あらすじ
人生には時々迷子になってしまう時期がある。仕事で失敗したり、恋人から別れを切り出されたり、家族に問題が生じたりすると、日常は簡単に砕け散ってしまう。まるで人生という大海原に放り出された「小舟」のようだ。僕らは今、他者との繋がりが薄れ、ひどく孤独になりやすい社会で生きている――いや、違う。僕はここにいます。独りじゃない。自他を共に愛する力を取り戻す「読むセラピー」。
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Posted by ブクログ
モヤモヤをシェアしてあげることも大切なことなんだ。
私のモヤモヤもシェアしてもらって、そうしてお互いが支え合う大切な存在になっていける。
私は、本書でいうシェアのつながりが苦手だ。
本音で語れないし、共通の話題がなくなるとすぐに疎遠になりそうで。なんだから一緒にいても気疲れしてしまう。
ナイショのつながりは、家族や旦那とつなげていると思うけど、やっぱりシェアのつながりが欲しいと思うときもあって。それは、自分を傷つけない安全な環境が欲しいってことなんだろうか。
自分は自分、他人は他人、その一線を保ちながら関係をつなげていく。
Posted by ブクログ
2025.12
今年読んだ本で一番良かったかも
救われる気持ち
まさに読むセラピー
すごい
***
P29 体が回復するとき、体は異常な状態から正常な状態に戻ります。折れた骨がつながり、バイキンが体から除去される。そうやって、体が以前の状態に戻ることを、僕らは「回復した」と言います。だけど、心の回復は違う。たとえば、働きすぎて「うつ」になったとき、治療をして元通りになっただけであれば、再び働きすぎてしまうでしょう。心が回復したと言えるには、以前とは違う働き方ができるようになっていないといけません。つまり、これまでとは違う生き方をインストールしなくてはいけない。そうはいっても、どういう生き方をインストールすれば「善い」のか。これが人によって違うから難しい。
P68 個人的には、社会の小舟化は行き過ぎているように思います。自己責任が強まりすぎて、失敗したときには全部自分のせいになってしまいます。再起するのは容易ではないし、誰もがリスク管理にリソースを取られ過ぎています。小舟化は僕らを自由にしたと言われているけど、本当のところ僕らは不自由になっているのではないかとすら思ってしまう。社会はもう少し小舟を守るように設計を変えた方がいい、と思う。
P91 彼女の本当の問題は不眠ではなく、不安にあったといえます。
P134 それなのに、僕らは孤独になりやすい。たとえ、あなたに友達や家族、あるいは恋人がいたとしても、気づけば孤独になっている。たとえば、一人で食事をしたくないとき、誰かを誘いたくなるのだけど、そんなことしたら相手に迷惑をかけている気がしてしまう。あるいは困ったことが起きているとき、誰にSOSを送っていいのかわからない。調子が悪くなればなるほど、人に会いたくなくなる。
P176 「自立とは依存先を増やすこと」なのだ、と。
P224 僕らは「自分ではないもの」にさせられると、傷つきます。受け入れがたいことを言われると傷つくし、同意していないことを無理矢理やらされると傷つく。勝手に自分の生き方を決められてしまうなんて最悪です。だけど、残念ながら、社会で生きるには、自分じゃないものに取り囲まれ、自分じゃないものへと変形させられることをある程度は受け入れざるを得ません。学校でも職場でも、「ありのままの自分」で生きていけたらいいのだけど、周囲はそれを許しません。その場その場で要求されることに応じて、僕らは絶え間なく非自分を作り出さないといけない。
P279 心の中に正反対のものが両方置かれるのは、つらい。
P292 悲しみには豊かさがある。
P297 それでも、現実はシンプルじゃない。複雑です。
P314 結局のところ、人間にとって最も恐ろしいのは人間なのだろう。人を傷つけるのはだからだ。だから、私たちはみんな臆病だ。どうにかこうにか心を守ろうとして生きている。しかし、人を癒すのは人であり、人間がもっとも言じたいのは人間だ。だから、ときに勇気が薄き、人は今まで立ち入れなかった他者との関係に踏み込み始め
る。
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本はいつ読むのが正解なのか、朝読むか夜読むかによって、感じ方が変わる気がする。
前半はサクサク読めた。自分の馬とジョッキーに向き合いつつ、自分のなかのせめぎ合いを感じながら読んだ。
後半は苦しくて、夜に読むことができなくなった。しっかり読めたかと言われると自信がないくらい。読んでいて苦しくて。
正解なんてないのはわかっているのに、正解を目指さないのはすごく苦しい。白黒つかないことはわかっているのに、白黒つける方が、心は楽な気がする。
とっても苦しい。
Posted by ブクログ
本を読みながら、ああしてみよう、こうしてみようって読み進めて行けたら、ちょっとモヤモヤが次につながった気がした。
実際にマネージメントもケアも受けてみたいな。
Posted by ブクログ
「白か、黒か」ではなく「白も、黒も」。
私は白か黒か、いつも決着をつけたがる。
そうやって決着をつけることで、しんどい状況に見切りをつけたいからだ。
「そうか、これまでは黒だったからしんどかったのね。大丈夫、これからのわたしは白を選ぶ」
けれども決着をつけたはずなのに、嫌なことが起きたり揺れたりすると、また新たな「白か、黒か」を考える自分がいた。
それはさながらジェットコースターのよう。
白と黒の反転の繰り返し。
そうか、きっと「白か、黒か」ではなかったんだな。
「白『も』、黒『も』」だったんだな。
現実は、真っ白ではない。かといって真っ黒でもない。
白も黒も混じった灰色の世界。
本書でいうところの「不純な世界」にこそ、幸せは見いだせるのかもしれない。
本書は、補助線をもちいて、複雑な世界を複雑なまま見るための本である。
Posted by ブクログ
寝れない日が続く日々に立ち寄りタイトルに惹かれて購入しました。
カウンセリングを受けに来る人々それぞれの人生や悩みが現代的で自分と重ねるところがたくさんあり出会えてよかったと思う作品です。眠れない日々を「夜の航海」と柔らかい言葉で表現されているところも含めてとても読みやすく読み終わる頃には頭や心のざわつきが晴れてまさに読む処方箋のような本でした。
東畑さんの作品を他にも読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
心の動きやあり方、どうすれば心を守れるか。
こういうことだったのか、と自分の体験と当てはめてみたり。
初めて再読したい、また共感した箇所をメモしたいと思いました。
この本が広まって、人に対しての優しさや理解が広がればいいなぁと思いました。
Posted by ブクログ
今を生きる私たちは、人それぞれ悩みや孤独を抱えている。人生という大きな海を、自分という小さな船で航海するためのお話。
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今の自分に必要な本だった。
やっぱり本屋をふらりと歩いて出会う本は、今の自分の処方箋になるなぁ。
Posted by ブクログ
夜、ふと目が覚めてしまうときがあります。何もしていないのに頭だけが動き出し、悩みに悩んで眠りを削ってしまう。そんな経験は、誰にでもあるのしょうか。
この本は、そうした「心の揺れ」に補助線を引き、整理していくための視点を与えてくれました。
「僕らの心の傷ついている部分」との向き合い方。働くことが「他者の役に立っている」という実感。さらには「顔を合わせていない時間が長くなるほど、苦手な人のことは余計に苦手になる」という洞察。これらの言葉から、自分の生活や人間関係を振り返り、考えさせてくれました。
本を通じて見えてきたのは、「自分の心とどう付き合うか」という課題でした。
単純に答えが出せるものではなく、むしろ「考え続けること」そのものに意味があるのだと感じます。悩む夜に立ち止まるのではなく、補助線を描くように、自分の心を少しずつ整理しながら前へ進む。そんな姿勢を教えてくれました。
Posted by ブクログ
本当に読みやすい
やわらかくやさしい、でも慎重で真剣
あとがきに書いていたように、確かに最新の新書より文体は「寄り添わなければ」という気負いを感じるが、まったく心地の悪いものではない
河合隼雄の『こころの処方箋』でも徹底されていた、「も」の思想
そして時間を味方につけるということ
生存と実存
二項対立を否定せず、むしろうまく活用しながら、幸福を感じる補助になるような本
「処方船」の書き振りは痛快だった
コンプライアンスを遵守しているキツネの部分が好き
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処方箋と補助線、馬とジョッキー、働くことと愛すること、シェアとナイショ、スッキリとモヤモヤ、ポジティブとネガティブ、純粋と不純
愛することの目的は愛すること
何かを「する」ことではなく、何かと共に「いるもことにある
愛することは根源的である
赤ちゃん、病い、老い、その他たくさん
働くこと
趣味と自己投資 食事と人脈 学校と商品価値
innocent world を思い出した
近頃じゃ 夕食の話題でさえ仕事に汚染されていて
様々な角度から 物事を見ていたら
自分を見失っていた
入り組んでいる関係の中で いつも帳尻合わせるけど
Ah 君は君のままに 静かな暮らしの中で
時に身は風に身を任せるのもいいじゃない
シェアのつながりとナイショのつながり
傷つけない関係と傷つけあう関係
スッキリとは非自分を排泄することと捉えられる
倍返しが来るかもしれない
外部化と内部化
絶頂的幸福(純粋なポジティブ)
ほどよい幸福(不純なポジティブ)
心を複雑にする幸福(不純なネガティブ)
社会の小舟化(社会学でいうところの個人化)
「勇気を待つ。それまで、できることをし続ける。」
Posted by ブクログ
臨床心理士として活躍する著者が書かれた本です。
心理学の本は講義資料のようなものも多い中で、会話調に語られ、それでありつつも心理学についても学べる非常に読みやすい本でした。
読み終わった後は、善でも悪でもない曖昧な状態を良いと思えるようになります。
ふとした時に、また読んでみたいと思える、そばに寄り添ってくれるような本でした。
Posted by ブクログ
勇気を待つ。それまでできることをし続ける。
ずっと同じ悩みが続いている。
あともう少しが踏み出せない。というか、踏み出していいのかわからない。
でも突然その勇気が湧いてくる。突然何かが変わったりして湧く時もあれば、自分でタネを蒔いていたものが突然大きくなったり。
勇気を待つのはとても大変だ。
いつその勇気がおこるかわからない。明日かもしれないし、5年後かもしれない。
それを待ってくれる人がいることはとても幸福だと思う。
幸福には三つの状態があることや、心は馬とジョッキーにわかれていること、今まで漠然と捉えていた心を分けることで少しわかることができた気がする。
自分も勇気を待ってみようと思う。
そして、自分の心の奥底にあるものは一体なんなのか過去と向き合って自分の心を理解したい。
Posted by ブクログ
印象に残ったのは、「人と人を結びつけるのは、ジョッキーの強さではなく馬の弱さである」「幸せとは、複雑な現実を複雑に生きることである」「人生は、働くことと愛することであり、人間関係は、シェアとナイショであり、それぞれがそれぞれの面を支える」という部分。
新自由主義に移行する中で、私たちの人生は大きな船に乗った航海から小さな船を1人ずつ漕いで進む航海に変わった。この両方にもまた良い点悪い点があり、また、昔の価値観と今の価値観にもそれぞれ良い点悪い点がある。本書に登場する様々な心の二項対立には、いずれも良い点悪い点がある。本書に通底する「も」の考え方を持って船のバランスをとっていくことが大事だと思う。
人生を生きていく上での他者との関係の尊さ、心本来の強さへの希望が感じられる本だった。
Posted by ブクログ
みなさんの周りにもいませんか?
いつの頃からか、僕を含め、周りにも増えてきたフリーランス、ダブルワーク、自由恋愛、事実婚のカップル。
社会的にも個人の自由を選択しやすくなり、リスクはあれど、自分で決めて、生きたいように生きる。
そうした人たちを小舟で航海する冒険者にたとえ、大海原をいかに渡り、目的地へ向かうかを、エピソードを交えながら読み物として面白く仕上げているのが本書です。
そして本書で語られる、灰色、まだら、モヤモヤ、AだけどBでもある、曖昧さへの肯定。
僕は子供の頃から、白か黒か、0か100か、とにかくぼやぁっとしていないトガったものが好きで、さらには完璧主義。
ロールプレイングゲームなら、宝箱は全部取りたいし、マップも100%埋めたい。
そんな傾向は大人になってからも消えず、
そこから来る「幸せだけれど、何か取りこぼしているんじゃないだろうか? 道を間違えたんじゃないだろうか?」という不安感。
そんな不安感への対処の方法、人生の航海術を本書から少し学べたと同時に、
完璧主義の自分にさえも、“不完全なもの、曖昧なものを許せるようになるかもしれない期待感”が芽生えました。
それは、本書の中のミキさんの世界観や、タツヤさんとの関係が、とても身近に感じられたからかもしれません。
世界は灰色です。
そしてそんな世界で生きる僕たちの心も人生も、シンプルで簡単というわけではなく、複雑なものです。
けれどどうやら、複雑なものには栄養もたっぷりありそうです。
ですので、複雑なものは複雑なまま味わい、次の航海へ向けての体づくりに役立て、準備をしていこうと思います。
大海を進む灰色の小さな舟の舵を握りしめ、僕もまた次の航海へ。
ヨーソロー。
Posted by ブクログ
分かりにくいものを捕まえるために「補助線をひく」という行為がいかに役に立つか?その本質を、実際にカウンセリングを受けていると疑似体験できるような読書時間へと、独特の文体でぐいぐい導いていく魅力的な一冊。
Posted by ブクログ
具体的なカウンセリングの例があるのでわかりやすいが、感情移入して苦しくなってしまった…
作者は毎日カウンセリングをしているが、苦しくならないのだろうか…
勇気が出るまで待つ、という言葉が印象に残った。
Posted by ブクログ
臨床心理士の東畑開人さんの本。
文章も読みやすい上に、具体的な話を挟んでくれているのでイメージしやすかった。
色々なことに対して、補助線を引いてくれる。自分の心の中がスッキリするような、腑に落ちるような感じであった。何回も読み直すべき本だと思う。
昔の社会は大船だったけど、現代社会はみんなが小舟でぷかぷかと浮いている。その表現はまさにその通りだと思った。
スッキリとモヤモヤの章では、モヤモヤの方が大事であるという直感に反することも、理由を読んでなるほどなと思った。これからモヤモヤなことがあっても少し頑張れそうと思うことができた。
Posted by ブクログ
栞の代わりに使っていた、トーベとムーミン展の言葉がしっくり来る。
「ものごとって、みんなとてもあいまいなのよ。まさにらそのことが、私を安心させるんだけとれどもね。」
本能と理性、働く事と愛する事、オープンな共有と秘密の共有、スッキリとモヤモヤ、ポジティブとネガティブ、純粋と不純。
ともすると、どちらかが大事、となりそうなモノもあるけれど(スッキリとかポジティブとか) どちらも大事。
このモヤモヤも大事にしていいんだ、と思えるようになったのは良い事な気がする。
Posted by ブクログ
東畑さんの本にハマりいろいろ読み漁ろうとしているところ。補助線の引き方は日々の助けになりそう。最後の章で伝えられている不純と純粋なポジネガはちょっと理解しづらかった。ただ全体を通して個人が小舟として生き抜かなければならない現代に少しでも心理士として伝えられることをという東畑さんの意思と工夫はとても好きです。誰でも誰かに助けを呼べる勇気が持てるようになると良いなと個人的にも思う。
Posted by ブクログ
東畑さんの他の本も読みたいと思っているので、行ったり来たりしながら時々読み返そうかなぁ。
複雑な心を「わける」ことで「わかる」
幸福とは、複雑な現実をできるだけ複雑に生きること、「も」の思想で。
単純化してわかることにしたいけど、「モヤモヤ」も必要。
Posted by ブクログ
わたしの人生とても充実しているけど、どこか味気なさを感じるのは、東畑さんの言う、『シェアの関係』の人はたくさんいるけど、『ナイショの関係』ができる人がいないからだと思った。
『ナイショの関係』ぐらいぶつかってもまたやっていける関係地の構築って、恋人をつくらなかったりする現代人にはなかなか機会がないし、減ってると思う。
Posted by ブクログ
カウンセリングを受けてるような感じ。けど、実際に受けたことがあるからこそ、文章で進めるのがはまらなかった。しっかり読むには集中力が必要。
心、生きることは複雑だからこそ、価値があると思う。矛盾を受け入れる。頼る人がいることは幸せ。
Posted by ブクログ
1人でいる方が楽だと思っても、どうしたって人と関わり合いながら生きるしかない。
自分を肯定できるのも、救われるのも、他者の存在が必要なんだと再認識させられた。
私は1人でいたい派だけど、本当は人が好きだって分かっているもの。
現実は複雑。
その中で生きてる私たちってすごいや。
ストーリー展開の都度、解説が入る流れだったけれど、核心が飲み込みにくく…。ユーモアを交えた例えや、ドロン!とかの絵本的な表現が私には合わず、頭の理解もだいぶ鈍くなってしまった。辻褄合わせが大変と言うか…。理論的な話を求めている中にファンタジー要素が来ると苦手なのかもしれない。自分のそうゆう一面を知った。
Posted by ブクログ
最近これと言った悩みがない中読んだからか、ちょっと退屈に感じてしまった。
響かなかったってことは、心が健康な証だと思うから、疲れたときにまた読み返したい。