あらすじ
“距離感”を描き続けてきた著者の最高傑作
光浦靖子さん推薦!
「針は心のあるべき場所に導いてくれる。大袈裟に言えば救い、手芸らしく地味に言えば楽しいからねえ」
街の小さなテーラーを舞台に、しなやかに生きる力をくれる物語。
☆デビュー10周年記念作品☆
あらすじ:幼い頃から可愛いものが大好きで、頭のリボンがトレードマークの百花。”よくわかんない店”で働きながら、マイペースに日々を過ごす彼女は、あるとき伯母の加代子が営むテーラーを手伝うことになる。女性であることを理由に、紳士服を作ることが許されなかった加代子は、夫亡き後、日用品を中心に製作しているが、あるとき「下着のリメイク」の依頼が届き、手芸好きの百花の力を借りることにしたのだった。
下着にまつわる固定観念を軽やかにすり抜け、読む人の心をそっと解きほぐす物語。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
子どもの頃から常に髪にリボンをつけているから、「リボンちゃん」と伯母からも呼ばれる百花、33歳。周りから浮いてるけれど、本人はあまり気にせずにその日の気分で色んなリボンをつけて過ごしている。
3年前に母親を病気で亡くし、父親は再婚相手のマンションで暮らし、実家で一人暮らしをするリボンちゃんには、良き理解者である母の姉・加代子さんがいる。そんな加代子さんは、今は施設に義父と亡き夫がやってきた「テーラー城崎」で洋服のお直しなどを仕事として細々と暮らしている。洋裁の能力がありながらも、「テーラースーツを作るのは職人の男がするもので、女がするもんじゃない!」(本文の文章とはちがう)という言葉に従い続けてきま加代子さん。でも、リボンちゃんと下着のリメイクに取り組むうちに、変わっていく。
読んでると、主人公は飽くまでリボンちゃんなのに、リボンちゃんがすごく成長して変わっていく様子が感じない。常に冷静。客観的。余計なことは言わない。そして、すごく柔軟。「そういう人なんだな」とすんなり受け入れている。
それなのに、伯母のテーラー城崎で副業のように仕事を手伝うようになり、そこで出会う人、再会する同級生、また狭いコミュニティなので、リボンちゃんの会社の人も繋がっていて、そこでの「ちょっと変わってる、浮いてる」人たちがリボンちゃんの何気ない肯定的な言葉、世間体や周りとの協調性より大切なものに気づかせてくれる発言によって、少しずつ少しずつ自分を取り戻してるように思える話だった。いや、葛藤中の思春期の子もいるけど。
リボンちゃんて、浮いてるかもしれないけど、ちゃんと考えて、その場その場で吟味して言わなくていいことを判断して、めちゃくちゃかしこいじゃないか!?と私は思う。
誰かとべったりな関係になるタイプでもなさそうだし、恋愛対象は女性のようだし、マイノリティ的な特性を持ってるキャラクターなのかもしれない。今の日本社会のなかでは。でも、芯がある女性だ。
もう少しリボンちゃんを見ていたい気分になった。