あらすじ
哲学のもっとも根本的な問題の探求をめぐるアリストテレスの一群の論文を集録したもの。千数百年にわたって西洋の世界観に決定的な影響を与えたばかりでなく、西洋哲学の多くの基本概念を生み出した著作で、そこに示される問題分析の態度や発展流動する弁証法的思考方法は永久に研究者の模範となるものである。
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Posted by ブクログ
実体と形相の関係、区分、物事の究極の原因等、アリストテレスの知性が光る代表作第1巻。師匠だったソクラテスの「無知の知」が彼にも受け継がれていると感じる。その意味でアリストテレスは物事の究極の原因を「動かす者(=神)」とした。つまり、私たちにとって究極の原因(=神)は分からないという意味で「無知の知」を思い知らされる。
Posted by ブクログ
全部は読み切れなかった
下巻に収められている11巻、12巻が、概要になってる部分もあるのでそちらで誤魔化す
読んだところは面白かった
文庫で新しい訳が出るのを期待
なんで昔の人はこんな訳を良いと思ってたんだろうか
学問として格調高くするのに、形から、っていうような考え方やん
格調高いのは、言葉遣いでなくて内容で充分
光文社さん、よろしく!!
Posted by ブクログ
ミレトス(現トルコ)。哲学発祥の地。ギリシアの植民市で、ギリシア文化の影響が比較的弱く、自由な気風。さまざな異文化が混在。ギリシア人は自然(世界)は神々により創られたと考えていたが、異文化の人々は別の神話(創造の物語)を持っていることに気付く。地域に関係なく当てはまる(神に頼らない)万物の根源(アルケー)を考え始める。水(タレス)、原子(デモクリトス)、数(ピタゴラス)、無限なるもの(アナクシマンドロス)、空気(アナクシメネス)。
同一人物であっても、時の経過とともに老いていくから、同一人物でない。誰も同じ川に二度入ることはできない。万物は流転する。ヘラクレイトス
牛に手があれば、牛に似せて神の姿を描く。馬に手があれば、馬に似せて神の姿を描く。クセノパネス
人間の魂は天上界にいたものが地上界に降りてきている。輪廻転生を繰り返している。永遠不変の本質も天上界にある。人間はそこで永遠不変の本質を見ている。地上界ではそれを思い出すことができない。正確な円や正義や美を理解できるのは、人間が永遠不変の本質をたまに思い出すから。プラトン▼事物の本質は、天上界にあるのではなく、事物そのものの内にある。事物の本質はそれが何であるかを表す「形」にある。コップの本質は水が飲めるその「形」にある。ちなみに、事物は形と素材で成り立っている。コップは水が飲める形とガラスという素材で出来ている。アリストテレスAristotle
〇エイドス。訳語「形相」。
〇ヒュレー。ものの素材。訳語「質料」。
神話、虚構の物語、語り伝えられたもの。ミュトス▼論理、理性、言葉、秩序。合理的な考え方。拾い集めるもの。ロゴス
五感によって得た独断的な思い込み(ドクサ)。理性を使って判断した客観的な知識(エピステーメ)。
観念主義。世界を形作るのは物質ではなく精神。人は天上界でイデアを見ている(プラトン)。自我は知覚の束(ヒューム)。世界はモナドで出来ている(ライプニッツ)。宇宙は精神をもった1つの生命(シェリング)。精神が歴史を動かす(ヘーゲル)。
物質主義。世界を形作るのは精神ではなく物質。万物の根源は水(ターレス)。世界は原子で出来ている(デモクリトス、エピクロス)。生産関係が歴史を動かす(マルクス)。世界は物質でできている(自然科学者)。
多くを知ることよりも、多くを考えることに専念すべき。デモクリトス
哲学、政治、詩、技術。並外れたところを示した人間はすべて憂鬱症である。『問題集』
Posted by ブクログ
世界の原理とそのありようをどのような形で理解すればよいか、アリストテレスがプラトン含めた過去の説とその課題も紹介した上で自説を展開。うち上巻は世界の構成要素(質料&形相)とその動的姿(生成と消滅&可能態→現実態)について解説。