雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら

1,760円 (税込)

8pt

4.5

こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである。
つまり、自主的に、計画的に、よく考えて契約書にサインしてから開始するものではなく、受け身的に、期せずして、否が応でも巻き込まれてしまうものです。
よく晴れた休日に散歩に出かけたら、突然大雨が降ってくるようなものです。
そういうとき、僕らは当初の予定を変更して、とにもかくにも雨宿りをできる場所を探したり、傘を買ったりしなければいけなくなります。

同じように、ある日突然、身近な人の具合が悪くなる。
子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。老いた親が離婚すると言い出す。部下が会社に来なくなる。あるいは、友人から「もう死んでしまいたい」と連絡が来る。
突如として、暗雲が立ち込める。
どうしてそうなったのか、なにをすればいいのか、これからどうなるのか、全然わからない。
でも、雨が降っていて、彼らのこころがびしょ濡れになっていることだけはわかります。
そのとき、あなたは急遽予定を変更せざるをえません。とにもかくにも、なんらかのこころのケアをはじめなくちゃいけなくなる。
傍にいるのがあなただったからです。その人があなたの大事な人であったからです。
ある日突然、あなたは身近な人に巻き込まれて、雨の中を一緒に歩むことになってしまう。
こういうことがどんな人の身の上にも起こります。
人生には、こころのケアがはじまってしまうときがある。

ですから、突然の雨に降られている方々に向けて、あるいは長雨の中で日々を過ごしておられる方々のために、心理学の授業をしてみようと思います。
雨が降ったら、傘をさすように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思うからです。
(まえがきより)

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雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    大切な人が雨に降られっぱなしのとき、共倒れににならずに、一緒に晴れるのを待てるために。特効薬はないかもしれないけれど、読んで良かった。

    0
    2024年10月29日

    Posted by ブクログ

    程度の差こそあれ、長い人生において一度や二度は土砂降りの雨にびしょ濡れになった経験があるはず。事前に天気予報を調べ、雨具やこころの準備していたつもりでも、思いがけないスピードと方向から、それは突然“はじまって”しまうのだ。私にも明確に“こころがずぶ濡れ”だった時期があり、(今も完全に解消されたわけで

    0
    2024年10月14日

    Posted by ブクログ

    とてもよかった。復習兼ねて読んでみたけれど
    とてもよい。
    東畑さんの本はやはり読みやすい。

    今までうまくいっていたケアの声かけがうまくいかなくなった時、何が起きているのか?

    いつの間にかその人は暴風雨の中にいて、既に晴れの日ではなくなっていた…。(こちらは晴れもしくは曇りだけど)

    暴風雨の中に

    0
    2024年10月09日

    Posted by ブクログ

    とても読みやすい。東畑節も冴えてて最高。が、その読みやすさの裏で内容はとても難解だと思った。スラスラーと読めてしまうが、内容をしっかり咀嚼するためには再読、熟読が必要だと感じた。

    0
    2024年09月10日

    Posted by ブクログ

    誰かのケアをしなければいけない状況に突然陥るということは、その人はすでに雨の中にいるということ。
    そういう人と接することが一筋縄ではいかないのは体験済でなので、「あぁ、こうすればよかったのか」と、色々な場面を思いながら読んだ。
    そもそもケア(傷つけないこと)とセラピー(傷つきと向き合うこと)の違いも

    0
    2024年10月25日

    Posted by ブクログ

    家族や友人、職場の人や恋人。あらゆる誰かをケアする人のための本。突如としてこころに不調をきたすことを雨にたとえ、ケアとはなにか、こころをわかることとは、こころの声をきくには、こころにはどうすればいいのか、ケアをする人のケアとはを著者でありカウンセラーの東畑さんが講義した内容をそのまままとめた本
    もと

    0
    2024年10月15日

    Posted by ブクログ

    感想
    なんとなく憂鬱になる。そのなんとなくに目を張り、耳を傾ける。少しの心の揺らぎは大きな変化へとつながる。初めの兆しを見落とさないように。

    0
    2024年09月03日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     雨の日に購入し晴れの日の朝に読み終わった。ちなみにこれは比喩ではない。
     適切なおせっかいって特に東畑の言う雨の日には大切だなと思う。思えば過去にそれで助けられた経験も何度かある。
     あとは「ケアがうまくいっているときケアに気づかない」は印象的な一節だった。たしかにそうだ。本来、どんな人間も例外な

    0
    2024年09月04日

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