あらすじ
“距離感”を描き続けてきた著者の最高傑作
光浦靖子さん推薦!
「針は心のあるべき場所に導いてくれる。大袈裟に言えば救い、手芸らしく地味に言えば楽しいからねえ」
街の小さなテーラーを舞台に、しなやかに生きる力をくれる物語。
☆デビュー10周年記念作品☆
あらすじ:幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、読む人の心をそっと解きほぐす物語。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
髪飾りに大きなリボンをつける主人公、リボンちゃんは32歳。リボンをつけることに確固たる意志があり、からかわれてもブレない。たくましい主人公だ。
登場人物それぞれがかなり個性的で、出てくる小道具も個性的。カポエイラ・モタンカ人形・絶滅動物・コケが一冊で出てくる作品なんて他にないだろう。人と違うことについて、自信を持たせてくれる作品だった。
そんな個性的な登場人物たちの中で、異彩を放つのが「普通」な中学生、波瑠。私は彼女の存在がとても気になった。個性的な妹のお姉ちゃんとしての苦悩を抱えている。自分のことを普通で地味で取り柄がないと思っている波瑠に、個性を貫くリボンちゃんの声は届かない。リボンちゃんはそこに大きな反省を得る。
普通であることを卑下する必要はない。個性的であることに目がくらんで、普通であることのよさに気付けなかったと。
下着が外からは見えないように、それぞれの想いも外からは見えない。だからこそ、下着に思いを込めた刺繍やデザインを施す。とても素敵な小説だった。個性的な人にも、普通な人にも読んでほしい。
Posted by ブクログ
自由に生きるとか、多様性とか、「個」を重んじる時代になったからこそ、それは本当に幸せなことなのか?と考える機会を与えてもらったような気がした。
不自由よりも、もちろん自由に生きたいけれど、自由とか多様性という言葉だけが一人歩きして、それすらも価値観を押し付けられている感じがしてしまうことがあった。
言葉にするほどではないけれど、感じていたことを言語化してもらい、背中を押してもらえた気がする。
世の中の空気に流されず、自分が感じたことを本当の意味で大事にできたらいいな。
印象に残ったセリフ
誰もが自分らしく生きたいわけじゃないんですよ。
〜進化ってよりよいほうに進むとは限らないらしくて。わたしそれ知って、なんかちょっとだけほっとしたんです。なーんだ、そんなもんなんだ、って
自分がどんな人間かとか、なにが好きでなにを信条に生きてるかとか、そんなの、いちいち周囲の人全員に見せる必要なんかない。えみちゃんは素敵な人だよ。でもね、だから周囲から浮くことを怖がらないで、そのままの自分をさらけ出せばいい、なんてわたしは言わない
Posted by ブクログ
リボンちゃん。
名前はかわいいけれど自分のことが一番わかっていて、人からの見え方を気にしない強さがあってかっこいいなと思った。
読んでいる間ずっと気持ちの良い風に吹かれているような気分だった。
この先をこそ読みたかったと思う気持ちもなくはないが、ここまででおしまだからこそのこの読後感なのかもしれないと考えると丁度いいのかもしれない。
Posted by ブクログ
とても可愛らしい物語だった。
読んでいる(聴いている)時間そのものが、なんとやかにやさしく癒される時間。
リボンちゃんの性格、はっきりしていて、自分の軸を持っているのに、誰かを傷つけるような尖りはなく、自然と周りと馴染んでいく。そんな人柄がとても心地よかった。
お母さんを亡くした寂しさを、どこかで“リボン”がそっと繋いでいるような気がした。
リボンちゃんという名前も、ももかという名前も、どちらも愛らしくてぴったり。
よくわからないけれど温かい雰囲気のお店で働いて、手芸が好き。
そんな彼女の世界は、静かで優しい色で満たされている感じもあった。
特に「ブラジャーのレース」に対する描写が印象的。
見えない部分にも“可愛い”や“心地よい”を大切にするリボンちゃんのこだわりに、思わず共感した。
お母さんが肌着にリボンを縫いつけたように、自分を大切にする感覚がそこにあった。
出張テーラー、きっとうまくいく気がする。
リボンちゃんなら、最後までやり切るだろう。
ペーパードライバー教習所のくだりも、まじめでかわいくて好き。
水色の車のイメージは、ワーゲンのミニバンみたいな、ちょっとレトロで優しい雰囲気。
オーディブルで最後の音楽が流れた瞬間、
「あぁ、終わってしまった」と少し切なくなった。
それほどまでに、もう少しこの世界に浸っていたくなる作品だった。
Posted by ブクログ
個性的と言われることもその逆も、浮かないよう擬態することも、すべて自由だ。下着って、いつも身に付けているのにあまり深く考えたことがないなと思った。外から見えないから?人に見られて評価されないから?どうしてだろう。
寺地さんの作品に出てくる人物はわりとみんな好きなんだけど、リボンちゃんは特に好みかも。思っていても言葉に出さない、考えを否定しないってけっこう難しい。私自身、夢でも恋愛でも仕事でも、大きな熱?パワー?みたいなものって持ったことがなくて、そんな自分も否定しないような百花の自然さが良いなと思った。
Posted by ブクログ
2025年出版。195ページ。マイノリティも個性の一つ。誰に迷惑掛ける訳でも無いなら、しっかり自分として生きて行けばいいよね、って感じの物語。劇的な何かが起こるという訳でも無いが、個性溢れる面々が織り成すお話し。文体が、如何にも小説!と云う感じと違うので、読んでいて余分な圧迫感が無いのが好き。
Posted by ブクログ
「わかりあおうと思わない方が
かえってうまくいく」
まさにそう。
出てくるみんながなんかしら欠けていて
でもみんなが愛おしい。
誰も自分の考えを押し付けたり
人を否定しようとしないからかも。
Posted by ブクログ
子どもの頃から頭に結んだリボンが
トレードマークになっている
リボンちゃんこと百花。
ある日、伯母の加代子さんに下着のリメイクを
手伝って欲しいと頼まれる。
リボンをつけ続ける事をバイトの男の子に
馬鹿にされても「流行っていようがいまいが
わたしは頭にリボンをつけると決めているし、
ババァになってもこれで行くつもりだよ、
誰がなんと言おうとね」と、穏やかに言える
彼女の強さ。
同僚のえみちゃんは、ちょっと変わっていて、
こんな人が同僚だとちょっと困るなと思ったりするが、百花は必要以上に人の詮索をせず、
肯定も否定もしない(すごいと思う)
伯母の加代子さんは、女性だからと、テーラーの
仕事に携われなかった。細々と日用品の制作で生計を立てている加代子さんは少し変わっているが素敵な女性。いつもマイペースの百花をそのまま受け入れてくれている。
そう言えば、いつのまにか周囲の目や年齢が
気になり、好きなものを手放してしまっていた。
好きなものは好きなままでいい。
やりたいことがみつかったらやってみる
人から何と思われようが。
百花の生き方が羨ましい。
私もこれからでも遅くないかな、なんて
そんな気持ちにさせてくれた。
「出張テーラー城崎」を計画し、動き始めた
リボンちゃん、自分の店としてテーラーを
始める加代子さん、これから二人がどうなっていくのか、続編を期待したい
帯文に光浦靖子さんの推薦コメントが書いてあり、きっと面白いに違いないと思い、読んでみて
良かった。
Posted by ブクログ
主人公の百花が、相手の素敵なところを見つける天才で、でもそれを「あなたの素敵なところ、もっも自信もっていこうよ!」と押しつけないところが良い。
近すぎず遠すぎず、相手を尊重しているところ。
「相手は相手、自分は自分」ときっちり線を引いているところ。
相手の心情や状況を、冷静な目で慮れるところ。
こんな女性に、私はなりたい。
Posted by ブクログ
寺地さんらしい作品
寺地さんは話の中に多様性を入れてくれるから、色々な人に読んでもらいたい。
自分が何をしたいのか、人がどう思うのか、生きづらさを感じている人は多いと思う。人間は一人一人違うのが当たり前、何が言いたいのかわからなくなったけど
いくつになっても自分らしさや夢を叶える為に前を向くリボンちゃんや加代子さんを尊敬します。
Posted by ブクログ
寺地さんのかく、一本芯の通っている女性が好きです。
普段思っているモヤモヤを上手く言語かしてのせてくれてるところも好きです。
好きを貫き通すって難しい、周りの目や自分の年齢や諸々が気になってしまい身に付けるのを躊躇したりする事あるもんなぁ。
Posted by ブクログ
下着リメイクの話かと思って食いついたけど、
りぼんちゃんの生き方とかの話だった。
まぁまぁ緩い人も何人か出てきて
みんなそれなりに生きてて
良かった。
Posted by ブクログ
えみちゃんのエピソードで涙しました。えみちゃんは絶滅動物と仕事に行けなくなった自分を重ねて、でも絶滅動物が絶滅したのはたまたまの偶然と知って、自分を励まし続けてたのかな…と思うと切ない気持ちに。
誰もが社長のように自分らしく生きたいわけじゃない、というえみちゃんに対しての、リボンちゃんの言葉。社長が人と同じは嫌、というのは凡庸な人だからだよ、とえみちゃんにいうシーン。
人と違う目立つが偉い、ステキ、かっこいいと思いがちですが、べつにみんなと違っても凡庸だろうと、いいんだよなーと改めて思いました。
Posted by ブクログ
私の体験を書かせていただきます。
この本は、はっきり言って、「サイン本」というのに惹かれて購入しました。(勿論、寺地はるなさん気になっていました!!)なぜかスラスラ読めて、きれいな文章であっという間に読み終えてしまいました。それに下着に関しての本なんて聞いたことありましたか。
読みづらい内容だと思ったら間違いです!!皆さんにもぜひ読んでみてほしいです。
私は、最後の一文が大好きなので、ここに記しておきます。(3文あります)
「ほら、リボンちゃん。『すすめ』だよ」
「うん。そうだね」
私は頷いて、アクセルペダルを踏んだ。
Posted by ブクログ
パラパラめくって目に止まった。
パラパラなので、ストーリーとか、えみちゃんが誰なのかわからないけれど、この箇所とにかくいい。
83ページ
「自分がどんな人間かとか、なにが好きでなに信条として生きてるかとか、そんなの、いちいち周囲の人全員に見せる必要なんかない。えみちゃんは素敵な人だよ。でもね、だから周囲から浮くことを怖がらないで、そのままの自分をさらけ出せばいい、なんてわたしは言わない」
「このまま、擬態しててもいいってことですか?」
「えみちゃんがそうしたいんならね」
Posted by ブクログ
寺地さんの筆致は迷いがないように見える。それが好きだ。つかみどころがない割に、確固たる自信を持っている主人公たちも、かっこいい。寺地はるなさんらしい作品だと思った。文章を柔らかくするために?漢字をひらいて書かれているけど、それは少し読みづらいなと思うときがある。
p.63
「でもね、あたしまだ不慣れなのよ」
何枚かショーツやキャミソールを縫ってみたけど、と加代子さんは眉を下げる。
「完璧にできるようになってから、なんて言ってたら、一生なんにもできないよ」これはわたしの実感から出た言葉ではない。以前、社長が似たようなことを言っていたのだ。
ウクレレを習いはじめたばかりの頃、「上達してから人前で演奏するなんて言ってたら一生上達しないからさあ、聞いてくれよ」と、無理やりわたしに聞かせてきた。たしかにその通りだと思ったし、へたな自覚がある社長の意外な客観性にも感心したので、よく覚えている。
加代子さんが思案するように、頬に手を当てる。
「まあ、そうかもしれないね」
p.71
一時期、ハンカチ、靴下、トートバッグやシャツなどにオリジナルの刺繍を入れてひとり悦に入っていた。つかさは「あんたってなんにでも刺繍入れたがる」と呆れていた。わたしといっしょにいる時には刺繍しないで、他のことに熱中されるとふたりでいるのにひとりぼっちみたいでさびしいの、と勘ねられたこともある。つかさはいつも、愛情というかたちのない尼介な代物について、自分のそれよりわたしのそれが小さいだとか軽いだとか言っては泣き、怒り、やがてわたしにあいそをつかして去っていった。
p.110 これ、チーズメンチ。食べな」「え、あ、おいくらでしょう」
保奈美さんは「お金はいいから」と財布を出しかけたわたしの手にチーズメンチを押しつけ
る。
「悩みには肉だよ。油だよ。つまりチーズメンチだよ」
怒濤のチーズメンチ三段論法に圧倒されながら、「幸せな時はなにを食べるんですか?」と訊ねてみた。
「なんでもいい。幸せな時はなに食べたっておいしいんだから」
p.112 罪の位置で切り揃えた髪と同じ色のやわらかいグレーのブラウスに、黒い巻きスカートを合わせている。爪と唇と靴だけが鮮烈に赤い。自分に似合うものをよく知っている人は美しい。
p.116 まずはネイビーブルーの生地にオフホワイトの刺繍が施されたハーフカップのブラジャーを着けてみる。カーテンを開けると、マリエさんが近づいてきた。若い頃に百貨店の下着売り場で試着をした時にぐいぐいぐいぐいと脇や背中の肉をカップに押しこまれて痛いやら恥ずかしいやらで二度とここでは買わねえからな、と慣標したことを思い出したが、マリエさんは生地や肌に一瞬手を添える程度で、すぐに離れていく。だから、すこしも不快感がなかった。
Posted by ブクログ
「水を縫う」を読んで
寺地はるな氏のジェンダー視点を
持った作品をまた読みたいと思った
チェックの赤いリボンが
可愛い表紙、どんな内容?とワクワク
気になった箇所を以下抜粋
・でも男ってさ、ほんとバカだよね。
女の下着は男の気をひくための衣装かなんかで、目的はそれしかないとでも思ってんのかね
・男も女もやりたい人はおおいに
やればいい。やりたい人は、だ。
・外野が『そうに決まってる』
『それしかない』と勝手に決めつけて、
「いい歳』だからその資格はないとかなんとか判定したり、自分こそがその判定員で
あると思いこむのは、愚か
(P35)
・ああいう会議って、おじさんとおじいさんばっかりじゃない。
勇気出して発言しても、若いお嫁さんがなにナマイキ言ってんだって感じでさ。
何度もめげそうになったよ。
でもね、あれを服の下につけてると、
自分がすんごいかっこよくて強い女に
なったみたいな気がして、力が湧いたんだよね
(P41)
・無難でいい、浮いてなきゃいいって
選んだものに囲まれているとね、わからなくなってきちゃうの、自分の好みが。
でも、なくなるわけじゃないの、
ちゃんとあるのよ、ここに
(P64)
・自分の好みを知ることって、
心の奥を見つめることだよね。
どれが好き?どう見せたい?
どうなりたい?って、
自分に問い続けるってこと
・ここに傷があるな、とか、
ほころびがあるな、とか、色々思いながらも大事にしてきたつもりなんです。
わたしは、わたしの人生を。だから
(P121)
まるきゅう精肉店の加代子さんの
「悩みには肉だよ」には
凄く頷いてしまった(≧∀≦)
下着は自分のために纏うものだよね
読み終わって気持ちが
軽くなれる一冊
Posted by ブクログ
『リボンちゃん』という名前から、主人公は結構ふわふわしていて、優柔不断とかなのかなぁと勝手に想像しながら読み始めました。
でも、読み進めるうちに、自分の事を客観視してるし、相手の事を尊重して会話をしているしと、全然ふわふわしてない!
下着のリフォームの話だからといって、『下着が変わると人生も変わる』みたいな話でもなくて、もっとそっと寄り添う存在みたいに描かれていたことに好感が持てました。
そして「リボンちゃん」の考え方や感じ方に刺激を受け、もっと自分の人生を大切にしようと思えました。
Posted by ブクログ
レースやフリルやリボンで彩られた下着を見てワクワクしていた子供時代。
入院中のお母さんのブラジャーを分解して、父に「異常、おかしい、いかがわしい」と言われるが、その時唯一味方をしてくれたおばさんとの交流を通して、自分が本当にやりたい事を見つけるまでが描かれた作品。
OLとして勤務する会社の社長はちょっと風変わりで、コネ入社の姪っ子はそんな叔父とは違って、人と違う事や周囲から浮く事を避ける傾向にある。
そんな2人の背景や会話は「自分らしいって?」や「多様性とは?」という事について考えさせられる。
そして、マリエさんが言った「わたしはいつか死ぬ」「できるうちに、できることをすると決めたの」という言葉はシンプルで当たり前だけど、心に響く一言でした。
Posted by ブクログ
表紙の雰囲気が可愛くて読みたいなと思った作品。
寺地さんは2作品目かな?(* .ˬ.)
幼い頃から可愛いものが大好きで
頭のリボンがトレードマークの百花⋈
リボンちゃんというからてっきり小さい女の子かと思ったらそうではなく大人の女性。
周りの目とかも気にせず自分の好きなものを貫く姿はかっこいいなと思った。私はすぐ他人の目とか気にしちゃうから。
でもとりあえず下着のお話だとは思わなかったのでびっくりしたけど、サクサク読めた♩¨̮
あと百花の心の声がたくさん出てくるように感じた。
下着に対する固定観念は少なからずあるよなぁとしみじみ。でも保奈美さん(?)の旦那さんが「誰に見せるんだ!」みたいなこと言ってたけど、誰かに見せるとかじゃなく自分のために付けるんだよ!と一緒に腹立たしくなった。
オーダーメイドの下着って着け心地も良いんだろうな。持ってないので少し興味深かった( ・.・ )
Posted by ブクログ
うーん。やっぱり寺地さんの作品はもう良いかなー。
子供の頃、若い頃なりたいものがなかった事にコンプレックスに近いような気持ちもあったし、大人になってからもやっぱり夢がある人、あった人が羨ましかったりするんだけど、大人になってこれから何がしたいと思える事も悪くないなと思い始めていたからこの本の中で同じように大人になってからこれからの事に夢を持てるのもやっぱり良いなと思った。
んまあ、若い頃に夢を持てたほうがやっぱり良い気はするけど。
Posted by ブクログ
えつ、ここで終わり⁈が正直な感想。
続きがあるのかな?あって欲しいな。
リボンちゃんの人との接し方がいいな。というか登場人物みんななんか良かった。こんな人たちに囲まれて過ごせたら、ストレス少なそう。
Posted by ブクログ
夢か。なんだったかなあ。下着の話とは思わなかった。男用のオーダーメイド下着屋。デパートで服買うたびに思うが紳士用は柄を含めて選択肢の幅が狭い。下着も然り。でも利用しないか。ものぐさだから。
Posted by ブクログ
『女性の幸せ』という言葉はよく耳にする。日本は男性より、女性の方が幸せ度が高いという統計があるみたいだ。幸せな女性とは愛情深い母親というイメージが私の中にある、その固定観念は古い。女性の伝記やエッセイをこれから沢山読んでいきたい。
Posted by ブクログ
よくわかんない店で、自由な社長の下でゆるっと働きながら、紳士服の仕立てをやらないテーラーの手伝いをすることになる、リボンちゃんこと百花。百花の仕事は下着のリフォームやオーダーメイド下着を縫うこと。
百花は自信があるわけではなく、何か明確にやりたいことがあるわけでもないが、気にせず堂々としている。言いたいこともきちんと言う。加代子さんも今は同じ、百花の同志だ。百花は下着のオーダーを受ける中で、やりたいことをやってみようと考えるようになってゆく。
「わからない、考えたくない、選びたくない」えみちゃんは、他人の評価を強く意識しながらも、自らのポリシーは曲げない。相当生きづらそうだが、隠し通す生き方を選ぶことを、百花は肯定する。職場にえみちゃんがいたらやりにくそうではある。
マイクロバスの購入資金、オーダーに対応するための技術など、現時点ではどうするのかなと思うが、これからと言うことで。
おそらく関係のない話。クリスマスツリーの一番上の星を持ってきてしまうエピソード、他の作品で見た気がするのだけれどなんだったのだろう?寺地作品ではないような気もするが気になる‥
Posted by ブクログ
装丁がかわいくて寺地さん初読み。
りぼんちゃんは幼い女の子を予想してたから、立派な大人で大きなリボンをつけてる主人公に驚かされた。自分はアクセサリーとかランジェリーを率先してつけないからオーダーメイドで作ってもらったりするのは素敵だなあと感じた。
ところどころ共感できるシーンもあって読みやすかった。他にもこの方の本を積読してるから読んでみようと思ったら。
「人間関係はオーダーメイドのように自分の思い通りにつくり上げるものではないしぴったり合う既製品を探しあてるようなものともまたちがう。」
Posted by ブクログ
可愛いものが好きな百花は、頭のリボンがトレードマークで伯母の加代子からは、リボンちゃんと呼ばれている。
伯母さんは、夫亡き後紳士服のテーラーをたたみ、お直しや小物などを頼まれたのを細々と制作している。
ある日、下着のリメイクの依頼が届き手芸好きの百花の力を借りることに…。
下着をオーダーすることなど考えたこともなかったが、これもありなんだと思った。
単に自分のための気に入ったものというだけじゃなく、体が不自由になったけど自分で着替えたいということもあるんだと。
さらには移動手段まで考えて…と。
やりたいことをやる勇気は凄いなと思う。
新たな何かを見つけることは、自分自身の成長にもなるんだろう。
しなやかに生きる力をくれる物語。
Posted by ブクログ
バイト続きの″よくわかんない店″で働いていた、百花。ある時、伯母の店のテーラーに下着のリメイクの依頼が入る。関わるうちに、キッチンカーならぬ出張テーラーをやる事を思い付く。手芸好きが仕事になるのはとてもいい。奥が深いし出来上がりも素敵だろうな。身体が不自由な方にも喜ばれそうだ。
Posted by ブクログ
テーラーを引き継ぎリメイクを手掛ける伯母・加代子。
姪の百花は会社勤めの合間に店を手伝う。
下着リメイクの依頼がある。
「しっくりくる下着」を身に着けられたらいいのに。
加代子と百花の挑戦は始まったばかり。
百花の勤め先の社長はどんな人?
その会社に勤めていて生活はできるのだろうか。
加代子と百花のやりたいことが夢物語と思えてしまう。
皆が抱える葛藤や思いを丁寧に描いて欲しかった。
散らばっているメッセージを拾い集め
答えはなく問いかける一冊であったとしても
何かが残る作品であったなら...。
補足
2025年8月3日付 中日新聞記事より
個性の是非を問う問題作ではないかと尋ねると
やんわりと否定した。
「いえ、メッセージとかは特にないんです」
好きな作家さんなので、新聞記事を残していたんだった。
この先も読み続ける作家さんのひとり。
新作も楽しみ。