【感想・ネタバレ】珍妃の井戸のレビュー

あらすじ

列強諸国に蹂躙(じゅうりん)され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか? 犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは――。『蒼穹の昴』に続く感動の中国宮廷ロマン。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

蒼穹の昴の続編というか、スピンオフというか。
もちろん独立した作品としても読めるけど、「蒼穹の昴」で描ききれなかった部分が補完されるので、読んでいると楽しめると思う。

珍妃を殺したのは誰か?
をメインに据えたフーダニット仕立てのミステリー。
事情を知る7人は、みんな違う犯人を名指しする。
歴史上、西大后が殺したことにされている珍妃殺しを浅田次郎が描くとこうなる。

いろんなレビューを読んだけど、「結局犯人は誰なの?」って言っている人が多くて驚き。
登場人物たちは嘘をつくけど、共通する事実や読者しか知らない部分を合わせると、信頼のできる証言はあれしかない。
愛された姫と悲劇の皇帝、ふたりの愛だけが真実だった。

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2026年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

蒼穹の昴シリーズの後日譚。前作が完結した戊戌の変時点よりすぐ後の出来事、珍妃の死を題材にしたミステリー風小説。
蒼穹の昴のような歴史のうねりや壮大な物語はないが、大河ミステリーとしてこの上なく面白い。

珍妃の死は史実においても謎が多く残されてるそうだが、本作はその新解釈を投げかけるわけでも、本格推理を展開するわけでもない。

結局、ミセス・チャンという魅力的な創作キャラクターによって、提督や大佐、我々読者をも史実の上で転がし、「珍妃を殺したのは列強諸国でした、ちゃんと気づいた?じゃあ光緒帝は亡命させてよね」と結ぶ物語だったのではないか......

清のため世界のため、珍妃の死の謎を解き明かすべく呉越同舟した英仏日露の4高官。
調査のためにインタビューした6人の関係者はどれも証言が食い違うが、数珠繋ぎのように次の人へと繋がり、不自然なほどスムーズに核心へと迫ってってる。
その入り口のトムと出口の沢殿下、どちらにもミセス・チャンの影がある。

ミセス・チャンがこの手引きをしたのは、ラストに書かれた珍妃の独白、この真意を4人の高官に悟らせ、洋人たちに自らの罪を省みるよう促すため。
珍妃は自ら死を選んだ、と光緒帝および珍妃から語られる。
珍妃は自分が死ねば光緒帝が心を病み、国が危機に陥り、列強諸国がそれに危機感を抱いて清を助けんとするところまで考えていたのだろう。それが滅びゆく清で光緒帝の命を救う唯一の道だとも。

本作はどこまでも珍妃と光緒帝の純愛物語をベースにしているのだが、珍妃は清の未来をも見通しており、彼女が西太后に比肩する聡明さと大局観を持っていたことが明かされて終わる。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

蒼穹の昴に感銘を受けたのでその続編にトライ。 皇帝の妃である珍妃を井戸に落とした犯人は誰か?没落していく紫禁城、そして、本当の愛とは。光緒帝の最後の語りが悲しかった。
・・・・「愛」と殊更に口にしなくても当たり前のものとして知っている/珍妃
・・・・次は中原の虹へ。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛の物語だった。
人はわざわざ教えられなくても愛し合うものだ、という。
愛し合うということが当たり前すぎて、孔子も教えない、という。
日本にも、もともと愛という言葉はない。
浅田次郎さんには、こういう考え方もあるのか、と、いつも目を開かさせる。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

楽しく読めたが、シリーズ全作が良過ぎて、ちょっと物足りない。
大部分が独白で構成されていたものの、読みづらさはなかった。
途中で、ミステリーとして読めばよいのだと頭を切り替えたけど、着地点がなかった。
また、蒼穹の昴で掘り下げられなかった人物にスポットライトが当たった点は良かったものの、結局、お互いがどのように感じていて、どういう人物なのかがわからない結末になってしまったのは残念

張競氏による巻末の解説は素晴らしかった。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

蒼穹の昴の続編。光緒帝の寵愛を受けた珍妃が誰に殺されたか。7人の登場人物によってそれぞれ語られる。
光緒帝が言うのが真実であれば、列強に清(珍妃)が殺されたという示唆になるのかな。歴史的には西太后のようですが、この本でもそれは読者にお任せというスタイルでした。

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2022年10月31日

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