一穂ミチのレビュー一覧

  • スモールワールズ

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    静かに淡々と物語が進む。
    あぁそうなのかと思うようなラストなのだが、じんわり来る。
    大きな括りの中では一つ一つ際立つ事ってなかなかないけれど、生きている、生きていくって、一つとして同じパターンはなくて、その一つ一つが、この短編のように描かれるもの。
    とりとめもなく、そんな読後感想を持った。

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    2025年12月06日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    プロポーズ翌日に盗撮で捕まった男と、その婚約者(?)女性のお話(?)。

    たった一度の過ちで、その男女間ならず、周囲の人間との様々な関係性が崩れていき、、、。

    前半女性パート、後半男性パートで展開。
    急展開に

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    2025年12月05日
  • ツミデミック

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    短編ミステリーでしたが、視点が面白くてページをめくる手が進みました。特に1話目が面白くて引き込まれました。コロナ化の日常、今となってはこんな時もあったなぁと懐かしくさえ思えますが、先の見えない不安と人の不安や葛藤が描かれていて面白かったです。

    ふと日付を見て今日は5日、11月に入り、残り2話になり、すぐに読み終えるなぁと思ってたのに、5日もかかってしまい、バタバタして、本を読む時間がないのはよくないなあと思いました。11月は5冊ぐらい目標にして、12月は冬休みにいっぱい読んで二桁目指しまーす!

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    2025年12月05日
  • きょうの日はさようなら 完全版

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    ふてほど×時かけ×夏への扉のような、でも所謂タイムスリップものとは趣を異にする青春小説であり、家族小説でもあった。30年の眠りから覚めた今日子の戸惑いと順応がシニカルに描かれる前半から急転、過酷な運命が明らかになる後半の展開は泣けた。書き下ろしを含む掌編もどれもいい。表題作は2016年刊だが、舞台は2025年。なので二次文庫化にあたり大きく手が加えられたようで、違和感は全くない。元のオレンジ文庫版は未読だが、そこで今の時代がどう描かれているのかは、ちょっと気になる。

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    2025年12月06日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    自分が主人公の立場だったならどうしているだろうか、主人公の立場に自分を当てはめて考えてしまう作品です。やっていることは気持ち悪いが、その一件で何年も過ごした大切な存在を失ってしまうということを天秤にかけるとどうしても許すという選択肢も出てくるような気がします。どちらの道を選んでも後悔し、違う方を選んだらどうだっただろうと悩み続けてしまいそうですね。そんなことをしないような人を選びたいです。

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    2025年12月04日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    プロポーズされた翌日に恋人が盗撮で捕まった、というキャッチーな導入。
    一穂ミチさんを読むのは3冊目だけど、今の時代の空気を言語化するのがとても上手だなと思う。
    男性の性的な欲求のブラックボックスは女の私はやっぱりわからないし、得体が知れなくて怖い。怖い思いをしたことは例に漏れず私もいっぱいあったし、今でもあるし。
    こういううまく言語化できないことを、男女それぞれの目線で苦しみや葛藤を描いた小説というのはすごく意義があるんじゃないかな。

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    2025年12月04日
  • アフター・ユー

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    "『自分』を決めるのは、自分じゃないと思わない?
    誰かと接した境界線がそのまま輪郭になるんだと思う。"

    深く共感した。
    自分という像を象るのは、
    自分とその外にあるものの間にあるものだから、
    自分の意思だけでは線は描けない。

    多実はそれを、島みたいだと表現した。
    波が押し寄せるときは自分が消えちゃいそうだけど
    またいつか波が引いて自分が大きくなったり。
    それの正体が例えばモノだったり、コトだったり、誰かだったり。

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    物語は青吾のパートナーである多実が、ある日突然、旅行へ行くといって消息を絶ったところから始まる。
    警察に行方不明届を出して、数日後に遥か遠い五島列島の

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    2025年12月03日
  • OFF AIR(3)~イエスかノーか半分か~

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    イエスかノーか半分かの総集編第三弾。
    今作の中で『Ribbon』が、計と潮の両親の過去が描かれていてよかったです。
    あと、『c/w』で、『秘密と虹彩』が計視点で描かれているのも面白かった。それぞれの短編で、計と潮の内面も丁寧に描かれているため、よりファンになってしまいました。
    シリーズ作を通して思うのが、潮が作る料理が美味しそう過ぎる!
    残るは番外編あと二作。楽しみだけど、終わりが近づいてきた淋しさもあり。番外編に進みます。

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    2025年12月03日
  • スモールワールズ

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    どのお話も雰囲気が違って面白かった。
    登場人物の心情や情景が丁寧に描かれてるものもあれば、敢えて描かれていないお話もあって…
    それもまた良かった。
    街ゆく人達にもきっとそれぞれに様々な人生がある。素敵なあの人にも、なんか嫌いなあいつにも…
    そんな人々の小さな世界を覗いた気分になれた。

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    2025年12月04日
  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • 光のとこにいてね

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    久しぶりに好きな本に出会えた感触。
    女の子同士のぎりぎり恋愛ではない最大の友情。愛って感じ。
    よい。

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    2025年12月01日
  • ツミデミック

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    コロナ禍のパンデミックに繋がる短編集。慌てふためいたあの頃のパニックから派生する、ちょっぴりダークな短編集。
    人の犯した罪や心の奥底の闇みたいなモノは目には見えないけど、人のそれらが、あのパンデミックのようにふつふつと湧いて浮かび上がってくる感じがおもしろかったです。

    ダークな結末からは1番遠かったかもしれないけど、「特別縁故者」が好きだったな。

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    2025年11月30日
  • スモールワールズ

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    心を抉ってくる話もあれば沁みる話もあったりとバリエーションにとんだ物語たちでした。どの話も引き込まれて好きでした。

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    2025年11月30日
  • 恋とか愛とかやさしさなら

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    ネタバレ

    盗撮をした恋人と自分なら別れるか。

    これをずっと考えながら読み進めてたけど、
    セーラー服着せて
    ラブホ行って写真撮るところから理解できんくなった。

    啓久の犯罪を犯したのに
    傲慢というか、
    出来心、自分はそっち側の人間じゃない
    みたいな見下した感じが嫌悪感。

    瀬名の電車に乗ると人が変わったようになってしまい、
    再犯してしまうのとか、
    あ、これって病気というか
    直せないものなのかも、
    と思ってしまったり。

    私と、
    私たちと、
    そういう人たちの境目ってなんなんだろ。

    誰しも、そちら側になる可能性がある中で
    自分は違うと言えるのだろうか。

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    2025年12月07日
  • ツミデミック

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    ネタバレ

    11/25?〜11/29

    面白かった!とても読みやすいし、だいたい体の底が震えるような怖さがあった。コロナ禍にフォーカスを当てていて、コロナ前ならナニコレという感じだが、自分の経験と反芻して、確かにそうだったな、いや今もそうなのだけど、懐かしく思った。
    母が面白いというので読んでみたが、たしかに面白かったな。

    ①違う羽の鳥
    死んだはずの同級生に似た、いや似ていない女が現れて…という話。
    実際は替玉自殺で別人として生きていたというオチ。こわい。
    ②ロマンス☆
    夫婦関係のうまくいかない妻が、イケメン配達員との巡り合わせを求めて、デリバリーしまくる話。オチ怖すぎ。
    ③燐光
    短いのに、かなり緩急と

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    2025年11月29日
  • 光のとこにいてね

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    環境も性格も全く違う同い年の女の子が、
    小さい頃は母親に振り回されながらも、
    大人になって自分の人生を選択していく話。

    全員どこか自分勝手で、でも誰かのことを想ってる。

    細かい描写で、入り込める作品だった。

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    2025年11月29日
  • 光のとこにいてね

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    私の母親はここまでではないけれど、でもなんとなく似たようなものを感じた。
    私の母はきっと私のことを愛してくれているし、私を大事に思っているのだろうけれど、それはやっぱり私が高校2年生くらいになってからだなあと思う。それまでの間、私にとって母は味方ではなかったし、未だに母は私の味方ではないと思う(きっと母は私のことを味方だと言うのだろうけれど)。
    家族って、決して味方じゃなくたっていいのだと思う。父はずっと、私との距離感をはかりかねているし、妹は私が何をしようときっといつまでも私のことを好いていてくれる。母は私のことを勝手に似たような人間だと見ている。でも、この世に味方なんていないなんてことはな

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    2025年11月27日
  • 光のとこにいてね

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    深かった。
    こんなに真剣に心にいる人って私にはいるんだろうか。

    解説読んで離別の言葉なんだなと改めて思って二人それぞれに幸せになっていてほしい。

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    2025年11月27日
  • パラソルでパラシュート

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    移動中から読みはじめて、あっというまだった。コントのネタも、安全ピンの使い方もツボにはまった。なんばグランド花月行きとなった。まあまあ、おもろかったで(笑)
    で、はるさめスープお昼に食べてもたわ。
    関西弁がなんとも心地よい。
    亨と雨ちゃんの出会いが素敵でした。
    同じ曲を口ずさむ、目が合う。
    見つけてくれた見つけた関係。
    時に流されちゃっていいんだとなんかほっこりした。
    亨がなんともいいんだ(笑)
    千冬ちゃんもいいんだ(笑)
    雨ちゃん、幸せもんだ。
    これドラマ化してくれんかな?
    と、一穂さんてコントのネタも書いてるんかな?

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    2025年11月26日
  • きょうの日はさようなら 完全版

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    姉弟が冷凍睡眠から目覚めた女子高生と一夏を過ごす、特殊設定ありの青春小説。

    前半は和気藹々とした全くの青春パート。
    「平成の女子高生から見た令和」の描写がリアル。いきなり時代が飛ぶと、確かにこれは変に感じるかもな、というチョイスが秀逸。
    また平成の描写にもノスタルジーを感じます。つい最近のようで、しっかり過去なんだ、と実感。

    背景に見え隠れしていた謎に迫る後半は、切なさもあり、感傷的にもなる重めのパート。連綿と続く時間の中で生きれるって幸せなんだなって思いました。

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    2025年11月25日