あらすじ
列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
蒼穹の昴に感銘を受けたのでその続編にトライ。 皇帝の妃である珍妃を井戸に落とした犯人は誰か?没落していく紫禁城、そして、本当の愛とは。光緒帝の最後の語りが悲しかった。
・・・・「愛」と殊更に口にしなくても当たり前のものとして知っている/珍妃
・・・・次は中原の虹へ。
Posted by ブクログ
愛の物語だった。
人はわざわざ教えられなくても愛し合うものだ、という。
愛し合うということが当たり前すぎて、孔子も教えない、という。
日本にも、もともと愛という言葉はない。
浅田次郎さんには、こういう考え方もあるのか、と、いつも目を開かさせる。
Posted by ブクログ
楽しく読めたが、シリーズ全作が良過ぎて、ちょっと物足りない。
大部分が独白で構成されていたものの、読みづらさはなかった。
途中で、ミステリーとして読めばよいのだと頭を切り替えたけど、着地点がなかった。
また、蒼穹の昴で掘り下げられなかった人物にスポットライトが当たった点は良かったものの、結局、お互いがどのように感じていて、どういう人物なのかがわからない結末になってしまったのは残念
張競氏による巻末の解説は素晴らしかった。
Posted by ブクログ
蒼穹の昴の続編。光緒帝の寵愛を受けた珍妃が誰に殺されたか。7人の登場人物によってそれぞれ語られる。
光緒帝が言うのが真実であれば、列強に清(珍妃)が殺されたという示唆になるのかな。歴史的には西太后のようですが、この本でもそれは読者にお任せというスタイルでした。
Posted by ブクログ
~感想~~~~~~~~~~~~~~~
蒼穹の昴の続編。
光緒帝の寵姫、珍妃を殺したのは誰だったのか。
語り口調で進む、嘘だらけの犯人捜し。
細かいツッコミどころが無くもない。
けど、しっとりまとまっています。
~登場人物~~~~~~~~~~~~~~~~
・載沢(ヅオ、沈国公、乾隆帝の玄孫)
・ソールズベリー提督(英国海軍中将、貴族)
・シュミット大佐(ドイツ陸軍将校、男爵)
・松平教授(大学教授、子爵)
・ペドロヴィチ総裁(露清銀行総裁、ロシア公爵)
・チンフェイ(珍妃チェンフェイの姉、ぶた似)
・劉四(↑チンフェイ付きの宦官)
・隆裕皇后(光緒帝の正室、ラクダ似)
・ツァイイー(端群王、光緒帝のいとこ)
・プージュン(↑の息子、大アーゴ)
~ネタバレ覚え書きあらすじ~~~~~~~~~~~
4人の外国人貴族が、政変のどさくさに紛れて殺された皇帝の寵姫、珍妃殺害の犯人を捜す。
トムは西太后ではないと言い、
蘭琴は袁世凱が怪しいと言い、
袁世凱は姉のチェンフェイがやったと言い、
チェンフェイは隆裕皇后がやったと言い、
隆四はプージュンがやったと言い、
プージュンは珍妃が自殺したと言い、
心を病んだ光緒帝はお前らが殺した、と…