あらすじ
“距離感”を描き続けてきた著者の最高傑作
光浦靖子さん推薦!
「針は心のあるべき場所に導いてくれる。大袈裟に言えば救い、手芸らしく地味に言えば楽しいからねえ」
街の小さなテーラーを舞台に、しなやかに生きる力をくれる物語。
☆デビュー10周年記念作品☆
あらすじ:幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、読む人の心をそっと解きほぐす物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの作品は、個人的にすんなり入ってきやすい。
主人公のリボンちゃん視点で描かれているのに、ほかの登場人物と比べて謎めいた部分も多い気がしましたが、自分に正直で好きなキャラクターでした。
Posted by ブクログ
ほんわかしていて読みやすい作品。
テイラー城崎で伯母の68歳の加代子さんは働いている。もうスーツは作っていなくて、ちょっとしたリフォームとか体操服入れを縫ったりしながらクリーニング店で働いている。
33歳のリボンちゃんこと百花もよくわからない店で働いている。社長の思いつきでいろんなことが始まるのだ。保奈美さんという人に頼まれたビスチェのリフォームを加代子さんに頼まれる。
同僚のえみが辞めるという。えみちゃんは前職でつまづいてしまって、外に出られなくなってリハビリがてら働いていたけど、転職するらしい。えみちゃんは考えたくない人で、転職祝いには1週間分のショーツが欲しいという。だが割とこだわりがあるのだった。ショーツにえみちゃんの好きな絶滅動物を刺繍することになった。
父が昼ごはんに誘ってきた。揚げ物を食べたいらしい。夕食は昔つきあってたつかさと。つかさは妊娠していて、マタニティの下着を作って欲しいという。でも断った。加代子さんは今、リボンちゃんの中学同級生の福田くんのスーツを縫っている。
福田が福田自動車の社長になるというので、バーベキューに来たらビールをかけられた。福田家の姉妹のキャミソールを頼まれる。
子宮がん検診を受ける。社長の友達で半身麻痺のある小百合さんの下着オーダーを受ける。一人でも脱ぎ着しやすいものとの注文だ。だが車椅子とかが入りにくいねぇという話になる。
Posted by ブクログ
登場人物があぁ、好き!って思う人ばかりだった。
思うことを言っても、否定されずに成り立つ世界。
優しい世界だなと思った。
時間差で「失礼だったね」と言えるのも、「失礼ではなかったですけど」に割って入る「私も失礼だったと思う」も、だからといって気まずくなるんじゃなく、さわやかに謝れる姿もどれも好き。
社長さんにも「余計なことしました」ってハッキリ言えるところも、謝るけど引きずらないところも。
みんなそれぞれが本当に相手を思いやっているのが伝わるし、失敗してもそれで居心地悪くなるわけじゃないところがとても読んでいて心地が良くて、こんな関係を築いていきたいんだなって思った。
そしてはるちゃんの気持ちが痛いほどによく分かった。
でもこれって本当は周りが求めてるわけじゃなかったりするんだよね。
そう思ってしまうきっかけはあったとしても、みんながみんな「面倒見の良い、良い子」を求めてるわけじゃない。でも手放せない気持ちもすごく分かる。
あぁもっと自分を大切にしよう、していいんだよーと叫びたくなった。
Posted by ブクログ
子どもの頃から常に髪にリボンをつけているから、「リボンちゃん」と伯母からも呼ばれる百花、33歳。周りから浮いてるけれど、本人はあまり気にせずにその日の気分で色んなリボンをつけて過ごしている。
3年前に母親を病気で亡くし、父親は再婚相手のマンションで暮らし、実家で一人暮らしをするリボンちゃんには、良き理解者である母の姉・加代子さんがいる。そんな加代子さんは、今は施設に義父と亡き夫がやってきた「テーラー城崎」で洋服のお直しなどを仕事として細々と暮らしている。洋裁の能力がありながらも、「テーラースーツを作るのは職人の男がするもので、女がするもんじゃない!」(本文の文章とはちがう)という言葉に従い続けてきま加代子さん。でも、リボンちゃんと下着のリメイクに取り組むうちに、変わっていく。
読んでると、主人公は飽くまでリボンちゃんなのに、リボンちゃんがすごく成長して変わっていく様子が感じない。常に冷静。客観的。余計なことは言わない。そして、すごく柔軟。「そういう人なんだな」とすんなり受け入れている。
それなのに、伯母のテーラー城崎で副業のように仕事を手伝うようになり、そこで出会う人、再会する同級生、また狭いコミュニティなので、リボンちゃんの会社の人も繋がっていて、そこでの「ちょっと変わってる、浮いてる」人たちがリボンちゃんの何気ない肯定的な言葉、世間体や周りとの協調性より大切なものに気づかせてくれる発言によって、少しずつ少しずつ自分を取り戻してるように思える話だった。いや、葛藤中の思春期の子もいるけど。
リボンちゃんて、浮いてるかもしれないけど、ちゃんと考えて、その場その場で吟味して言わなくていいことを判断して、めちゃくちゃかしこいじゃないか!?と私は思う。
誰かとべったりな関係になるタイプでもなさそうだし、恋愛対象は女性のようだし、マイノリティ的な特性を持ってるキャラクターなのかもしれない。今の日本社会のなかでは。でも、芯がある女性だ。
もう少しリボンちゃんを見ていたい気分になった。
Posted by ブクログ
リボンちゃんの像が定まるような定まらないような感じだった。お母さんのエピソードが優しく、また贈り物の下着など、表に出るものじゃないけど、身につけることが心に元気をくれる感じ、わかるなあと思った。
Posted by ブクログ
下着って誰の為のもの?繊細なレースや刺繍、色や形。第一話はサイズも変わって着れなくなった下着をリメイクしてほしい。ポーチやハンカチでなく下着として。そこで「お前の下着なんか誰が見たいんだ、いい歳してみっともない」と言われる。女性にとっての下着は、このデザインは、男の人の為ではない。この手間ひまかけられた美しいものを身に纏う事で自分はかっこよくて強い気がして頑張れた。自分の身を守る鎧のようなもの。ルッキズム。特に女性は化粧をして当たり前、キレイにいるべきもの。それは昔は男性目線で評価されるものだったモノが、今は自分の為のモノ。化粧だって自分がキレイになるのが嬉しいから、今日の私ビジュがいい!でご機嫌になって自信になると強くなれる。むしろデートより女子会の方が気合がはいるようなもの。下着だってそう、この蝶のレース花の刺繍は見ているだけで私達がうっとりする。それは蝶や花だけでなく、それが絶滅動物だったり苔だったり。男性受けより、女性受けより、自分受け。
そうやって自分が自分の為であるように、素直に正直にまっすぐに生きていこうとする人達のお話し。
Posted by ブクログ
ー「個性は尊重すべき」「多様性万歳」、それとは逆の私はつまらないって事ですか?いい子だねって言われてすぐ飽きられる。ー
波瑠の涙ながらの訴えが突き刺さった。
Posted by ブクログ
なんであれ、マイペースで自分を持っている人が好き❤️
たかし社長も、とてもいいし、
福田くんも好きだな。
福田くんの姪っ子ちゃんたちもすごくいい。
もう、なんでもありの現代社会、人の迷惑にならない限り、マイペース貫いていいんじゃない?
Posted by ブクログ
主人公は常にリボンを身につける32歳の百花。
かといって乙女でもなく淡々としている。他人と一緒、個性がある、個性的って素晴らしい、じゃあそうじゃない良い子は?さらっと元カノがいる設定だったり、
視点が面白く新鮮だった。
Posted by ブクログ
前半は全然文字が頭に入ってこなくて、ストーリーが掴みにくかったです。後半は面白くて、サクサク読めました。躁鬱とか、ジェンダーとか、学習能力とか、なんか諸々が詰まってます。
Posted by ブクログ
物語のその先を読者に委ねられたような終わり方が印象的で、読み終えてからも自然と想像が広がっていった。
リボンちゃんのマイペースさは、ただののんびりではなく、自分の軸をちゃんと持っているからこそのもの。
だからこそ、彼女と周囲の人とのやりとりが心地よく感じられた。
「焦らなくていいのかもしれない」
そんなふうに、そっと背中をなでられるような一冊だった。
Posted by ブクログ
皆と合わせられなくて学校に行くのを嫌だった。「堂々としていなさい」と、毎朝母が結んでくれたリボン。
33歳になった今でも嘲笑の種になろうとも「ババアになってもこれで行くつもりよ」と自分の美学を決して曲げない百花。「たどりつけない客は、この店に縁がないってことだ」と商店街の細い路地で無骨にやってきた『テーラー城崎』とどこか呼応しているように見える。
下着は単なる衣類ではなく、その人の尊厳を守るもの。自分の一番近くにある「お守り」を縫い上げる仕事。
「百花はスタートが遅いだけで最後には他の子を追い越すんだ」と漏らしたお母さんの言葉通り、我が道を見つけたリボンちゃんに拍手を送りたいと思う。
Posted by ブクログ
常にリボンを身に着けているリボンちゃんこと百花。彼女の考え方や人との距離感が絶妙で、ずっと読んでいたくなる。個性的な生き方だけではなく、常識からはみ出さなかった側の葛藤も描かれているのが良かった。
テーラーでの手作りの描写や、オーダーメイドの下着のエピソードも面白かったです。
Posted by ブクログ
久しぶりの寺地さん
名前からしてかわいらしく
主人公 百花ちゃんの愛称だと知りふわふわ可愛らしい女の子の
お話だと思っていました。
もちろんかわいいリボンを毎日している百花ちゃんの日々のお話なんだけど、周りにいる
叔母さんや
勤めているところの社長
また社長の姪っ子でもある同僚、同級生の福田くん
みんな、
りぼんちゃんのどこか不思議でそして頼りになるそんな
キャラを引き立たせるような素敵な人たちがたくさんいて
そんな人たちに囲まれながら淡々としながらも
少しずつ自分が今したいと思うことを前を向いて苦戦しながらも実現していく素敵なお話でした。
下着のオーダーメイド
下着って自分しか見ないものだから自分のためにちょっと奮発して
お気に入りがあるとなんだか、
いつもいい気分になりますよね。
自分で自分を大切にしているような贅沢な気分。
思うだけでワクワクしてしまいます。
お気に入りの形でお気に入りの生地や模様の下着つけている日は
なんだか気分も良く人にも優しい気持ちで過ごせそう。
なんだかすごく癒された気分で
読み終わり、
ちょっぴりこのままの自分を
大事にしていこうとなんだか
思いながら読みました。
Posted by ブクログ
百花は「やりたいことがない」と言っていた。
でも気づけば、いくつもの選択を重ねて、前に進んでいた。
「完璧にできようになってから、なんて言ってたら、一生なにもできない」
百花のことばがやけに刺さった。
私はずっと、完璧じゃない自分を見せるのが恥ずかしくて、怖くて、準備ばかりしてきた。
ちゃんとできるようになってから、失敗しないようになってから。そうやって言い訳を重ねて、何も始めないまま時間だけが過ぎていく。
完璧になる日なんて、きっと来ない。
百花は、不完全なまま動いていた。
怖さも、恥ずかしさも抱えたまま、それでも前に進んでいた。
でも百花は、きっと不完全なままでも動いていた。恥ずかしさや不安を抱えながら、それでも前に進んでいた。
そしてもう一つ、心に残ったのは、「好き」という感情の在り方だった。
この物語の中で、それは消えるものではなく、かすかに灯り続けるものとして描かれている。立ち止まっても、遠ざかっても、ふとしたきっかけで、また手のひらに戻ってくるようなものとして。
だから、急がなくてもいいのだと思う。
うまくやろうとしなくてもいい。
自分の「好き」を見失わないまま、
遅くても、揺れても、その都度確かめるように歩いていく。
しなやかに生きる、というのは、
きっとそういうことなのだ。
Posted by ブクログ
多様性やら同性愛やら盛り込んだ設定てんこ盛りだけど、深くは刺さらず、表面をなぞるよう。
手作りの下着という着眼点は非常に好ましい。一人一人違うし、誰に見せると言うのではなく、自分のためにという気持ちに激しく同意。
Posted by ブクログ
多様性の社会といいながら、マジョリティに属している人のパーソナリティをないがしろにしている面をハッと気付かされた。際立つものだけが個性ではない、それぞれの人がよいと思って選んだ道を尊重できるひとでありたい。
Posted by ブクログ
他人との関わり方や、夢がなくても別に恥ずかしいことだとは思わないというどこか達観しているところ、自分が悪かったと思うことはきちんと反省するところ、好きなものや正直な気持ちに向き合っているところなど、魅力的な面がたくさんある芯の強いリボンちゃんに惹かれた。リボンちゃんの勤め先が居心地良さそうで、柔軟な環境で良いなぁと思った。
Posted by ブクログ
洋服や下着のオーダーを通して、着心地の良いこだわりの逸品を作り上げるのは素敵だなぁとしみじみ感じた。
登場人物がみんな素朴で行く末を見守りたくなる人ばかりで楽しく読み進めていたら、恋のはなしやバスの話まで飛び出しびっくりしているうちに突然の終わってしまった。着地点がなかったのが残念。
Posted by ブクログ
大きな事件が起きるわけでもなく、劇的な変化もない。日常の中のちょっとした変化やちょっとしたチャレンジが素敵に響く本。
『リボンちゃん』というタイトルが最後にこう効いてくるかと感じた。
夢がなくても、それを恥じたことはない
リボンのような人って、たしかにいいものかもしれない。
Posted by ブクログ
自分自身は個性の主張よりも、どちらかというと浮かない方を重視するタイプなので、主人公とは少し違うが、興味深くて面白かった。オーダーメイドの下着とか作ってみたいな。あと、既製品であっても、何着も試着してこれ!というものを見つけた感動を味わってみたい。何が他の作品でも見たような気がするけど。
Posted by ブクログ
型にはまる必要はない。
ずっと続ける必要もない。気持ちが変わるのは普通の事。
自分の思うがままでいいんだと思った。
そんな風に生きていきたい。
Posted by ブクログ
夢があって、個性的で面白くて、そんな人もいいし、でもそれがなくてもいい。あったとしても擬態して埋もれててもいい。
やりたいことをやればいいし、やりたいことが今ないならやらなければいい。
目の前のことを淡々と優しくやるだけの日常でもいいではないか、特別じゃなくてもいいではないかと、なんだか普通であることの肯定をしてもらえる話だった。