ビジネス・実用の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ良書!絶対読むべき
・直視できない物人生の3つの理
1.死 2.孤独 3.責任
・有意義な時間の使い方とは、3つの理を受け入れ、人生をコントロールする事
・死ぬ瞬間5つの後悔
1.自分に正直に生きればよかった
2.働きすぎなければ良かった
3.思い切って気持ちを伝えればよかった
4.友人と連絡を取り続ければよかった
5.幸せを諦めなければよかった
・苦痛への処方箋
1.変えられないものと変えられるものを区別する
2.人生に主体的に参加する
3.人生に苦は必要
・習慣が幸せに影響する
・変えられない事に悩む、富や名声で動く、苦痛を避け楽を選び続ける、これらは後悔する時間の使い方
・気づいて、受け入れ、重要な事にとりくむ
★自分にとってのキーストーンハビットを大事にする、僕は早起き、文中の女性は禁煙だそう -
Posted by ブクログ
ネタバレ名著!
絶対読むべき
・知るだけじゃなく使う、やる気だけじゃなく実行
・100%の物を作っても振り返れば80%、時間を守れ
・すべての仕事は必ずやり直しになる
・任務が花を用意する事なら、花屋に注文する事は任務の一部でしかない
・ビルゲイツのプレゼン会議は、パワポを読み上げるのではなく中身の質問会
・最速で形にして、余った時間でゆっくり100点目指して改良する
・常に締め切りを守る、これができる人は100人に1人もいない
・期間の2割で猛烈にやって、感じを掴んで正しい納期を伝える
★崖から飛び降りながら飛行機を組み立てる
・集中が必要な仕事などするな、重要なのは楽しくて楽しくてしょうがいないという一点のみ
・寝る前に明日やる事のタスクリストを作る事、これは絶対 -
Posted by ブクログ
ネタバレ努力は夢中に勝てない、とがり過ぎは辛い(笑)
ちょっと丸くなった箕輪さんも良い
・予定調和には意味もある
・言ってはいけない事を言うと面倒な事になる
・何か大きいコミュニティに所属してると(会社、宗教など)人生の無意味さを埋めてくれる
・「だから悪い事すんなっていってんじゃないの、ダサい事すんなって言ってんの」byキング
・子供のいない独身男どもが、AIに子育てさせろとかシッター雇えとかホリエモンみたいな事言ってるけどだまってろ、名前の無い仕事が死ぬほどある
・素人の時のように感動できなくなった、熟女女優になってしまった、バコバスツアーのガイド役しかできなくなった(笑)
★脱成長ではない、脱競争、自分の道を作っていく -
Posted by ブクログ
997円
268P
★再読
2026/09/17
これ分かる。イラクとかパキスタンとか歴史的、美術的に優れたもの多いけど、テロ多発してる場所に観光としての収入なんて見込めないとすると、維持する金も無いし、美術品も壊されたりする可能性が高くなるよね。
元外交官で、世界107か国を巡った経験をもとに国際情勢や人材育成を語る、大学教授兼経営コンサルタントによるアート本。アーティストの視点ではなく、世界情勢、政治・経済、民族、宗教などの幅広い知識を通して「アートとは何か」を考える内容が面白かった。
山中俊之
著述家/グローバル理解&人材開発コンサルタント
世界107か国(2026年2月現在)の現場をまわった経験を基に、政治経済、ビジネス、宗教、芸術、哲学について幅広く執筆。
1968年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、1990年外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへ赴任。対中東外交、地球環境問題などを担当する。カイロではナイル川に近い庶民街でエジプト人家庭に下宿。首相通訳(アラビア語)や国連総会を経験。外務省を退職し、2000年、日本総合研究所に入社しコンサルタントとして企業や自治体の人材開発に関わる。2009年、稲盛和夫氏よりイナモリフェローに選抜され、アメリカ・CSIS(戦略国際問題研究所)にて、グローバルリーダーシップの研鑽を積む。2010年、グローバルダイナミクスを設立し代表取締役就任(現職)。コンサルティング、研修を通じて、世界のリーダーと世界情勢とビジネスについて議論を重ねる。2015年以来神戸情報大学院大学教授(現職)に就任し、アフリカ、アジアの起業家志望の留学生に社会イノベーションについて教鞭をとる。ケンブリッジ大学修士(開発学)、高野山大学修士(仏教思想・比較宗教学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA、大阪大学大学院博士(国際公共政策)、京都芸術大学学士(芸術教養)。趣味は落語で素人高座にも登壇。
「何を基準に美しいと判断するかは、文化や価値観で異なります。私はサブサハラ・アフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカ)諸国を何度も訪問していますが、朝から晩まで黒人とだけ接し、やや高級なレストランで、洗練された装いの黒人のカップルたちに交じってゆっくり食事をしていると、ふと感じることがあります。「黒人こそ、美のスタンダードではないか」 このような思いを抱くとともに、とても美しいと感じるのです。これは私の感想ですが、アフリカで仕事をしている日本人ビジネスパーソンに言うと、「実は私もそう思っていました」と、高い確率で同意されます。「白人が美しい」という偏見は、現実には根強く、歴代アカデミー賞の受賞俳優は、男女を問わず白人が圧倒的多数でした。ですが、ダイバーシティが重視される近年、それは是正されつつあります。 長らく絶対だった古代ギリシアの美の基準は、バージョンアップされるタイミングを迎えているのかもしれません。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「では、なぜイタリア語が〝音楽的〟なのか、少し考えてみましょう。 イタリア語の抑揚は日本語と同じく母音で終わる単語が多いので、「イタリアーノ!」といった具合に伸ばすことができます。抑揚が少ない日本語と違ってメリハリがあるのも特徴で、実に音楽向き。その点、ドイツ語は子音で終わることが多いためにオペラや声楽にはあまり向かないとも言われ、ドイツ語圏出身のあのモーツァルトですら〈魔笛〉を除くオペラ、〈ドン・ジョヴァンニ〉や〈フィガロの結婚〉などはイタリア語です。 このオペラこそ、イタリアの「民族」を象徴しているアートである──これが私の仮説です。民族の定義はいくつもありますが、私なりに次のように捉えています。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「 そして主要先進国の G7において、イタリアは自殺率が一番低いのです。 国民の約 8割が自らをカトリックとみなし、また国民の約 3割は教会に通っている国ですから、カトリックの生命重視の価値観やモラルが自殺率低下に大きく影響しているはずで、「苦しいことがあっても、神が救ってくれる」と考える人も多くいます。 一般にカトリック教徒やイスラム教徒が多い国は、自殺率が低い傾向にあります。 太陽が降り注ぐ地中海沿岸の気候も、イタリアの明るさに影響があるでしょう。気候は人間のメンタルに影響を与えるとも言われ、寒冷で気候の厳しいロシアでは、自殺率が高い傾向にあります。社会的抑圧も大きく影響するため、残念ながら日本や韓国も、世界的に見て自殺率が高い部類に入ります。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「もう一つ、イタリア人の自殺率の低さの理由に「家族の絆」があります。多産を奨励し、家族愛を重んじるカトリックの影響ですが、これはイタリア人の民族的特徴でもあります。 日本で「家族」と言えば、せいぜい親子関係やきょうだい関係。広げても祖父母から孫の 3世代です。 しかしイタリアでは、日本で親戚とされるおじ、おば、いとこ、またいとこくらいまでを「家族」とみなします。家族関係は非常にウエットで、日曜日にファミリーが集まる「プランゾ」という食事会も頻繁に開きます。「アモーレ(愛しい人)! 今日も元気なの? ああ大好きだよ」といった言葉と共に、ハグやキス。全身で行う愛情表現は日常的です。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「ドラクロワは、異文化からインスピレーションを得たアーティストでもあります。〈キオス島の虐殺〉発表から 10年後、 36歳で描いたのが〈アルジェの女たち〉(口絵 7ページ参照)。室内で寛ぐ女性たちの衣装や調度品は、当時注目されていたオリエンタリズム。座っている 3人はハーレムの側室のアラブ人で、黒人女性は使用人と言われています。 エキゾチックな風俗がブームだったとはいえ、ヨーロッパ以外の人々をモチーフにするというのは、当時としては先進的な挑戦でした。 私たちは、「出身地が同じ、学校が同じ、趣味が同じ」などとお互いの共通点を、関係性を構築する際の〝原材料〟にしています。特に日本は鎖国という歴史をもち、アイヌ民族や在住外国人の存在は重要とはいえ、全体としては比較的同一性が高い社会ですから、共通点という〝原材料〟が豊富。しかし、それゆえに他文化の人とのつき合いが苦手な面もあります。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「フランス革命の影響を受けたアーティストを、ドラクロワ以外にもう一人あげるなら、私は写実主義を代表するアーティスト、ギュスターヴ・クールベを選びます。「目の前のものを忠実に描く」ことだけが写実主義ではありません。宗教にも歴史にも材を取らず、ワンシーンを描くのも特徴で、代表作〈オルナンの埋葬〉(口絵 8ページ参照)には、王侯貴族でも、聖職者でもない一庶民の埋葬が描かれています。白い犬が大きく描かれていることも、「神と人間優先」だった当時の絵画としては珍しいように思われます。 ちなみにオルナンはスイス国境に近い、クールベの地元。 19世紀半ばとはいえ、地方の庶民を主体とする絵画は極めて稀でした。ここに王侯貴族や聖職者などの特権階級を否定した、価値観の変化が見えます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「一般に「西側の経済を牽引しているのは、プロテスタントの国が多い」と言われます。マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波文庫)で論じられているとおり、仕事を苦痛ではなく〝選ばれし者の能力の追求〟と位置づけたプロテスタントの考えが、資本主義にうまく適合したのでしょう。 確かに米英独や北欧、オランダなどは皆プロテスタントです。 そんな中、カトリック教徒が多いフランスは経済発展しており、 EUでも中心的存在。私は長年それが不思議だったのですが、フランス革命に代表される〝革新の精神〟がイノベーションをもたらし、経済発展を生んだ一因であるとの仮説をもっています。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「さて、これほどまでに音楽に秀でているドイツですが、「ドイツの絵画というと、あまり名前が出てこない」という声はよく聞かれます。 数多くのカトリックらしい宗教画や王侯貴族の肖像画が描かれましたが、音楽と比べると存在感が薄い。それにも宗教が大きく影響しています。 16世紀、宗教改革を起こしたマルティン・ルターは神聖ローマ帝国・ザクセン出身。神学校で学んだ熱心なカトリックの司祭でした。長らく権力を握った組織が腐敗するのは古今東西、変わらないようで、当時のカトリック上層部は「罪を犯しても、この贖宥状を買えばチャラにしますよ。ただ、ものすご ~く高いですけどね」という具合に、不透明な資金調達法や不正がまかり通っていました。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「さて、これほどまでに音楽に秀でているドイツですが、「ドイツの絵画というと、あまり名前が出てこない」という声はよく聞かれます。 数多くのカトリックらしい宗教画や王侯貴族の肖像画が描かれましたが、音楽と比べると存在感が薄い。それにも宗教が大きく影響しています。 16世紀、宗教改革を起こしたマルティン・ルターは神聖ローマ帝国・ザクセン出身。神学校で学んだ熱心なカトリックの司祭でした。長らく権力を握った組織が腐敗するのは古今東西、変わらないようで、当時のカトリック上層部は「罪を犯しても、この贖宥状を買えばチャラにしますよ。ただ、ものすご ~く高いですけどね」という具合に、不透明な資金調達法や不正がまかり通っていました。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「オランダを代表するアーティストのヨハネス・フェルメールは、市民社会を体現する存在です。色彩の美しさや独自の光の捉え方、緻密な描写は評価が高く、秦新二さんの巧みなプロデュースもあって、特に日本では大人気です。 北方のモナ・リザと言われる〈真珠の耳飾りの少女〉のように「フェルメール =女性像」のイメージが強いものの、宗教画も描いていることにも注意が必要です。プロテスタント国家になっても、宗教画は重要なモチーフとして残りました。 フェルメールの実家は宿屋を営むプロテスタントですが、妻のカタリーナの実家はカトリック。そのためカタリーナの親から結婚を反対され、フェルメール自身、カトリックとプロテスタントの間で苦悩することもあったようです。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「「大国は国内マーケットが大きいゆえに内向き思考になるが、小国は外でビジネスをしなければ立ちゆかないので、外向き思考になる。ゆえに小国のほうがグローバル志向になる」 これは私の仮説で、オランダ、ベルギー、スイス、韓国などが例としてあげられます。 仮に大国であるフランスで起業するとしたら、フランス社会に溶け込み、フランス文化を理解することが必須で、それはドイツも同じです。 オランダにもオランダ文化はありますが、小ささゆえに他文化も受け入れ、ダイバーシティも広がりやすい土壌がある。ビジネスでつき合いがあるオランダ人はそう多くありませんが、当たり前に英語で話せますし、いい意味で国としての個性を主張しすぎないフラットさを感じます。 さらにオランダの強みは、フェルメールにもみてとれる先見性。 2001年に世界で初めて同性婚を認め、安楽死も 2002年から合法です。「脱成長」を提唱する経済学者も登場し、「大きいことはいいことだ」「成長することが目的」という考え方が絶対でなくなっている昨今、「フェルメールの絵は美しい!」と感動に浸るのもいいのですが、先見性からくるダイバーシティを、美しいアートから考えてみてはどうでしょう。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「アングロサクソン系の人々はクリティカルシンキング(批判的思考)が得意なように感じることが多いのですが、ホガースのシニカルさは、イギリス人を理解するうえで参考になるように思います。 ……とまあ、このように書くと教科書的で美しいのですが、イタリアやフランスに比べると、イギリスの絵画はあまり強くありません。シェイクスピアという天才の出現で、文学と演劇が急激に発展したこともあり、アートの情熱はそちらへ向かったように感じます。 それでもイギリスを象徴する画風はあり、代表的なのは 19世紀のロマン主義のコンスタブルとターナー。 1歳違いのアーティストは、いずれもイギリスの田園地帯を好んで描いています。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「美術史的な解釈は専門家に譲るとして、私には抽象絵画を生んだ背景に、ロシアという国の民族的・宗教的な複雑さがあるように思えます。 ロシアは実に不思議な国です。ヨーロッパのようでヨーロッパではない、少なくとも西ヨーロッパとは大きく違う──これは地理的にヨーロッパの強国から遠いこと以上に、カトリックでもプロテスタントでもないという点も大きく影響しています。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「しかし村を出れば話は別で、シャガールはサンクトペテルブルクの美術学校に進学することも難しかったほど。当時の帝政ロシアでは、ユダヤ人の移動や就学が制限されていたためです。 シャガールの才能は、その後移り住んだパリで開花しますが、第二次世界大戦でナチスの脅威が高まると、今度はアメリカに逃れることになります。つまり、ユダヤ民族のアイデンティティと苦しみは「聖書にある物語」ではなく、彼自身の人生でもあるのです。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「 シャガールはフランスに定住して生涯を終えますが、どこに住もうとユダヤ人としてのアイデンティティを守り続けました。 シャガールの絵画には、東ヨーロッパからロシアのユダヤ人に特徴的なハシディズムの影響が見られると思います。ハシディズムは、瞑想的実践や個人的な宗教体験を重視するユダヤ教の神秘主義的な運動です。シャガールの魅力は、このような神秘主義的な要素に、ロシア的な複雑性がブレンドされたことにあると感じます。 虐げられる社会で、人類愛をもち続けられるのか? 少数派への差別や災害時の陰謀論はなぜ起こるのか? シャガールの世界に浸りつつ、現在の社会情勢を交えて考えてみてもいいのではないでしょうか。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「 ではなぜ、ユダヤ教徒の中に評価されるアーティストが多いのでしょうか? 私の仮説は次の 3点です。 1 差別される屈辱がアートに昇華した ユダヤ人はヨーロッパで圧倒的に少数派であり、政治家や官僚など、国のメインストリームで地位を得ることは難しかった。だからこそ、ビジネスや金融、科学やアートなど、自らの才覚で人生を切り拓こうとしたのでしょう。苦境はアートをつくる〝素材〟でもあります。 2 「常に新しいことを学びなさい」という「タルムード」の教え 宗教にはそれぞれ聖典がありますが、ユダヤ教徒が守るべき規範の一つとされる「タルムード」はユダヤ教徒の信仰のもとになっていて、他の宗教の聖典に比べて成功や繁栄につながる内容が多くあります。たとえば「常に新しいことを学びなさい」という教えが、 2000年以上も前から示されているのですから驚きますし、他の宗教にあまりない特徴と言っていいでしょう。 新たな学びは独創性にもつながりやすく、アートの本質的要素を古代から説いていると言えます。 3 完全に仕事をしない安息日の存在 ユダヤ教徒は、金曜日の夕方から 24時間は働くことを禁じられています。家族や友人とゆっくりと過ごす時間的・精神的余裕が芸術を生む土壌をつくったのではないかと考えられます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「19世紀から 20世紀に「新しく独創的なものこそ素晴らしい」と考え、歴史を振り返っても誰も試みていない表現を模索した近代アーティストたちは、「前衛(アバンギャルド)」と呼ばれました。 確かに印象派は、西洋アートの常識からすればあり得ないほど画期的でしたし、ピカソやブラックのキュビズム、マティスやドランのフォービズムは、いまだかつてないものでした。 しかし「新しいもの」とは、果たしてゼロから生まれるのでしょうか? 前述の経済学者シュンペーターは、イノベーションについて「新結合」という理論を発表しました。「かつて組み合わせたことのない要素と要素を組み合わせると、まったく新しいものが生まれる」 この定義は、アートにも当てはまると思います。つまりアートは複数の文化が混ざり合うことで、新しいステージに入っていくということです。 たとえば印象派は、浮世絵の要素を取り入れています。 1867年のパリ万博に出品された葛飾北斎らの浮世絵は何もかもが「新しいもの」で、ジャポニズムブームを巻き起こしました。 独特な色彩、白く平板なつるりとした顔、遠くにあるはずなのに胸に迫るほど大きく描かれた富士の山……明暗法にも遠近法にもとらわれていない作品は、当時のヨーロッパのアーティストに衝撃をもたらしました。「最近開国した東洋のはずれの国には、こんなにも変わった絵があるとは!」」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「18世紀までのヨーロッパの人々はアフリカのアートを知らない、または知っていても、その価値を理解できなかっただけで、そこには計り知れない魅力がありました。 すべての色は光の屈折ですから、その土地の光によって色彩感覚が違うのは当然と言えば当然です。ヨーロッパの淡い色彩もアジアの温かい色彩も、光によるものです。 強い光を浴びるアフリカの色は、くっきりとした原色。その独特の色使いに、ヨーロッパのアーティストは魅了されたに違いありません。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「第二に、せっかく返還されても、アフリカやアジアの博物館では適切な管理ができないケースが多いこと。貴重な美術品を損ねないための温度や湿度の調整には専門知識をもった人材と設備が必要ですし、紛争が頻発している国では、アートの展示すら難しい。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「日常的に「盛り上がったら踊る」というシーンは日本にはあまりありません。 アフリカはダンスが盛んで、毎年開催されるウガンダの「 Nyege Nyege Festival」は、音楽とダンスの一大フェスティバルです。コロナ禍で制限をかけた 2022年でさえ 1万 5000人が詰めかけました。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「政治的に自由が抑圧されていることが多いアフリカでは、そのエネルギーがアートに昇華しているのです。お友だちや世襲の馴れ合いで行われる政治、既得権益にご満悦の高官、上がらない賃金と不十分なインフラ。国民の鬱屈は溜まる一方で、誤解を恐れずに言うと、その不満解消の方法の一つがダンスである気もするのです。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「ちなみに今では巨匠となっているマティスやドランも、そのあまりに強烈な色彩と大胆な構図ゆえに当時のフランスの価値観から大きくはみ出し、著名な批評家に「まるで野獣(フォーブ)の檻にいるみたいだ!」と貶されたことで、フォービズムの名がつきました。 歴史に ifはありません。しかし、新しいものを貪欲に受け入れる自由の国・アメリカが存在しなかったら、印象派もフォービズムも埋もれてしまっていたかもしれないのです。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「そんなアメリカを象徴するアートだと私が感じるのは、 19世紀のフランスの画家ジャン =フランソワ・ミレーの作品です。日本でも人気があり、美術に詳しくない人でも〈落穂拾い〉や〈晩鐘〉、〈種をまく人〉(口絵 14ページ参照)といった作品は知っているでしょう。 ところが勤勉な農民というテーマは、「労働は苦難だ」と捉える傾向があるカトリックには意外と馴染まず、当時のフランスではあまり評価されませんでした。 一方のアメリカでは、ミレーは高い評価をもって受け入れられました。なぜならプロテスタントにとって労働や勤勉は苦痛ではなく美徳であり、プロテスタントの理想で建国されたアメリカにマッチしたためというのが私の見立てです。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「 超がつく著名世界的アーティストであるロスコの作品は、私たちが感じる現代アートのイメージそのもの。それでも「訳がわからない」と決めつけずに、ぜひ思索のツールとして向き合ってみましょう。なぜならロスコは、ニーチェやフロイト、神話や原始宗教に傾倒し、人間の感情と思考を模索し続けたアーティスト。タルムードを学んだユダヤ人でもあります。 私は、現代アートの美術館でロスコの絵があると、飛んで行くくらい心酔しています。 その絵を前にしていると、宇宙の真理に触れるように感じ、自分がまるで神秘体験をしている感覚になります。現代アートの抽象性のため、かえって本質的なものにつながることもあるのかもしれません。 ロスコは貧しい移民として育ち、政治に関心があった父の影響で労働者の権利にも意識的。それゆえにお坊ちゃんの多いイェール大学に進学し格差社会を感じ、奨学金を打ち切られたことで法律家からアーティストへと進路を変えました。 そんな彼が何を訴えようとしていたか。その作品からは具体的でないからこそ自由なイメージが喚起されて、ありとあらゆる問いが浮かんできます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「その作品からは具体的でないからこそ自由なイメージが喚起されて、ありとあらゆる問いが浮かんできます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「また、ウォーホルは 20代の頃からゲイであることも公表しており、性的マイノリティに対する差別や偏見にも強い問題意識をもっていました。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「アメリカの人種差別を扱ったアートは多岐にわたりますが、私がぜひ取り上げたいのは、和歌山県太地町出身の日本人アーティスト、石垣栄太郎による〈リンチ〉(口絵 15ページ参照)です。 1909年、石垣は先に移住していた父を追ってアメリカへ。わずか 15歳の彼がそこで体験したのは、壮絶な人種差別でした。 アメリカで生まれ育ったのに、ただ黒人であるというだけで暴行されることが日常茶飯事。英語が話せないまま移住してきた黄色人種という石垣は、自身の差別体験と相まって、多くの疑問を抱いたことでしょう。 石垣の出身である太地町の太地町立石垣記念館に足を運んだ際、人種差別に関する多くの作品が展示されていて、言葉では伝わらない人種差別のおぞましさが迫ってくるようでした。 リンチという目を伏せたくなるシーンもアートという形で提示されているため、正面から向き合い、反省をうながすことができる。アートがもつ深淵なパワーを感じました。 東京国立近代美術館所蔵の〈リンチ〉に描かれているのは、夜の闇の中、殴る蹴るのリンチを受けている黒人と、悪びれる様子すら見せない白人。人種差別の非人道性が余すところなく炙り出されます。 この作品は、私たちにある問いを投げかけます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「また、アカデミーや美術学校、アート集団で学んだ人だけがアーティストではないというのも、忘れてはならない視点です。たとえばオーストラリアも先住民が大きな役割を果たしてきた国ですが、先住民アートを代表するエミリー・カーメ・ウングワレーは 70歳を過ぎてから絵を描き始めました。彼女は美術教育を受けたことはないようですが、生涯で 3000点以上の作品を残しています。 ダイバーシティとインクルージョン(包摂)の社会をつくるためには、過去のやり方にとらわれない新しい視点が必要です。しかし、過去の過ちを認め、責任の所在を明確にして反省しないと、未来は変わりません。 これからの時代は世界中の普通に暮らしている人々から、新しいアートが生まれてくるのかもしれません。特に情報化社会の今は、スマートフォン一つで画法を学ぶことも、作品を海の反対側にまで発表することもできます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「パブリックアートが格差社会を変える?「ラテンアメリカって治安が悪いんでしょう? 政治や経済で苦労している国が多そう」 日本ではおそらくこのような声が多数派だとは思いますが、ラテンアメリカを回っていると、アートに溢れた国だと感じます。それはラテンアメリカ、特にメキシコに多いストリートアートが醸し出す雰囲気でしょう。あちらの壁にもこちらの壁にも、初期のバスキアやオスジェメオスのようなグラフィティ・アートが描かれていますし、バンクシー顔負けのハッとするような作品も見つかります。 壁に描くのは、貧しい人でも鑑賞できるから。言うまでもなく、美術館に行くにはお金がかかり、貧しい庶民にそんな余裕はありません。 アートは一部の富裕層のものではなく、むしろ日々厳しい生活をしている貧困層にこそ、アートによる癒しが必要です。それなのに、アートを見るにはお金がかかる! 日本でも美術館の企画展は 2000円ほど。ビジネスパーソンなら「投資として安い」と感じられても、さまざまな事情から「 2000円も出すなら別のことに使いたい」と思う人はいるはずです。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「世界 97カ国を訪問した中で、私が「多様だなぁ」と実感するのがインドです。 インドがアジアだと考えられているのは、仏教というアジアを代表する宗教の発祥地であり、その後ヒンドゥー教文化という非キリスト教文化を生んだからでしょう。 しかし、言語的にも血統的にも、中国など他のアジア系よりもヨーロッパ系に近く、特に北部にはヨーロッパ系のように見える人も多くいます。「インド系の活躍」というと、シリコンバレーの IT系の人たちを連想します。確かにそのとおりで、グーグルやマイクロソフトの CEOを輩出していますが、言語も宗教も多様なインドは多文化共生社会への適応力も高いと言われ、国際政治の中でも注目される存在です。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「日本のアートを通じて外国の人と会話をするためには、詳しい歴史よりも「アニミズム的な心性が残っており、八百万の神を信じていた」などと多神教的観点から説明できるようにしておきましょう。 これは東アジア全体に言えることですが、花鳥風月が定番のモチーフなのは、近代以前のキリスト教徒には、容易に理解できないほど衝撃的なことでした。 仏教が広がった東アジア一帯では「人間が自然を支配する」というキリスト教的発想がなかったゆえに、ヒト・モノ・自然の調和が尊重されました。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「国際的な演劇祭が行われる南フランスのアヴィニョンの人口はおよそ 9万人、国際映画祭が行われるカンヌの人口は 8万人程度ですが、人が少ないから街全体が盛り上がりますし、街全体が盛り上がるから世界中から人を集めるパワーが生まれます。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「 私が小学生だったときの趣味は、地球儀や世界地図を眺めることでした。世界の国や首都の名前を覚えることが好きで、「日本の裏側にあるブラジルってどんな国だろう」「ケニアでサファリをしたいな」と、まだ行ったことがない世界の国々について想像を巡らせることが何よりも楽しかったのです。 同時に、世界には戦争や紛争、貧困や差別があることも知りました。中学・高校で歴史や地理を本格的に学ぶようになり、世界の国々に対する関心と問題意識は高まる一方でした。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「 美術館の企画展が注目されることが多いのですが、実際には常設展の素晴らしさが見過ごされていることがあります。 たとえば、国立西洋美術館の常設展は、西洋美術の歴史を学ぶうえで最適ですし、アジアにおける西洋美術の常設展示として最高レベルです。一度は常設展にも足を運んでみてください。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
「美術館訪問後は、頭がアートモードになります。このときを利用しない手はありません。 美術館で関連する書籍を購入し、帰りの電車などで一気に読むことで、驚くほど理解が深まり、新しい発見があります。ぜひ試してみてください。」
—『「アート」を知ると「世界」が読める (幻冬舎新書)』山中俊之著
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Posted by ブクログ
ネタバレアリストテレスによれば、人生における財宝は三つに分類される。すなわち、魂の財宝、肉体の財宝、そして外的な財宝である。この三つを起点に、ショーペンハウアーは次の三つが幸福を根本規定すると述べている。一つ、その人は何者であるか。二つ、その人は何を持っているか。三つ、その人はいかなるイメージ、表象・印象を与えるか。
"すべての中で最も直接的に私たちを幸福にしてくれるのは、心根が明るいことである。なにしろ、この良き特性は瞬時に効く。快活な人には、いつも快活でいられる理由があって、それはとりもなおさず本人が快活なためである。(中略)若く美しく金持ちで尊敬されている人間がいるとしよう。彼が幸福かどうか判定しようとすると、陽気な人かどうかが問題になるだろう。これに対して、彼が陽気なら、若かろうが老いていようが、背筋がぴんと伸びていようが、背中が曲がっていようが、貧乏だろうが金持ちであろうが、そんなことはどうでもよい。とにかく彼は幸福なのである。幼少のころ、あるとき古い書物を開いたら、「多く笑う者は幸せですし、多く涙を流す者は不幸せなのです」と書いてあった。たいそう簡素なコメントで、月並な言葉なのに、その明白な真理ゆえに忘れ得ぬものとなった。だからこそ、陽気さが訪れたら、いつでも直ちに門扉を開放なさい。「いま陽気さが来られたら困る」などということはないのだから"(pp.30-1)
"「客観的に現実にいかなる事態なのか」ではなく、「私たちにとって、いかなる事態なのか、私たちが事態をどう把握したのか」が私たちを幸福にしたり不幸にしたりするのである"(p.33)
"低級な頭脳の持ち主が退屈を大いにもてあますのは、かれらの頭脳が徹頭徹尾、意志を動かす「動機の媒体」以外の何ものでもないからである"(p.44)
"ただしデカルトの場合もそうだが、外的状況が引き立ててくれなければ、みずからが自分の主人となって楽しむことはできない"(p.50)
アリストテレス曰く、"人間の幸福は、自分の際立った能力を自由自在に発揮することである"(p.51)
"精神的にもっとも劣った人間が結局のところ、いちばん幸せだという主張は、いやというほど聞かされてきたし、またそう見えないこともないが、だからといって、そうした人間の幸福をうらやむ者はひとりもいない"(p.66)
"ホラティウスの「功績によって勝ち得た誇りをわがものとなさい」という言葉も却下しえない。謙譲の美徳にしたがうと、だれもが自分のことを語るのに「私もまたろくでなしです」と言わんばかりにせねばならず、そうなると世の中にはおよそ、ろくでなししか存在しないかのように、みごとに平準化されてしまうので、おそらく謙譲の美徳はろくでなしにとって、かなりの妙案なのだろう"(p.100)
"総じて、自分の一生に対して、何が起こっても大丈夫なように事細かな準備をするのは、もっとも頻繁にみられる最大の愚行である。そういう場合、何よりもまず完璧で十全な一生を当てにしている。ところがそれを全うする人はきわめて少ない"(p.204)
"キケロは、「完全に自分だけに左右され、自分自身に全幅の信頼を置く者が、完璧に幸福でないはずがない」と言っている"(pp.226-7)
"ずっと家にこもり続けていると、身体が外部の影響に対して敏感になって、少し冷たい風にあたっただけで病気にかかりやすくなるように、ずっと隠棲して孤独でいると、気持ちが敏感になって、何でもない出来事や言葉に、それどころか単なる顔の表情にさえも、不安になったり、感情を害したり、傷ついたりする。いっぽう喧騒のなかにいる人は、そんなことはまったく気にもとめない"(pp.242-3)
"とりわけ年が若いために、孤独のわびしさに長く耐えられないという方には、自分の孤独の一部を社交へ持ち込むこと、(中略)自分の考えをすぐ他人に話したり、他人の言うことを真に受けたりせずに、むしろ道徳的にも知的にも他人の言うことにはあまり期待せず、他人の意見などどこ吹く風という姿勢をくずさないようにしなさい。それが常に称賛すべき寛大さを発揮するもっとも確実な手段である"(p.243)
"自分が持っていないものを見ると、ともすれば、「あれが私のものだったら、どんなだろう?」という考えが頭をもたげてきて、ないものねだりをしてしまう。そうではなく、自分が持っているものに対して、「これが私のものでなかったら、どんなだろう?」としばしば自問してみよう"(p.257)
"ともあれ、各自が能力にしたがって何かすればよい。(中略)仕事らしい仕事もなく、いわば自分にしっくりくる自然な生活地盤から引き抜かれるため、時折かなり不幸な気持ちになる。(中略)「いつも同じ楽しみで十分」とすると、いつしか停滞を招き、人間はそうした停滞に耐えられない。(中略)障害を克服するとき、人間は生を満喫し、障害と闘って勝つことで幸せになる"(p.263)
"世人と交わって生きていかざるを得ないなら、個性は自然が定め与えたものである以上、どんなに劣悪で憐れむべき愚かしい個性であっても、絶対に排撃してはいけない。むしろ個性は永遠の形而上的原理ゆえに、こうでしかありえない不可変のものと受け入れるべきで、ひどい場合には「こういう変わり者もいるのだ」と思えばよい"(p.274) -
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ネタバレ今騒音問題に悩んでいる私に手を差し伸べるかのように出会った一冊。
隣人の騒音問題に悩んでおり、これを書いている現在進行形で小学校低学年の足音や赤子の鳴き声が聞こえてくる(これはしょうがない)22時22分時点
かつての私なら、就寝前なのだから皆静かにすべきなのに。賃貸だから気を使って生活すべきなのにとべき思考に陥っていた。しまいには白黒思考であるため、音に一喜一憂する日々が長らく続いた。
だが、そのような中で本書の86ページに書いてある”誰かに対してこうあるべきだと思っても、その人たちは自分の想い通りの人間には絶対にならないと”と言った言葉が背中を押してくれた。確かに管理会社にも言ったものの、自分が望んでいた水準まで改善はしなかった。だから相手に期待することをやめ、また自分の心がこれ以上窮屈にならないためにも、相手を受容することにした。もちろん、まだ完全には受容できていないので時々、うるせえよ。黙れと声に出しそうになる。
そのような時にはパサーノの言葉である「僕が見ている」を思い出し、自分との約束「相手を許す、そして受容する。」を再確認する。だが、いずれ「相手を許すべきだ。受容すべきだ。」といった思考に転じないように注意が必要だ。
別にこの心がけは相手のためを思ってではない。自分のために実践し、相手を許し始めた。私は因果応報を信じる派なので、自分に跳ね返ってこないように、騒音で怒っている態度を隣人にあからさまに出すことを止めた。それに自分の心もどんどん荒んでいくのも止めたいと思い。そしておそらく、こちらのベランダを汚したり、自身の子供の騒音を気にも留めない親にはきっとこの先何か待っていると思う。(別に不幸を願っているわけではない。)
ナティコが経験した世界に触れられて本当に良かった。
また並行して"はじめての森田療法"という本も並行して読んだ。森田先生も、べき思考に囚われ、また解決策を練ろうとすることで、長い期間その問題について考えることになり、本来の自分(あるがまま)を見失っていると述べていた。これは森田療法も仏教の禅の考え方に深く影響されていることから、同じ考え方が見いだせたのだろう。だが、私はそれを知らずに同時並行で読み、これは何かのご縁だな。ありがとうございます。と感謝をしている。
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精神的なものから体調を崩して、料理ができなくなって、1年以上夫に食事を任せきりにしていた。
ごく稀に自分で作っても、美味しいと思えなくなっており、ますますやる気と自信をなくして、作れなくなった不安感と焦燥感だけが募り、どんどん台所が遠のいていた。負のスパイラル。
縋るような気持ちでこの本を手に取ってから、読み終わる前にまた台所に立てるようになった。知人が作ったたくさんの野菜をいただいて、実家で使っていた味噌を買った。夫の実家の文化から来た落とし卵と作る味噌汁。とびきり美味しいわけでもなく、不味くもならず、台所に立てるようになった自分への安堵感と食べた時の安心感を得られた。生活を取り戻す一歩を進めた気がした。
また、間に入っている味噌汁の写真や器、お膳に乗った食事の写真がとても美しく、癒された。
読み進めると、昔の日本の生活様式、祖母の家で過ごした記憶が蘇り、とても貴重で安心できる時間だったことを思い出すことができた。
土井先生ありがとうございます。 -
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・夢を叶える醍醐味は、夢を追いかける過程、「今のこの瞬間」にある。どんなキツさも苦しさもそれで楽しむことができる。
・自分の強みが分からないとき、「他所が苦戦しているのになぜか自分だけ苦戦しないこと」を探す。
・幸せ、不幸は他者との対比
・若者の特権→失敗が許される。これがどれほど価値のあることで年齢が上がると社会的責任などが増す中で、今積極的に使うべきもの。
・自信をつける方法→自分との約束をいちばん大切にし、絶対に破らないこと。
・「無視力」挑戦しない人、否定してくる人のために、自分の人生の主導権を手放さないこと。「お前が無理なだけだろ。おれはやる」このマインドを持つべき。
・凡人のくせにやるかどうかを考えるのは傲慢。
・資本主義では1番労働した人ではなく、いちばんリスクを負い、お金を出した人が最終的に利益を得るシステム。
・正解の座標 現代において必要なのは正解を探すことではなく、やったことを正解に変える力。その本質はやり抜くこと。正解までやり続けた者が自分の選択を正解にできる。
年齢問わず、この令和時代に何かを変えたい、挑戦したいと思う人に心を押してくれる本。
自分にはすごく響いた -
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・「結果」より先に「裁量」を求めるな
・仕事に前向きに取り組み、自ら成長し、結果を出そうとする人は、めちゃくちゃ評価されます
・「自分でやる」「すぐにやる」「たくさんやる」
・自分で試しもせず、遠くから眺めて、「ほら見たことか」と嘲笑するのは、まさに評論家のやることです
・量をこなさないと「質」は上がりません
・上司や経営者にはあなたを納得させる義務はありません。あなたが嫌がるなら、他の人に頼むまでです
・「私(経営者)がいちばん」がベンチャーにおける絶対ルール
・経営者の判断を信じて、全力で取り組み、その選択を「正解」にしていく。これこそが、同じ船に乗った仲間として求められる作法です
・すべての仕事は、結局は「なんとかする」ことです。たとえ予定と違ったとしても、つじつまを合わせて、いい感じにまとめる
・宿題を締め切りギリギリにやって許されるのは学生までです。理想は締切の数日前に8割ほどは完了しておくことです。そのタイミングで依頼者にフィードバックをもらい、それも踏まえて残りの期間で求められているクオリティまで仕上げていきます
・人に動いてもらいたいと思うなら、まずはあなたが人のために動きましょう。「助けたい」と思われる人というのは、そのもっと何倍も何十倍も、他者にギブしてきた人なのです
・人は相手の「今」を見て判断するのではなく、「過去」を見て判断します。無茶な仕事にも答えて築き上げてきた信頼は、必ず自分を守ってくれます
・過去の経験やプライドは捨てて、年下や部下から学ぶことが大切です。やり方を固持したり押し付けたりする時間があるなら、新しい環境や人から学びを得て、少しでも顧客や自社のために結果が出るように全力で動きましょう
・他者を巻き込むのと同じくらい、他社に巻き込まれることも大事です。人を助けるから、自分も助けてもらえます、誘いに巻き込まれてあげるから、相手もこちらのお願いに巻き込まれてくるのです。それに、巻き込まれた先に新たな出会いや成長が待っていることもあります
・大事なことは、仕事と仕事、人と人の間におちています。
・組織のために必要なことを考えて行動できる人が評価される
・曖昧な仕事はある意味チャンス
・転職先として選ぶなら、自分のようなタイプが不在の企業です。会社の弱みと自分の強みが凹凸の関係のときに、最大の評価を得られます -
Posted by ブクログ
ユダヤ人を虐殺したアドルフ・アイヒマンは「ただ命令に従っただけ。」という。結果的に大量の殺人をしたが結局はただの中間管理職的な働きをしただけ、ハンナ・アレントは「凡庸な悪」と称した。
座間にて2ヶ月あまりで9人を殺害した白石はただただ微量の金と性欲のためだけに行動した。誰の命令でもなく、仕方の無い理由もなく、ただただ怠惰の成れの果て。なぜこの事件は起きたのか。
習い事すぐやめたり学校サボりがちだったり、自殺を仄めかせて親から金を貰ったり、そこら辺はまだどこにでもいる自堕落なやつに思える。楽して欲望を満たして生きたいということを叶える為だけに9人をレイプして殺して小銭を盗んで2ヶ月あまりの欲望にまみれた生活。誰もが思ってる楽に欲望を満たして生きたいという凡庸な願いを叶えるために起こした行動が凄まじすぎて、そのギャップに狂気を感じる。サイコパス的な犯罪もある中、白石はそういう感じを見せず本当にそこらのダメな一般人のような感性をもっているように思える。
白石の精神鑑定。IQは110と高い。
・知的水準が高く、記憶力に優れる
・知識は浅い
・対人面は穏やか
・表面的に常識的な対応ができる
・他者の心情が読める
・他者との交流を求めず
・家族、家庭に葛藤があり価値を持たない
・内的には疎外感、攻撃性
・ストレスを蓄積すると、常識外れの残忍な衝動的行動をする可能性がある
後半の遺族への思いを聞かれるシーンで、本当の悪なんだなって感じた。
検察官「遺族に対しては?」
白石「証拠は見ましたが、遺族との面識はないため、思いが強く残ることはありませんでした。」
二年の拘置所生活では健康のために筋トレをしてたり、マスコミの取材を受けたわけはおやつを買う金が欲しかったから。筆者との取材でもグラビア写真集などを求めていた。本当に目の前の欲に忠実で我慢とか抑制ができないのだと思う。しかも、欲を叶えるための行動は計画深く行う、静かな異常性。
裁判後半に謝罪したと思ったら「被害者四人と一部の遺族の人です。」人を反省させるって難しいし、相手によっては不可能なんだな。まあでも死刑が確定してたら反省も何もないのかも。
裁判官「ショッキングな大事件ですが、なぜこのようなことを起こしたのか、原因はなんだと思いますか?理由よりも、原因として思い当たることがあれば?」
白石「客観的な見方ですが、当時のSNS事情が、弱っている人に対して、犯罪を犯そう、騙そうとしている人がアプローチしやすい、そんな環境ができていたから、犯行ができてしまったと推測します」
日常と地獄の境目はぼんやりとしているのだなと思った。被害者も死にたいとは言っていたが、まさかこんな風になるとは夢にも思ってなかったろうな。