楽園の犬

楽園の犬

1,980円 (税込)

9pt

1940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地に、横浜で英語教師をしていた麻田健吾が降り立つ。表向きは、南洋庁サイパン支庁庶務係として。だが彼は日本海軍のスパイという密命を帯びていた。日本による南洋群島の支配は1914年にさかのぼるが、海軍の唱える南進論が「国策の基準」として日本の外交方針となったのは1936年だった。その後、一般国民の間でも南進論が浸透していった。この地にはあらゆる種類のスパイが跋扈し、日本と他国との開戦に備え、海軍の前線基地となるサイパンで情報収集に励んでいた。麻田は、沖縄から移住してきた漁師が自殺した真相を探ることをきっかけに、南洋群島の闇に踏み込んでいく……。時代が大きなうねりを見せる中、個人はどこまで自分の考えを持つことができるのか? そして、どこまで自らの意思を通すことができるのか? 南洋の地を舞台にした壮大な物語がここに――。

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楽園の犬 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    喘息を持病に持つ麻田がサイパンに渡り、海軍のスパイとして働く。彼は最後まで死を美化することなく、生きようとする。名誉の戦死、自決の美学を否定する。最終章…ひょっとして生き延びたのでは?という希望も…彼はアメリカ軍によって銃殺されていた。その事を告げに来た、ローザ・セイルズの父、フィリップ経由で手に入

    0
    2025年10月25日

    Posted by ブクログ

    プロローグ

    灼熱のアスファルトから立ち昇る蜃気楼は、
    自身の影をゆらゆらと揺らしている
    太陽からは容赦無く熱波が放射され、
    己からは汗が吹き出している 
    纏わりつく湿気も実に不快だ
    我が国はいつから亜熱帯気候になってしまったのか

    80余年前の彼の地、サイパンも
    昨今の日本のように灼熱だったに違い

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ


    1940年、太平洋戦争勃発直前のサイパンの地に降り立った元女学校英語教師の麻田健吾。表向きは南洋庁サイパン支庁庶務係としての赴任だが、その実態は日本海軍のスパイという任務を帯びていた。

    島内を跋扈するあらゆる種類のスパイたち。海軍vs陸軍、アメリカ人vs島民、内地vs沖縄、あらゆる対立構造が生み

    0
    2025年08月22日

    Posted by ブクログ

    岩井圭也さん「楽園の犬」
    著者の作品は「汽水域」以来5作品目。
    80年前の終戦に合わせて結構前からこの「楽園の犬」を本年の8月の一冊にしようと決めていた。

    まず表紙。「鳳凰木」という樹木、全く知らなかったのだがサイパンでは「南洋桜」というらしい。
    現在もだが、日本人にとって戦中は特に「桜」とはある

    0
    2025年08月17日

    Posted by ブクログ

    圧巻。途中まで、この短編ミステリーのような話が最後まで続くのだろうか?と読む手が止まりかけた自分に教えてあげたいです。

    0
    2025年07月14日

    Posted by ブクログ

    戦時下、麻田は喘息の持病を抱え、単身サイパンへ。スパイ活動を余儀なくされるのだが…重厚、且つ鋭い機微を活写する筆勢は圧巻。世界で戦争が勃発している今こそ、読んでほしい一冊。戦争を戒め、反戦を促す良書だ。

    0
    2025年06月15日

    Posted by ブクログ

    とても読みごたえのある本だった
    "生きる"、"自分の意思ん持つ"事が難しい時代だったと思う

    私がこの時代にいたらどうなっていただろう
    ただ流されるまま人に言われた通りだっただろうなと思う

    0
    2025年05月18日

    Posted by ブクログ

    面白かった。戦時中のスパイものだけれど、体の弱いインテリがスパイっていうのも珍しく楽しめた。
    最近、読みたいものを読む読書を控えていた。生活や人生における焦りで、何か身になる物を読まなければと、読みたい本ではなく読んだ方がいいだろう本を続けて読んでいた。社会問題、地政学、教育の本など…すると、気分は

    0
    2025年05月14日

    Posted by ブクログ

    戦前のサイパンを舞台にした防諜系スパイもの。いわゆるスパイものとは雰囲気が違って、普通な感じのエリートがっていうのが面白い。岩井圭也、こういうのも書くんだ。それにしてもサイパン、気になる……。

    0
    2025年04月29日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争勃発直前の南洋サイパンが舞台。
    自分の苦手な戦争やスパイがテーマなのに今回も一気読みだった。

    スパイといっても敵国の情報を取得するスパイではなくて、スパイを見つけるスパイ。
    そこにミステリーと人間ドラマが入ってくるので、戦争ものでもエンタメ性があってとても読みやすい。

    私のように決まっ

    0
    2025年04月08日

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