一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『光のとこにいてね』を読んでまず感じたのは、これは二人の少女の愛を描いた物語ではなく、「誰かに理解されたい」という願いが、人をどこまで生かし、どこまで苦しめるのかを描いた作品だということだった。
物語は、異なる家庭環境で育った少女・結珠と果遠が偶然出会うところから始まる。育った世界も境遇もまったく違う二人は、互いの孤独だけを不思議なほど理解し合い、強く惹かれていく。しかし運命は何度も二人を引き離し、再会と別れを繰り返しながら、それぞれ別の人生を歩んでいく。四半世紀にも及ぶ長い時間を描いた物語でありながら、読者の心に残るのは出来事の大きさではなく、二人の間に流れ続ける消えることのない感情である -
Posted by ブクログ
「光のとこにいてね」を読んだときから「かなり好きな作家さんかも」という予感はあったが、本作を読んでそれが確信に変わった。
綺麗事を許さないするどい視線を持ちながらも、息がしにくい世界の中でも「生きていくこと」への希望を捨てさせない、祈りにも似た短編集。
人間の弱さや汚さ、愚かしさ、怖さ。
そんなものを躊躇なく書き出してるのに
それすらも美しいと感じてしまう。
人生の中で、数年にもわたって忘れられない瞬間というのは何気ない一言だったり、なんでもない景色だったりするけど、そんな一瞬の切り抜きを見せてもらってるような。胸が苦しくなる愛おしさであふれています。
何度も読み返したくなる作品は -
Posted by ブクログ
ネタバレネオンテトラ
美和さん、夫の浮気に気づいても感情をおさえて何も言わない。自分の部屋を勝手にホテルみたいな使われても何も言わない。淡々と、自分の欲しいものを手に入れて、夫も戻ってきて、かわいい娘と暮らしている。なんか、ぞわっとした。でも何も悪いことはしていない。
魔王の帰還
おもしろいシーンもあったり、お姉ちゃんの優しさがとても良かった。弟もめっちゃいいやつ。
気持ちが強い方が勝つというのが印象的。
ピクニック
ピクニックシーンから始まり、乗り越えてきたという過去の話が続く。だれ目線で語られてるのかわかりづらいなぁと思いながら読んでいた。後半、衝撃があり、最後の最後に怖い話やん、、てなった。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさん、初読みの作家さん。
事前にあらすじはチェックしない派なので、表紙のほんわか雰囲気からほのぼの作品をイメージして読み始めたら、全然違って驚いた。
短編集。
特に「魔王の帰還」と「愛を適量」の2作が好き。ボロボロ泣けた。
「魔王の帰還」の姉ちゃんがとても良かった。ちゃんと近所の子どもを叱ること、なかなかできる人いない。
「愛を適量」の親が子を思う気持ち、少しでも伝わって良かった。
全編それぞれの主人公たちが苦しみもがいている姿を読むのが辛かったけれど、それでも生きていくのが人生で、苦しい中にも小さな喜びや小さな幸せがあって、みんながんばっていると励まされた。
そして、文庫のあと -
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Posted by ブクログ
本当なら出会うはずのなかった、環境も性格も何もかもが違う2人。いや、あの団地で出会わなくてもいつかどこかで出会う運命だったのかもしれない2人。
決められたルールの中で必死に生きている結珠。
狭い世界で自由に、好奇心旺盛に生きている果遠。
この作品を読みながら、数回しか会っていなくても、一緒にいた時間が短くても、分かり合えた気持ちが大きければ、こんなにもずっと誰かを大切に思い続けることができるんだと知った。
お互いがお互いを大切に思うばかりに踏み込めないもどかしさや、守りたいと思う必死さ、全てを理解してあげたいと寄り添う気持ち。沢山の愛に溢れた温かい気持ちをこの2人から感じ取ることができた。 -
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