ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
人生には時々迷子になってしまう時期がある。仕事で失敗したり、恋人から別れを切り出されたり、家族に問題が生じたりすると、日常は簡単に砕け散ってしまう。まるで人生という大海原に放り出された「小舟」のようだ。僕らは今、他者との繋がりが薄れ、ひどく孤独になりやすい社会で生きている――いや、違う。僕はここにいます。独りじゃない。自他を共に愛する力を取り戻す「読むセラピー」。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
2025.12 今年読んだ本で一番良かったかも 救われる気持ち まさに読むセラピー すごい *** P29 体が回復するとき、体は異常な状態から正常な状態に戻ります。折れた骨がつながり、バイキンが体から除去される。そうやって、体が以前の状態に戻ることを、僕らは「回復した」と言います。だけど...続きを読む、心の回復は違う。たとえば、働きすぎて「うつ」になったとき、治療をして元通りになっただけであれば、再び働きすぎてしまうでしょう。心が回復したと言えるには、以前とは違う働き方ができるようになっていないといけません。つまり、これまでとは違う生き方をインストールしなくてはいけない。そうはいっても、どういう生き方をインストールすれば「善い」のか。これが人によって違うから難しい。 P68 個人的には、社会の小舟化は行き過ぎているように思います。自己責任が強まりすぎて、失敗したときには全部自分のせいになってしまいます。再起するのは容易ではないし、誰もがリスク管理にリソースを取られ過ぎています。小舟化は僕らを自由にしたと言われているけど、本当のところ僕らは不自由になっているのではないかとすら思ってしまう。社会はもう少し小舟を守るように設計を変えた方がいい、と思う。 P91 彼女の本当の問題は不眠ではなく、不安にあったといえます。 P134 それなのに、僕らは孤独になりやすい。たとえ、あなたに友達や家族、あるいは恋人がいたとしても、気づけば孤独になっている。たとえば、一人で食事をしたくないとき、誰かを誘いたくなるのだけど、そんなことしたら相手に迷惑をかけている気がしてしまう。あるいは困ったことが起きているとき、誰にSOSを送っていいのかわからない。調子が悪くなればなるほど、人に会いたくなくなる。 P176 「自立とは依存先を増やすこと」なのだ、と。 P224 僕らは「自分ではないもの」にさせられると、傷つきます。受け入れがたいことを言われると傷つくし、同意していないことを無理矢理やらされると傷つく。勝手に自分の生き方を決められてしまうなんて最悪です。だけど、残念ながら、社会で生きるには、自分じゃないものに取り囲まれ、自分じゃないものへと変形させられることをある程度は受け入れざるを得ません。学校でも職場でも、「ありのままの自分」で生きていけたらいいのだけど、周囲はそれを許しません。その場その場で要求されることに応じて、僕らは絶え間なく非自分を作り出さないといけない。 P279 心の中に正反対のものが両方置かれるのは、つらい。 P292 悲しみには豊かさがある。 P297 それでも、現実はシンプルじゃない。複雑です。 P314 結局のところ、人間にとって最も恐ろしいのは人間なのだろう。人を傷つけるのはだからだ。だから、私たちはみんな臆病だ。どうにかこうにか心を守ろうとして生きている。しかし、人を癒すのは人であり、人間がもっとも言じたいのは人間だ。だから、ときに勇気が薄き、人は今まで立ち入れなかった他者との関係に踏み込み始め る。
本はいつ読むのが正解なのか、朝読むか夜読むかによって、感じ方が変わる気がする。 前半はサクサク読めた。自分の馬とジョッキーに向き合いつつ、自分のなかのせめぎ合いを感じながら読んだ。 後半は苦しくて、夜に読むことができなくなった。しっかり読めたかと言われると自信がないくらい。読んでいて苦しくて。 正解...続きを読むなんてないのはわかっているのに、正解を目指さないのはすごく苦しい。白黒つかないことはわかっているのに、白黒つける方が、心は楽な気がする。 とっても苦しい。
本を読みながら、ああしてみよう、こうしてみようって読み進めて行けたら、ちょっとモヤモヤが次につながった気がした。 実際にマネージメントもケアも受けてみたいな。
「白か、黒か」ではなく「白も、黒も」。 私は白か黒か、いつも決着をつけたがる。 そうやって決着をつけることで、しんどい状況に見切りをつけたいからだ。 「そうか、これまでは黒だったからしんどかったのね。大丈夫、これからのわたしは白を選ぶ」 けれども決着をつけたはずなのに、嫌なことが起きたり揺れたり...続きを読むすると、また新たな「白か、黒か」を考える自分がいた。 それはさながらジェットコースターのよう。 白と黒の反転の繰り返し。 そうか、きっと「白か、黒か」ではなかったんだな。 「白『も』、黒『も』」だったんだな。 現実は、真っ白ではない。かといって真っ黒でもない。 白も黒も混じった灰色の世界。 本書でいうところの「不純な世界」にこそ、幸せは見いだせるのかもしれない。 本書は、補助線をもちいて、複雑な世界を複雑なまま見るための本である。
心の動きやあり方、どうすれば心を守れるか。 こういうことだったのか、と自分の体験と当てはめてみたり。 初めて再読したい、また共感した箇所をメモしたいと思いました。 この本が広まって、人に対しての優しさや理解が広がればいいなぁと思いました。
今を生きる私たちは、人それぞれ悩みや孤独を抱えている。人生という大きな海を、自分という小さな船で航海するためのお話。 ************************ 今の自分に必要な本だった。 やっぱり本屋をふらりと歩いて出会う本は、今の自分の処方箋になるなぁ。
夜、ふと目が覚めてしまうときがあります。何もしていないのに頭だけが動き出し、悩みに悩んで眠りを削ってしまう。そんな経験は、誰にでもあるのしょうか。 この本は、そうした「心の揺れ」に補助線を引き、整理していくための視点を与えてくれました。 「僕らの心の傷ついている部分」との向き合い方。働くことが「他者...続きを読むの役に立っている」という実感。さらには「顔を合わせていない時間が長くなるほど、苦手な人のことは余計に苦手になる」という洞察。これらの言葉から、自分の生活や人間関係を振り返り、考えさせてくれました。 本を通じて見えてきたのは、「自分の心とどう付き合うか」という課題でした。 単純に答えが出せるものではなく、むしろ「考え続けること」そのものに意味があるのだと感じます。悩む夜に立ち止まるのではなく、補助線を描くように、自分の心を少しずつ整理しながら前へ進む。そんな姿勢を教えてくれました。
印象に残ったのは、「人と人を結びつけるのは、ジョッキーの強さではなく馬の弱さである」「幸せとは、複雑な現実を複雑に生きることである」「人生は、働くことと愛することであり、人間関係は、シェアとナイショであり、それぞれがそれぞれの面を支える」という部分。 新自由主義に移行する中で、私たちの人生は大きな...続きを読む船に乗った航海から小さな船を1人ずつ漕いで進む航海に変わった。この両方にもまた良い点悪い点があり、また、昔の価値観と今の価値観にもそれぞれ良い点悪い点がある。本書に登場する様々な心の二項対立には、いずれも良い点悪い点がある。本書に通底する「も」の考え方を持って船のバランスをとっていくことが大事だと思う。 人生を生きていく上での他者との関係の尊さ、心本来の強さへの希望が感じられる本だった。
みなさんの周りにもいませんか? いつの頃からか、僕を含め、周りにも増えてきたフリーランス、ダブルワーク、自由恋愛、事実婚のカップル。 社会的にも個人の自由を選択しやすくなり、リスクはあれど、自分で決めて、生きたいように生きる。 そうした人たちを小舟で航海する冒険者にたとえ、大海原をいかに渡り、目的...続きを読む地へ向かうかを、エピソードを交えながら読み物として面白く仕上げているのが本書です。 そして本書で語られる、灰色、まだら、モヤモヤ、AだけどBでもある、曖昧さへの肯定。 僕は子供の頃から、白か黒か、0か100か、とにかくぼやぁっとしていないトガったものが好きで、さらには完璧主義。 ロールプレイングゲームなら、宝箱は全部取りたいし、マップも100%埋めたい。 そんな傾向は大人になってからも消えず、 そこから来る「幸せだけれど、何か取りこぼしているんじゃないだろうか? 道を間違えたんじゃないだろうか?」という不安感。 そんな不安感への対処の方法、人生の航海術を本書から少し学べたと同時に、 完璧主義の自分にさえも、“不完全なもの、曖昧なものを許せるようになるかもしれない期待感”が芽生えました。 それは、本書の中のミキさんの世界観や、タツヤさんとの関係が、とても身近に感じられたからかもしれません。 世界は灰色です。 そしてそんな世界で生きる僕たちの心も人生も、シンプルで簡単というわけではなく、複雑なものです。 けれどどうやら、複雑なものには栄養もたっぷりありそうです。 ですので、複雑なものは複雑なまま味わい、次の航海へ向けての体づくりに役立て、準備をしていこうと思います。 大海を進む灰色の小さな舟の舵を握りしめ、僕もまた次の航海へ。 ヨーソロー。
分かりにくいものを捕まえるために「補助線をひく」という行為がいかに役に立つか?その本質を、実際にカウンセリングを受けていると疑似体験できるような読書時間へと、独特の文体でぐいぐい導いていく魅力的な一冊。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない(新潮文庫)
新刊情報をお知らせします。
東畑開人
フォロー機能について
「新潮文庫」の最新刊一覧へ
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら
カウンセリングとは何か 変化するということ
居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書 1
カウンセラーの選び方
悲しみとともにどう生きるか
聞く技術 聞いてもらう技術
こころの支援と社会モデル トラウマインフォームドケア・組織変革・共同創造
試し読み
心はどこへ消えた?
「東畑開人」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない(新潮文庫) ページトップヘ