あらすじ
“距離感”を描き続けてきた著者の最高傑作
光浦靖子さん推薦!
「針は心のあるべき場所に導いてくれる。大袈裟に言えば救い、手芸らしく地味に言えば楽しいからねえ」
街の小さなテーラーを舞台に、しなやかに生きる力をくれる物語。
☆デビュー10周年記念作品☆
あらすじ:幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、読む人の心をそっと解きほぐす物語。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
えみちゃんのエピソードで涙しました。えみちゃんは絶滅動物と仕事に行けなくなった自分を重ねて、でも絶滅動物が絶滅したのはたまたまの偶然と知って、自分を励まし続けてたのかな…と思うと切ない気持ちに。
誰もが社長のように自分らしく生きたいわけじゃない、というえみちゃんに対しての、リボンちゃんの言葉。社長が人と同じは嫌、というのは凡庸な人だからだよ、とえみちゃんにいうシーン。
人と違う目立つが偉い、ステキ、かっこいいと思いがちですが、べつにみんなと違っても凡庸だろうと、いいんだよなーと改めて思いました。
Posted by ブクログ
「水を縫う」を読んで
寺地はるな氏のジェンダー視点を
持った作品をまた読みたいと思った
チェックの赤いリボンが
可愛い表紙、どんな内容?とワクワク
気になった箇所を以下抜粋
・でも男ってさ、ほんとバカだよね。
女の下着は男の気をひくための衣装かなんかで、目的はそれしかないとでも思ってんのかね
・男も女もやりたい人はおおいに
やればいい。やりたい人は、だ。
・外野が『そうに決まってる』
『それしかない』と勝手に決めつけて、
「いい歳』だからその資格はないとかなんとか判定したり、自分こそがその判定員で
あると思いこむのは、愚か
(P35)
・ああいう会議って、おじさんとおじいさんばっかりじゃない。
勇気出して発言しても、若いお嫁さんがなにナマイキ言ってんだって感じでさ。
何度もめげそうになったよ。
でもね、あれを服の下につけてると、
自分がすんごいかっこよくて強い女に
なったみたいな気がして、力が湧いたんだよね
(P41)
・無難でいい、浮いてなきゃいいって
選んだものに囲まれているとね、わからなくなってきちゃうの、自分の好みが。
でも、なくなるわけじゃないの、
ちゃんとあるのよ、ここに
(P64)
・自分の好みを知ることって、
心の奥を見つめることだよね。
どれが好き?どう見せたい?
どうなりたい?って、
自分に問い続けるってこと
・ここに傷があるな、とか、
ほころびがあるな、とか、色々思いながらも大事にしてきたつもりなんです。
わたしは、わたしの人生を。だから
(P121)
まるきゅう精肉店の加代子さんの
「悩みには肉だよ」には
凄く頷いてしまった(≧∀≦)
下着は自分のために纏うものだよね
読み終わって気持ちが
軽くなれる一冊
Posted by ブクログ
表紙の雰囲気が可愛くて読みたいなと思った作品。
寺地さんは2作品目かな?(* .ˬ.)
幼い頃から可愛いものが大好きで
頭のリボンがトレードマークの百花⋈
リボンちゃんというからてっきり小さい女の子かと思ったらそうではなく大人の女性。
周りの目とかも気にせず自分の好きなものを貫く姿はかっこいいなと思った。私はすぐ他人の目とか気にしちゃうから。
でもとりあえず下着のお話だとは思わなかったのでびっくりしたけど、サクサク読めた♩¨̮
あと百花の心の声がたくさん出てくるように感じた。
下着に対する固定観念は少なからずあるよなぁとしみじみ。でも保奈美さん(?)の旦那さんが「誰に見せるんだ!」みたいなこと言ってたけど、誰かに見せるとかじゃなく自分のために付けるんだよ!と一緒に腹立たしくなった。
オーダーメイドの下着って着け心地も良いんだろうな。持ってないので少し興味深かった( ・.・ )