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Posted by ブクログ 2021年04月09日
もう、この手の本は圧倒的に好き。
幼少のころから本好きではあったが、社会人の一時期は読書の習慣から離れていた。その後、ポツポツと復活したときに手にした一冊が、野尻さんの「沈黙のフライバイ」。「なんて面白い短編集なんだ!!」と感動して、親や友人に貸してみたが、そこまでの反響は得られず。しばらくして、「...続きを読む自分はSFというジャンルが人よりかなり好きなんだ(思い返せばガンダムとかも超好きだし)。」と自覚するに至る。
前置きが長くなったが、そんなSFとの出会いの一冊をプレゼントしてくれた野尻さんの代表作。いつか読みたいと思いながらはや15年ぐらい?ついに手を取ったが、やっぱり面白かった。
テンポよく進むストーリーの中にちりばめられたいくつもの科学トピックにページを繰る手がとまらなかった。最後、「ん、この宇宙人は結局何だったんだ」というところはやや消化不良であったことは否めないが、それはそれとして、人類や宇宙探索への未来に対する思いが否応なく掻き立てられた。
幸い、老衰まで生きることができれば、あと30年から40年程度の余生か。
生きているうちに地球外の知的生命体に合うのはよほどの幸運がない限り困難なのかもしれないが、月や火星への入植、太陽系における他の生物の発見ぐらいまでは見届けたいな。
そんなことをみんなが夢見れるようになれば、世界だってもっと平和に、もっと住みやすくなるとのにね。
Posted by ブクログ 2018年11月04日
ああ、王道のファーストコンタクト物って久しぶりに読んだけど、まだまだ新境地があったのね。SFっていいわあ。SFが加賀くん可能性を指摘し、科学が発達したらまたSFも新たな地平が開かれるので、SFも科学も進んで欲しいところ。ところで、沈黙のフライバイ、南極点のピアピア動画 、ふわふわの泉(再刊)、そして...続きを読むコレと読んだ順番がアレになってしまった(^^;
Posted by ブクログ 2016年09月22日
西暦2006年、太陽面を通過する水星から謎の細長い物体が突き出ているのが観測される。それは、未知の知性体(?)が水星上に構築したマスドライバーから吹き上げる巨大な噴泉だった。水星を原材料に宇宙空間に吹き上げられた物質はやがて太陽の周囲を取り囲む巨大なリングを形成し、地球は日照量が激減したために文明崩...続きを読む壊の危機に陥る。
2006年の水星太陽面通過を正に観測していた天文学好きの女子高生・白石亜紀は、リング研究の第一人者として成長し、国連宇宙防衛軍が建造した宇宙船のクルーの一員としてリング破壊計画に参加することになる。しかし、亜紀が真に望んでいるのは、リングを建造した未知の存在とのコンタクトだった。地球人類の存続と未知の存在への憧れとの狭間で揺れながら、様々な困難に直面する亜紀がリングで発見した真実とは?そして、リングを建造した存在の思惑とは?
直球ど真ん中、ファースト・コンタクトをテーマとしたハードSF。いかにもハードSF的な理系の描写も多く見られますが、ロジカルなところが多少わからなくても読み進めるには問題ありません。スピーディでサスペンスフルなストーリー展開にぐいぐい引っ張られて、あっという間にラストまで引き込まれます。
【以下、ネタバレ注意!】
タイトルから推し量って、太陽を取り巻くリングを破壊することがこの物語の最終目的なのかな、と思って読み進めたんですが、それは通過点に過ぎませんでした。
メインのストーリーはその後、リングの目的が「太陽系に向かってレーザー航法で飛んでくる異星人の大型宇宙船を減速させるための装置」であることが判明してから、異星人とどう対峙するかを巡って混乱紛糾する地球を舞台に繰り広げられます。リング破壊の立役者としてノーベル平和賞を受賞しすっかり大物となっている亜紀は、かねてからの夢であった異星人とのコンタクトを実現させるために「リングを日照を遮らない角度で再建して異星人を友好的に迎え入れる」という提案をしますが、異星人の接近に恐怖を抱く多数派に遮られ、次第に追いつめられて行きます。そんな中、ついに異星人の船と思われる飛行体が観測されます。
このとき、異星人の船がレーザー航法ではなく、核パルス推進航法を採っていることが判明します。その意味するところがわかったとき、鴨は鳥肌が立ちました。このサスペンスフルな感動は、ハードSFならではですね!
ハードSFならではの、理論に根ざしたスケールの大きいビジュアルも見所の一つ。太陽を取り巻くほどの大きさでありながら、光の圧力によって太陽の重力と均衡するほど薄く柔軟なリングの圧倒的な描写。実利に徹底化して建造されたため無骨な外観でありながら、不思議と魅力的な宇宙船「ファランクス」。映像化したら最高にカッコいいだろうなと思わせる、「絵になる」描写がてんこもりです。
・・・と、ハードSFの側面から語ってみましたが、鴨が本作品で一番魅力的に感じたのは、主人公・亜紀の人物描写。
確かに、他の文芸ジャンルに比べたら人物の描き方はあっさりしています。内面の感情を直接に描写することはほとんどありませんし、亜紀自身がそういう性格のキャラクターです。
しかし、そんな淡白な筆致の行間からでも十分ににじみ出る、「地球人類の一員としての自分」と「異星人と友好関係を築きたい自分」との間で引き裂かれそうになり苦悶する亜紀の、魂の相克。彼女の願いは、結局叶わずに終わります。それでも前を向こうと決意する亜紀の姿と、更にその先を静かに描くラストシーン。この作品は、白石亜紀という一人の科学者の一代記でもあります。「人間味が感じられない」と評されることの多いハードSFというジャンルにあって、なかなか異色な作品ではないでしょうか。
Posted by ブクログ 2016年02月07日
地球外生命体というのはやっぱロマンあるわけで、かつてはETからインディペンデンスデイまでやべーやつから可愛いものまで想像膨らませまくりなわけで。そんなこんなでここでも宇宙人とコンタクトするのにすったもんだあったりなかったりで、大変な事になってるんだけど、微妙にSFちっくな哲学的な話を盛り込みつつも、...続きを読む妙にダイナミックでスピード感があって読んでるのが楽しい。SFってロマンあるけど、時々一般人にはついていけない方向に熱くなって訳わからんてなるんだけども、この本くらい控えめならありがたい。
Posted by ブクログ 2014年10月03日
地球外に生物、さらには知的生命体が存在するか、存在するとして彼等とのコンタクトが可能かというのは、SFの好きなテーマの一つである。地球上の全ての生物はおそらくたった一つの生命体もしくはたまたま同じ構造を持つに至った生命体群から発展してきたと考えられる。
地球上の生物はセントラルドグマと呼ばれるコンセ...続きを読むプトないしはそのバリエーションといえるシステムで生きているのである。
地球外に知的生命体の存在を示唆する活動が発見され、その生命体の所在する恒星系が解り、人類はコンタクトを取ろうするが、相手はどんな問い掛けにも答えない。こういったシチュエーションに陥ったとき人類はどうするの、というのが本書の描いている所である。
地球外知的生命体との交信は、素数の表の類の物理、数学にもとずく情報を発信して見るのが、まずは常套手段であるようだ。物理法則は普く宇宙全体に及んでいるし、所在の痕跡を示せる生物であれば、当然に物理法則は理解していると想像出来るのである
しかしながら、コミュニケーションはなんらかの共通点基盤を持たないと成立しない。幾らこちらから呼びかけても反応しない、しかし明らかに地球文明より高次のテクノロジーを持っていると推測される生命体が地球に迫ってきたら一体地球人はどう対処するのか。
スペオペものでない宇宙ものSFは時間と空間の概念が尋常でないので面白いのだが、さらに生命とはなんなのかと言う事も考えさせてくれる作品である。
Posted by ブクログ 2014年02月07日
NHK FM の「青春アドベンチャー」でラジオドラマ化されています、天文部部員の主人公が水星の太陽面通過という地味なイベントを見ている最中に水星で起きている異変に気が付き、その後、異星人が作り上げようとしているダイソン球の破壊任務を成功させ、その異星人とのファーストコンタクトを自我を持つ人工知能を通...続きを読むして成功させるといった
SFマニアなら涎を垂らして半狂乱になるほどの良作です
Posted by ブクログ 2013年03月24日
なんのてらいもない直球ハードSFです。
主人公は白石亜紀。
17歳から52歳までをファーストコンタクトに捧げる。
人類が初めて出会う地球外知的生命体とは?
水星に向かう彼等の意図とは?
果たしてファーストコンタクトは成功するのか?
アーサーCクラークを彷彿させる正統派SF。
エピローグが素晴らしい!...続きを読む読むべし。
Posted by ブクログ 2016年01月17日
王道コンタクトハードSF。突如として太陽の周囲に生成された超巨大リング。その影響によって地球全土の日照は減少し、人類は危機を迎えていた。その意図は?そもそも何者が?主人公の亜紀は、研究者/知性体/人類の救世主という複数の立場にあることによる矛盾に悩まされながらも、その強大な問題に立ち向かっていく。物...続きを読む語は亜紀という一人の女性科学者を軸にしながらも、あくまで客観的に物語の顛末を描くため、専門用語が飛び交う大きなスケールの物語ながらも、熱い人間ドラマも織り込まれていて感情も移入できる。クラーク好きは読むべき名作
Posted by ブクログ 2023年03月08日
2006年11月9日早朝。水星の太陽面通過を観察していた天文部部長の白石亜紀は、水星から塔のような細長い物体が伸びていることに気がつく。突如現れた水星の異変に世界中の注目が集まる。水星から噴出される物質は、やがて太陽を取り囲む巨大なリングを形成した。そのリングによって太陽光がさえぎられ、地球の気温が...続きを読む下がり農作物が育たなくなった。リングの正体はなんなのか、何者によってなんの目的で作られたものなのか。度重なる調査によって、リングが自己修復機能を持ち、身近なものを侵食する特性がある事がわかった。水星に向けられた探査機は、防衛線を越えることができずに撃ち落とされてしまった。
水星太陽面通過の観察以来、水星とリングに関心を奪われた白石亜紀は、そのまま“リング学”のエリートコースに進む。そしてリングへの有人飛行クルーに選抜される。異星人とのファーストコンタクトの夢を胸に抱いたまま。
しかし実際のところリングへの有人飛行プロジェクトに課せられた課題は、異星人とのファーストコンタクトではなく、リングの破壊である。リングを破壊しない限り、地球に明るい未来は来ない。4人の選抜されたクルーはリングに接近、破壊を試みる。リングの観察によりその役目は、オリオン座の方向から来る異星人のレーザー帆船を減速させることにあるのではないかと推測された。リングの物質に侵食されたクルー一人を失いつつも、白石の思いつきでリングを破壊することができた。
太陽を遮るリングという脅威を取り除いた人類は、次なる脅威に身構える。異星人の大船団は、減速装置を壊されてどのような行動に出るのだろうか。目的地に止まれないまま、行きずりに報復攻撃を仕掛けてはこないだろうか。人類は太陽系に向かいつつある未知の異星人とコンタクトを取ろうと、あらゆるチャンネルを通して呼びかける。だが応答はない。
リング発見から29年後、44光年先の宇宙からやってきた船の姿を捕らえた。減速装置を壊されたことに気がついた宇宙船は、その質量エネルギーを持ってして、自力で太陽系に止まらんとしていた。それを地球側は9隻の宇宙戦艦で迎え撃つ。うち1隻は白石亜紀の指揮するコンタクト船だ。異星人との交渉が成功しなければ、残りの8隻が迎撃する。今まで地球人に無関心を貫いてきた異星人とコンタクトする余地はあるのか。もし交渉が失敗した場合、異星人と対等に戦うことができるのか。人類の存亡を賭けた接触が始まった・・・。
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太陽の簒奪者はハードSF。無駄のない文章は、無機質で硬質な印象を与えるが、それが殺伐しすぎないのは、本編の主人公が女性科学者だからだろうか。とは言うものの、白石亜紀は華やかな女性ではない。無口、無表情でつまらない、「リングと結婚した女」と陰口されるような人物だ。それがかえって私のような人間には共感できる。頑張れ女性科学者!
著者インタビューの中で野尻抱介本人が言っているが「計算したり絵に描いたりしてなるべく具体的に構築してから、新聞記者になった気持ちで文章化してい」るそうだ。どうりでさっぱりしていると思った。クルーの一人マークが侵食され死ぬ時なんか、ハリウッド映画だったら情緒的な音楽で盛り上げていく一番の泣かせる場面になるはずなのに、そんな描写は微塵もなくあっけなく逝ってしまったものな。
少ない限られた情報から未知なる文明や生命体を推測していく過程って言うのは、ファーストコンタクトものハードSFの醍醐味かもしれない。ホーガンの『星を継ぐもの』のように。水星に突然現れた人工物の登場から、コンタクトの取れない異星人との試行錯誤まで、ぐいぐい引き込まれるようにして読んでしまった。
意思の疎通ができない異星人とどう関わるのか、っていうのは結構よくあるSFのテーマだけど、SF作家の描く宇宙人が幾通りもあればその幾通りもの解があるわけで、SF読者としては毎回楽しめるのでなんの問題はないと思う。
人間関係が細やかに描写されているわけでも、キャラクターが深く掘り下げられているわけでもないので、そういうのを求める人には向かない本かも知れないけれど。でも冷静な文章の1枚下に、白石亜紀の苦悩とか感情とかがきちんと読み取れる気がする。このキャラクターとの距離感が丁度いい。
そういえば白石亜紀って字面が白亜紀を思い出させる。確か恐竜が隕石で絶滅したのが白亜紀末期じゃなかったっけ。白亜紀+石っていう名前に何か裏がありそうな気がする。・・・結果的に白石亜紀が宇宙人の減速装置を壊したわけだから、そこらへんと関係しているのかも。白石の所為で、異星人は目的地を奪われ、二度と止まれない宇宙旅行を続ける羽目になったかも知れないからな。
Posted by ブクログ 2019年03月19日
ハードSFの常としてキャラクターが弱いし、ご都合主義ではあるが、次々と繰り広げられる華麗なイメージはそれを補ってあまりある。エイリアンが重力井戸である惑星に拘泥する生命体に宿る知性を無視したのはやむを得ない(万能のナノマシンに冗長度を付与し暗号化すれば外部から手出しできなかったろう)、それがあまりに...続きを読むも敵対的でコンタクト不能とされたというのも、悲劇的だがありそう。すなわち幕末の幕臣の、西欧人に対峙するイメージか。アメリカSFには集合的知性と個人主義との対決は悲劇的に終わることが多い、対比して極めて日本的結末
Posted by ブクログ 2017年06月15日
野尻抱介の本を最初に見かけたのは子ども部屋で「ピアピア動画」という題名と表紙絵で引いてしまっていた。
しかし「沈黙のフライバイ」が好みにハマったので手にしたのがこれ…面白いじゃないか!( ゚Д゚)
クレギオンってシリーズも読んでみたい。
Posted by ブクログ 2016年02月05日
西暦2006年、水星から太陽に向けて放出される謎の物質が観測された。その物質は太陽を覆うようにリングを形成し始め、人類は太陽の光を奪われていく。地球外文明に魅せられた若き研究者・白石亜紀は、そのリングを破壊するミッションに参加するが……という話。
米子で開催されたSF大会米魂に参加したのだが、その...続きを読む予習も兼ねて読んだ。SF長篇を読むのは久々だったのだが、とても面白かった。内容はハードSFで、理解が難しいところもところどころあったが、しかし作者の文章力がとても高く、ぐんぐん読ませられた。
内容は地球外文明とのファーストコンタクトものであると同時に、白石亜紀というひとりの女性の一代記でもある。望遠鏡越しに、水星に建造された謎の構造を初めて観測した高校生の白石亜紀。亜紀は、その後取り憑かれるようにリング研究にのめり込んでいく。あのリングは誰が、何のために、どんな技術を使って建設したのか。刻々と失われていく太陽の光に人類が恐怖するなか、彼女の心には地球外文明に対する揺るぎない憧れが灯っていた。
地球外文明との対話を最後まで望んでいた彼女にとってあのラストはどんな気持ちだっただろう。高校生だった亜紀は、作中で歳を取り、最後には老齢の女性となる。様々な後悔や自責の念、そして救世主としての責任を胸に、彼女の人生はこれからも続いていく。
硬派な文章、ハードSFではあるが、一方でこの物語で描かれているのは人間賛歌の物語でもあるのだと思う。
人間は不完全で危うく、とても無駄が多い存在だ。過ちも犯すし、さまざな感情に囚われる。けれど不完全であるからこそ、人類はこれまで進歩してきたし、これからも歩いていけるのだろう。亜紀がそうであったように。
Posted by ブクログ 2016年06月12日
水星に突如現れた建造物。そこから始まる物語は内容も思想もとてもスケールが大きく、こんな作品が国内で生まれていたとを知らずにいたなんて、とても勿体無いことをしてきたように思います。
言語、常識、容姿、生物的構造。すべてが異なる異性人とのファーストコンタクト。コミュニケーションを円滑に取り合うことはとて...続きを読むも困難が伴うことでしょう。
果たして、相手を信じて友好関係を築けるでしょうか?
こちらが友好を示そうとしたコミュニケーションに対して攻撃的な応対をされたら、やっぱり信じることはできない気がします。
そんな難しい命題を分かり易く考えさせてくれる作品でした。
Posted by ブクログ 2015年09月14日
日本のSF作家として名の知れた、野尻抱介の長編小説。元は短編作品で、それを長編化したものです。テーマは異星人とのファーストコンタクト。
あらすじ。西暦2006年。太陽は、突如現れた巨大なリングによって取り囲まれた。日照量の激減により、滅亡の危機に瀕する人類。誰が、何の目的で太陽を簒奪したのか……?...続きを読む 科学者・亜紀は、宇宙戦艦に乗り込みリングの破壊ミッションに参加するが……、というのが、序盤~中盤の内容。リングが現れた時から事件の終焉に至る数十年を、主人公・亜紀の視点から描くリアリティあふれるSF小説です。
異星人とのファーストコンタクトって、結構いろいろな小説や映画で描かれてきたテーマですけど、「何のためのリングか?」→「リングを破壊しないと人類死亡フラグ」→「壊しちゃったけど、そのあとどうなるの!?」→「異星人がやってくるよ!」→「コンタクト」の一連のシチュエーションが、主人公の葛藤とともにドラマチックに描かれていて、しかもリアリティがあるから、読んでいて飽きない。行きつく結論も納得の一言。
専門用語と分かりづらい状況描写で、イメージ喚起がされづらいという欠点はあるものの、それはSFに慣れていない自分だからこそのマイナス点であるのかも。物語本筋自体はとても分かり易く、しかも文句なくおもしろい。
ぜひ一度読んでみてください!
Posted by ブクログ 2014年11月02日
尻P。一貫しているところ=異星人との出会い、異星人の性格、主人公が女性、ナノテク好き、地球文明に関する諦観。すこし違うと思ったところ=科学考証が十分でない、描写が物語的、底なしの明るさが無い。科学考証については、惑星間航行、宇宙戦闘などストーリーのハードルが高いのもあるだろう。
私の好みでは、ピアピ...続きを読むア=>ロケット・ガール>ふわふわ>太陽。
Posted by ブクログ 2014年02月24日
この作者のテーマは、未知との遭遇。「ピアピア」も「ふわふわ」も。
ただ、交流できない存在との遭遇は初めてかな。読んだ順番では。
おそらく、地球に存在している自分達人類と、同様の進化をしてきた宇宙人。その行き着く先。それは結局のところ、自分達の行き着く先。
個が集まって、全体となる。一は全、全は一...続きを読む。そうはいうけれど、貴方たちのようになってしまうの?
バッドエンドと思うような状況を眼にしてしまった亜紀の切なさ。
積極的な敵対でないけれど、決して相容れない存在との遭遇。
なかなか悲劇的な未知との遭遇。
Posted by ブクログ 2013年11月17日
ーーー西暦2006年、水星から突如として噴き上げられた鉱物資源は、やがて太陽をとりまく直径8000万キロのリングを形成しはじめた。はたしてリングの正体は? 人類の運命は?
異星文明への憧れと人類救済という使命の狭間で葛藤する科学者・白石亜紀は、宇宙艦ファランクスによる破壊ミッションへと旅立つが…。...続きを読む
野尻抱介2冊目。
ジャンルとしてはファーストコンタクトもののSFになるのか。
この手の物語にありがちなご都合主義 (例えば熱気バサラの唄がプロトデビルンに有効だとか。いや、マクロス大好きですけどね…笑) はほとんど見受けられず、ある意味冷徹な視点から描かれている。
自分自身、先入観を持って読んでいたために、作中の人物の「あなたはバランスを失していませんか」という言葉にハッとさせられた。
物語のなかでも語られる、心とは、知性とは何かという問いかけも含め二度三度と読みたい作品だ。
「機関士には機関士の仕事があるんです。まあ、いろいろと」
Posted by ブクログ 2013年10月08日
正統派ファーストコンタクトもの。
斬新な設定とか奇想天外なアイディアがあるわけではありません。
でも、面白い。
人類の危機であるはずの異星人の襲来。
それでも白石亜紀は異星人との意思疎通を諦められません。
未知への憧れと探究心が命の危機に勝るのです。
この知的欲求がSFの面白さの原点なのかなと改めて...続きを読む思いました。
Posted by ブクログ 2013年09月09日
前半はまだ見ぬ異星人に対する憧れが募りつづける主人公に、読み手も異星人に会いたい、文化交流したい気持ちが高められた。
でもラストはあっさり。主人公のがっかり感をよく表しているといえば、そうだけど。
もっといろいろあってもよかったなあ
Posted by ブクログ 2013年06月27日
徹底的な迄の理性派で在り乍ら、異星生命体とのコンタクトを望み続ける熱い魂を持つ女性の一代記、と云うのが印象です。最後の一行に至る迄じっくり味わうべき作品。この内容をよくこの頁数に纏めたなあ。。
Posted by ブクログ 2013年06月16日
水星に起きる異変、太陽の周りに構築されていくリング。日照が低下した地球の危機。なぜこんなことが起きたのか?どうすれば地球を救うことができるのか?
専門的な内容も多く難しかったが、すごく読ませる小説で、テンポよく楽しめた。
異星人とコンタクトしてからの話も面白い。主観を共有し、個を持たずはるかに高度な...続きを読む思索を可能とした生物。進化の過程でいかにしてこうなったのかを詳しく書いてみても面白いんじゃないかと思う。
Posted by ブクログ 2013年05月02日
野尻抱介初。久しぶり大興奮したSF。え、こういうハードSF作家だったのか!何となく食わず嫌いだった。これを10年も未読だったなんてなんともったいない。あとがきにも指摘されたレム世嫡の面あるな。
Posted by ブクログ 2013年01月24日
めちゃくちゃ楽しかった~!九回二死満塁フルカウントで投げたボールはストレート!みたいなガチンコ王道ファーストコンタクト。未知の事象、未知の技術、宇宙戦艦、そして地球外生命体。緻密に積み上げられた設定と、謎が謎を産んでいく物語の展開に一気読み!
太陽が簒奪される流れ、地球に起きること、簒奪への対抗策...続きを読む……このくだりを読んだだけで一冊読み終わったかのような充足感があったのに、更にその先、簒奪者との邂逅へと至る道筋には手に汗を握る。
「ファーストコンタクトもの」って既にたくさん描かれているけれど、時代と共にどんどん新しいものが描かれて欲しいなと思わせられた。異星人をどう表現するかって、人類が「知性」だったり「意識」だったりをどう理解しているかの鑑になってると思う。時系列で並べたらきっとそれも面白いはずだ。
Posted by ブクログ 2013年05月05日
凄まじい。
異星から飛来しようとする生命体。それに対する地球人の感情や情勢が、主人公が生命体へ馳せる期待や憧憬とは逆に恐怖や懐疑の方向へ向かっていく様子は現実味を覚えた。
ただ、ハードSFとされるだけあって、科学ド素人の私には想像の及ばない点もあった。しかし、それすら軽く消し飛ばすストーリーテリング...続きを読むや心理描写に焦燥を掻き立てられ、全編を通して愉しめた。
Posted by ブクログ 2014年06月15日
青春時代から50代になるまで、宇宙に魅せられ続けた女性の話。
太陽が遮られ、加速的に衰退し始めた地球の人間が、生存をかけて未知との遭遇を試みる。
好奇心こそが知性であるって決めつけるのは人間のエゴなのかな?
SF用語が多かったけど、ラノベ並に改行が多かったせいか、思いのほか早く読み終わった。
でも...続きを読む面白かったのかどうか微妙なところ。
前半は良かったんだけど……
まあ後半もある意味リアリティはあったけど……
最終的に、「フーン」という感じになったような気がしなくもない。
Posted by ブクログ 2013年07月16日
基本的にゆるふわハードな世界観で描かれる尻P作品の中で、
異色のハードさを誇っているのが本作。
敢えて硬派、あるいはハードボイルドと形容したい。
他のゆるふわ感がクラーク的とすると、本作はホーガン的だろうか。
その硬質観を構成しているのは何と言っても来客の「無関心」、
これに尽きるでありましょう。...続きを読む作中のギミックに関わるので詳細は省く。
本作をソリッドに書きすぎたバックファイアがあーやさんだったりして・・・
Posted by ブクログ 2013年04月07日
異種知性体との接触までは、
なかなか良く考えられていて面白かった。
考えもつかなかったが、そういうこともありえるなと。
しかし、接触後はなんか勢いが削がれてしまった感じがした。
Posted by ブクログ 2019年01月16日
これまでの人生の中で全然SFは読んでなくて、それで今さらながらボチボチ読んでいこうと思い立つ。
異星人とのコンタクトを巡るハードSFな物語であります。いかにもハードSFらしい記述や内容は実は苦手であったりしますが、究極的に進化した異星人の「知」のあり様は非常に興味深く読みました。
「知」のネッ...続きを読むトワーク化により深まる他者への無関心。素晴らしく深淵なテーマになりうると思うので、このへんをもうちょっとじっくり描いてあれば非SFファンでものめり込めそう、などと感想を持つ。