一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アンソロジー作品『有栖川有栖に捧げる七つの謎』を読みました。
有栖川有栖のデビュー35周年記念のトリビュート作品です。
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予想をはるかに超える名編ばかり
それにしても、ここまでやりますか?――有栖川有栖、思わず脱帽
レジェンドへのリスペクトを胸に人気作家7名が全力執筆!
真正面から挑戦する超絶技巧の本格ミステリから、女子高に潜入する火村とアリスや不可解なダイイング・メッセージに挑む江神たちEMCの面々まで。
「気鋭の作家が本気で遊んだら、こんなものを書いてしまうのか?」と有栖川有栖を感嘆させた一度限りの豪華トリビュート。
有栖川有栖による解説 -
Posted by ブクログ
ネタバレいやー、難しかった。
なぜなら啓久のことを嫌いになれなかったから。
もし自分の婚約者が性犯罪を犯していたら、許せるんだろうか。普段の優しさを知っているのに、パッと切り替えて離れられるんだろうか。
自分がされたら許せない行為を、他人にした人を、許せる?信じられる?
普段は優しくて愛情深くて、たくさんの思い出がある大切な人を、事件にもならないくらいのことで捨てられる?
そんな悪い人じゃないと思ってしまうのは、被害者にとって悪じゃないのか?
犯罪って、どこから?被害者の義父の方がよっぽど尊厳を踏み躙っていて気持ち悪くないか?
様々な自問自答が浮かぶ。
恋とか愛とかやさしさなら、相手を軽蔑した感情を -
Posted by ブクログ
ゾクゾクする。ホントにゾクゾクする。
喉元過ぎれば熱さを忘れるという格言は何にもよく当てはまり、あれ程大変で先が見えなかったコロナ禍も今になればなんだったんだろうか、とむしろ記憶も薄れている。コロナ禍の非常事態宣言下の設定の本書を読むとなんだか感慨深い。たが、ゾクゾクするのはそこでは無い。
罪は罪なのだから大小兎に角何かしらの悪ではあるのだが、普段であれば身を潜めて存在が現れる事も、罪の主すらも存在に気がつくことも無かったのだろうに。。。コロナ禍の異常性が押して始まったピタゴラスイッチに載せられて旗が立つように悪がコロリンと炙り出てくる。誰しもが抱える小さな罪。道端の段差に躓くような誰にで -
Posted by ブクログ
ネタバレ突然のパートナー不在から始まる物語。
自身の過去をたどそれは思いもかけない方向にぐんぐん転がっていく。
不在に至る足跡を辿ることが、自身の過去にもつながっていくという奇跡のような展開。それをご都合主義ではなく自然に受け入れ、一緒に驚き共に泣けてしまうのは、著者の筆力だと思う。
いろんな「縁」が明らかになり、再びつながった「線」も切れてしまう。もちろん悲しみはあるのだが、すべてがちょうど良い所に収まったように物語は終わる。
個人的にここ数年の「不在と喪失」テーマの物語として、佐藤正午「月の満ち欠け」と朝倉かすみ「平場の月」が最高傑作と認識していたがそれを凌駕するような作品。
これまで一穂ミ -
Posted by ブクログ
読み進めながら、これは恋愛小説ではないと気づいた。《愛とはなにか》がテーマだったそれは、各々の愛情の形を通して最終的には《性犯罪とは》という問に変わっていった。
莉子の父が行っていることは性犯罪ではないのか?それを性的に消費する視聴者は?実際に触れていなければ、撮っている人間が家族であれば許されるのか?
性犯罪の線引きはいつまで曖昧なのだろうか。
これら全てもいずれ、名前のついた犯罪になるのだろうか。
性犯罪は衝動が抑えられず何度も繰り返し苦しむものだと認識していたが、啓久のように“自分でも分からないけれど、見たいなーと思った”という感覚でたった1度犯してしまう人もいるんだ、と思った。
でも -
Posted by ブクログ
ネタバレ帯に惹かれて買ってみた。
プロポーズされた翌日に、恋人が盗撮で捕まった。
自分だったらどうするかな、そう思いながら読み進めた。
主人公の気持ちがわかるような、わからないような。
どうしたら許せるのか?許すなのか?
わたしもきっと主人公と同じ結末を選ぶと思うけど、彼氏はもう消せない過去、罪を抱えながら生きていく。そう思うと犯罪って見えないけど、その人を確実に変えてしまうものなんだなって。周りもその人自身も。
主人公とその彼氏が向き合う本。
でもそんな簡単な言葉では表せない本。きっとしばらく余韻で2週目はできないだろうな。
でも言葉の表現がとてもよくて、読んでいてその感情が感じられて読んでてよか