史の闇を描く、迫真ドキュメント・ノベル。
  • リストラ日和
    3.6
    森山二郎は、日本を代表するメガバンクに勤めるエリート銀行マン。順風満帆の生活を送っていたが、突然、系列子会社への転出を命ぜられる。事実上のリストラである。二十九年間走り続けた日々の、あまりにも呆気ない終焉だった。なぜ自分なのか――現実を受け止められず、葛藤する毎日。リストラの余波で家庭も崩壊寸前の中、銀行員時代に扱った案件で森山は訴えられ、さらなる暗雲がたちこめる……。仕事とは何か?家族は再生するのか?すべての働く人々の心に沁みる長篇小説。(解説・高田郁)
  • リストランテ アモーレ
    3.7
    仔牛のカツレツ、ポルチーニのリゾット、鯛のアクアパッツア、ホタルイカと菜の花のスパゲッティ、レモンパイ――偲と杏二の姉弟で切り盛りしている目黒の小さなリストランテ。名前は「アモーレ」。常連客の沙世ちゃんと石橋さんの理由ありカップルや初子ちゃん、そして、杏二の師匠で今は休養中の松崎さん……など、それぞれの事情を抱えたアモーレどもと季節の美味しい料理の数々を描く、幸福に満ちた物語。(解説・俵万智)
  • 流行作家は伊達じゃない
    3.5
    流行作家・今野敏はどう生きてきたのか――。北海道の信号のない町に生まれて五十八年。漫画家に憧れていた少年は、いつの日か詩を書き始め、ジャズと空手に出会い、そして作家への道を歩んだ。初恋の淡い思い出。高校での寮生活や大学進学での上京物語。就職したレコード会社での苦労話など……。著者の軌跡を綴った自伝エッセイ。東京湾臨海署シリーズでおなじみ、安積&速水の警察学校での青春の日々を描いた、特別書き下ろし短編「初任科教養」も収録。作家生活三十五周年記念として刊行されたファン待望の一冊。(解説・関口苑生)
  • 流星シネマ
    完結
    3.9
    全1巻836円 (税込)
    「いま、ここにいない人やモノの声を聴く」──都会のへりのガケ下の町。鯨塚があるその町で、僕は〈流星新聞〉を発行しているアルフレッドの手伝いをしている。深夜営業の〈オキナワ・ステーキ〉を営むゴー君、「ねむりうた」の歌い手にしてピアノ弾きのバジ君。〈ひともしどき〉という名の詩集屋を営むカナさん、メアリー・ポピンズをこよなく愛するミユキさん──個性的で魅力的な住人が織りなす、静かで滋味深い長編小説。
  • 龍馬奔る 少年篇
    4.0
    天保六年十一月十五日、土佐城下の坂本家では、一貫の目方があって、背中まで金色の毛がびっしり生えた男児が誕生した。龍馬と名付けられたその子は、両親や姉など周りの人びとの深い愛情を受け、たくましく育っていった。そして弘化二年、十一歳の龍馬を、母・幸は、「鯨組に世話になりなさい」と一人、旅に出したのだった……。一方、土佐の山里では、二年半遅れで生まれた中岡慎太郎が大庄屋の跡とりとしてふさわしい少年に成長していた。土佐出身の著者が渾身の力をこめて描く、「龍馬伝」の幕開け。
  • 戦闘空域への帰還 レイヴン・ワークス(1)
    -
    1~2巻682~814円 (税込)
    瀬名一輝は、航空自衛隊で「大鴉」として知られる優秀なパイロットだった。しかし現在は、スカイアロー航空の総務課員として働きながら、一人娘の真珠を育てている。そんな瀬名に接近する国家安全保障局の萬田路人。そして社長の火事光太郎から、北朝鮮の開城から帰国できなくなった視察団のために、救助機MD87を飛ばすことを頼まれる。社の危機を救うため、再び空へと戻った瀬名。だがその救出飛行の裏には、東アジア圏の安定に関わる謎の組織とのミッションが隠されていた――。航空アクションの新シリーズが始まる!!
  • レッド(新装版)
    3.3
    環境庁の外郭団体に出向させられた警視庁捜査四課の相馬春彦は、仕事への情熱を失った日々を送っていた。そんなある日、山形県にある「蛇姫沼」の環境調査を命じられた相馬は、陸上自衛官の斎木明とともに戸峰町に赴く。だが、町の様子がどこかおかしい。なにかを隠しているような町役場助役と纒わりつく新聞記者。そして、「蛇姫沼」からは、強い放射能が検出された――。相馬たちを待ち受けているものとはいったい何か? 傑作長篇小説、待望の新装版。(解説・細谷正充)
  • レッドネック
    3.5
    米系大手広告代理店に勤務している矢吹蛍子は、突然、バンクーバーに出張してケビン坂田という大学の若手講師に接触するよう、社命を受ける。クライアントが六〇億円ものフィーを支払う謎のサイエンティスト・ケビンの正体とは?都知事選が目前に迫る東京であまりに危険なプロジェクトが極秘に進められていた──。結末にすべての読者が震撼する、衝撃のノンストップエンターテインメント長篇。(解説・東えりか)
  • レッドネック
    3.6
    米系大手広告代理店・オメガエージェントに勤務している矢吹蛍子は、バンクーバーに出張し、ケビン坂田という人物と会って欲しいという社命を受けた。クライアントが60億円ものフィーを支払う謎のデータサイエンティスト・ケビンは、無事来日し、高田馬場に仕事を構えるが、担当の矢吹にも極秘プロジェクトの中味は知らされず・・・・・・。
  • 今日はいい天気ですね。れんげ荘物語
    3.9
    有名広告代理店を早期退職したキョウコは、古いアパート「れんげ荘」で貯金を切り崩しながら自由な暮らし。近所の花店で元気なチューリップを買ってきたり、お腹周りが心配になってきたので、遠回りして買い物に出かけたり、「れんげ荘」の元住人・コナツさんの結婚のお披露目会に、久々におめかしして出かけたり。ネコやイヌ、鳥や花や隣人とのお茶の時間などに心を癒されながら、キョウコは今日も小さな幸せを見つけています。 幸せは、人それぞれ―― キョウコは自分でも「休みすぎ!」とツッコミを入れながらも、無職のまま、月10万円の生活をのんびり続けています。 ささやかな楽しみを見つけながら。 ロングセラー「れんげ荘物語」シリーズ、第7弾! 書き下ろし長篇(どの巻からでも、お楽しみいただけます)
  • ワイルドドッグ 路地裏の探偵
    4.0
    浅草の古ぼけた遊園地『花やしき』裏で、調査会社を営んでいる元警察官の松戸。覚えのない不祥事に巻き込まれ、出所不明の口止め料4千万を渡された挙げ句、身辺を張り込まれるという境遇に陥った彼は、人生の負け犬を装って探偵を続けていた。そこに警視庁の同僚だった紅林から警察官に成れなかった少女・依美を共同経営者にしないかという申し出が来る。不穏な匂いを感じつつも、それを受け入れた松戸は、紅林経由で依頼のあった教育機関役員の素行調査を進めるのだが……。新たなる探偵バディ小説の登場!
  • Y

    Y

    3.9
    ある晩かかってきた一本の奇妙な電話。北川健と名乗るその男は、かつて私=秋間文夫の親友だったというが、私には全く覚えがなかった。それから数日後、その男の秘書を通じて、貸金庫に預けられていた二枚のフロッピー・ディスクと、五百万の現金を受けとることになった私はフロッピーに入っていた、その奇妙な物語を読むうちにやがて、彼の「人生」に引き込まれていってしまう。この物語は本当の話なのだろうか? 時間を超えた究極のラブ・ストーリー。(解説・香山二三郎)
  • 私、死体と結婚します
    3.0
    看護師の真野七海は、婚約者の高辻真悟と結婚するために東京の病院を辞め、彼が住む札幌に引っ越した。その三日後、急遽頼まれた夜勤を終えた七海は、そのまま真悟と共に役所に婚姻届を提出する予定だった。だが雪の積もる道を一人帰った七海を待っていたのは、ベッドの上で物言わぬ死体となっていた彼だった――。七海が下した驚きの決断とは!? 衝撃の結末へ誘われる、書下ろしサスペンス!
  • 鯨オーケストラ
    NEW
    -
    僕は、町のローカルラジオ局で、深夜の番組を担当している。ある日ラジオで、十七歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、とある美術館で、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届く。そこから導かれるようにして、僕の時間は動き出した──。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、もぎり嬢の多々さん、鯨オーケストラ……時間も空間も記憶も越えて、すべてがつながっていく、小さな奇跡の物語。
  • 新! 店長がバカすぎて
    NEW
    -
    三年ぶりに吉祥寺本店に店長として復帰した山本猛は張り切るが、相変わらず人を苛立たせる天才だ。それでも部下の京子は新人作家の才能に打ちのめされ、好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っている。スタッフや作家の大西先生や小料理屋を営む父親などの応援を受けながら──。思いっきり楽しんだあとに小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く考えさせられる、二〇二〇年本屋大賞ノミネート作品の第二弾。(解説・大九明子)
  • パルウイルス
    NEW
    -
    アメリカCDC(疾病予防管理センター)で新型コロナ対策を陣頭指揮してきた遺伝子工学の研究者カール・バレンタインは、旧知のナショナルバイオ社副社長のニックに頼まれ、同社の研究所で古い肉片からエボラに似た未知のウイルスを発見する。「もしこのウイルスが活性化したら……」というカールの懸念は現実化し、次第に感染者が増えていく。やがてウイルスを生物兵器として利用しようとする存在が──。『TSUNAMI 津波』『首都感染』などで未来を予知し続ける著者が警告する、私たちを襲う未曾有の危機。
  • 凶獣の村 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎
    NEW
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    引退した刑事・三ツ輪勝也が殺され、その孫娘である楓花が誘拐された。身内を巻き込んだ犯罪に怒りを隠せぬ捜査一課。鳥越恭一郎も、捜査へと駆り出されるが、事件の現場となった胎岳村は、かつて三ツ輪が追いかけていた、未解決の少女殺害事件が起きた場所だった。村は『十雪会』と名乗る新興宗教の拠点であり、警察と軋轢がある。果たして鳥越は、村に潜む人の姿をした悪意を暴き、楓花を救うことが出来るのか?
  • ブリザード・フラワー
    NEW
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    老朽化した警察拳銃を新しいものに交換することとなり、廃棄処分のため移送されていた拳銃百四〇挺と実弾千四百発が何者かに強奪された。犯人はその拳銃に弾丸を装塡し無作為にばら撒いた。「お役に立つと思います」というメモとともに。そして都内では重大犯罪や自殺が頻発し始めた。厳重警戒体制下におかれた東京、「警視庁の祟り女神」と呼ばれる組織犯罪対策部の氷見麻里子はバディの越石渉とともに奪われた拳銃を追う……。警察小説シーンに新たなヒロイン登場!
  • 柳橋物語
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    「この物語、年代を問わず全ての女のためにあるのかもしれない。そして、本気で女を愛せる男たちのためにも」(あさのあつこ・巻末エッセイより)。「待っているわ・・・・・・」明日上方へ旅立つ男からの告白に幼い感傷で応えてしまったおせんが、その一途さゆえに歩むこととなった苛酷な生涯を描いた恋愛小説の傑作「柳橋物語」、万年補欠とも称すべき武家の四男としての人生を堂々とまい進する青年とその家族の物語「ひやめし物語」、あまりの世間しらずに幽霊たちもたじたじ・・・・・・講談調の滑稽譚「風流化物屋敷」。人間の諸相を巧みに、鮮烈に描き出した三篇を収録。(エッセイ/あさのあつこ、編・解説/竹添敦子)
  • 五辯の椿
    NEW
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    天保五年の正月、むさし屋喜兵衛の寮から火の手が上がり、焼跡から三人の焼死体が見つかった。三人は、長く結核を患っていた当主喜兵衛と、妻おその、娘おしのと認められる。一方その年の晩秋、江戸の町では殺人事件が相次ぎ、骸の傍らには必ず椿の花弁が残されていた。被害者はいずれも殺されて当然と思われるような悪名高い男たちばかり。この一連の事件に、与力青木千之助が捜査に当たる。聞き込みの末に若い娘の影を掴むが、果たしてその娘とは・・・・・・。法で罰することのできない、けれど到底許しがたい罪をどう裁くべきか――昭和の文豪・山本周五郎渾身の傑作長篇。(エッセイ/澤田瞳子、編・解説/竹添敦子)
  • 女は同じ物語
    NEW
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    城代家老の子息・広一郎の女嫌いは、許婚者に見向きもしないほどの徹底ぶり。ある日、家庭内で絶対的権力を持つ母のさしがねで、紀伊という侍女をつけられて――。ユーモアたっぷりに女性の主導の恋を描いた「女は同じ物語」をはじめ、藩を捨て、浪人となり裏長屋に安住の地を求めた信兵衛の人情味溢れる生き方を描いた「人情裏長屋」など、「人間の持つ愛憎、苦悩、悲哀、妬心、人情などの、感情の全てが描かれている」(今井絵美子・巻末エッセイより)周五郎作品から、名作全五篇を精選。文庫オリジナル。(編・解説/竹添敦子)

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