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Posted by ブクログ
ネタバレ男女のすれ違いの奥にある真実を丁寧に描く物語。
清瀬は松木のことを知ろうとしすぎてしまったが、松木は家族と不仲、いっちゃんは字の練習をしてることを誰にも知られたくなかったし、清瀬も相手に対してそういう背景があるかもしれないと、配慮する必要があった。
清瀬の考え方について、犯罪者のニュースを見てこんなことする人がいるなんて有り得ないだとか、こんな字の汚い人考えられないと言ってしまうのは、「自分はそうではないとして、切り離そうと考えている」という言葉にハッとした。
手を差し伸べて助けようとしても、真っ直ぐに喜んでくれる人だけがいるわけじゃない。天音の「助けられたら感謝しなきゃいけないんですか -
Posted by ブクログ
長編ですがとても読みやすかった。
淡々と書かれた文からこの時代を生きた人々のくらしを知ることができた。
第三章の清太の質問「家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」の一言に思わず涙が溢れ止まらなくなった。
岐阜から上京した山岡悌子(ていこ)は、
槍投げ選手として活躍するが肩を壊してしまう。引退後、国民学校の代用教員になり、幼馴染で早稲田大学野球部の元エース、神代清一と結婚するはずだったが…。
「小国民」と呼ばれた戦時下の子どもたちの様子がよくわかる。食糧が足りなく学校の授業は「修身」中心になり、勝つまでは…と我慢を強いられた日々。B-29から生徒を守れなかった悌子に、朝子の母、富枝の言 -
Posted by ブクログ
ネタバレ賢治の言葉は、だいたい現実を「そのまま」描写している、というのを他の本で知って衝撃を受けたことがある。この本では、賢治が何を見てどう書いたのかを、実際に樺太を訪れて丁寧に辿っていて、とてもありがたい。そして、私は賢治が選ぶ理系っぽい言葉づかい(語彙力がなくて表現できないけど伝われ)が好きなんだな、ということに気づいた。
この旅のなかで、賢治はことある毎に死んだ妹のトシを想っている。
トシは死んだ後どこへ行ったのか、天上へ辿り着いたのか、なぜ交信できないのか。
北へ向かう間に書いた詩は、そう問いかける陰鬱なもの。特に「春と修羅」に載っていない「宗谷挽歌」は、初めて読んだが、もう向こう側へいって -
Posted by ブクログ
トランプ大統領の再選、現在の世界情勢を鑑み、一期目のトランプ政権および当選を可能にした米国社会の理解に立ち返るため手に取った。ハーバード大で教鞭をとるため米国に渡った筆者の視点から見た「トランプのアメリカ」が書かれている。制度設計の違いによって生まれる日米の大学授業の質の差など、大学教育にも触れながら、ミートゥー運動や銃乱射問題、ラストベルトの労働者たち、フェイクニュースなど、当時の米国社会の問題、翻っては今も続く問題について鋭い分析がなされている。また、筆者が住むことになっていた元駐日大使ライシャワー氏についても触れられており、同氏が日本との対話路線を築き、蜜月関係が形づくられていったことが