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Posted by ブクログ
表題作は、短すぎて起承転結がダイナミックさを欠く。オチが弱いというか、後半のどどどっという怒涛の展開があっけなさすぎる。まあ仕方ないよな。娘がまだ無邪気なお子様で、かわいい。子どもたちの成長を見守るのも本シリーズの楽しみの一つである。
渇きは、嫌な刑事である井原がいい味を出している。うねはらに対する嫌味が陰険で陰惨で、たまらない。
2020.3.5再読。
凡百の書き手なら美談にしかねない井原の真摯さを徹底して疑ううねはらの態度、筆者の人間観察の際の冷徹な視線が垣間見える。
印象に残ったのは、ラスト。これまで自分の子どもの大切さというのが実感としてはわかっていなかったのだろう。
空手の描写が弱いことにも気付いた。攻撃を外受けで受けるとか、形式的すぎる。空手を離れたアクションの描写はいいのに、なんでだろ?
Posted by ブクログ
端野教授の妙な依頼を受け、無事その仕事を終えた畝原はアテナ女子短大の学生である村中静恵より『ナビゲータ』の社長のセクハラ現場を押さえてほしいと依頼を受ける。
同じような被害をこうむっている友人達よりかき集めた依頼料は20万。美人局のような依頼に気乗りしないものの何故かその依頼を受注する。ターゲットである梶山と静恵の友人である貞子が首尾よくホテルへしけこみ、現場を押さえるはずだったのだが、貞子は殺され、ターゲットの梶山はホテルの屋上より飛び降り自殺を図った。一見、単純なこの事件は探りを入れてゆくうちに複雑な様子を見せ出した。ナビゲーターの営業二部の妙な噂。そこに席を置く生野の不可解な事故死。娘の冴香の周りにうろつく怪しい陰。大物資産家からの破格の依頼。一つ一つバラバラな様相を見せていた全ての出来事はやがて一つの結末へと流れて行く。
「待っていた女」の方は短編なのでかなり物足りない感じはあるが、「渇き」は面白い。まず主人公の畝原が好きだなぁ。一生懸命『おとうさん』してるし。芋ずる式に色々と出てきて最初から最後まで飽きが来ない。全くの傍観者だと思っていた人物の一人を「あー!こんな処に絡ませるのかっ!」等と、してやられた。いやはや奥が深い。
最後のシーンは、歯切れが良すぎて「もうちょっと書いて欲しいんだけどぉー」と思ったのは、読者のエゴですかね?
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