人物評伝作品一覧

  • 不屈の春雷 十河信二とその時代 上
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    1~2巻1,980円 (税込)
    ■東海道新幹線「生みの親」として知られる元国鉄総裁・十河(そごう)信二の波乱の前半生――。 東京帝大在学中に時の鉄道院総裁・後藤新平と出会い、鉄道院に入る。帝都復興院で関東大震災の復興事業に携わるなか、贈収賄の嫌疑をかけられる。無罪を勝ち取ったが鉄道省を去り、満鉄の理事として動乱の中国へ赴く。 十河が故郷・西条市に寄贈した膨大な資料をもとに、鉄道省贈賄事件の真相など埋もれた事実を丹念に掘り起こし、十河信二と彼の生きた時代を生き生きと描き出したノンフィクション。一代の風雲児、波乱の前半生――。 [目次] 序 章 「明治以来の夢なり」 第1章 ストライキの青春 第2章 「巌頭の感」の衝撃 第3章 恩師・後藤新平と鉄道 第4章 西条学舎と米国留学 第5章 「種田・十河時代」と盟友たち 第6章 関東大震災と帝都復興院 第7章 復興局疑獄事件 第8章 「友情」の無罪判決 第9章 動乱・満州の風雲児 <著者略歴> 牧 久(まき・ひさし) ジャーナリスト。一九四一年、大分県生れ。六四年、早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。同年、日本経済新聞社に入社。東京本社編集局社会部に配属。サイゴン・シンガポール特派員。名古屋支社報道部次長、東京本社社会部次長を経て、八九年、東京・社会部長。その後、人事局長、取締役総務局長、常務労務・総務・製作担当。専務取締役、代表取締役副社長を経て二〇〇五年、テレビ大阪会長。現在、日本経済新聞社客員、日本交通協会会員。著書に『サイゴンの火焰樹――もうひとつのベトナム戦争』『特務機関長 許斐氏利――風淅瀝として流水寒し』『「安南王国」の夢――ベトナム独立を支援した日本人』(各小社刊)がある。 ※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『不屈の春雷 十河信二とその時代 上』(2013年9月28日 第1刷)に基づいて制作されました。 ※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
  • 石橋湛山の65日
    3.8
    石橋湛山は首相としての在任期間がわずか65日である。近代日本史の上では最短に近い。しかし私は、「最短の在任、最大の業績」と思っている。これに対峙するのは「最長の在任、最小の事績」という言い方をしている。 石橋はわずかの期間だったが、言論人の時の自らの信念が政治の年賦に刻まれていると思えば、宰相の意味も変わってくるし、その重みも他の総理とは異なっている。最長の首相がさしたる事績が残さなかったとするならば、そこに比較しても首相の格の違いが浮き彫りになるだけではないだろうか。 石橋はその短い在任期間に、首相というのは日頃から思想や哲学を明確にしておくことの重要性を教えた。首相が何を目指し、どのような方向に、この国を率いていくのか、そのことを国民は知りたい。それは首相を目指す政治家が日頃から信念を発信する姿勢を持たなければならないように思う。石橋を真似せよ、と強調しておきたいのである。 ──〈おわりに〉より 太平洋戦争の終戦から10年余の時を経た昭和31年、国内政治の民主化と自主外交を旗印にした石橋湛山政権が誕生した。だが、わずか65日の短命で終わる――。そして、日本は自主性なき外交の道を歩み出した。戦前・戦中から一貫して小日本主義、反ファシズムを唱え続けた反骨の言論人が、戦後、政治家の道を歩み、首相の座を降りるまでの激動の保守政治の史実を克明に描き、短命に終わった“まぼろしの政権”が日本人に投げかけた謎に迫るノンフィクション。新型コロナウイルスの未曾有の危機が立ち去った後、日本の前途は洋々たりと歩むために立ち返るべき、もう一つの戦後史!
  • ブリヂストン石橋正二郎伝 久留米から世界一へ
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    世界一のタイヤメーカーに育て上げたブリヂストンの創業者・石橋正二郎の生涯を活写! 福岡県久留米に生まれ、小さな足袋屋から身を起こし、地下足袋を考案し、当時日本では無理といわれた自動車のタイヤ製造を始め、ついに世界一のタイヤメーカーに育て上げたブリヂストンの創業者・石橋正二郎の生涯を活写した伝記。 【目次】 序 昭和恐慌の真っ只中に創業した石橋正二郎 第一章 久留米と正二郎 事業家石橋正二郎を育んだ祖父安平と久留米商業 足袋王国久留米の魁となった倉田雲平 第二章 実業家への途 大実業家への道を拓く正二郎 独創が独走を生むことを知る 価格革命で市場を制する 大実業家石橋正二郎の誕生 世界商品で世界を制覇  第三章 タイヤメーカーとして歩み始める 国産タイヤこそわが生涯の事業 ブリッヂストンの誕生 日本足袋と経営を分かち、新生ブリヂストンを築く 第四章 世界のブリヂストンへ 世界レベルへ、技術革新で大躍進 果敢な営業で国内を制覇 世界一の工場で世界一のタイヤづくり 第五章 人びとの楽しみと幸福のために 創業者石橋正二郎の最後の決断 企業は公器なりを掲げ、経営と資本を分離 世界企業として羽ばたくブリヂストン 独創と独走の経営を探る 理想社会づくりを目指した正二郎  世界遺産としての絵画コレクションを守るために   参考および引用資料  あとがき 【著者】 林洋海 1942年福岡県生まれ。久留米商業高校卒業。トッパンアイデアセンターを経て、AGIOデザイン主宰。福岡アジアデザイン交流協会会長。日本グラフィックデザイナー協会会員。
  • おてんとうさんに申し訳ない 菅原文太伝
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    映画俳優だけではない、菅原文太氏の一面 映画俳優として確固たる地位を築き、多くの人から愛された菅原文太氏。ただ、「映画俳優」が彼のすべてではない。彼は2014年11月に他界する少し前に「日本を再び戦争をする国にしてはならない」という思いから命を削って沖縄県知事選の応援に臨んだ。また、「政治の最大の責任は国民を飢えさせないこと、戦争をしないこと」という信念から無農薬有機農業を始め、さらにはラジオや雑誌の対談に同様の問題意識を持つ専門家を呼び、積極的に発言してきた。今改めて、我々は菅原文太氏の最後のメッセージを考えていく必要がある。 【目次】 第一章 俳優になるまで 第二章 新東宝・松竹時代——主役から脇役へ 第三章 東映時代(一)——時代劇、任?映画の様式を壊す文太 第五章 文太の思い 【著者】 坂本俊夫 昭和29年(1954)、栃木県宇都宮市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。著書に『シリーズ藩物語 宇都宮藩・高徳藩』、共著に『東の太陽、西の新月?日本・トルコ友好秘話「エルトゥールル号」事件』、『明治の快男児トルコへ跳ぶ?山田寅次郎伝』(いずれも現代書館)などがある。
  • 夜が明けたら 蒼井そら 完全版
    -
    【電子版のご注意事項】 ※一部の記事、画像、広告、付録が含まれていない、または画像が修正されている場合があります。 ※応募券、ハガキなどはご利用いただけません。 ※掲載時の商品やサービスは、時間の経過にともない提供が終了している場合があります。 以上、あらかじめご了承の上お楽しみください。 電子完全版にはココでしか見られない未公開特典写真から本編ではカットしたオリジナルエピソードをノーカットでお届けします! 心だけは決して脱がないと決めてAV女優になった蒼井そらが初めて明かした、心のヌード!  完全版では本編でカットした元AV女優・蒼井そらの初体験エピソードからプライベートな性事情、 本編未公開カットも収録。普通の芸能人になりたかった彼女が人にSEXを見せる特殊な仕事につき、 普通の幸せを手に入れるまでの激動な物語をノーカットでお届けします。 藤原 亜姫(ふじわらあき):2008年ケータイ小説史上空前のアクセス数を誇った『インザクローゼット blog中毒』(河出書房新社)で作家デビュー。他著書には同作品のスピンオフ『クローゼット・フリーク』『東京娼女』などがある。 人間の弱みや闇を独自の視点で痛快な物語に変える。 蒼井そら(あおいそら):1983年11月11日、東京都に生まれる。2002年6月にグラビアデビュー。 それから4年間、日本を代表する国民的セクシータレントとして、グラビア、バラエティ、 アダルトビデオ、Vシネマなどで幅広く活躍。 2018年1月に結婚し現在は双子の母。中華人民共和国でもタレントとして活動。 中国版Twitter・Weiboではフォロワー数1900万人超えの人気タレント。
  • 加賀乙彦 自伝
    4.5
    私は『永遠の都』『雲の都』を書くために作家になったような気がします。――二・二六事件の記憶、陸軍幼年学校における敗戦体験、医学生時代のセツルメント運動、東京拘置所の医務部技官時代、犯罪学・精神医学研究のためのフランス留学、『宣告』のモデル・正田昭との交流、キリスト教の洗礼…自らの生きてきた八十余年の歩みを注ぎ込んだ九千枚におよぶ大河小説の“詩と真実”を初めて明かした、語り下ろし自伝。
  • 誰も知らないカルロス・ゴーンの真実
    -
    ★ゴーンとは何者だったか? ゴーン事件が日本と世界に与えた衝撃とは? 在日フランス人記者が徹底取材! ★一気読み必至の怒涛のノンフィクション! ・ブラジル系―フランス系レバノン人ゴーンの生い立ちとは? ・ゴーンが語ろうとしない家族の問題とは? ・フランスでの学生時代はどのようなものだったか? ・仏タイヤメーカー・ミシュランで培ったゴーン流経営のスタイルとは? ・ルノーが日産を救済した本当の理由とは? ・ゴーンはいかにして日産を救い、日本のスターとなったか? ・ゴーンはいつから私利私欲を満たす権力者と化したのか? ・ゴーンが報酬を増やすために試みた資金工作の詳細とは? ・ゴーンを検察に突き出すことになった日産内部での密談とは? ・東京拘置所でのゴーンの生活はどのようなものだったか? ・日本の司法制度は、海外の目にはどのように映っているのか? ・なぜゴーンは2019年の年末に日本脱出という手段に出たのか? ゴーンの光と闇のすべてを語る!
  • パリの「赤いバラ」といわれた女
    3.0
    知られざる大女優の美しくリッチで波乱の生き方 谷洋子(1926~1999)の祖母は鏑木清方の有名な美人画のモデル。この鏑木の美人画「築地明石町」は44年ぶりに世に出て、国立近代美術館が購入。今年の11月から展覧会で一般公開される。母はモダンガールで佳人薄命の美人。文字通り美の家系のセレブが、一年間という条件で単身、パリに留学。しかし、本心はそのまま滞在し、パリで女優を目指すつもりだった。 谷洋子は、歌手アズナブールなどが出演している最高位キャバレー「クレイジー・ホース」で稼ぎながら、女優を目指し、フランス映画、アメリカ映画、イタリア映画に出演、1957年にイギリス映画の大作「風は知らない」で主役を勝ち取った。この映画で谷洋子は欧米では完全に国際映画スターとして認知され、出演依頼が殺到する。その後、数々の著名人、藤田嗣治、レジェ、ブラック、ブラマンク、ローランサンなどと交流、富と名声を手にする。
  • 神さまとぼく 山下俊彦伝
    3.7
    【パナソニックの危機を予見した男】 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と絶賛され、家電メーカーの売上が倍々ゲームで増え続けた80年代に、「危機の到来」を予見していた経営者がいた。山下が生きた時代を通して見る、パナソニック激動の50年史。 世界屈指の家電メーカートップだった彼は、絶頂期にあって「アクション61」と呼ばれた全社的な大改革プランを打ち上げる。家電メーカーから産業エレクトロニクス・メーカーへの転換、国内企業からグローバル企業への転換を訴えたこの改革は、まさに先見の明をもつ改革であった。仮に、松下がこの大改革を実行していれば、日本のエレクトロニクス産業の姿は、現在とはまるで違うものになっていたかもしれない。 山下が全身全霊を傾けたこの改革は、なぜ実現しなかったのか。バブルで狂乱状態にあった家電市場、創業家を交えた社内人事抗争、グローバル化と経営危機など、山下俊彦が生きた時代を通してパナソニックの絶頂からどん底までを描いた人物評伝の傑作。
  • 小説 龍馬 いま
    -
    詩人・原子修が現代人に贈る“新しい龍馬像”。生涯を「平和の業による世直し」への理想で貫いた龍馬の〈奇跡〉のいわれを尋ねあてようとさまよう私に、姿なき龍馬が、声なき声で語りかける。
  • 暴君~新左翼・松崎明に支配されたJR秘史~
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    暴君に支配された「平成JR秘史」。 2018年春、JR東労組から3万3000人の組合員が一挙に脱退した。同労組の組合員はあっという間に3分の1に激減し、崩壊の危機に追い込まれてしまった。いったい、何が起こったのか――。 かつての動労、JR東労組委員長にして革マル派の実質的な指導者と見られる労働運動家・松崎明の死から8年。JR東日本が、「JRの妖怪」と呼ばれたこの男の“呪縛”から、ようやく「解放される日」を迎えたのか。 この作品は国鉄民営化に「コペルニクス的転換」といわれる方針転換により全面的に協力し、JR発足後は組合にシンパを浸透させて巨大な影響力を持った男・松崎明の評伝であり、複雑怪奇な平成裏面史の封印を解く画期的ノンフィクションである。
  • 宮地貫道伝 -信念と気骨の明治人-
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、木村達也著『宮地貫通伝 ―信念と気骨の明治人―』(平成30年9月15日発行)を電子版およびPOD版として、株式会社オーム社が出版者として発行するものです。原書は上製・カバー付きですが、POD版の場合には並製になります。また原書付録のCD-ROM内容は収録していません。 序文より  宮地貫道こと本名宮地利雄は、大正年間から昭和初期にかけて、上海に三十数年に亘って滞在して、上海を中心とする出版・報道界において活躍して、日中関係の方策に関する自己の信念を言論界・政界に唱道し、その後還暦を過ぎる頃から一転して南洋における棉花栽培を推進したという、極めて異色のある経歴の人生を送った人物である。しかしそれにも拘わらず、その業績の一側面が、限られた一部の研究者により注目されているのを除くと、その生涯の全貌は殆ど知られていない。つまり、「忘れられた明治人」とも言われている。 以下略。 -目次- 序文 宮地家の系譜 宮地利雄の青年時代 下田歌子との交流 上海作新社の活動 鈴木珪との結婚 海日日新聞の創刊 西田天香との再会 成民廬の建設 対支政策の唱道 「対支国策論」の出版 常夏の国への旅立ち セレベス島での棉花栽培 国内での棉花栽培普及と教育活動 「棉作国策」の出版 戦後の活動 《参考一》満州事変・上海事変関連   年表と宮地貫道の足跡 《参考二》関連資料 《参考三》棉花の成熟 あとがき 著者略歴
  • 世界を変えた50人の女性科学者たち
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 科学・技術・工学・数学(STEM)の分野で、世界を変えるような輝かしい偉業を成し遂げながら、歴史の陰に隠れがちだった女性科学者50人にスポットをあて、その驚くべき業績やバイタリティあふれる人生をチャーミングなイラストとともに紹介します。差別や競争にさらされながらも、情熱のままに研究を続けたヒロインたちの姿は、若きリケジョのみならず、壁に立ち向かいひたむきに夢を追うすべての人の背中を押してくれます。
  • 信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍
    3.5
    織田信長が愛した黒人侍 その生涯の謎に挑む 1582年、本能寺。織田信長の側近のなかに、特異な容貌でひときわ眼を惹く男がいた。その男こそ、日本史上初とされる黒人侍、弥助だった。信長の切腹後、弥助は危険をかえりみず、嫡男の信忠のもとへと走る。彼を駆り立てたのは、自分を信頼し、侍へと取り立てた信長への忠義心だった……。 国内のみならず海外でも注目を集める異色の黒人侍、弥助。その知られざる生い立ちから来日いたる経緯、信長との出会いと寵愛、本能寺後の足取りまで、詳細に踏み込んだ歴史ノンフィクション。
  • オホーツクの灯り【HOPPAライブラリー】 樺太、先祖からの村に生まれて
    -
    先祖代々の地、落帆(現サハリン州レスノエ)で生まれ育ち、戦中戦後の激動を経て、日本に移り住んだ81歳の樺太アイヌ女性が10年以上にわたって書きためた文章、絵を編集したものです。100年前に言語学者、金田一京助がサハリンを訪れ、子どもたちから身ぶり手ぶりで言葉を学んだ随筆は、戦後の国語の教科書に広く掲載されました。金田一は有名人になりましたが、彼に言葉を教えた子どもたちはその後、どんな運命をたどったのか・・・。安部洋子さんの母親はその子どもたちの一人でした。「野原を駆け、飛び跳ねて遊んだあの日。語り尽くせない樺太・落帆の生活。ロシア人との暮らし・・・。今は時代が違います。先祖や父母たちが刻んできた歴史に誇りを持ち、子、孫たちに伝えていくのが私たちの使命でしょう。」(本書より)

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  • 叛骨の宰相 岸信介
    3.8
    国民生活を安定させ、経済政策が最もうまくいっていた岸時代。先見性と実行力で国民を幸せにすることこそ宰相の条件である。人気評伝作家による白洲次郎、吉田茂に続く、昭和史を築いた政治家の傑作評伝。
  • 後藤新平伝
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 奥州水沢に生まれた後藤新平は、薩長藩閥主流の時代にあって、内務省衛生局長から台湾総督府民政長官、満鉄総裁、そして外務大臣から東京市長、東京放送局総裁に至るまで、多彩かつ創造的な活動を繰り広げた。明治から昭和にかけて、その異能と行動力、先進性で日本をリードし、国民に愛された開明政治家の生き方を描く。
  • 大アジア主義と頭山満
    -
    戦後日本の政治外交を顧みた時、アジア諸国の同胞に熱いまなざしを向けて対応した政治家はいたのであろうか。神道ジャーナリストと評される葦津珍彦は、西郷隆盛の意志と精神を継承する者として大アジア主義を唱えた頭山満こそ、広い視野でアジア同胞と兄弟の如く接した人物であると高く評価する。 頭山が生きた時代、アジア諸国は西欧諸国の「収奪の場」とされていた。日本もまた明治維新の気風を失い、「有色人種の新興帝国主義国家に堕落」する中にあって諸外国の指導者たちから最も信頼され、求心力を持った人物こそ頭山であった。 本書は、明治から戦前にかけての国内外の政治や社会動向を見つめながら、頭山と関わった板垣退助、犬養毅などの政治家、内田良平、宮崎滔天をはじめとする多数の門人、訪日し祖国の独立運動を志した韓国独立党の金玉均、中国国民党の孫文、蒋介石、インドのビハリ・ボース、チャンドラ・ボースなどの人物像を通して、その生涯と生き方について描いている。そして頭山の唱えた「大アジア主義」を支えた信念の根底には、真の意味での「尊皇攘夷」思想と「八紘一宇」の精神があること語りかけている。 ■キーワード(目次の構成) ▲はじめに ▲明治維新と大アジア主義 ▲尊皇攘夷の抵抗思想 ▲征韓論の思想的意味 ▲玄洋社創立までの事情 ▲板垣、頭山に民権を説く ▲条約改正、国会開設を請願す ▲玄洋社、屈辱条約に反対す ▲伊藤・井上の欧化主義外交 ▲頭山・来島の英断、政府案を破砕す ▲沈勇沈才の古武士の気風 ▲韓国独立党と玄洋社 ▲頭山満と金玉均の親交 ▲大アジア主義と頭山満 ▲中国革命家孫文、日本に来たる ▲孫文、日本有志と相知る▲山田良政、恵州にて戦死す ▲日露戦争への道(上) ▲三国干渉に怒った中江兆民の論文 ▲ロシア革命予見の内田の著書 ▲日露戦争への道(下) ▲頭山満、伊藤博文に決断をせまる ▲玄洋社と満州義軍 ▲中国革命同盟会成る ▲孫文、黄興と同盟会をつくる ▲連戦連敗に屈せざる戦闘精神 ▲辛亥革命の前後 ▲武昌起義全天下に波及す ▲日本の革命干渉を制止す ▲袁世凱との妥協に反対す ▲第二革命で孫文日本へ亡命す ▲亡命者ボースを救援す ▲第三革命の時代 ▲第三革命の諸潮流 ▲満蒙における宗社党の挙兵 ▲大陸浪人の明暗二側面 ▲満州問題のもつれ(上) ▲その歴史事情について ▲満州問題のもつれ(下) ▲その近代化と変貌 ▲頭山・孫文の神戸会談 ▲追録 昭和時代、晩年の頭山満とその周辺 ▲孫文歿後の蒋介石と国民党 ▲満州事変に対する憂念 ▲日華事変後の汪精衛と蒋介石 ▲大東亜戦争と印度独立戦争 ▲チャンドラ・ボースと汪精衛 ▲富士山麓での臨終まで ▲参考史料  関係参考略年譜
  • 大丈夫、死ぬまで生きる 碁打ち 藤沢秀行‐‐無頼の最期
    4.5
    博打、借金、アル中、女性問題、出奔、ガン闘病……天才棋士でありながら型破りな夫を長年支え、無数の難局を乗り越え続けた著者を最後に待っていたのは、夫への壮絶な老々介護だった……感動ノンフィクション。
  • 華厳宗沙門 明恵の生涯
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 明恵は鎌倉時代に華厳宗という立場からわが国の政治と宗教の歴史の中で大きな役割を果たした。その生涯を、いつ、どこで、何をという面から一歩掘り下げて、心と精神の歩みを見つめ、内面史的に追跡することを試みた。

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  • 二十世紀の良心 フランソワ・モーリャック : ヒューマニストとしての軌跡
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 普段カトリック作家、ブルジョワ作家としてのみ語られがちなモーリャックを、文学者としてだけでなく、主としてアンガジェ(社会参加)に積極的な活動をしたジャーナリストとしての面から眺め、その活動を具体的にたどり、ヒューマニズムに満ちた精神の軌跡をたどったものである。

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  • 室伏広治 孤独な王者
    -
    撮影期間、3年。世界でもっとも遠くに鉄の玉を投げる男、その大きな男の細部をカメラに収めようと、十文字美信氏は挑んだ。「見せるための筋肉ではなく躍動する筋肉、つくられていない筋肉を見ていただきたい」(室伏)。そしてふたりは語り合った、ハンマー投という競技について、”極める”ということについて──。対談と、各々のエッセイも収録。
  • 天才の光と影 ノーベル賞受賞者23人の狂気
    5.0
    才能とは何か? ビジネスパーソン必読の圧倒的教訓。ノーベル賞を獲得するほどの研究を成し遂げた「天才」は、素晴らしい人格者と思われがちだ。だが、歴代受賞者のなかにはヒトラーの写真を誇らしげに書斎に飾っていた「ナチス崇拝者」もいれば、妻と愛人と愛人の子どもと一緒に暮らした「一夫多妻主義者」もいる。光るアライグマ(エイリアン)と会話を交わした、という「薬物中毒者」や、「アルコール依存症」で売春街から大学に通った者、超越瞑想に「オカルト傾倒」して周囲を唖然とさせた者も。どんな天才も、輝かしい「光」に満ちた栄光と、背面の暗い「影」を併せ持っている。本書では、著者が独特の「狂気」を感得した受賞者23人を厳選。必ずしも幸福とは言い難い、天才たちの数奇な人生を辿る。 【本書に登場するノーベル賞受賞者たち】フリッツ・ハーバー/フィリップ・レーナルト/ヨハネス・シュタルク/ニールス・ボーア/オットー・ハーン/ヴェルナー・ハイゼンベルク/マックス・フォン・ラウエ/アルベルト・アインシュタイン/エルヴィン・シュレーディンガー/ポール・ディラック/エンリコ・フェルミ/ヴォルフガング・パウリ/エガス・モニス/ライナス・ポーリング/ウィリアム・ショックレー/ジェームズ・ワトソン/リチャード・ファインマン/ニコラス・ティンバーゲン/ブライアン・ジョセフソン/キャリー・マリス/ジョン・ナッシュ/リュック・モンタニエ/ロジャー・ペンローズ アカデミー賞作品で話題のオッペンハイマーも関連して登場!
  • 日本の企業家1 渋沢栄一 日本近代の扉を開いた財界リーダー
    -
    1~13巻1,999~2,200円 (税込)
    歴史に学び、戦略を知り、人間を洞察する――PHP研究所創設70周年記念出版シリーズ「日本の企業家」1巻目の第一部[詳伝]では、まず渋沢栄一の比類なき企業家活動の歴史を豊富な史料をもとに眺望する。そして第二部[論考]では、合本主義や道徳経済合一説などに視点を向ける。さらにドラッカーなど多くの学者や経営者に称えられる「公益」追求の先駆者としての姿勢、財界リーダーとしての役割等、その今日的意義を経済史・経営史研究の重鎮が問い直す。さらに第三部[人間像に迫る]では、栄一の曾孫・渋沢雅英氏へのインタビューを収録。同時代を生きた実業家たちの「栄一」評も紹介、人間・渋沢栄一の実像に迫る。渋沢家の維持・発展に心を砕きつつも、日本社会の繁栄を願い、後継の人々の育成・指導に傾注したその「行き方」は、われわれ現代を生きる日本人に遺された「宝」である。“時代の先駆者たちの躍動に真摯に向き合う”シリーズ、ここに刊行!
  • ドーダの人、小林秀雄 わからなさの理由を求めて
    -
    「ドーダ」とは「自己愛に源を発するすべての表現行為」である。作家はそれぞれ「ドーダ」を表現欲として書き続けてきた。 小林秀雄の文章は難解である。「なぜ、小林秀雄は分かりづらいのか」。そこから本書はスタートし、小林のコンプレックスを突き止め、偉大な文学者の本質を軽やかに衝く。難解な小林秀雄の文章が身近に感じられる、読みはじめたら止まらない文学論、かつ、コンプレックスにがんじがらめになった小林を身近に感じ、苦手意識が薄らぐ、読み応えのある小林秀雄論。
  • 「諜報の神様」と呼ばれた男 連合国が恐れた情報士官・小野寺信の流儀
    4.5
    イギリスの情報機関、MI5が徹底監視の対象として“個人ファイル”を作った唯一の日本人武官がいた。第二次世界大戦時にストックホルム駐在武官を務め、ポーランドやバルト三国、ドイツの情報士官たちと「情(なさけ)のつながり」を結んで深奥部に迫る秘密情報を数々手に入れ、連合軍側から「枢軸国側諜報網の機関長」と恐れられた男――小野寺信である。小野寺は、独ソ開戦や、アジアでの英軍の動き、さらに原爆開発情報など、様々な重要機密を探り当てていた。さらに、ヤルタ会談の直後には、ソ連がその3カ月後に対日参戦をするという情報まで掴んでいたのである。なぜ彼は、欧州の地で価値ある情報を入手できたのか。それは、小野寺が多くの人々と誠実な人間関係を結んだからこそだった。さらに、彼が心底からの愛国者であったことが、他国の愛国者からも信頼される要因となったのである。日本人として誇るべき一人の情報士官の生き方に迫る、感動の書。

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  • 魂の音色 : 評伝高橋竹山
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 津軽三味線の名匠・初代高橋竹山師の波乱に富んだ半生をつづっている。

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  • 朝鮮近代史を駆けぬけた女性たち32人
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 一葉やらいてうや晶子が生きた近代に、朝鮮の女性たちはどう生きたのか。儒教道徳のもとで女の枷を打ち壊そうとした「新女性」、画家、作家、事業家、医者、教育者、舞踊家・・・日本植民地下に二重三重のマイノリティとして時代を駆けぬけ生きぬいた女たち。
  • きれいな風貌―西村伊作伝―
    4.5
    青年時代に大逆事件で叔父を失い、不敬罪で公判中に終戦の日を迎える――紀州生まれの文化学院創設者、西村伊作は、類まれなセンスと豊富な財力を理想の実現のために用いながら、「ああ言えば、こう言う」のつむじ曲がりな精神と、そのしなやかな思想を生涯貫いた。自由と芸術を愛した知られざる人物像を甦らせる第一級の評伝。

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  • 『天の夕顔』のかげで 不二樹浩三郎 愛の一生
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦中・戦後のベストセラー『天の夕顔』のモデル、不二樹浩三郎と作者、中河与一の確執…。資産家の子として何不自由ない生活に入り込んだ愛と葛藤の世界とは。自らの半生を語って戦地に赴いた不二樹の心情と足跡を辿る異色の評伝。

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  • 美輪明宏と「ヨイトマケの唄」 天才たちはいかにして出会ったのか
    4.0
    三島由紀夫、中村八大、寺山修司……時代を彩った多くの才能との邂逅、稀代の表現者となった美輪明宏の歌と音楽に迫る、傑作ノンフィクション! 「自分以外の人によって、己れの人生を克明に調べ上げ語られると、そこには又、異なる人物像が現出する。歴史に残る天才達によって彩色された果報な私の人生絵巻が、愛満載に描かれていて、今更ながら有難さが身に沁みる」――美輪明宏 〈目次〉 第1章 異端にして革命児 第2章 長崎の臣吾少年から丸山明宏へ 第3章 三島由紀夫に見出された若き才能 第4章 シャンソン喫茶「銀巴里」とともに 第5章 中村八大という音楽家 第6章 日本初のシンガー・ソングライター誕生 第7章 “ほんとうの日本の歌”を作る 第8章 伝説の番組「夢であいましょう」 第9章 「ヨイトマケの唄」の衝撃 第10章 寺山修司との出会いから演劇の道へ 第11章 60年代の砦・アートシアター新宿文化 第12章 「ブラジル組曲」で始まったリサイタル 第13章 映画『黒蜥蜴』と「黒蜥蜴の唄」 第14章 別離の季節となった一九七〇年 第15章 復活する「ヨイトマケの唄」 第16章 二一世紀へと歌い継いだ者たち
  • ジハーディ・ジョンの生涯
    4.4
    著者はかつて、当局にイスラム過激派と疑われたために職も婚約者も失ったと訴える、ムスリムの青年を取材したことがあった。クウェート難民としてロンドンで育ち、大学でITを学んだ礼儀正しい青年、ムハメド・エムワジは数年後、イスラム国の黒覆面の処刑人「ジハーディ・ジョン」となり、湯川遥菜さんや後藤健二さんらを斬首することになる。エムワジはなぜ、凶悪なテロリストになったのか。「ジョン」と会った唯一のジャーナリストによる決定的評伝。 彼の足跡を辿ると、欧米社会で育ったムスリムの若者たちが偏見や差別にさらされ、将来に絶望する日々のなかで過激思想に染まっていく状況が見えてくる。テロ対策の名のもとにイスラム社会に行っている、抑圧や監視が若者たちの先鋭化につながり、ジハード戦士を生み出す土壌になっている、と著者は指摘する。ジハーディ・ジョンの替えは、いくらでもいるのだ。「クローズアップ現代」でキャスターを務めた、国谷裕子氏の渾身の解説も必読! 【目次】 序章 わたしは「ジョン」と会っていた 第一章 クウェートから来た少年 第二章 イスラム過激派のネットワーク 第三章 MI5とアフリカの角 第四章 素顔のエムワジ 第五章 監視対象 第六章 シリアへの道 第七章 世界を震撼させた斬首 第八章 テロリストの逆流 最終章 「ゼロ・トレランス」の罠 解説 『ジハーディ・ジョンの生涯』を読み、後藤健二さんを想う (国谷裕子)
  • 巨人軍の巨人 馬場正平
    4.0
    国民的スター“ジャイアント馬場”の知られざる野球時代。新潟三条での青春時代、モルモン教との出会い、難病“巨人症”との闘い、憧れの読売巨人軍入団、長嶋茂雄・王貞治との交流、プロの壁、成功率1%の大手術、二軍での馬場旋風、早すぎる引退。偉大なプロレスラー・ジャイアント馬場の「野球選手」としての実像に迫る。
  • ラマナ・マハルシの伝記
    5.0
    偉大なる覚者の生涯。16歳のとき、擬似的な死の体験から、悟りを得た。その後、聖なる山アルナーチャラめざして旅立ち、以後そこから離れることはけっしてなかった。ラマナ・マハルシの日常的なエピソード満載。
  • 「アマゾンおケイ」の肖像(集英社インターナショナル)
    4.0
    母が語り聞かせてくれた波瀾万丈の生涯を、作家が私費を投じて10年がかりで調べあげたノンフィクション。熊本の田舎からブラジルへ移民するも開拓村を脱走。ダンサーとして身を立て、神戸、横浜を経て上海へ。アメリカ人エリート外交官と生涯最大の恋に落ちるが、別離。しかし宝くじで大金をつかみ、女実業家として大成功するが、敗戦後の混乱ですべてを失う……20世紀を生きたある女性の信じがたい物語。
  • 凜の人 井上準之助
    3.0
    命を賭して昭和軍閥に抗した国際派群像!――「外を救い、内を共に救う唯一の途」を求めて、浜口首相の両輪となった「弊原外交」と「井上財政」――昭和動乱の夜明けを彩った悲劇と栄光がここに甦る。 【金解禁】それは「バブル経済」を収束し、「国際化」を推進する乾坤一擲の方策だった。――金解禁を断行。日本の国際化へ道を拓く。首相・浜口雄幸、外相・幣原喜重郎、蔵相・井上準之助。この三者の指導のもとに、日本は国際化への道を歩むかに見えた。が、昭和軍閥の抬頭が日本の歴史を暗転させた。いまこそ歴史の教訓を活かすとき!
  • 画文集 芸人とコメディアンと
    5.0
    エノケン・ロッパ・金語楼からサンドウィッチマン、ナイツまで! 放送作家の高田文夫が文を書き、 イラストレーターの峰岸達が絵を描き、 リスペクトする“笑いの芸人”31人(組)を紹介。 二人の貴重な「体験的記憶」のエピソード満載。笑いの歴史、笑いの今がわかる一冊。 ――高田文夫「まえがき」より  極上の一冊ができたと思う。私の大好きな“笑芸”の人達が次から次。お笑い道楽にとってはたまらない一冊である。  ことの発端はこうである。イラスト界では超有名で、少し偉い峰岸達画伯から声を掛けられた。 「私と一緒に本を作りませんか? 画文集という形で私が画、高田さんが文を書くのです。ただひたすら大好きな芸人・喜劇人(コメディアン)を描いて書くのです」  評論集でも喜劇史でもなく、ただ愛すべき笑芸人達のことをかく、それだけが決まりです。
  • ブラジャーで天下をとった男――ワコール創業者 塚本幸一
    4.0
    【内容紹介】 インパール作戦の生き残りが選んだ次の武器、それは女性下着だった! 太平洋戦争は多くの悲劇を生み出したが、数ある激戦の中でもとりわけ悲惨なものとして知られるのがインパール作戦だ。世界有数の女性下着メーカーとして知られるワコールの創業者、塚本幸一は、この作戦の生き残りであり、多くの戦友を失った心の傷は生涯消えなかった。 かつてこの国は、今とは比較にならない男尊女卑の国であった。男が産まれると喜び、女が生まれると露骨なほど落胆を見せた。家長はもちろん、国を支えるのは男であり、女はそのしもべのような扱いを受けた。だがこの国を破滅させたのは、国を支えるはずの男だったのだ。 銃後を守る女性たちに「贅沢(ぜいたく)は敵だ!」と忍耐を求め、頭にパーマなどかけようものなら「非国民!」とののしった。「産めよ増やせよ」と子作りを励行し、その子どもたちを次々に戦場へと駆り立てては、物言わぬ白木の箱に入れて帰した。その果てが無残な敗戦である。 (真の平和とは、女性の美しくありたいと願う気持ちが自然と叶えられる社会であるはずだ) そう確信した彼は、女性のために女性とともに、ビジネスの世界で再び戦いを挑んでいった。 磁力のような人間的魅力で優秀な仲間や“伝説の女傑(じょけつ)”たちを集めると、ライバルを蹴散らし、日本に上陸したアメリカ企業を手玉に取り、成長の糧(かて)にしていった。わが国最強の商人集団である近江商人の血を引く彼は、失った命を力に変えて、ビジネスという戦場で思う存分暴れまくったのだ。 そして彼の活躍の場は、業界の垣根をも越えていった。父のように慕った“経営の神様”松下(まつした)幸之助(こうのすけ)と政治の世界にもの申し、弟分であった京セラの稲盛(いなもり)和夫(かずお)と力を合わせて京都を盛り上げ、盟友であるサントリーの佐治(さじ)敬三(けいぞう)とともに、新たな文化を築き上げた企業こそが尊敬に値するのだと怪気炎を上げ、重厚長大企業が幅をきかせる財界に下克上を挑んでいった。 熱い、どこまでも熱い。そんな熱い男のベンチャースピリット溢れる豪快華麗な生涯を描きだす大型評伝、ここに誕生! 【著者紹介】 [著]北 康利(きた・やすとし) 昭和35年12月24日、愛知県名古屋市生まれ。富士銀行入行。資産証券化の専門家として富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長等を歴任。平成20年6月末にみずほ証券退職、本格的に作家活動に入る。著書に『白洲次郎 占領を背負った男』(第14回山本七平賞受賞)『福沢諭吉 国を支えて国を頼らず』『吉田茂 ポピュリズムに背を向けて』(以上講談社)、『松下幸之助 経営の神様とよばれた男』『小林一三 時代の十歩先が見えた男』『稲盛和夫伝 利他の心を永(と)久(わ)に』(以上PHP研究所)、『陰徳を積む 銀行王・安田善次郎伝』(新潮社)、『胆斗の人 太田垣士郎 黒(クロ)四(ヨン)で龍になった男』(文藝春秋)、『乃公出でずんば 渋沢栄一伝』(KADOKAWA)、『本多静六 若者よ、人生に投資せよ』(実業之日本社)などがある。 【目次抜粋】 プロローグ 第一章 復員兵ベンチャー起業家 第二章 男の戦争、男の敗戦 第三章 ブラジャーでビルを建てた近江商人 第四章 相互信頼の経営 第五章 アメリカに商売を教えてやる! エピローグ 霊山観音 あとがき 塚本幸一関連年譜 主要参考文献
  • 平清盛
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 富と権力を掌中にし、武家政治の礎を築きあげ、日本の覇王となった平清盛。そして栄華を極めた平家もやがて西海の藻屑と消える。驕れる者久しからず―盛者必衰のドラマを見事に再現した著者渾身の作。 (※本書は2011/11/1に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました)
  • 立憲君主 昭和天皇 (下巻)
    -
    緊迫の下巻は、開戦・戦後篇! 今般の「譲位」にまで続く 天皇と国民の固い絆。 昭和天皇が生きた時代ほど、国民との絆が試された時はなかった。 まもなく迎える「新帝」との絆を、より確かなものとするために。 《壮年期は時代の波に翻弄され、軍部の暴走に悩み、後半生は先の大戦を十字架として背負い続けた。その生涯は、激動の一言ではとても言い尽くせない。ただ、昭和天皇は崩御の直前まで、国民と国家の将来を固く信じていた。》(本文より) 【第三部】平和のため君主はどう動いたか 第八章 泥沼の日中戦争 第九章 欧州の戦雲と三国同盟 第十章 開戦前夜 第十一章 太平洋の死闘 第十二章 占領下の戦い 第十三章 国民とともに 終章 永遠の昭和 《慣例上、天皇が御前会議で発言することはない。しかし、この日は違った。…… よもの海 みなはらからと 思ふ世に なと波風の たちさわくらむ 日露戦争の開始直前に明治天皇がつくった、平和を祈る御製である。立憲君主として、政府と統帥部の一致した決定をくつがえすことができない昭和天皇は、開戦回避の意思を、この和歌に込めたのだ。…… 御前会議から庁舎に戻った陸相の東条英機が、大声を震わせた。 「聖慮は平和にあらせられるゾ」》(本文より)
  • 立憲君主 昭和天皇 (上巻)
    -
    昭和天皇伝の決定版! 昭和天皇でなければ、 日本は救えなかった。 立憲君主とはどうあるべきか。君主は政治とどう関わるべきか。 あの戦争で、終戦の「聖断」はどのように下されたか。 青年期の欧州歴訪を経て、国民とともに歩む立憲君主たらんと志した昭和天皇。現実政治の前で悩み、君主のあるべき姿を体現した87年の生涯を、宮内庁が24年の歳月をかけて編纂した正史『昭和天皇実録』をはじめ560点に及ぶ文献をもとに描く。 【第一部】君主とはどうあるべきか 序章 かくて「聖断」は下された 第一章 昇陽の日々 第二章 帝王教育 第三章 天子への道 【第二部】君主は政治とどう関わるべきか 第四章 青年君主の苦悩 第五章 満州事変と国際孤立 第六章 万歳とファッショ 第七章 二・二六事件 《昭和天皇に関する文献は数多あるが、本書は、(一)宮内庁が平成二十六年九月に公表した、正史といえる『昭和天皇実録』に依拠している(二)昭和天皇の言動を理解するため、時代背景を詳述している――点に、他書にはない特色があると考えている。加えて、激動の時代を追体験できるよう、分かりやすく、リアルな文章表現に努めてきたつもりだ。本書により、昭和天皇への理解をより深めることができればと願っている。》(本文より)
  • 基本セオリーがわかる花のデザイン ~基礎科2~:歴史から学ぶ-伝統を知り、新しい表現に活かす-
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 花職(花を扱うすべての人たち)の知識や技術、地位の向上を目指す全国組織「花職向上委員会」が、 花を生けたり、デザインするにあたっての想いや考え、理論、技術といった基礎をまとめたシリーズ。 本書は、「歴史から学ぶ」ことをテーマに、花のデザイン独自に発展してきた歴史について解説しています。 伝統的なアレンジメントのパターンから学びとれる情報を掲載し、歴史を学びつつ、現代に活かす方法までを幅広く紹介しています。 本シリーズは、初心者から上級者まで、すべての方々を読者対象としていますが、 難しくなりがちなフラワーデザインの理論をイラストやビジュアルを用いてわかりやすくまとめているため、 初心者向けのテキストとしても最適です。 基礎中の基礎が学べる一冊です。
  • 栗本薫と中島梓 世界最長の物語を書いた人
    4.3
    栗本薫と中島梓、二つの名前を持ち、作家・評論家・演出家・音楽家など、才能を自在に操り多くの人たちに感動を与える稀有な存在でありながら、ついに自身の心理的葛藤による苦悩から逃れることはできなかった人。その生涯を関係者への取材と著作から検証する。
  • 全体主義と闘った男 河合栄治郎
    4.0
    右にも左にも怯まなかった日本人がいた! 河合栄治郎は左右の全体主義と闘った思想家です。 戦前の学界を席巻した「左の全体主義」マルクス主義の痛烈な批判者であり、 軍部が台頭すると、「右の全体主義」ファシズムをも果敢に批判。 著書の発禁処分、休職処分のさなか、昭和19年に53歳で亡くなりました。 上智大学名誉教授の渡部昇一氏は、河合栄治郎が長寿であったなら、 「日本のインテリは、30年も早くマルキシズムの幻想から自由になっていたであろう。 つまり河合の死は、日本の知的成熟をざっと30年遅らせたのである」という。 戦後の河合人脈は政財学界に根を張り、論壇を牛耳る進歩的文化人と対峙しました。 門下生の第一世代は、経済評論家の土屋清、社会思想家の関嘉彦、政治学者の猪木正道らで、 第二世代には、碧海純一(東京大学教授)、岡野加穂留(明治大学教授)、田久保忠衛(杏林大学名誉教授)、 伊原吉之助(帝塚山大学教授)ら、京都大学では高坂正堯、勝田吉太郎、木村汎ら各氏が、この人脈に連なります。 米国に守られながら反米を叫ぶという“進歩的大衆人”の精神の歪みは、日本を漂流させてしまう――。 日本の背骨を支える揺るぎない思想とは何なのか。歴史の転換点で、圧倒的な敵に挑んだ思想家、 河合栄治郎の闘いを通して、日本のありようを考える。 この思想家を知らずして、日本の将来を語るなかれ。 産経新聞長期連載「独立不羈 河合栄治郎とその後の時代」に加筆、再構成し単行本化
  • 海舟余波 わが読史余滴
    -
    鳥羽・伏見の戦で「朝敵」の汚名をこうむったことで、天朝への恭順の意を固めた徳川最後の将軍・慶喜の代ににわかに幕府の全権を担い、誰一人理解者のいないまま江戸城無血開城、幕府消滅まで戦意を秘めつつ「鎮静」を貫き、見事火消し役を務めた勝海舟。新政府での立身を福沢諭吉に批判されながらも国家安寧を支え続けた、維新の陰の立役者の真の姿を描き出した渾身の力作評論。
  • 永田鉄山軍事戦略論集
    5.0
    「彼が生きていれば、太平洋戦争は起こらなかった」――近年再評価が進む、帝国陸軍の至宝・永田鉄山(1884-1935)。これまであまり世に出てこなかった永田自身の文書や発言録から、戦間期に残した論考6編を収録。その冷静かつ合理的な分析が訴える、あるべき国家の姿とは? 詳細な解説を加え、昭和の大日本帝国を支えた理論・思想の背骨を明らかにしてゆく。
  • MICHAEL JACKSON, INC. マイケル・ジャクソン帝国の栄光と転落、そして復活へ
    5.0
    突然の死から5年――今なお年1億ドルを生みだす「キング・オブ・ポップ」は、アーティストとしてだけでなく作曲家、作詞家、コンポーザー、PVプロデューサー、ツアー演出家、イベントプランナー、そして著作権や肖像権を管理する実業家として、音楽ビジネスのありとあらゆる側面で才覚を発揮した。それは巨大企業として捉えるほうがふさわしい。 本書では彼の家族や友人、マネージャー、弁護士、他のミュージシャン、業界関係者らの声をふんだんに紹介しながら、伝説のミュージシャンとしてだけでない、ひとりの偉人としてマイケル・ジャクソンを再評価する。
  • 通り過ぎた人々
    3.0
    花田清輝に見いだされ、学生のころより新日本文学会に加わり、2005年3月の解散時まで半世紀にわたって在籍した著者が、そこで出会った人々の思い出を書き残しておきたいと綴った。井上光晴、小野二郎、菅原克己、藤田省三ほか、とりあげられた18名はすべて物故者。「自主独立的に誇り高い人々であったなぁ。団体なのに独往邁進、ではなくて、独往邁進する連中の団体が、あるときあり得たり、あり損ねたり。そんなおかしな空間と時間が、とにかくあった証拠の18例です。あぁ、おもしろかったなぁ。しょせん時勢はくそいまいましいまでにせよ、こんな人と時代があったことを、いささかお汲みとりいただければ、もって瞑すべし」新日本文学会とはなんだったのか。軽妙なタッチでペーソス豊かに描かれた追悼録から、戦後日本を代表する文学運動体の盛衰が浮かび上がる。

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  • 木下恵介伝―日本中を泣かせた映画監督
    -
    本書は通常の伝記では見られないほど頻繁にライバルを引き合いに出しながら、戦後の日本人の精神生活を知るうえで重要な天才・木下恵介監督の作品と生涯をたどる異色の書き下ろしです。 (※本書は1999/4/1に株式会社 展望社より発売された書籍を電子化したものです)
  • ミヒャエル・エンデの貨幣観
    -
    国際的に見て、最も成功したドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデについての考察。
  • ボルネオの白きラジャ : ジェームズ・ブルックの生涯
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 故郷イギリスから遠く離れた赤道直下の密林に分け入った一人の冒険家が百余年続く「王国」に君臨することに! 彼が人生を駆け抜けた末に見たものは栄光か、それとも絶望か?
  • かの子の記
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大母性を秘めつつ、無垢の童女のように天衣無縫の愛を溢れさせたかの子。無二の理解者でプロデューサーだった一平の筆が切々と追慕する。 内容(「MARC」データベースより) 大母性を秘めつつ、無垢の童女のように天衣無縫の愛を溢れさせたかの子。無二の理解者でプロデューサーだった夫、一平の筆が切々と追慕する。1942年刊を現代かなづかい・常用漢字に改めた新装版。(「BOOK」データベースより) 目次 序 生命の娘かの子 妻を懐う エゲリアとしてのかの子 花嫁かの子 かの子と観世音 きれいな人間 在りし日の妻かの子 執着 鰥の書 解脱 禁酒曖昧 息子の手紙 かの子の歌の想い出 かの子と和歌 律儀 妻かの子を憶う 誕生 さの字 あの頃の美校 亡き妻と共に生きつつ 浅草見物 お総菜 かの子の思い出帖 雑草 かの子の二度目のお盆 重荷とかの女 わが家の子供の育て方 市場通い 花鳥 父 (※本書は1983/4/1に発売し、2021/12/30に電子化をいたしました)
  • 伊藤博文 近代日本を創った男
    4.5
    初代総理大臣として内閣制度を創設し、みずから中心となって大日本帝国憲法を制定しながら、木戸孝允や岩倉具視らの間をたくみに世渡りして出世した「軽佻浮薄」な人物、あるいは、旧憲法によって民主化の道を狭め、韓国では民族運動を弾圧した権力者、といったイメージで語られてきた伊藤博文。日本近代政治史の第一人者である著者が、歴史学の最新成果をふまえて、伊藤の全生涯と「剛凌強直」たる真の姿を描き切る、決定版評伝。(講談社学術文庫)
  • 茂雄遺文抄
    -
    本書は、岩波書店の創業者であり、日本を代表する出版人である岩波茂雄の文抄である。 (※本書は1998/8/25に発売し、2022/2/10に電子化をいたしました)
  • 欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア
    4.1
    アメリカ金融界の伝説の投資王リバモアの伝記小説。株式と商品相場で巨万の富を築くも相場の暴落で全財産を失う。その人生の教訓、市場の欲望と幻想は今に生きる。
  • われは熊楠
    NEW
    4.5
    奇人にして天才――カテゴライズ不能の「知の巨人」、その数奇な運命とは 「知る」ことこそが「生きる」こと 研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。 博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。 慶応3年、南方熊楠は和歌山に生まれた。 人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。 希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。 世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離……。 野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」の型破りな生き様が鮮やかに甦る!
  • 私説ドナルド・キーン
    4.0
    なぜキーンさんは英語で書き、私に翻訳させたのか ドナルド・キーンは生前、日本の新聞社・出版社の求めに応じて自伝を3冊刊行したが、まとまった評伝はこれまで書かれてこなかった。『日本文学史』をはじめ、長年のキーンの日本文学研究についての本格的な批評・研究もあまり見られないのではないか。数々の文学賞や文化勲章を受け、晩年に帰化してからは多くのメディアに登場したが、「学者ドナルド・キーンは、こうした受賞も含めて世間で持て囃されるか、あるいは無視されるか、そのどちらかの扱いしか受けてこなかったような気がする」と、40年来の友人で、『明治天皇』『日本人の戦争』などを翻訳した著者は指摘する。 ドナルド・キーン生誕101年、ユーモアと本物の知性を兼ね備えた文人の生涯をたどり、その豊かな仕事に光をあてる1冊。
  • 天を味方につける生き方
    5.0
    自然界のものだけて家を建てる天然素材コンシェルジュ、 世界で活躍するエコビレッジビルダー山納銀之輔さんは 自然素材を活かした衣食住の可能性を追求し続ける人物。 その人生はまさに波乱万丈、有望な青年実業家から一転、 3度のどん底で家を失い、仲間を失い、死を覚悟する。 42歳で始まったホームレス地球暮らし。 お金を捨てた1年半の狩猟採集生活を実践し、 天を味方につける全自動の生き方に目覚めていく。 そして2022年1月、タンザニアの地で 銀之輔さん率いる日本人チームが循環型エコビレッジ作りに乗り出した! 太陽、海、風、自然の恵み、マサイ族との出会い… アフリカの大地に抱かれた参加者たちの目はみるみるうちに輝いて、 五感は冴えわたっていく。 世界中の民族から教えてもらった本当に豊かな生き方とは何か。 タンザニアの大地で日記に記し続けた言葉と、帰国後行われた講演会を書籍化。 実践で 獲得した“本当に豊かな生き方”のエッセンスが詰まった1冊! 目次紹介 ・Part1 タンザニアの大地に抱かれて~マサイ族の地でエコビレッジ作り45日間の記録 ・Part2 天を味方につける生き方~世界中の民族に教えてもらった本当の豊かさ I. 何かがおかしい! 裕福なのに苦しむ日本人 II. 全てを失くしても大丈夫! 俺はお金の奴隷をやめた III. 森の中で狩猟採集生活へ 自然界を味方につけたら全自動がはじまった! IV. 世界のセレブが自給自足を習いに来る理由 V. マサイ族の子どもたちが教えてくれたこと VI. 日本人は世界を中を豊かにするチャンスを持っている

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  • 元祖アイドル「明日待子」がいた時代 ―ムーラン・ルージュ新宿座と仲間たち
    -
    ご存じですか?戦前、AKBセンターの元祖と言っても過言ではない“アイドル”がいたことを 「戦争」という時代の波に翻弄され、空襲の下でも、「滅私奉公で兵隊さんや観客の方をお慰めできればいい」とステージに立ち続けた明日待子。彼女の生きざまには、他者を第一に思いやる日本人のDNAが滲み出ている。 NHKドラマ『アイドル』、2022年8月11日19時30分より総合テレビで放送決定!主演:古川琴音、共演:山崎育三郎ほか 私たちは、待子さんが何度も口に出した「滅私奉公」という言葉すら死語になった時代を生きている。だが、「滅私奉公」をする相手が観客だと言い切った待子さんに、私はアイドルの宿命と使命、その究極を見た思いがした。アイドルは大衆を動員する最強の装置。それは否定しがたい。「時代がそうでした……」と待子さんはこうも言った。待子さんの口を通すと、それは強い説得力を持って伝わってきた。だが、「常に戦争があった」「青春時代は戦争一色だった」とは、やはり悲しすぎる言葉だと思えてならない。……あとがきより
  • 童謡詩人金子みすゞの生涯
    4.5
    大正末期、すぐれた作品を発表し、西条八十に“若き童謡詩人の巨星”とまで称賛されながら、26歳の若さで亡くなった金子みすゞ。その生涯と作品の全貌を明らかにする。

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  • 評伝 宮田輝
    -
    「のど自慢」「ふるさと歌まつり」「紅白歌合戦」の名司会で日本中を熱狂させた、昭和を代表するアナウンサー、宮田輝。だが、なぜか評伝らしきもが書かれたことがなかった。田中角栄に口説かれ、NHKを定年前に退職して、参議院議員になったことがその理由なのか? それとも……。本書は未亡人の恵美さんに信頼された筆者が、宮田家から膨大な資料の提供を受け、初めて挑んだ本格評伝。宮田が歩んだ道のりは、まさに昭和の日本そのもの。数々の番組の裏話や著名人のインタビューもあって、エンターテインメントとしても楽しめる1冊。みのもんた氏など他局の後輩アナウンサーの目標ともなった宮田の司会術の奥義も面白い。古き良き昭和を切り取った力作。 目次 序 章 宮田輝伝説 第一章 宮田家の人々  第二章 太平洋戦争前後 第三章 縁(えにし) 第四章 ラジオメディアの時代 第五章 テレビジョンに挑む 第六章 人間 宮田輝 第七章 十六年はひと昔 第八章 参議院議員 宮田輝 第九章 祭りのあと あとがき  宮田輝関連年表
  • <三越>をつくったサムライ 日比翁助 [電子改訂版]
    -
    士魂商才でハロッズに負けない日本初のデパートを創業した久留米武士・日比翁助の壮烈な物語。 明治37年、日本初となるデパートを創業し、斬新な広告や催事開催、人材育成などにより「三越ブランド」を確立。慶應義塾で福沢諭吉に学んだ“士魂商才”を実践し、近代日本の商業革新に挑んだ久留米武士・日比翁助の壮烈な生涯を辿る。 【目次】 序 デパート王とタイヤ王 第一章 デパートメントストア宣言 第二章 激動の維新期に育った日比翁助 第三章 北汭義塾と慶應義塾の仲間たち 第四章 没落した三井呉服店越後屋 第五章 運命の転身と士魂商才 第六章 デパートは社会公衆の商店なり 第七章 今日は帝劇、明日は三越 第八章 デパートのビジネスモデルをつくった翁助 第九章 受け継がれていく翁助の創業理念 参考および引用資料 あとがき 【著者】 林洋海 1942年福岡県生まれ。久留米商業高校卒業。トッパンアイデアセンターを経て、AGIOデザイン主宰。福岡アジアデザイン交流協会会長。日本グラフィックデザイナー協会会員。
  • 起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男
    4.7
    【ジェフ・ベゾスは、このヤバい日本人の「部下」だった】 かつて日本には、「起業の天才」がいた。 リクルート創業者、江副浩正。 インターネット時代を予見、日本型経営を叩き潰し、 自分では気が付いていない才能を目覚めさせた社員のモチベーションを武器に 彼がつくろうとしたのは、「グーグルのような会社」だった。 だが彼の名は「起業の天才」ではなく、 戦後最大の企業犯罪「リクルート事件の主犯」として人々に記憶される。 「ベンチャー不毛の地」となった日本に必要な「起業家の資質」とは何か。 リクルート事件の大打撃を乗り越え1兆8000億円の負債を自力で完済、 株式時価総額で国内10位にまで成長した「奇跡の会社」はどのようにつくられたのか。 苦境に立ち逆風に向かうすべての日本人に贈る、 歴史から葬られた「起業の天才」の真の姿。 【日本にも、こんな経営者がいた!】 ・グーグルの「検索」を先取り ・独自の「クラウド・コンピューティング」 ・読売新聞と「全面戦争」 ・電通から広告を奪う ・日・米・欧を結ぶコンピューター・ネットワーク ・世界の「コンピューターの天才」をかき集める 【「はじめに」より抜粋】 江副さんが生きていたら、保身に汲々とする日本の経営者にこう尋ねることでしょう。 「経営者とはどういうものか、経営者ならなにをすべきか。わたしはつねに学び、考え、 そのとおりにやってきました。あなたがた、自分が経営者であると考えたことがおありですか」 ――瀧本哲史(京都大学客員准教授、エンジェル投資家、2019年没)
  • 細野晴臣と彼らの時代
    4.6
    音楽家・細野晴臣の決定版評伝! 「はっぴいえんど」「ティン・パン・アレー」「YMO」で彼は何を生み出したのか。 細野晴臣本人をはじめとし、松本隆、鈴木茂、坂本龍一、高橋幸宏、 林立夫、松任谷正隆、矢野顕子など共に音楽活動をしてきた人々が証言する、 苦悩、確執、“解散”の真相、そして音楽の歓び。 「もうこれ以上、話すことはないです。」 細野晴臣
  • シークレットサービス レーガン大統領の命を救った男
    3.5
    大統領や外国高官など要人警護にあたるシークレットサービス。 その内側を大統領警護隊長を務めた人物が包み隠さず語る。犠牲をいとわない誇り高き人々の緊張と情熱の日々。 警護にあたった人物――フセイン・ヨルダン国王、サンゴール・セネガル大統領、昭和天皇、アラファトPLO議長アグニュー副大統領、ハンフリー副大統領、カーター大統領、レーガン大統領。
  • 昭和天皇とその時代 新版 昭和天皇
    -
    本書は、1999年8月にPHP新書として刊行された、『昭和天皇』に大幅な加筆改訂を加えた復刊本を電子化したものである。復刊の動機は、2014年、宮内庁が『昭和天皇実録』を完成させたことによる。この、「実録」そのものには、重大事実の新たな発見はない。しかし、著者のような、日頃より昭和天皇について思索・研究している人々にとっては、淡々たる事実の羅列の中にも、「なるほど、この故に……」と閃かせる、大きな触媒となるようである。著者にとってのそれは、「皇太子時代の6カ月にもわたった欧州御巡遊の重要性」であった。この壮大な体験こそが、幼少期からの帝王学教育に血を通わせ、国の主として世界を見る目を養った、まさに御生涯の態度を決めた御体験であったことに気付いたのである。そこで、この部分を100枚以上書き加え、第二章すべてを割いて詳述した。この部分だけでも読む価値は大きいが、評伝として充実度が高められている。
  • 全身芸人――本物(レジェンド)たちの狂気、老い、そして芸のすべて
    4.7
    月亭可朝、松鶴家千とせ、毒蝮三太夫 世志凡太、浅香光代、こまどり姉妹―― 本物たちの狂気、老い、そして芸。 日常と非日常、聖と俗、その境界線を歩き回っている人間――“芸人”。 不発弾のような狂気を抱えた彼らの人生はどのように始まり、そして収束していくのか。 レジェンド芸人たちの現在に完全密着する、感動のノンフィクション! (※月亭可朝さんは本書が生前最後のまとまった取材記事となりました)
  • 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三
    4.4
    Amazonでも、googleでもない。 2020年、東京オリンピック後の日本社会を構想するヒント 阪急電車、宝塚歌劇団、東宝株式会社など、明治から昭和にかけて手がけた事業は数知れず。大衆の生活をなにより重んじ、日本に真の「近代的市民」を創出することに命を捧げた天才実業家の偉大なる事業と戦略とは? 【小林一三(こばやしいちぞう)の手がけた事業】 阪急、宝塚、東宝、阪急百貨店、第一ホテル(後の第一ホテル東京)、阪急ブレーブス(後のオリックス・バファローズ)、昭和肥料(後の昭和電工)、日本軽金属、東京楽天地など。
  • 海軍戦略家 マハン
    -
    「海上権力史論」「海軍戦略」などの著作で近代列強に影響を与えた軍人・歴史家・戦略研究家でもあったマハンの思想と生涯。幕末日本の滞在時の書簡・日記や当時の新聞への寄稿、ドイツ皇帝ヴィルヘレム2世、セオドア・ルーズベルト、フランクリン・ルーズベルトなどとの交流歴から日本人移民排斥運動の中心の役割を担ったなど人間像を浮き彫りにする。図版や年表付 目次 第一章 おいたち  (一)ウエストポイントと父  (二)アナポリス入学と南北戦争 第二章 日本来航 第三章 中南米艦長時代 第四章 海軍大学校と海上権力史論  (一)海軍大学校とルース少将  (二)海上権力史論  (三)ルーズベルト一族と海上権力史論  (四)ドイツ皇帝ヴィルヘルム二世  (五)文筆活動の開始  (六)米近代海軍の父トレーシー海軍長官 第五章 ドイツ海軍とマハン  (一)ドイツ帝国の成立  (二)ドイツ大洋海軍の父ティルピッツ  (三)英独関係の緊張 第六章 シカゴ号艦長として渡英 第七章 退役と文筆活動 第八章 ハワイ併合、米西戦争、比島領有、ハーグ平和会議  (一)ハワイ領有問題  (二)米西戦争  (三)ハーグ平和会議  (四)比島領有  (五)ボーア戦争 第九章 マハン、ルーズベルト、ロッジのトリオ  (一)セオドア・ルーズベルト  (二)ヘンリー・C・ロッジ  (三)スペンサーの社会進化論 第十章 米国の海外政策  (一)門戸開放宣言  (二)ベネズエラ危機  (三)パナマ運河  (四)モンロー主義とドイツ海軍 第一一章 日本とマハン  (一)秋山真之とマハン  (二)海軍大学校のマハン招聘計画  (三)日英同盟と日露戦争  (四)日本人移民問題  (五)白色艦隊の日本巡航  (六)オレンジ計画 第一二章 近代海軍問題  (一)全巨砲艦論争  (二)海軍参謀本部設立問題 第一三章 晩年のマハン  (一)「海軍戦略」と自叙伝「帆船から蒸気船」出版  (二)第一次大戦と死去
  • エマニュエル・マクロン―フランス大統領に上り詰めた完璧な青年
    -
    マクロン大統領が理解できるベスト書――フランスの「ル・ポワン」誌 エマニュエル・マクロン? 彼を見出したのは私だ。彼をつくり出したのも私だ。それも全面的に。 彼を委員会の報告者に据えたときから彼はいろいろな人と知り合いになった。 その委員会にはパリの名士たちが大勢参加していて、私はそこから彼を売り込んだ。 それが客観的事実だ――ジャック・アタリ 欧州の超名門投資銀行勤務を経て、颯爽と登場した史上最年少大統領の素顔をベテラン政治ジャーナリストが描く。 【著者紹介】 アンヌ・フルダ (Anne Fulda) 1963年生まれ。パリ政治学院卒後。フランス「ル・フィガロ」紙のベテラン政治記者。 1991年から同紙でジャーナリストとしての活動を始め、テレビ「France2」「France5」「カナル・プリュス」、 ラジオ、雑誌、書籍等で積極的に活動を展開する。同書は4冊目の著書となる。 【目次より】 プロローグ ◆第一章 “神の子” ◆第二章 マニュとマネット、「愛するのはあなただけ」 ◆第三章 生きること、愛すること ◆第四章 生涯唯一の女性、ブリジット ◆第五章 エマニュエル・マクロンと文学 ◆第六章 人を魅了する力 ◆第七章 代父と兄たち ◆第八章 “システムの申し子”の家族風景 ◆第九章 社交界とセレブたちとの交流 ◆第十章 政界の未確認飛行物体(UFO) ◆エピローグ ◆追記 若き成功者としての大統領 原注
  • 乱歩と清張
    4.0
    江戸川乱歩と松本清張。日本ミステリー界に燦然と輝く二大巨匠の歩みを丹念に追った本格評伝。時代や育ちは違っても、ミステリーという一点で繋がった二人は友かライバルか。読み応え十分。
  • 田舎に帰った青年が三バン(地盤・看板・鞄)もなく国会議員になった話
    -
    28歳で市議会議員に。 その後県会議員、さらには国会議員へと政治活動を広げた著者。 地盤、看板、鞄なしで、同級生数人を尋ねたところから始まった政治家への道。 大学時代にバックパッカーとして世界23カ国を放浪し、 そこで肌で感じた政治の重要性。 旅の最後の国、バンコクで決めた「政治家になろう」と。 自らの政治活動40年を振り返るとともに、 選挙で圧倒的な強さを見せた「たのせ会」の選挙対策法も解説。 政治家を目指すもの必読!  内閣府特命大臣、石原伸晃氏、 2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会副会長、 遠藤利明氏、山崎拓氏のインタビューも。 大学の政治学部では決して教えてくれない、 選挙の仕組み、政治とカネ、派閥の裏側も語りつくす。
  • マーちゃん 世界一を極めた発明王―――プラダもエルメスもユニクロも!
    -
    プラダもエルメスもユニクロも! みんな「マーちゃん」の機械が作ってる。 編み機の世界シェアNo.1企業を創り上げた男の半生記。 元総務大臣・竹中平蔵氏推薦! 和歌山で世界企業を育てた島さん。 知られざる物語に心が震えました。 ―――― ここは東京都心のファッション大通り。 パリのシャンゼリゼ通りかと見まごう世界の ファッション・ブランドの直営店が居並ぶ、高級感ただようオシャレな街だ。 ルイ・ヴィトン、アルマーニ、エルメス、プラダといった一流店に老若男女の買い物客が引きも切らない。 二O一X年のこの夜、民放局の番組に出演していたのは、 世界のファッション・ブランドにコンピューター自動編み機を提供しているシマ精機製作所の社長だった。 その名をシマ・マサヒロ。 ―――― プロローグから引用 ■目次 ●第一部 ・プロローグ キング・オブ・ファッション ・第一章 紀州のサバイバル少年は人気者 ・第二章 けんかマサは負けず嫌い ・第三章 生活格差と教育格差を乗り越える ・第四章 バンカラ高校生武勇伝 ・第五章 発明ラッシュ ・第六章 運命のベターハーフはブンムクレ ・第七章 試練また試練 ペテン師にひっかかる ・第八章 結婚そして家出そして人生の師 ・第九章 発明数三百に達し、ついに起業する ・第十章 自殺寸前に追い込まれた聖夜の奇跡 ・第十一章 世界初の快挙 その限りなき前進 ●第二部 ・第十二章 世界のファッション界へ飛躍 ・第十三章 申請シマセーキの牙城誕生 ・第十四章 盟友逝く ・第十五章 世界一の研修施設「南風荘」 ・第十六章 世界市場へ快進撃もピンチ到来 ・第十七章 原チャリおかーちゃん奮闘記 ・第十八章 新社屋完成とおかーちゃん入院 ・第十九章 ファッション革命 夢を紡ぐホールガーメント誕生 ・第二十章 百五十年ぶりの発明「スライド・ニードル」 ・第二十一章 宇宙へ ・エピローグ ・あとがき ■著者 山本優
  • 太陽王ルイ14世 ヴェルサイユの発明者
    3.0
    富と美の象徴「ヴェルサイユ宮殿」。いわば豪華絢爛美学の究極を造りあげたのは「太陽王」ルイ14世である。その複雑な人物像から政治手腕、女性遍歴と宮殿改築の知られざる関係まで徹底解剖する歴史エッセイ! ※本書は2014年5月~2016年4月にカドカワ・ミニッツブックで連載された『ヴェルサイユ』を改題したものが底本です。
  • スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで(上)
    4.0
    1985年、スティーブ・ジョブズは自身が創立したアップルから追放される。問題行動も多く、社内を混乱に陥れたとされている。その「変人」は、なぜ96年にアップルに復帰するや、「現代を代表する経営者」、「ビジョナリー」となったのか? 講談社から発売された公認伝記『スティーブ・ジョブズ』には、詳しく語られなかった部分がある。それは、ジョブズがアップルから追放され、ピクサーとNeXTを立ち上げていた時代である。その間にどのような人間的変化があったのか。 NeXTに移ると、ジョブズへの世間からの注目度は低くなり、人材を含めたリソースも、アップルほどではなくなる。そうなると、彼はこれまで正面から向き合ってこなかった「会社経営」を学ばないといけなくなった。 新会社に移って真剣に取り組んだのがマーケティングだ。アップル時代は会社が大きかったので、こういったことは他人に任せて、自分は商品開発に打ち込んでいた。また、人心掌握にもたけるようになる。時を同じくしてローリーンと結婚したことも大きい。「人」への関心が高まっていった時代だ。 ジョブズというと、その個人の発想力、企画力、ちょっとずれると、その「変人」ぶりばかり注目されるが、本書からは意外にもその「ビジョナリー・リーダー」の姿がはっきり見えてくる。その後、アップルに戻ると世間の予想をくつがえす能力を発揮し、iPhone、iPad、iTunesといった革新的アイデアを次々と実現させていく。その姿は、80年代の「マックの美しさに固執する変人」ではなかった。 本書は、フォーチュン誌記者としてジョブズと25年以上にわたる親交を持つ著者が、折々に取材したテープ(30本以上)を再構成し、さらに公認伝記には協力しなかった人物にもアクセスして書き下ろした話題作。すでに世界20カ国以上で翻訳されている。
  • 南方熊楠の図譜
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 没後50年をへたいま、時空を超えてよみがえる。私たちを震撼させるほどの圧倒的な巨歩が──。民俗学、思想史、博物学から植物学まで熊楠研究の第一人者たち9人が、巨人南方熊楠の足跡を追って多様性に分け入り、その全体像に迫る論考集。

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  • 謎の探検家菅野力夫
    3.0
    明治末期から昭和初期まで、世界中を探検してまわった痛快な男がいた。その名は菅野力夫。日本がようやく国際化しつつあった時代に、シベリア、中国、東南アジア、インド、南アフリカ、ハワイ、南米までをも股にかけて歩いた男の謎に満ちた生涯に迫る。

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  • 評伝 出光佐三 ─ 士魂商才の軌跡
    4.5
    『海賊とよばれた男』の主人公のモデル、出光興産の創業者・出光佐三。 戦後の苦しい時代に、国際石油メジャーと大英帝国を敵に回して、 たった1隻のタンカー・日章丸で世界を驚かせた真の日本人の生涯! 「黄金の奴隷たるなかれ」。 出光興産を創業、百田尚樹氏の小説『海賊とよばれた男』の 主人公・国岡鐵造のモデルとなった稀代の経営者・出光佐三。 規制に抗し、自立を貫いた生涯を、 その生誕から神戸高商での学生生活、酒井商会での丁稚時代、 出光商会として独立、終戦後の苦難の時代、日章丸事件、 晩年の“事業の芸術化”まで、580ページに渡り克明に描いた随一の評伝。 いかなる苦境でも社員を正真正銘の家族として考える“大家族主義”とは? 終戦後、日本中が快哉を叫んだ“日章丸事件”の真相とは? その思想や行動の軌跡を、佐三翁の著書編纂にも関わった著者ならではの視点で、 平成2年に書き下ろした。 【目次】 ◆序章:巨人との対話 ◆第1章:萌芽 ◆第2章:青春 ◆第3章:独立 ◆第4章:大陸への道 ◆第5章:死線を越えて ◆第6章:危機の時代 ◆第7章:反骨精神 ◆第8章:無私の構図 ◆第9章:人間尊重 ◆第10章:使命 ◆第11章:指月の訓 ◆第12章:廃墟の中で ◆第13章:布石 ◆第14章:不死鳥のように ◆第15章:孤独な戦い ◆第16章:燃ゆるイラン ◆第17章:日章丸事件 ◆第18章:飛躍 ◆第19章:悲報 ◆第20章:自由化の戦い ◆第21章:事業の芸術化 ◆第22章:永遠の日本
  • 塩尻公明 : 求道者・学者の生涯と思想
    -
    本書は、民主主義と自由を愛し、教育に関して終生絶大な熱意と信頼を持ち続けた、塩尻公明の求道者・学者としての生涯、また彼の教育思想ならびに宗教思想を詳細に追跡し、それを考察したものである。

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  • マリリン・モンロー論考
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マリリンは死んだ。しかし、マリリンはいまも生きている──。ひたむきに生きようとしてたえず変貌し、自分を縛りつける桎梏をかなぐり捨てていった栄光と孤独の女マリリン・モンローの生の軌跡をたどり、その魅力を解剖する。

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  • 幸田文のかたみ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幸田露伴の磁場=父性にあらがいながら言葉を紡ぎつづけた娘・文。その作品の木綿の手触りのような肌理、みずみずしい息吹、命のかよった文章を味読することで結実したこの「批評物語」には、幸田文の願望の所産としての「かたみ」の品々が息づいている。

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  • 現代教育思想としての塩尻公明 : 人格主義の教育論
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 民主主義と自由を愛し、教育に関して終生絶大な熱意と信頼を持ち続けた塩尻氏を教育思想家として位置づけた研究が皆無であるなかで、彼の教育論を初めて体系的に考察したものである。

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  • イェイツとその周辺
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書は、イギリス文学史上に大きな足跡を残したアイルランド生まれの詩人W. B. イェイツの研究書である。イギリスの支配のなかで育った詩人の帰属性と彼の思想形成に大きな影響を与えた作家や芸術運動との関連について論じる。

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  • あだ名の人生
    3.0
    「あだ名、通称、あるいは身代わりのようにしてつけられた呼び名――それぞれその人の要約にあたるようなもの。いかにしてあだ名がついたか、事情はさまざまだが、世の中にひそんだ悪ガキの智恵にも似ている。それを借用すると、個性ゆたかな肖像が浮かび出るのではなかろうか?」誰でも知っている有名人、あるいはあまり世に知られない人物――本書は、ただそのあだ名において、みごと人生を一貫した人たちのポートレート集である。指物の名人・小林如泥や妖怪博士・井上円了、オバケの鏡花、大いなる野次馬・大宅壮一――これらはみな、名の知られた著名人である。しかし、世に隠れた変人・傑物・天才もたくさんいる――富士山に憑かれて一生を終えた不二のかしく坊、物騒な幕末にあって花や昆虫に入れ込んだ博物大名・前田利保、文明開化の明治に逆らってランプ亡国論を説いた佐田介石、別府温泉を天下に知らしめたピカピカおじさん・油屋熊八、棟方志功を俗と一蹴した風船画伯・谷中安規等々。これら有名・無名の24人の肖像を味読しながら試されるのは、わが身のユーモア感覚と器量であろうか。誰にあっても、あだ名はこわい試金石である。

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  • セッシュウ! 世界を魅了した日本人スター・早川雪洲
    3.5
    全米を代表するアイドルとなり、ブロードウェーで主役を張り、フランスで国賓待遇として映画を作り、「永遠に保存されるべき名画」の主演俳優でもある――世界を舞台に一流スターとして君臨し続けた男。日本人が知らない超有名日本人を知るため、7年を費やして完成した超大型評伝。
  • トランプ
    4.4
    ◆初めて明かされる国盗り物語の全貌◆ これまで数々のスクープで世界中に衝撃を与えつづけてきたワシントン・ポスト紙が、 3か月にわたって20人以上の記者を投入し、 これまで1度も選挙の洗礼を受けていないトランプの全人生を徹底取材! 発売直後、英ガーディアン紙をはじめ、欧米の各紙が一斉に取り上げる一方、 トランプ氏本人は本書について「Don’t buy, boring!(買うな、退屈な本だ!)」と、 自身のTwitterで不買運動を呼びかけた。 ・マンション群に黒人を入居させなかったとして「人種差別罪」で訴追されている。 ・マライア・キャリーやダイアナ妃と「やりたい」「自分ならやれた」とラジオで公言。 ・3度目の結婚の際にヒラリー・クリントンを招待、ヒラリーは最前列で出席。 ・1999年から2012年まで7回、党籍を変える。民主党、共和党、改革党。 ・トランプは100億ドル以上の純資産を持つと主張するが、実際には10分の1以下。 ――など、数々の知られざる事実が明らかになる!
  • 本当は偉大だった 嫌われ者リーダー論
    3.0
    人の上に立つリーダーの孤独と、己の信念の貫き方を知る一冊。雑音は聞かない! 直感を信じよ! いつか歴史が正しさを証明してくれる!! 激動の時代に国家の岐路に立たされ、たとえどんなに当時の人に嫌われても、自分の信念を貫いた5人の<嫌われ者リーダー>の物語。彼らこそが、その国を救い、新たな未来を作った。第二次大戦中、ナチスに占領されたフランスに対し、ひとりで別の政府をロンドンで宣言し、人々を鼓舞して結果的に戦勝国に導いたシャルル・ド・ゴール。17世紀のヨーロッパ、新教徒と旧教徒の争いの中、諸外国との争いからフランスを守り抜きフランスの王権を確立し強国に育てた宰相リシュリュー。19世紀末、フランス革命後のパリにてナポレオン3世の懐刀として、今も世界中から観光客が押し寄せる“花の都パリ”を作ったウージェーヌ・オスマン。激動の中国近代史を父・蒋介石と共に指導者として生き抜き、最終的には台湾に渡って、台湾の近代化と台湾人のための国づくりを進めた蒋経国。幕末の動乱期に、朝廷と幕府の間にはさまれ、融合を図るも失敗。諸外国の思惑を外に内戦の危機から日本を救った最後の将軍・徳川慶喜。東西の傑出したリーダーをフランスで3人、アジアでふたり、取り上げた。彼らの決断こそが、今に続く繁栄の礎になったことを、人々はもっと知るべきであろう。
  • 最後の馬賊 「帝国」の将軍・李守信
    4.0
    チンギスハーンの子孫を奉じて戦いつづけた馬賊出身の将軍。20世紀の国際政治に翻弄されながら、大国に臆せず民族自決、モンゴル独立の夢を追いつづけた者たちの姿を追い、ありえたかもしれない「もうひとつの歴史」を描く。
  • 不安なモンロー、捨てられないウォーホル 「心の病」と生きた12人の偉才たち
    4.3
    マリリン・モンローは「境界性パーソナリティー障害」、 アンディ・ウォーホルは「ためこみ症」、 ダイアナ妃は「過食症」で、リンカーンは「うつ病」……だった? 華やかな功績の裏で、人知れず「生きづらさ」を抱えていた12人の偉才たちを、 ナショジオの人気ジャーナリストが現代医学のレンズを通して追う。 アンディ・ウォーホルはなぜ、何百個という箱の中に古いポストカードから医療費の明細書、ピザの切れはしまで、あらゆるものを詰め込んでいたのだろう? マリリン・モンローはなぜ、大量の睡眠薬を飲んだのだろう? チャールズ・ダーウィンは生涯にわたって心身の不調に悩まされ、ハワード・ヒューズはドアノブにティッシュを何枚も巻かないとドアを開けられなかった。 相対性理論を唱え、時間と空間の概念を変えたアルベルト・アインシュタイン。 奴隷解放宣言を発布し、奴隷となっていた人々を解放したエイブラハム・リンカーン。 彼らはみな、科学、ビジネス、政治、芸術などの分野で偉業を成し遂げた一方で、 現代医学がいうところの「自閉症」、「うつ病」、「不安障害」、「依存症」、「強迫性障害」といった心の病を抱え、その症状から来る特異な行動を見せていた。 本書では、歴史を変えた12人の偉才たちを取り上げ、彼らが直面していた心の問題にスポットライトを当てる。そして、わたしたちと同じ「人間」である彼ら一人ひとりの人生を通して、謎と苦悩に満ちた人間の心の中を探究していく。
  • The Legacy of Kano Jigoro: Judo and Education
    -
    The founder of judo, Kano Jigoro, is a highly revered figure amongst those who pursue the sport. Little is known, however, about his various other achievements, from how he laid out the foundation for sports in Japanese education to his immense devotion and commitment to bringing the Olympic Games to Japan. Born in 1860, Kano showed his brightness from a young age and studied hard from childhood. After graduating from Tokyo Imperial University, the most prestigious school, he embarked on a teaching career which eventually led him to become the headmaster of the Tokyo Higher Normal School for a total of twenty-three years. This was just one of the many roles he undertook; aside from this he was chairman of the Japan Amateur Sports Association and became the first Asian member on the International Olympic Committee. And all the while he never ceased to develop and promote his creation, judo. For the first time, this comprehensive biography written by a team of Kano experts and researchers sheds light on the many dimensions of the legendary figure. It depicts how he truly lived life to the fullest by living out his own words-seiryoku zen’yo and jita kyoei-the best practical use of one’s energies and putting one’s efforts to good use for the benefit of both oneself and society.

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  • 原典でよむ 渋沢栄一のメッセージ
    -
    生涯に500社・600団体に関わった「近代日本の民間リーダー」渋沢栄一(1840-1931)。聴衆を前にして語ったスピーチを通して、「日本資本主義の父」「教育家」「民間外交家」「社会企業家」としての彼のメッセージを読み解いていく。今もなお広く読み継がれている渋沢の思想・信条を、平易で情熱的かつウィットに富んだ語りで再現する。

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  • 咲き定まりて 市川雷蔵を旅する
    -
    かつて、これほどまでに魅力的な男優がいただろうか! あなたは、市川雷蔵を知っていますか? 日本映画の黄金期に、150本以上の映画作品に出演し燦然と輝く足跡を残した俳優、市川雷蔵。それはたとえば『眠狂四郎』『炎上』『忍びの者』『陸軍中野学校』……。37歳で惜しまれながら早世した美貌の俳優は今尚、多くの人の心を捉えて離さない。この本は、文筆家である清野恵里子が市川雷蔵の主演映画、島崎藤村原作の『破戒』を観てよりその魅力にとりつかれ、雷蔵その人の魅力と雷蔵映画を丹念に読み解いたまったく新しい雷蔵論である。きものに造詣が深い著者の審美眼が捉えた雷蔵の衣裳やメイクの話も実に興味深く、思わず引き込まれてしまうおもしろさ。読んだあとは必ず映画が観たくなることうけあいだ。また、映画から特別にキャプチャーした雷蔵の写真は130枚に及び、その掲載写真を見るだけでも楽しめる。従来からのファンは元より、若い世代にも知って欲しい昭和の星の一人である。
  • 松本清張の昭和史
    4.0
    社会派推理の開拓のみならず、小説、ノンフィクション、古代史、現代史など、領域を自在に超えた執筆活動を展開し、「国民作家」の名をほしいままにした松本清張。その膨大な仕事のなかでも、自らの同時代史に取り組んだ『昭和史発掘』『日本の黒い霧』は重要な柱といえる。清張は、軍部をはじめとする国家権力、二・二六事件で蹶起した将校たちにどのような眼差しをむけていたか。占領期に起きた不可解な事件をいかに捉えていたか。没後30年を経て、清張史観はいかに評価されるべきか。松本清張から「時代の記録者」としてバトンを託された著者が清張史観の核心を平易な文体で伝える。阿刀田高、加藤陽子各氏との対話を収録。
  • 日本のビルメンテナンス産業創生の礎――浅地庄太郎伝
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    GHQの支配下にあった日本の戦後復興期、占領行政の終わりとともに、日本において初めて、契約によるビル管理(メンテナンス)という業務形態がスタート。やがてそれは、自然発生的にビルメンテナンス業という新しい産業として右肩あがりの発展を遂げた。今や117万人余が従事し、売上高4兆数千億となったビルメンテナンス業界の中心で、この産業を牽引してきた浅地庄太郎という男の存在がある。本書は、すでに若いころから先見の商才を発揮し、GHQでは住宅建物局日本人首席顧問として占領軍と日本側との橋渡し役を務め、やがて日本のビルメンテナンス業の創生と発展を導いた浅地庄太郎の功績を記録した人物伝である。浅地はついに、各国の同業者によって設立された世界ビルサービス連盟の終身名誉会長にまで就任した。明治38年3月16日生まれ、金沢市出身の浅地庄太郎は、昭和58年8月8日、78歳の生涯を閉じた。GHQの支配下にあった日本の戦後復興期、占領行政の終わりとともに、日本において初めて、契約によるビル管理(メンテナンス)という業務形態がスタート。やがてそれは、自然発生的にビルメンテナンス業という新しい産業として右肩あがりの発展を遂げた。今や117万人余が従事し、売上高4兆数千億となったビルメンテナンス業界の中心で、この産業を牽引してきた浅地庄太郎という男の存在がある。本書は、すでに若いころから先見の商才を発揮し、GHQでは住宅建物局日本人首席顧問として占領軍と日本側との橋渡し役を務め、やがて日本のビルメンテナンス業の創生と発展を導いた浅地庄太郎の功績を記録した人物伝である。浅地はついに、各国の同業者によって設立された世界ビルサービス連盟の終身名誉会長にまで就任した。明治38年3月16日生まれ、金沢市出身の浅地庄太郎は、昭和58年8月8日、78歳の生涯を閉じた。
  • GEのリーダーシップ ジェフ・イメルト回顧録
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    複雑で不確かな時代を乗り越えるために――リーダーのための決断力の教科書。9.11直前にGEのCEOに就任し、以来16年にわたり活躍。「世界最高のCEO」にも3度選出。ジャック・ウェルチとの関係、自らの失敗をも赤裸々に綴った、初の回顧録。ビジネスパーソン必読。
  • インベンション 僕は未来を創意する
    4.0
    成功の陰に、5126回の失敗あり。サイクロン技術で世界を変えた、現代に生きる最も独創的な起業家ダイソンが振り返る、発明と挑戦のストーリー。 サイクロン式掃除機で知られる英ダイソン社創業者の自伝。生い立ちから自分の会社を設立し、世界で最も独創的なテクノロジー企業の一社となるまでの経緯が綴られる。製造業に携わる人、起業、デザインに興味がある人には必読の一冊。 よく知られているが著者は起業から4年間でサイクロン掃除機のプロトタイプを5127個も作成。技術開発にあらゆる資源を投入して多くの失敗と挫折の末に成功をつかみ、掃除機だけでなく、ヘアドライヤーや空気清浄機など、革新的な技術と斬新なデザインを融合した美しい製品群を生み出し続ける。 本書では著者の創意工夫、発明の原点となる美意識やテクノロジーへの考え方、非公開企業のままスケールアウトしながら独立して研究開発に資金を投入することの意義など、独自の経営思想にも触れられ、モノづくり重視の多くの日本企業に参考となるほか、近年のソーシャルイノベーション、SDGs的な新規事業(EVの断念、農業、教育)の展開例もまた示唆に富んでいる。
  • フローレンス・ナイチンゲールの生き方―F.ナイチンゲールの偉業の軌跡を辿った記録
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    新型コロナウイルス感染症が世界中で大流行し、医療現場の最前線で、命がけで日夜奮闘する医療従事者に、感謝の念を新たにした2020年。それは奇しくも、フローレンス・ナイチンゲールの生誕200年の佳節であった。 長年フローレンス・ナイチンゲールを研究する著者は、英国、イタリア、ドイツなど、彼女の足跡が残る地を何度も辿り、フローレンス・ナイチンゲールとの尽きない対話を重ねてきた。 全盲になったフローレンス・ナイチンゲール(81歳)は「眼が見えなくても私にはまだ、聞く耳がある、話す口がある」そう言って、命が燃え尽きるその瞬間まで、世界中の人に「励ましの手紙」を送り続けた。 努力と強い信念で社会に挑戦し続けたフローレンス・ナイチンゲールの看護観、教育観は、誰人の生命も平等で、かけがえのない価値を持っていることを伝える。生命の尊厳を探求し続けたフローレンス・ナイチンゲールの生涯からは、私たちが今後の生き方を考える上で、多くの示唆を得られるであろう。 (※本書は2020/12/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)
  • カマラ・ハリスの流儀
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    次期アメリカ大統領に一番近い女性! カリフォルニア州の地方検事から州司法長官、そして連邦上院議員となり、大統領選に出馬。途中撤退するも副大統領候補としてジョー・バイデンと共にトランプを破る。 アジア系移民の子であり、ガラスの天井を破った「政治家」としての足跡! 自伝「私たちの真実アメリカン・ジャーニー」(光文社、2021年6月刊)では触れられていなかった「暗部」にも迫る、読み応えある評伝。
  • 山崎正和の遺言
    4.0
    2020年8月、惜しまれつつ亡くなった「日本を代表する知性」山崎正和氏への逝去直前まで行われたロングインタビューや、キーパーソンの貴重な歴史的証言を基にした初の本格評伝。 『鴎外 闘う家長』以来、半世紀に及び劇作家、批評家として日本の「知」を牽引し、「サントリー文化財団」を舞台に「知のサロン」を創造し、演出した山崎正和。 山崎は約40年間にわたって、知識社会の到来を先取りするかのように自由闊達な活動を志向し、華麗な知的ネットワークを構築して、生き生きとした「日本の論壇」をつくった。 彼を中心とした「サロン」は、文化の支え手として、どのような役割を果たしていったのか。 その時代に登場した知のスターたちの活躍の背景に何があったのか。 時代背景を複眼的に捉えつつ、「最後の知識人」山崎正和を軸に「知の人間交差点」を描き出す。 稀有な知的サロンの「社交」で紡がれた「柔らかい個人主義」の時代、創造のドラマとラストメッセージ。 [山崎正和氏以外の登場人物]  浅利慶太、東浩紀、五百籏頭眞、石川九楊、猪木武徳、今西錦司、梅棹忠夫、エズラ・ヴォーゲル、江藤淳、小澤征爾、小渕恵三、開高健、粕谷一希、苅部直、北岡伸一、楠田實、小泉純一郎、高坂正堯、小松左京、佐治敬三、佐治信忠、佐藤栄作、佐藤誠三郎、塩野七生、司馬遼太郎、嶋中鵬二、竹下登、田所昌幸、田中角栄、ダニエル・ベル、谷沢永一、ドナルド・キーン、鳥井信一郎、鳥井信吾、鳥井信治郎、福田赳夫、福田康夫、細谷雄一、待鳥聡史、三浦雅士、御厨貴、ミルトン・フリードマン、メルロ=ポンティ、盛田昭夫、森まゆみ、レヴィ=ストロース、山口瞳、ロナルド・ドーア、鷲田清一の各氏ほか多数
  • 父 岸田劉生 愛蔵版
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    この本を読まずに劉生の事を知ろうとする人は、劉生の画業を麗子像をぬかして話そうとする人に似ている――(武者小路実篤「序」より) 〈麗子像〉を通じて誰もが知る愛娘が、父・劉生の日記や手紙を引きつつ、その幼年時代から死までを綴った手記。新たな表現を求めて苦悩し、角力を愛し、時に癇癪を起こす――画家・劉生、そして人間・劉生を知るうえで欠かせない一冊。カラー口絵8P、著者が劉生の死後を綴った単行本初収録の随筆4篇、麗子の娘である画家・岸田夏子による解説を増補した新版。図版多数収載。【岸田劉生生誕130年記念企画】 【目次より】 序(武者小路実篤)  ○ 幼年時代から結婚まで 代々木時代 鵠沼時代 京都時代 鎌倉時代 満州へ  ○ 解 説(谷川徹三) 〈巻末付録〉岸田麗子随筆選 父の遺してくれたもの ある女の講演草稿 あれから三十年 母のこと ――劉生を夫に選んだひと  ○ 岸田麗子 ――「麗子像」の先へ(岸田夏子)

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