あらすじ
こころのケアははじめるものではなくて、はじまってしまうものである。
つまり、自主的に、計画的に、よく考えて契約書にサインしてから開始するものではなく、受け身的に、期せずして、否が応でも巻き込まれてしまうものです。
よく晴れた休日に散歩に出かけたら、突然大雨が降ってくるようなものです。
そういうとき、僕らは当初の予定を変更して、とにもかくにも雨宿りをできる場所を探したり、傘を買ったりしなければいけなくなります。
同じように、ある日突然、身近な人の具合が悪くなる。
子どもが学校に行けなくなる。パートナーが夜眠れなくなる。老いた親が離婚すると言い出す。部下が会社に来なくなる。あるいは、友人から「もう死んでしまいたい」と連絡が来る。
突如として、暗雲が立ち込める。
どうしてそうなったのか、なにをすればいいのか、これからどうなるのか、全然わからない。
でも、雨が降っていて、彼らのこころがびしょ濡れになっていることだけはわかります。
そのとき、あなたは急遽予定を変更せざるをえません。とにもかくにも、なんらかのこころのケアをはじめなくちゃいけなくなる。
傍にいるのがあなただったからです。その人があなたの大事な人であったからです。
ある日突然、あなたは身近な人に巻き込まれて、雨の中を一緒に歩むことになってしまう。
こういうことがどんな人の身の上にも起こります。
人生には、こころのケアがはじまってしまうときがある。
ですから、突然の雨に降られている方々に向けて、あるいは長雨の中で日々を過ごしておられる方々のために、心理学の授業をしてみようと思います。
雨が降ったら、傘をさすように、こころのケアがはじまったら、心理学が役に立つと思うからです。
(まえがきより)
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Posted by ブクログ
ポッドキャストで紹介されて気になっていた本。
まずはタイトルと表紙が素敵。
『雨の日の心理学』
手に取りやすく、読みやすい。専門的なことを親しみやすく伝えてくれている。
ケアする人をケアするための本というのはとても新鮮で、そして切実に大切なことだと感じた。
みんなケアしたい気持ちはあっても、自分自身が辛くなったら、もう辛いという人もいるはず。
仕事でも、プライベートでも誰かのケアをしている人にそっと差し出したくなるとても良い本だった。
Posted by ブクログ
この本を読む前、「カウンセリングとは何か」を読んでいてたため少し類似している部分もあるなと思った。人をケアするとはとても繊細で難しいことだけど専門家より先に身近な人の方がケアする機会が多いからこそこの本は多くの人に読んで欲しいなと思った。
Posted by ブクログ
あきらめないで繋がろうとすること。
専門家としては、人柄でで心理療法をするなと叱られたこともあるのだけど、あなたが心配でなんとかしたいと私は思っているということは、やはり根底に必要だよね。
東畑さんはちょっとひねくれてる人だなと思うけど、文章の中にちゃんと優しさがある。やはり支援者だなと思う。
Posted by ブクログ
以前も東畑さんの本を読んだことがあるが、毎度新しい発見と「なるほど〜」
と思う視点がある。心理学の方
「PSのときはメールをすぐ送らず、下書きに書いて一晩おくといい」はものすごく納得。そしてわたしも思い当たるので反省
今、ケアする立場にある人(感情労働が多い人、育児・介護中の人など)には特におすすめ。
「ケアの辛さをわかってくれる…!」
でも、それは口先だけの言葉ではなく、
しかし、ケアのよさもそうだよね、あるよね、
とも思える本。
◯こころのケアとはなんだろうか
・心のケアの担い手は素人
・ケアとは傷つけないこと、
ニーズを満たすこと(相手が必要としていること、相手の負担になっていることを肩代わりすること)
依存を引き受けること、お世話すること
・セラピーとは傷つきと向き合うこと、ニーズを変更すること、自立を促すこと
・ケアが先でセラピーが後。
例)仮病の対応
子どもが仮病を使う→休ませる(ケア)
次の日も仮病→休ませる(ケア)
また休みたがる→「どうしたの?」(セラピー)
※最初から
「どうしたの?」では打ち明けられない
・見守る(セラピー)の方がよっぽどパワーがいるときも多い。
★仮病を使う時点で、こころの具合が悪い
◯こころをわかるとはどういうことだろうか
…傷つけないためにはわかる必要がある
・一緒にいる時も、LINEでも「わっ」と思うことがある
…心を自然に受け取っている
・晴れの日とは、どうしたら相手を傷つけないのか、よくわかっている日
・雨の日とは、どうしたら相手を傷つけないのか、わか、なくなっている日
→雨の日は個別的な対応が必要になる
・「死にたい」と相手がいう時
死にたい気持ちと死にたくない気持ちの両方があることを「わかる」必要がある
傷ついているのは希望で、無傷なのは絶望
・いい人と悪い人、味方と敵に世界が真っ二つに分かれているのがPSポジション
(一瞬一瞬に命を賭けている)…異常心理学
いいところも悪いところも両方ある人たちで世界ができているのがDポジション
(過去と未来の全体を見ることができる)…正常心理学
★PSのときはメールをすぐ送らず、下書きに書いて一晩おくといい
・引きこもるって実は非常に攻撃的
◯こころはどうしたらきけるのか
・転移や逆転移が起きないようにするのではなく、修復、やり直すこと
・きく(相手の心を預かる)
→考える(相手の気持ちを考える)
→わかる(自分の心を相手の心に重ねる)
◎また話そう
・相手の気持ちに踏み込むのが怖くて、なかなか深い話を聞けないと思ったら
…多くの場合、相手も無力ではない。
勇気を出してノックしてみて、ドアを開けたくない時は開けないでいい、という姿勢を見せるのが大事。
自分も相手ももう少し信じられるといい
◯こころはなにをすれば助かるのか
・社会が個人主義になり、自由になるのはいいが、孤独になりやすい。
おせっかいのハードルが高くなっている。
・目の前のニーズに応えることが助けるおせっかいであり、
(例:震災で水がなければ運ぶ、トイレが汚れているなら掃除する、仮設住宅への引越しを手伝う)
ニーズ以外のものを押し付ける(きく)のが余計なお世話
(例:被災された方に
「感じ方を変えましょう」というのは暴力」)
・環境を変えるのが助かるおせっかい、本人を変えようとするのは余計なお世話になり
・ケアがうまく行っているときには、人はケアされていることに気がつかない
★環境はうまくいっている時は忘れられて、失敗した時にだけ思い出される
・ニーズが満たされてボエーっとしているときの自分が「本当の自己」
…「本当の自己」になりたいなら、自分探しにインドに行くより近隣の温泉に行く方がおすすめ
(ケアされている時は、ケアされていることを忘れている)
★ニーズを満たしてもらえない局面(環境の失敗)が続き、偽りの自己しかなくなると、こころが死んでしまう
→完璧な環境よりもときどき失敗する環境のほうがよい
(× perfect ◎good enough mother)
・人は孤独になると能力を発揮できなくなる
学校でも、「自分のことは自分でやろう」と言われ
手伝ってもらうことに罪悪感を抱きやすい
◎「一緒にやろう」
・SOSが出せない子には
→先回りしてSOSを汲み取る
◯ケアする人をケアするもの
・孤独にならないことが大切
・ケアはつらい。同時に楽しいこともある
・ケアがつらくなる理由
原因をひとつに絞ると危険。
ケアがつらくなるのは、
こころと社会、
つまり個人の問題と環境の問題の両方があるから
・こころは移動し、つらさは感染する
感染系逆転移で重要なこと
①「どうしようもない親」と自分を深く責めてしまう時、それが子どもの自己否定感の感染だと気づけることは役立つ
②感染しているということは、ちゃんと接触しているということ
・ケアは成果がわかりにくいし、
どの段階で成果と言っていいかもわからない。
・ケアする人をケアするもの
【社会編】
・お金で解決できるものは、お金で
・人手を増やす
(回復などを一緒に喜べると◎)
・権力、承認、仲間も大事
【個人編】
・贅沢とは自分を人間扱いにすること
・勉強◎
知識が孤独を救う
・休養
1人になること
・仲間
・ときどき虹が出ること「も」ある
・ケアする人がケアされていないとき、ケアはつらくなる
ケアする人がケアされているとき、ケアには楽しいところもある
・40を超えると1日のほとんどがケア。
つながりの中で生きているということ
・授業とはただ知識を伝えるだけではなく、こころがこころに働きかける場所である
・どうしたら人を信じられるか?
→練習してみよう
Posted by ブクログ
こころに関する理論について、とても噛み砕いて、比喩を用いながら書いてあるからわかりやすい。その上、つまみ食いでもよいと、かなり読むハードルを下げてくれる言葉もある。
とにかく、ケアする人が楽になれるように考えられた本。読んでいて、自分が癒える感覚がある。
福祉のような対人的な仕事におけるケアから、友人や家族同士の相談事のような、日常的なケアにも当てはまる。
表紙の雰囲気が手に取りやすく、読んでみて、これは買ってよかった!と切実に思った。
Posted by ブクログ
『雨の日の心理学』(雨の日の心理学)を読んで、心のケアとは何かについて、考え直す機会だった。
本書の中で印象に残ったのは、心のケアとは特別なことをするというよりも、「相手を傷つけないこと」にあるという視点。普段、心が穏やかで安定しているときには、ケアはうまくいっているように感じ、あまり意識されない。しかし、ひとたび心に「雨」が降り出すと、これまで気づかなかったズレや難しさが一気に表面化し、「どう関わればよいのかわからない」という感覚が強くなる。
そうした「わからなさ」が立ち上がったときに、どのように向き合えばよいのかを丁寧に示している。単なる気持ちの持ち方にとどまらず、専門知を背景にしながら、日々の関わりの中で活かせる具体的な視点や技術についても触れられていた。
また読み進める中で、不思議と自分自身がケアされているような感覚もあった。誰かの心に寄り添うことを考える本でありながら、同時にこの本を手に取っている読者自身の心の揺らぎにも静かに寄り添ってくれる。そのためか、読み終えたときには、心の中にあったモヤモヤが少し晴れているように感じられた。
心のケアとは、何かを「うまくやる」ことではなく、わからなさを抱えたまま相手と向き合い続けることなのかもしれない。
Posted by ブクログ
『カウンセリングとは何か』を読ませていただいてから、専門書なのにかなり読みやすく、面白いとも感じたので、こちらも読ませていただきました。
こちらは、心が落ち込んでいる状態を”雨の日”と例えて、そんな雨の日のケアはどの様にすればいいのかを素人でもわかりやすく解説してくれていて、『カウンセリングとは何か』と同様、やはり読みやすく、またこちらはさらに優しい文体で描かれている印象で、時折冗談を挟んでクスッと笑えるところがあったりして東畑さんのお茶目な部分なども感じ取ることができて一見暗くなりそうな内容にもかかわらず、楽しく読み進められました。
今回、『カウンセリングとは何か』で2026年の新書大賞を受賞されたとのことで
やっぱりすごい方だなあと改めて感じました。
Posted by ブクログ
書いてあることは、心に雨が降った時に自分がどうしたら良いかというよりも、周りがどうケアしてあげると良いかという所に焦点が当てられています。
自分は自身に雨が降った時にどうすれば?と思い読み始めたので、少し違ったなと思いつつ、子を持つ親として将来のためにも目を通しておこうと思い最後まで読みました。
書いてあることは正直あたりまえのこと。
どこかで聞いたことのあるようなこと、ばかりです。
雨の日にどういうケアが必要かというところでは、大人の方が読む分には専門家などではなくともほとんど真新しいことはないといえます。
ですが、ここまでわかりやすく論理的に誰かに教えてもらったのは初めてで、だからこれが必要なんだなとスッと入ってきます。
ケアする人の心得みたいなことがほぼ網羅されてると言って良いと思います。そういう意味では、人として生きていく上で一度は読んでおいて損はないと思いました。雨の日とありますが、人と関わり合いながら生きていく上で必要な事が、書かれています。
口語口調で書かれているのも非常に読みやすかったです。
個人的には、各章の終わりに黒板にチョークで要点を書いてあるページがとてもお気に入りでした。
Posted by ブクログ
心のケアの難しさ、ケアする人の難しさに触れながら、ケアとは何かを語っていく。こうすればできる、のようなハウツーではないことを理解しながらの語り口が読みやすい。
単純なエッセイとしても読める気がする。
Posted by ブクログ
面白かった。ケアの労働は社会で低く見積もられてる、という指摘には本当にそう思う。
雨の日の心理学という言葉も良い。
東畑さんの著作はやはり面白く、読んでいて学びや振り返りにもなる。
Posted by ブクログ
東畑開人さんの文章は、安定の興味深さ。300ページ以上あり、読み応えもあるが、最後までテンポよく読めた。装丁も素適。この1冊で伝えたい内容全てを網羅しようと試みたのか、文字たけで十分伝わるように書かれているが、初心者が最後まで読むには、気力が必要なボリューム感かもしれない。もし挿絵や図解があれば有り難いが、そうなるとページ数も値段も増えてしまうのでしょう。このままで十分。1冊の書籍として仕上げていただき、感謝。
Posted by ブクログ
打ち明けられないんですよ。苦しい気持ちは言葉になりにくい、本当に。
自分の傷つきと向き合うためには、周囲の人が自分を傷つけないという安心感が必要。
ケアとは傷つけないこと。ニーズを満たすこと。依存を引き受けること。
セラピーとは傷つきと向き合うこと。ニーズを変更すること。自立を促すこと。
ケアとセラピーはグルグルまわる。ケアが先で、セラピーが後。ケアなしでのセラピーは暴力になる。
大量の話を「聞く」必要がある。それを覚えていることが「聴く」を可能にします。
贅沢とは自分を人間扱いすることである。
Posted by ブクログ
ケアする立場で、どのようにケアをしていくか雨の日や晴れの日の接し方、関わりの具体例などを学びました。
自分自身にも雨の日や晴れの日の経験があるので、専門的な関わり方を読み進めていくと、理に適っているんだなあと感じました。このような人が身近にいたら、悩んでる人にとって心強いです。はじめは甘やかされたいですね(笑)
悩んでる人の話を聞く事もその人の悩みになると思います。ケアする人をケアすることなど考えた事もなかったので、仲間を増やす、職場でもどこでも。これはいいアイデアだと思いました。
自分がまた雨の日を迎えたときも、家族や友人が雨の日を迎えたときも、また手に取りたいと思える一冊です。
Posted by ブクログ
精神分析の理論を一般人の日常に活用できるように分かりやすく解説した1冊。
これまで難しくて理解しづらかった理論がなるほどー!とイメージしやすいのがとても新鮮だった。
Posted by ブクログ
大切なことが素人にもピンとくるように、わかりやすく書かれています。普段と違う状態になってしまった「雨の日」は自分自身でも周りの身近な人でも、普通にあることなので、人に接する機会の多い人は読んでおくと良いと感じました。
講義録形式なので、一般の人がケアとは何であるか、何ではないかなんとなくわかるには最適です。
Posted by ブクログ
いつもどこかで雨が降っている。
ケアをしたりされたりしながら日々生きている。
ケアはつらいけど、ケアする人がケアされているときケアには楽しいところもある。
もう少しこころについて学んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
東畑さんの本は何冊か読んでいるが、この本が一番体系的で、かつ分かりやすかった。著者も今まで書いてきた本の総集編と言っている。
生きることの大半はケアである。
ケアとは傷つけないことである。
人と人とのつながりの中で、傷つけないようにどうやってケアしていくか、身近なポイントで具体的に書いてある。おまけにより理解を深めるためのブックガイドまで付いている。さらにケアについて考えていきたい。
Posted by ブクログ
身近な人の心のケアについて、授業形式で教えてくれる。深く知りたい人のために、他の書籍の紹介が巻末にある。
こちらに語りかけてくれるような口調で書かれていて、読みやすい。
同僚から愚痴を聞かされ続けて辛かった経験を思い出しながら、読んだ。読んでいて、自分の心の傷も癒やされていく感覚があった。
特に転移・逆転移の話。あの時は職場の人たちが敵に見えていたが、相手の話を聞きすぎたから転移が起こっていたのかも…と思えて、少し楽になった。同時に、自分も誰かに寄りかかりすぎて傷付けていただろうな、と申し訳なく思う。
お守りとして、辛くなったときにまた読み返したい。
【印象に残った言葉】
・普通の会話が一番のケアになる
・ケアなしのセラピーは暴力
・セラピーは、本心を言い当てることではない
Posted by ブクログ
東畑さんの「カウンセリングとは何か」と、
「聞く技術、聞いてもらう技術」を読んでいたので
仕方ないが重複する部分があった
「頑張って」が辛い時は雨の日だったんだ
雨の日は精神病を指すのではなく、
正常、異常の二元論でなく、誰にも同居しているという例えが良かった
全体的に比喩表現がやさしくわかりやすい
小難しい心理表現が皆無で専門的で退屈な座学のような眠気がない良本
Posted by ブクログ
誰かをケアすることになった人へのメンタルの持ち方
とても重要だけどあまり教わらないことで、とてもためになった。
わかりやすい文で平易に書いてある
個人的にはなぜか集中できなかったが、繰り返して読みたい
Posted by ブクログ
読みやすい、読みやすいサクサクサクサクと読めた本だった。
自分が抱いている苦しみをどうにか取り除きたくて心理学の本をよく読んでいるけれど、説得力のある本だった。
というのに、サクサク読めたのに、読み終わった今、自分に残っているものは無い。
ページをパラパラとめくると確かにこう書いてあったなと思い出す。
自分に落とし込むのに時間のかかる本だと思う。
Posted by ブクログ
臨床心理士、公認心理師による雨の日の心理学のレクチャー5講。こころのケアを負うことになった人の不安を和らげるために、分かりやすく寄り添ってくれる本。
Posted by ブクログ
本書は「こころのケアの九割五分は素人によってなされている。」というスタンスに立っている。
ここから浮かびがるこころのケアの難しさ、そしてケアする側の孤独に対して、時に著者自身も迷いながら誠実に向き合った本だと感じた。
周りの人がケアを必要としているとき、日常生活のなかで素人の我々に何ができるのか、そして我々自身もどのように助けを求めればよいのか学ぶことができる。
Posted by ブクログ
こころが通常運転している「晴れの日」
こころの具合が悪かったり、緊急事態にある「雨の日」
「晴れの日」には正しいケアも、「雨の日」には間違いになることがある。専門家ではない素人がどのようなケアができるのか、その心構えや実践について、講義形式で解説されています。
特に、子どもとの向き合い方の観点で参考にしながら読み、気づきもありました。
Posted by ブクログ
人生は、幸せな時であっても、晴れの日ばかりが続くわけではない。
医療機関にかかるほどではないけれど、なんとなく疲れてしまっている日。
気分が落ち込み、心が雨模様になる日。
この本が伝えているのは、そんな時に無理に晴れに戻そうとしなくていい、ということ。
考え方を少し変えるだけで、雨の日には雨の日の過ごし方があると教えてくれる。
印象的だったのは、
「ケアされる側」だけでなく、
ケアする立場にある人への言葉が用意されているところ。
支える人こそ、疲れてしまうことがある。
その前提に立った言葉が、とても優しいと感じた。
Posted by ブクログ
今自分は雨の日の真っ只中。
PSとDポジションという話があったが、今典型的なPSモデルで恋人を困らせているなと感じた。
今悪いおっぱいがあると思ってると自覚したい。
ーーーーー
以下抜粋
晴れの日とは、こころのケアがうまくいっているときのことなんですね。
元気であるとは、こころのケアが必要ないことではなく、十分にこころのケアが足りていることです。
周りが自分のことをちゃんとわかってくれている。だから、こころのケアは自然に交わされている。
そういうときに、僕らは元気でいられます。
問題は、これがときどきうまくいかなくなることです。雨の日がやってくる。
ケアとは傷つけないことであることを見てきました。
ようは、雪だるまを溶かさない。
雪だるまが、ほっておくと溶けてしまうことを理解して、そうならないように代わりに氷を運んであげる。
そういうときに、僕らはケアをしている。
セラピーとは自立を促すことである。
ケアが先で、セラピーが後。
おっぱいがあるときには「世界は美しい」ってなってるけども、おっぱいがないときには、悪いおっぱいが自分をいじめていると妄想してしまう。
このとき世界は地獄のようになります。
悪いおっぱいが赤ちゃんを憎んでいて、赤ちゃんもおっぱいを憎んでいる。だから、自分自身も悪いやつだとなる。
さっきまですべてが善きものだったのに、今ではすべてが悪いもので埋め尽くされてしまいます。
いろなものが灰色になっていく。
これがクラインのいう大人のこころです。
恋人にはいいところもあれば悪いところもある。自分にも長所もあれば久点もある。社会には厳しいところもあれば、優しいところもある。
ここには穏やかな安定があります。ジェットコースターみたいに起伏の激しかった世界が、今ではほどほどのデコボコに見えてくる。
さみしいことではあるんです。
理想的な王子様も、光り輝くユートピアも、スーパースターになる自分もいないからです。
いいおっぱいの輝きは失われてしまっている。残されているのはほどほどの現実です。
これが「D=うつ」ということです。
いい人と悪い人、味方と敵に世界が真っ二つに分かれているのがPSポジションで、いいところも悪いところも両方ある人たちで世界ができているのがDポジション。
一瞬一瞬に命を賭けているのがPSポジションで、過去と未来の全体を見ることができるのがDポジション。
Posted by ブクログ
東畑先生の本は何冊か読んでいるが、どれも面白く、本書もわくわくして手にとった。これから面白くなるかな?そろそろかな?と思いながら読み進めていき、ページをめくっていくうち、いつの間にか最後の章に。おや、、、?
何というか、同じことばかり書いてあったように思えた。結局何が言いたかったのか、わからなかった。
雨の日(普通じゃない日)と晴れの日(けっこう元気な日)のケアはちがう、どちらも大事、それらはこういう違いがあって、、、うんうん、、、。??
自分の理解力がないのか、今まで読んだ本が良すぎたのか?
わからないですが、読み終わって、人にすすめようとは思わなかったです。
Posted by ブクログ
今回もとても癒されました。
入門編という感じでしたが、とても難しいことを噛み砕いてくれたんじゃないでしょうか。
ケアしている人のケアも必要って本当にその通りです。
相談されることが多くて話は聞くけど、こちらもいろいろとやられる部分がある。素人では難しいのかな。これからも先生の本をたくさん読んでみたいです
Posted by ブクログ
自分や相手の心が「雨の日」にどうしたらいいかを考えさせてくれた。結局ケースバイケースでひとつの答えはないけれど、なんとなく向き合い方が見えてきたようにも感じた。
印象に残ったのは、「ケアとは依存を受け入れること。心を傷つけない、必要な事をしてあげる。ニーズを満たすこと」という部分。被災地の人にいきなり「話を聞くよ」ではなく、トイレ掃除をして環境を整えたり、マッサージをして体をほぐしたりして、はじめて話ができるようになる、というのは「なるほどな」と思った。
Posted by ブクログ
先日、いつもの本屋工夫舎さんで知り合った方とお茶をする機会ができた。
お互いにInstagramでフォローしているものの、実際にお会いするのは3度目。
楽しみではありながら、内心ドキドキの待ち合わせだったんだけど、好きな本やアートの話など、そりゃあもう弾みに弾んで時間が経つのがあっという間だった。
そんな楽しい時間の中で、面白いですよ、
と教えてもらったのがコチラ、
東畑開人さん「雨の日の心理学」。
教えてもらった時はピンときてなかったが、
本を手に取って他の著作に「居るのはつらいよ」というタイトルを発見し、
「あ、読んでみたかった本!を、
書いてる人だったのか!」
と、おススメの精度の高さに驚いた。
全体的に飽きさせないくすぐり、
東畑さんのお人柄も出てくるような魅力的な比喩表現がふんだんに使われていて、
文章だけでなく、実際に授業も受けたくなる。
以下、軽く内容に触れる。
「こころのケア」というと、
ケアする相手の状況を傾聴して相手に寄り添い、共感ないしは励ましや労いの言葉をかけたりする感じ?とかざっくり想像するが、
東畑さんは、
「ケアとは傷つけないこと」と、断言する。
傷つけず、相手のニーズに寄り添い、
依存を引き受けることだ、と。
そんな感じで、こちらの本では臨床心理士でもある東畑さんによる、ケアについて心理学を使ってアプローチする、その理論と実践的な方法を教えてくれる。
ちなみに心理学についてのわたしのイメージは、専門的で敷居が高い…
あんまり自分ごとにならないかな、
というものだった。
ところが、日常的な「ケア」の場面で
実際に相対するのは心理士などの専門家ではなく、心理学には素人の普通にいる周りの人々だったりする。確かにそうだ。
なんでもない晴れた日の日常の中のケアなら、
個人が持っている社会性で十分なことも、
当事者にさえどうしたら良いかわからないような、こころが土砂降りの状況相手のケアに向き合わなければいけない時、
あると助かるのが「雨の日の心理学」。
専門的な玄人の心理学のエッセンスを飲み込みやすく実践に落とし込める内容になっていて、
とても面白い。
心理学とは距離があると思っていた日常の些細な出来事についても、
思い返せばケアしたり
されたりしていたことに気がつく。
あの時あんな風に関わった事が、
心理学的に言うとこういうことだったんだな、
と意味がつけられていくのも面白い。
また、今まさに雨の中にいるなぁと思っていた
身内のケアについて、
わたし自身もケアしているつもりでいたけど、
どうやら彼女自身が、
別の雨降り当事者のケアに疲れた結果、
雨降りになってたんだなということが、
遅まきながらだが良くわかった。
わたしのケアは足りてなかったな、
と素直に反省した。
この本をキッカケに、誰かの傷や、
誰かをケアすること、
自分がされた今までは気づいていなかったケアについても立ち止まって考えられそう。
次は「居るのはつらいよ」かな。
とても良い出会いになった。