あらすじ
列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。(講談社文庫)
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の続編というか、スピンオフというか。
もちろん独立した作品としても読めるけど、「蒼穹の昴」で描ききれなかった部分が補完されるので、読んでいると楽しめると思う。
珍妃を殺したのは誰か?
をメインに据えたフーダニット仕立てのミステリー。
事情を知る7人は、みんな違う犯人を名指しする。
歴史上、西大后が殺したことにされている珍妃殺しを浅田次郎が描くとこうなる。
いろんなレビューを読んだけど、「結局犯人は誰なの?」って言っている人が多くて驚き。
登場人物たちは嘘をつくけど、共通する事実や読者しか知らない部分を合わせると、信頼のできる証言はあれしかない。
愛された姫と悲劇の皇帝、ふたりの愛だけが真実だった。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴シリーズの後日譚。前作が完結した戊戌の変時点よりすぐ後の出来事、珍妃の死を題材にしたミステリー風小説。
蒼穹の昴のような歴史のうねりや壮大な物語はないが、大河ミステリーとしてこの上なく面白い。
珍妃の死は史実においても謎が多く残されてるそうだが、本作はその新解釈を投げかけるわけでも、本格推理を展開するわけでもない。
結局、ミセス・チャンという魅力的な創作キャラクターによって、提督や大佐、我々読者をも史実の上で転がし、「珍妃を殺したのは列強諸国でした、ちゃんと気づいた?じゃあ光緒帝は亡命させてよね」と結ぶ物語だったのではないか......
清のため世界のため、珍妃の死の謎を解き明かすべく呉越同舟した英仏日露の4高官。
調査のためにインタビューした6人の関係者はどれも証言が食い違うが、数珠繋ぎのように次の人へと繋がり、不自然なほどスムーズに核心へと迫ってってる。
その入り口のトムと出口の沢殿下、どちらにもミセス・チャンの影がある。
ミセス・チャンがこの手引きをしたのは、ラストに書かれた珍妃の独白、この真意を4人の高官に悟らせ、洋人たちに自らの罪を省みるよう促すため。
珍妃は自ら死を選んだ、と光緒帝および珍妃から語られる。
珍妃は自分が死ねば光緒帝が心を病み、国が危機に陥り、列強諸国がそれに危機感を抱いて清を助けんとするところまで考えていたのだろう。それが滅びゆく清で光緒帝の命を救う唯一の道だとも。
本作はどこまでも珍妃と光緒帝の純愛物語をベースにしているのだが、珍妃は清の未来をも見通しており、彼女が西太后に比肩する聡明さと大局観を持っていたことが明かされて終わる。
Posted by ブクログ
大好きなシリーズの再読。本作は『蒼穹の昴』と『中原の虹』に挟まれた短めの作品。立場の違う人たちの言い分を聞いていく形で物語が進む。清朝末期の複雑な時代を感じることができた気がします。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の続編だが、だいぶ趣きが違った。
芥川の藪の中にも似た様式で、珍妃の死の真相を探る話だが、外国に蹂躙されまくった中国の様子が、垣間みえて また昨今の世界情勢を思い出して大変辛く、哀しい…
Posted by ブクログ
「蒼穹の昴」の続編。
清朝末期、光緒帝の妃•珍妃の死の真相がミステリー風に描かれています。続きだけれど前作と雰囲気が違ってまたおもしろいです。
それぞれの人の思い、それぞれの国の思惑。相手の本当のことなんてわからないのに思い込みで自分が正義だと思っている人たち。
それぞれの立場の正義。
自分の、自国の損得しか考えていない人たち。
相手を見下す人たち。
それでは誰も幸せになれないようで悲しいなと思いました。
Posted by ブクログ
それそれの立場からの珍妃の最期。短編集のようで読みやすかった。
相手を守ろうとしているようで、自分のことしか考えていない。
人間の狡さ、醜さが見え隠れしている。愛の深さがわかる。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴では、中国名が難しくて誰が誰なのかこんがらがってたけれど、ここまで読んだら分かるようになってきた!
珍妃を殺したのは誰だというミステリー小説なのかと思いきや、とても素敵なラブストーリーでした。みんなが証言することが全然違かったり、実際に会ってみた人物が噂と違ったりでどういうことだってなってたところでのラスト!全く想像出来なかった。皇帝と珍妃の深く揺るぎない愛に泣けた。歴史上の事実は別として、この物語の珍妃が大好きになりました。
そして実際に珍妃が殺されたとされる井戸が中国にあるらしい…見てみたくなった!今まで全く興味のなかった中国史が面白いと感じるようになってきたぞ。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴シリーズの情報を整理し、そこで描ききれなかったキャラクターにスポットライトを当てた作品。
光緒帝の妃である珍妃が、何者かによって殺害された。イギリス・ロシア・ドイツ・日本の貴族が、その謎の真相に迫るという内容。
ミステリー作品のような印象を受けるが、珍妃殺害のスキームを描きたいのではなく、蒼穹の昴に登場した魅力的なキャラクターの深掘りを軸に、列強諸国が中国を恣にしていたことのメタファーとして珍妃の殺害を描いたのではないかと考えている。
この作品を読むことで、その後の中原の虹への没入度が高くなるような気がする。
Posted by ブクログ
本編のスピンオフドラマという感じで読めた。誰が珍妃を殺したのか?史実と不明点から、作者の推理と創作が興味深かった。
犯人探しというより、列強諸国に対する痛烈な皮肉が効いていた。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴に感銘を受けたのでその続編にトライ。 皇帝の妃である珍妃を井戸に落とした犯人は誰か?没落していく紫禁城、そして、本当の愛とは。光緒帝の最後の語りが悲しかった。
・・・・「愛」と殊更に口にしなくても当たり前のものとして知っている/珍妃
・・・・次は中原の虹へ。
Posted by ブクログ
浅田次郎が描く清朝末期の人間ドラマ。魅惑的なミセス・チャンの独り語りに始まる物語は、多彩な人物造詣と痛烈な植民地主義批判を交えつつ、「藪の中」を思わせる展開で珍妃殺害の謎に迫る。天才ストーリーテラーの真骨頂ここにあり。張競氏による解説も良い。
Posted by ブクログ
何気なく蒼穹の昴を読み始めて、いやーハマりました、蒼穹シリーズ‼︎
で、第二弾です。蒼穹の昴の最後の方がちょっと呆気なく終わってしまった感があったので、後日談的なこちら第二弾で埋め合わせできました。中国史の残酷さと神秘性にどっぷりです。
Posted by ブクログ
読み終わりました。
読み終わった後、ぼーっとしています。
珍妃、幸せだったのかしら?
光緒帝は?
そして西太后!
みんな、滅びゆく清をなんとかしようとして、大国と戦った。
寂しいですね。
Posted by ブクログ
ほぼ一気読み。珍妃の死の謎やいかに?と、、、
二転三転される証言に、登場人物たちと同じように気を揉まれつつ読み進めた。
清代末期の激動を描いたシリーズの第二期という位置付けらしい本作を読み、続編への期待が高まった。
★4つ、8ポイント。
2022.08.26.新
※中国史の知識はほぼ皆無(中学校の社会科レベル)だが、逆に予備知識が無いからこそ新鮮に物語の世界観を味わえている気がする。
※「蒼穹の昴」の続編だというから“春児”の活躍に期待したけれども、ほとんど出てこなかった(苦笑)
※(読解力が無いのかな…?)
結局のところ、珍妃を殺したのは誰?
連合国軍の兵士たち?
・・・・(恥)
↑
ここが、いまいちスッキリしなかったのだけれど・・・他の読者達はちゃんと読み取れているのかしら?読解力不足の哀れな読書好きに、もしよかったらそれぞれの解釈をコメント欄ででも教えてくれる方がいたら嬉しいです。
※巻末解説者は今作を読んで芥川龍之介の「藪の中」を思い浮かべたらしいが、自分が頭に浮かんできたのは・・・
20年以上前の洋画。メグ・ライアンとデンゼル・ワシントンの「戦火の勇気」だった。
(そんなに有名な映画ではないのだけど…知ってる人はいるかな?)
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の続編。
出演者も一部引き継いでいる。
義和団の乱に際して西太后たちが西安に逃亡する際、紫禁城内の井戸に投げ込まれて殺された珍妃事件を、諸外国から派遣された人たちが聞き込みをするというのが主題。
他の人も書いているが、関係者それぞれの見方が異なり、何が真実がわからないということで、芥川龍之介の「藪の中(映画「羅生門」の原作)」を彷彿とさせる。
ただ伏線等がないに等しいので、解決編はかなり唐突感がある。
浅田次郎はミステリーを書きたかったのではないから、しょうがないのかもしれない。
Posted by ブクログ
『蒼穹の昴』に続くシリーズ。
わたしにとっては、つまらないわけがないな。
浅田次郎さんの歴史小説はついつい夢中になって読んでしまう。
いろいろな人の視点から話が進んでいき、何が本当か惑わされるけど、それで、より引き込まれたりする。
まだこのシリーズは続くようなので、今後も楽しみ。
Posted by ブクログ
愛の物語だった。
人はわざわざ教えられなくても愛し合うものだ、という。
愛し合うということが当たり前すぎて、孔子も教えない、という。
日本にも、もともと愛という言葉はない。
浅田次郎さんには、こういう考え方もあるのか、と、いつも目を開かさせる。
Posted by ブクログ
蒼天の昴の後日談的な話。
光緒帝の妃の死の真相究明をミステリー仕立てに。
正直、いやぁ…という感想。
ミステリーなので、先は少し気になって読みましたが、出てくる人出てくる人、魅力が…紙人形のようで。
Posted by ブクログ
誰が珍妃を殺したのか、、、
その場に居合わせたひとたちに話を聞きながらその時の状況を紐解いていく。
蒼穹の昴のスピンオフ的な話。
珍妃と光緒帝の2人がいい、身分がこんなに高くなく普通の夫婦であったらな、、、
Posted by ブクログ
楽しく読めたが、シリーズ全作が良過ぎて、ちょっと物足りない。
大部分が独白で構成されていたものの、読みづらさはなかった。
途中で、ミステリーとして読めばよいのだと頭を切り替えたけど、着地点がなかった。
また、蒼穹の昴で掘り下げられなかった人物にスポットライトが当たった点は良かったものの、結局、お互いがどのように感じていて、どういう人物なのかがわからない結末になってしまったのは残念
張競氏による巻末の解説は素晴らしかった。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴シリーズ第二部。義和団事件の中起きた珍妃殺害事件をめぐるミステリー仕立て。蒼穹の昴のスピンオフのような印象を受けた。義和団事件が過去の事として描かれているが、そこも蒼穹の昴として春児や西太后の話を読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴がすごく面白かったので、かなりの期待を寄せて読み始めた。
期待値が高すぎたためか、思ったより、、という感じだった。
あと、蒼穹の昴を読んでから時間が経っていたので、記憶があやふやな部分も多くあり、蒼穹の昴を読んでからすぐに読めば良かったな〜と思った。
Posted by ブクログ
光緒帝に寵愛されていた側室は誰に殺されたのか…?イギリス、ドイツ、日本、ロシアの貴族がそれぞれの人に聞き取りをして調査を進めていく。
脱出前の混乱下だったからなのか、意図があってなのかそれぞれの言うことが異なるなかで何が事実なのか…
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の続編。
光緒帝の寵愛を一身に受けていた側室の珍妃が井戸に突き落とされて殺された事件を、日英独露の高官たちが関係者の証言を元に追求していく、というストーリー。
それぞれの証言が矛盾していて、誰の証言が本当なのか、誰が嘘をついているのか…史実はで西太后の命令で殺されたという説が有力らしいけど、この物語では別の見解が示唆してあって、ラストは切ない気持ちになった。蘭琴と春児のエピソードには胸が熱くなったな…。
蒼穹のラストから少し時が経っていて、義和団って何…ってところからのスタートだったんですが、Wikipediaで調べたりしながら読みました。このシリーズはとても面白いけど時々歴史の話についていけなくなるから、大まかに中国の歴史を予習してから読んだ方が100倍楽しめると思います。
蒼穹の昴を読んでから、宝塚の舞台を見て、ドラマも見ました。次は「中原の虹」を読みたい。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の続編。光緒帝の寵愛を受けた珍妃が誰に殺されたか。7人の登場人物によってそれぞれ語られる。
光緒帝が言うのが真実であれば、列強に清(珍妃)が殺されたという示唆になるのかな。歴史的には西太后のようですが、この本でもそれは読者にお任せというスタイルでした。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の外伝!
蒼穹の昴で登場した人々が義和団事件の最中に殺されたとされる珍妃の井戸事件の真相を語る!
しかし、証言者達の証言は、ことごとく食い違う!?
果たして珍妃を殺めた犯人は誰なのか?
関連して、読む前に『蒼穹の昴』はさることながら、松岡圭祐さんの『黄砂の籠城』と『黄砂の進撃』を読むと登場人物達の相関図が立体的になります!
【義和団事件について考えて思う事】
あくまでも個人的な意見ではありますが、清国にアヘンを持ち込んだイギリスという国家、アジア諸国を植民地支配していた欧米諸国、世界に混乱と争いを巻き起こす耶蘇教の人々、そんな西洋文明に憧れる私達の国を思うと辟易とします・・・
Posted by ブクログ
続編と言うよりは番外編と言った感じ。
サラッと読める文量だが、珍妃の最期を通じて描写される義和団事件渦中の北京には振り払えない重苦しさあり。
印象に残った台詞
人間は獣の一種だから、元来はみな臆病。(中略)その本能を凌駕する精神(中略)侠気という鎧ですね。そういう人間が現れなければ歴史は作られないから。
隣人を愛し、敵をも愛せよと悟した耶蘇の教えは、貧しい彼らの良心であったに違いありません。人間としてはそうせねばならぬと分かってはいても、日々の暮らしのために裏切り続けねばならない彼らの良心。(中略)孔子様も、改まって愛なとどとは仰せられなかった。なぜなら、当たり前にすぎるから。