感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年03月15日
美しい文章と、語られるラブストーリー。
結論は出ない。けど余韻が残っている。
この余韻がすごく好き。
それぞれのお話に出てくる男たちが魅力的でした。
「ドライブ・マイ・カー」と「イエスタデイ」が特に好き。
「女のいない男たち」では失ってしまった「女」についてのみをこれほど多く語れるのが素晴らしいと思...続きを読むった。しかも想定のお話で。
もう一度ゆっくりと読みたい作品。
Posted by ブクログ 2024年03月02日
村上氏の本はあまり読んだことがなかった。
その過去に少し後悔しつつ、これからたくさんの村上春樹に出会えることに悦びを覚えた。
この短編集は少し神話的側面もありつつ、共感できるようなできないような曖昧な感情の表現が上手くて、簡単な言葉を使うと『洒落てる』といった印象だった。
Posted by ブクログ 2024年01月14日
六つの話からなる短編集。ドライブマイカー、独立器官、木野の三遍に強く引き込まれた。他人事とは思えない感じ?
ある日突然、あなたは女のいない男たちになる。
その世界では、音の響き方が違う。喉の渇き方が違う。
Posted by ブクログ 2024年01月06日
⚫︎受け取ったメッセージ
人を好きになり、分かりあうことの難しさを思った
現実味のある村上ワールド
⚫︎感想
映画化された「ドライブ・マイ・カー」
村上氏はずっと「意識と無意識」をテーマに書いているとのことで見せ方は異なれど、常に一貫している。
・ドライブ・マイ・カー
映画化もされた作...続きを読む品。映画も見たが、映画は本作にかなり忠実にベースにした上、広がりやイメージも付加されている。本作も映画もとてもいいと思った。また読みたいし、見たいと思う。
妻の浮気相手である高槻は「どれだけ理解し合っているはずの相手であれ、どれだけ愛している相手であれ、他人の心をそっくりのぞき込むなんて、それは出来ない相談です。そんなことを求めても、自分が辛くなるだけです。しかし、それが自分自身の心であれば、努力さえすれば、努力しただけしっかり覗き込むことはできるはずです。ですから、結局のところ、僕らがやらなくちゃならないのは、自分の心と上手に正直に折り合いをつけていくことじゃないでしょうか 本当に他人を見たいの望むのなら、自分自身を、深くまっすぐ見つめるしかないんです。僕はそう思います。」という言葉に打たれ、家福の心に届く場面が好きだ。結局は、家福は妻の深いところに入りきれず、不倫を見なかったことにし、妻の前でも良き夫の演技をし、嫉妬していたり、遠慮したりしている自分自身も見て見ぬふりをしてきたのだった。役者である家福は、それを自然にやってのけられる技量があるせいで、それは無意識的に自分を守るためだったかもしれない。
みさきの、若いのに達観している格好よさには惚れ惚れする。家福が自分の心を素直にみさきに吐露するところ、みさきが、他人の理解し得ない部分を「病」と簡潔に言ってのけるところが、いい。もやもやした部分に名前を与えることで、みさきは家福を救っている。そして家福の娘(幼年で亡くなったが)と同年齢設定にしてあるところもいい。よく考えられた作品だと思った。
※他印象に残った作品
・イエスタデイ
関西生まれではないのに後付けでコテコテの完璧な関西弁を身につけて話す大学生時代の友達。ユニークで切ない気持ちになる作品だった。
・独立器官
そつなく生きてきた50過ぎの美容外科医の男を通して描かれる作品。スマートに恋愛を謳歌してきた恋をして食べ物が喉に通らなくなり拒食症のようになり死んでしまう。それまでの上部の恋愛しか知らなかったそれまでの彼と、相手の質はどうあれ、そこまで恋焦がれ、身を滅ぼした彼と、どちらが幸せなのかはわからない…が、そんな男がいたということを忘れないために、書いたという設定。
・木野
傷つくべきときに十分傷つかないと、感情を押し殺してしまっては、中身のない虚ろな心を抱き続けることになる。最後に自分の心と向き合い、自分のために涙できて良かった。
人は、無意識に自分を守ろうとしてしまう。無意識の領域なので、何かに侵食されていても気づかない。そういったものが、意識的には平気なのに、体調不良、肌荒れなどに現れてくる。ああ、自分が意識している以上にストレスを感じているのだなぁという経験がある。
しっかり問題と向き合うことは、たしかに苦しい。が、腰を据え、一度自分の中で問題部分を見つめ、時間をかけ、言葉にし、乗り越え納得することができたときには、本当に苦しみから解放される。
Posted by ブクログ 2023年12月15日
ドライブマイカーが有名なのとタイトルに惹かれて購入。
短編集はちょっと苦手意識があったのに、見事にひっくり返った!
私にドストライク!!
どの話に出てくる女性も謎の色気というか魅力がある感じ、、、でもそれはその人にとっての、というか、こんなに深く印象に残る女と別れた男という生き物が愛しく思えた。
Posted by ブクログ 2024年03月17日
本書の収録作品の一つ「ドライブ・マイ・カー」が少し前に映画になったということで一読。しかし読めば読むほど奇妙な文章を書く作家だと思う。子供の頃は何となく文体がバタ臭くて敬遠していたが、やっぱり読んでみると面白い。面白いのに、何でこれで面白いのか自分でもよく分からない。
日本人のくせに、まるで翻...続きを読む訳文学のような文章を書く。それでいて小憎らしいほど御洒落だ。何が不思議かって、本来こんな翻訳みたいな文章が読み易い訳は無いのに、全然ストレス無く読めてしまうところだ。
別に読み易い文章や文体が優れた文学作品の条件だとは思わない。寧ろ一文を噛み砕くのに時間のかかる文章こそが真に優れた文学だという意見もある。実際にそうした作品は存在するし、まあ、それはそれで一理ある。だからといって村上春樹の文学が低俗だと言いたいわけではない。
思うにこの作家の書く文章は言語としての互換性が極めて高いのだと思う。否、自分は日本語しか解らないから比較検討のしようも無いし、だから根拠がある訳ではないのだが。まるで翻訳のような文章は恐らく英語か何かに翻訳したとき、殆ど原作の内容とクオリティを損わない(変容しない)のではなかろうか。而して若しこれが不特定多数の言語の上で同時に成り立つならば、確かに神業というほかはない。海外で村上春樹作品が高く評価される要因もその辺りにあるのではないか。
Posted by ブクログ 2024年03月14日
映画を先に見て原作が気になり読んだ。
村上春樹の小説らしい少し癖のあるキャラがどのストーリーにも登場して、飽きずに読めた。
小説の後にもう一度映画を見ると更に楽しめた。
Posted by ブクログ 2024年03月13日
短編集としては「レキシントンの幽霊」「神の子どもたちはみな踊る」に続いて3作目になる。ストーリーの面白さや完成度、メタファーの「切れ」はこちらがはるかに優れていたと感じる。村上らしい完成度の高い短編集。メタファーを堪能した。
長編の「世界の終わり」や「ねじまき鳥」、「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」...続きを読むなどと通じる「共通点」のようなものを随所に想起した。どこがと言われると具体的にとりあげるのはなかなか難しいのだけれども。
Posted by ブクログ 2024年02月15日
発売後すぐ読んで以来の再読。
改めて感じたのは、言葉のチョイスがとにかくおしゃれ。
独特の美しく紡がれる言葉たちは、正直良くわからない。理解したいと思って、息を止めて、ぐっと飲み込んでみても、わかるようでやっぱりわからない。でもわからない中に不快さはなく、不思議な心地よさがある。
きっと数年後に...続きを読むまた読み返すだろう。
Posted by ブクログ 2024年02月04日
ドライブ・マイ・カーを呼んでみたかった。
映画は見ていない。
いやはや女性の運転という切り取り方が秀逸すぎて。共感と何かが起こりそうな少しの特殊性。村上さんらしさがたまりません。
短編のため、詳しく掘り下げることもなく推測する部分が多く、さすがにわからなすぎる・・・(いや
村上さんの作品はいつも...続きを読むわかっているとは言えないんだけどさ)
Posted by ブクログ 2024年02月04日
村上春樹氏
どうにもこうにも仲良くなれない。
共感できない。
と10代の頃には既に離れていた作家さん。
この度恐る恐る手に取ってみた。
短編集だったのでまあ読めた。
独立器官と木野は好きな方だった。
メンタル荒れ狂ってる話でした。
まあでもやっぱり何言ってんだ?
の話も多かったけど
理解できた話も...続きを読むあったので
10代の頃より共感力があがったのかな笑
Posted by ブクログ 2024年02月01日
バーでカクテルを飲みながら聞く話のような、お洒落な短編集。誰かの決定的な過失などではなく、必然のことのように女が去ってしまう。男女が一緒にいられる理由は、愛だけではないのだよ、と言われている気がした。
Posted by ブクログ 2024年01月08日
相手と様々な理由で別れてしまった男たちの話。
やや悲壮感もありながらも、人との出会いを通してそれぞれの思いを見つめ返すのが印象的だった。
個人的には『木野』が1番好き。
村上春樹の作品に出てくる女性たちが常に魅力的に思えるのはどうしてなんだろう。
Posted by ブクログ 2023年12月29日
村上春樹の短編小説集。
個人的に好きな話はイエスタデイ。人が成長する過程として、「若いときにはそういう淋しく厳しい磁気を経験するのも、ある程度必要なんじゃないかしら?」「樹木がたくましく大きくなるには、厳しい冬をくぐり抜けることが必要なみたいに。いつも暖かく穏やかな気候だと、年輪だってできないでしょ...続きを読むう。」というセリフがとても印象的だった。ここでは、恋愛の話の中でのフレーズだが、恋愛に限らず人間関係や自分個人にも当てはまる話で、心に留めておきたいと思う。また収録さている「木野」も好きな作品である。妻の浮気から現実逃避し、傷つくべき時に傷つかなかった主人公が、現実逃避先の新たな環境で、少しずつ自分を見つめ直していく話。猫や蛇、神田、謎の女などの登場人物との関わりで綺麗に書かれていたと思う。面白かった。
Posted by ブクログ 2023年11月17日
村上春樹の本を初めて読んだ。
この著者は、大人の恋愛にしか興味がないのかと思った。また、その欲を文章を書いて発散する人なのかと思った。
中国の本屋で村山春樹はものすごく人気なようで、試しに読んでみたものの、わたしには、あまり良さが分からなかった。
独立器官という発想は面白いと思った。恋愛をするとき...続きを読むは、常識的に存在する器官とはまた別の次元や空間に存在する医学的には解明できないのではないかと錯覚する何かが働いているように感じる。
Posted by ブクログ 2023年11月11日
女に去られようとしている、あるいは去られてしまった男たちのエピソード全6編からなる短編集。
詩的で、性的で、読後は不思議と余韻が残る物語。
特に何か理由があった訳ではありませんが、
これまで村上春樹氏の小説は読んでおらず、先月、
本著者訳の「ティファニーで朝食を」を読んだことをきっかけに、今回、「...続きを読むドライブ•マイ•カー」の
映画が話題となった本小説を読んでみました。
だいぶ官能的な作品だったなぁという印象で、
好き嫌いはハッキリ分かれそうです笑
Posted by ブクログ 2023年10月30日
「女のいない男たち」をめぐる短編集。
ハルキストではないけれど、
まんまと村上春樹の世界観に引き込まれ、
心地よい読書体験となった。
行間から漂う香り、音、空気感。
他の作家さんでは、
醸し出せないものがある。
アメリカ文学のような、
英訳したくなるような独特の文体。
ノルウェイの森から
変わら...続きを読むぬ、村上春樹ワールドを堪能。
短編でもこれだけ味わい深いのは、
さすがだなー。
個人的には
シェエラザードが一番好きだったな。
主人公がシェエラザードの話に引き込まれていくのと一緒になって
ドキドキしながら話の続きを聞いてる気分で。見てはいけないものを見てしまった感覚で。シェエラザードの気持ちになって
好きな人の家に忍び込んで、シャツの匂いを嗅いでる気分で。そっと引き出しの奥に秘密の品を置く気持ちになったり。
一冊読み終えて、
あー寂しいな、もっとこの本の中にいたかったなあ、と感じた。
Posted by ブクログ 2023年10月23日
木野と表題作は難解。
木野の最終盤、逃げ出さなければならない理由がわからない。
表題作は最初から最後までよくわからない。何を言おうとしているんだろう。
ドライブマイカーは絵になると言うか、情景が浮かぶ良いストーリーでした。その他のお話は独立機関、シェラザード、木野と表題作まで、女性を何らかの形で求める男の満たされない気持ちがあふれているように感じました。コロナで人々のふれあいが不自由になる中で求めていたショートピースを一個いただきました。
Posted by ブクログ 2024年02月26日
アカデミー賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」収録の短編集ということでハルキストではない私でも興味深く手に取った作品
読み始めて数分で、いつの間にか独特の世界観にするすると滑り込み没入感を感じさせる筆力は流石だった。なかなか目にしない「まえがき」からも作者らしさがびんびんと伝わって来た。
6編の...続きを読む短編はいずれも“女が去って行った”或いは“女のもとを去って行った”男のお話で、無機質で空虚な心理描写が際立っていた。確かに女性の場合だと必ずしもこうはならないよなぁと捉え方の違いが興味深い。
そして殆どの作品が突然に幕引きとなる。
明確な結末が用意されていないのが、良くも悪くも村上春樹さんなのだろう。
場所や設定や人物までも、全て仮想なのか?いや暗喩か?と多角的に捉えようと試みても答えがフワフワと掴みどころがない。
でも独特の文体で、選ばれた言葉が織りなす世界観、空気感が、深い森の中にいるようで心地よく中毒性を感じる方もいるだろう。
読者が想像し自分なりの理解と結末で余韻を楽しむ作品なので好き嫌いは分かれるだろうが、短編でこれ程の奥行きの深さを魅せられるのは素晴らしいと思った。
収録作品は下記6編
★は個人的に特に印象的だった作品
「ドライブ・マイ・カー」
亡くなった妻の不倫相手に近づき、妻への理解を深めようと試みる男の話。若い女性の専属ドライバー相手にその回想話を繰り広げていく設定だが、これを長編の映画にしてアカデミー受賞なのだから、間違いなく監督の意欲作なのだろう。
「イエスタデイ」
幼馴染と交際しているにも関わらず、浪人中に自分の友人に彼女との付き合いを勧める男の話。この主人公の木樽が良いキャラで際立っていた。
6編中では一番読みやすいお話だと思う。
「独立器官」★
独身貴族を謳歌し、複数の女性とスマートに同時交際をしていた52歳の美容整形外科医師が、ある女性に本気になってしまったお話。タイトルのネーミングセンスが抜群。
「シェエラザード」
“ハウス”に籠っていなくてはならない男と彼の元を訪れる専業主婦のお話。彼女の前世と、彼女が少女時代に恋した少年の家に侵入を繰り返した過去を語るお話。
「木野」★
妻の浮気現場に直面しそのまま家を出て離職し新たにバーを始めた男が主人公で、傷付き哀しむべき時にそれが出来なかった男の心が辿り着いた先のお話。
「女のいない男たち」
自死の道を選んだ元彼女が3人もいる男の話。その3人目の知らせは元彼女の夫より夜中に連絡を受けて唐突に知ることとなるのだが彼はどう受け止めるのか。
Posted by ブクログ 2024年02月01日
あまりタイトルからして好感が持て無かったがそこそこ面白かった。男女の関係の中にある複雑な要素を追体験したような感じ。アタシにはわかんないけど
Posted by ブクログ 2024年01月17日
ハルキストでもない私でも、やはり読まずにはいられなかった小説であり、やはり性的描写の必要性や必然性をまたもや感じられない本であり、そしてやはり独特の文感に没入させられた読書だった。
Posted by ブクログ 2023年10月22日
ドライブ・マイカーが気になり初の村上春樹。
ああ、こういう文章を書く人なのかと淡々と進む短編集
のめり込む、心に強く響くというより、淡々とした村上春樹。
Posted by ブクログ 2023年10月16日
バーで読むのが似合いそうな、大人の男女の短編集。村上春樹作品の良さがまだよくわかってないがきんちょなので読むのに時間がかかりました。何にせよドライブマイカーがあんなに短い作品だとは… どうしたら3時間くらいの映画にできるのか…
Posted by ブクログ 2023年10月08日
初 村上春樹 作品
傷のある本だった、あとはルビのタイミングが変だなあと思ったり
結局独立器官がいちばん好みで、木野も好きだったけれど、終盤にかけて村上春樹の複雑さに呑み込まれた
ドライブマイカーは"映画→原作"の順になった、文章を映像化するのは本当にすごいなあと
…シェエラザードは私には刺...続きを読む激が強い
Posted by ブクログ 2023年09月23日
村上春樹、ここにありである。
喪失や哀しみ、そういったものを描きながらどこか無機質で、どこかおかしい(笑えるという意味でなく)世界観。
若き日のキレのようなものはなくなり、さすがの大物も歳を取ったか。それでもゆるりと読者を独自の世界に包み込む文体はやはり秀逸。
Posted by ブクログ 2023年09月21日
アカデミー賞受賞作品、「ドライブ・マイ・カー」が含まれた短編作品集。村上春樹さんの作品は『ノルウェイの森』を途中で挫折したタイプなので、どうかなと思ったのですが、こちらはすんなりと読み終えました。
【好きな作品】
★イエスタデイ
★独立器官
★シェラザード
★木野
『イエスタデイ』は主人公の友達...続きを読む、木樽がとても良いキャラでした。物語的に惹き込まれたのは『シェラザード』と『木野』。木野は少しホラー感があります。
【嫌いな作品】
★女のいない男たち
なんというか、思いついたことを深く考えずに喋った内容をただひたすら綴るような文体に嫌悪感を覚えました。
★疑問点
アカデミー賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』ですが、短編集なので本当に短く「この文量で映画になるの?」ととても疑問に思いました。そういう意味で映画も観てみたくなりました。
また村上春樹さん自身も文章内で「まえがきを書くのは好きじゃない」と述べていますが、私もこれはまえがき要らなかったのでは…?むしろあとがきで入れて欲しい内容だったなと思いました。
村上春樹の小説は何作か読んだが、どの作品もスッキリさせてくれない。そこが作者の狙いかも知れないが、私はダメだ。どうでもいい事をややこしい単語と言い回しで難しげにしているだけで、内容が入ってこない。今回もやられた感が強いな〜