一穂ミチのレビュー一覧
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「恋と食」 がテーマの、小説新潮に掲載された短編を収録したアンソロジー。甘やかで幸せなだけのお話が一編もなくて逆に楽しめた。
一穂ミチさんは、淡白な味を好む淡白そうに見えるカップルのまったく淡白ではない情念のお話。言われてみればポン酢ってしびしびしてるかも。
古内さんは、計算だけではないけど計算も働かざるを得ない大人の恋愛の話。旨味調味料はハマると駄目になる気がして避けて生きてます。
君嶋さんはこの中で最もオーソドックスな恋愛小説。キュンとします。
錦見さんの短編は語り手が料理上手なだけあって一番美味しそうな料理が登場した。不思議なお話で、恋愛だったの??という感想。
奥田さんは毒親を捨てる -
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梅雨入りBL再読祭り第5弾!
このまま新聞社シリーズこのまま行きます♪
香港からの転校生・一束は、日本にも教室にもなじめずに立入禁止の旧校舎でまどろんでばかりいる。そんな一束だけの世界を破ったのが、二つ先輩の圭輔だった。まっすぐな圭輔にやがて心を許し、どうしようもなく惹かれていったのに、向けられる想いを拒んでしまった一束――十三年後、新聞社香港支局長になった圭輔と仕事相手として再会し……?
またまた13年後ですよ笑
長いよ!出会った時2人共若いもの!
そりゃ色々あるさ…。゚(゚´Д`゚)゚。
好きだと告白し若さゆえに暴走したと後悔してきた圭輔と好きなのに身体に秘密があって拒んでしまった -
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個人的にお笑いはあまり見ないんだけど、本作の登場人物たちが交わす大阪弁のボケとツッコミのリズムはとても心地よく、すらすらと読めた。受付嬢の女性が売れないお笑い芸人に恋をするという、男性視点だとかなり「おいしい」状態であるにもかかわらず、安易にセックスに持っていかない展開はとても良かったと思う。
これまで周囲に流されて生きてきた主人公が、シェアハウスに引っ越したり、ハラスメントまがいの行動をとる社長に毒をぶつけたりするあたりの変化は読みどころのひとつだと思うけど、元々不思議ちゃんキャラのような人物なのと、心理描写がどこか第三者的な感じがして、読後の印象自体はやや弱め。主人公と同世代の女性読者だっ -
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ある夜、新聞社勤めの冬梧が証明写真を撮っていたボックスに見知らぬ青年が闖入、身も世もなく泣き出してしまう。お詫びをと連絡してきた製薬会社勤務の望と交流を重ね、冬梧はデートめいて心地いい時間に戸惑う。やがて懇願される形で体をつなげ、すでに惹かれていたのだと観念した冬梧だが、望はその日から「もう会えない」人になっていた――。
梅雨入りBL再読祭り第三弾
新聞社シリーズ2014年のこちら♪
出会ってから突然の別れまでほんの数ヶ月
そして17年後の再会……
長い!長すぎです!!
せめて10年…
いや5年くらいにしてあげて。゚(゚´Д`゚)゚。
この新聞社シリーズはとにかくシリアス
テレビ局シリ -
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解約社員の30歳の美雨が出会ったのは、売れないお笑い芸人の享。お笑い芸人を目指す人たちが集うシェアハウスでの交流が始まる。
30歳。すっかり、そんな歳は過ぎ去りましたが、色々な意味で一つの切れ目と感じる。歳を取るって残酷だなと思う。
お笑いの世界も、華麗に見える一方で、夢破れて去ったいくものもいる。
「頭で考えて用意した笑いって、結局、人格からにじみ出てくるもんには勝たれへんのよ」
大阪という街の人情や、シェアハウスで暮らす人たちの、ぶっきらぼうだけど、オチのある優しい言葉。
人生、何もしなければ、あっという間だけど、何かをしていても、あっという間です。 -
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有栖川有栖デビュー35周年企画。
レジェンド作家へのリスペクトを胸に、気鋭の人気作家が執筆した、豪華トリビュート。
2024年が有栖川有栖さんのデビュー35周年という事で、その記念企画で豪華作家陣が一堂に会したトリビュート・アンソロジーです。
ひと言でいうと、めっちゃ豪華な有栖川有栖作品二次創作アンソロジーって感じ。
それぞれの作品も、前情報なく読んだらご本人の作品だと思わず考えてしまうような「完コピ二次創作」から、ホラーミステリ、ダークな雰囲気と作家さんのカラーがしっかり出たものまで。バラエティに富んでいて面白い。
個人的なお気に入りは、作風の完コピに徹した青崎有吾さん『縄、綱、ロー