一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025/61
本当に元気がなくなる本(言い方悪い)
それだけ心が揺さぶられるし、嫌な気持ちになる。
パートナーがいる人
心から大切だと思う人がいる人は
本当にその相手を心から信じられるのか試される。
ちなみに私は、夫が盗撮したらどれだけ許したいと思っても「生理的に無理」になると思う。私も主人公のように「頑固で潔癖で世間知らず」なんだろうね。
許すか忘れるか堪えるかどれか選べと言われたら「堪える」を選ぶ人間なので、主人公と同じ立場になったらと思うだけでゾッとした。一生苦しむかも。
主人公たちは今後のことで悩みに悩むわけだけど「彼とやり直すこと」「彼女を手放さないこと」は本当に愛と言え -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏子のモデルの女性の例のようにやはり現代社会で女性が置かれている立場が大前提にあるのだろう。ただし、推し活に生きがいを見出す先輩の受付嬢やしたたかに婚活をする後輩の姿からそこを掘り下げているわけではないことはわかる。
そして、流されるままに生きていた女性の成長の物語と云えるのだろうが、最終的に目指す先が「成功」や「安定」ではないことは確かである。
大きな事件や出来事が起こる訳では無いが、芸人の生き様であったり、会話の妙に最後まで楽しく読まされた。
崖っぷち(29歳の女性という立場)からパラソルで、でも「笑い」というパラシュートを付けてというタイトルの意味にも納得。
それにしても、あの会長 -
Posted by ブクログ
いろいろ特典があって文庫で読んだのは正解だったかな。登場人物、小瀧結珠と校倉果遠が二人が七歳で出会う所からはじまる。二人の出会いは結珠の母親の不倫が原因。
歳は同じ女の子だけど、家庭環境や学校も違う。
それぞれの価値観や行動は、親がルールをつくっていて、子どもは正しいとか間違ってるではなく親の価値観と学校との狭い世界がすべてなんだなぁ~と感じた。
それぞれの章で二人が別れるときに、
『光のとこにいてね』と出てくる。
小さい時ただ漠然とした約束が、年齢を重ねるごとに、意味が深くなっていく…。
●羽のところ…小学二年生(7歳)
●雨のところ…高校一年生(15歳)
●光のところ…29歳
個 -
Posted by ブクログ
相手を大切にしたい気持ちと、自分を守りたい気持ちは同時に存在していて、その間で人は迷い続ける。誰かを好きになることで生まれる弱さやずるさを、否定せずそのまま描いているところが印象的だった。「信じる」という行為はひたすら純度を求められてる、ってとこは私もそうだ。一点の傷や汚れも許されないレンズのように澄み切っていないと信じてることにはならないし、純白以外は全て黒で、百かゼロしか存在せず、且つ一度でもわずかでも損なわれたら二度と元には戻らない…新夏の気持ちが分かる。グレーを許せたら楽なのにね。読んでいて、胸が少し痛くなるけれど、どこか現実的で共感できる話だった。
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Posted by ブクログ
婚約者が盗撮した。その時に女性目線では何を感じるものなのかを知りたくて手にした本。
カメラ撮影を仕事にする彼女の視点で、性犯罪行動を起こした婚約者、その家族、職業としてのカメラマン、幼い頃に離婚した両親と、ごちゃごちゃグルグルと思考が混乱している描写に共感できた。
彼女はある写真を撮らないことを決意したけれど、その心理描写が全く関係のない自分の推し活につながった。
引退を発表した推しに対し、引退までの活動から目を背けている自分の感情は、引退を認めたくないでもなく、悲しさから逃れたいでもなかった。新夏と同じように大事な気持ちだからこそ、ブラックボックスのまま残したかったということだと気づい -
Posted by ブクログ
結婚を前提に付き合っているカップルの彼氏が盗撮をしてつかまってしまい、、、。よりにもよってプロポーズした翌朝の通勤電車で。なぜ、よりにもよってそのタイミングで。物語の前半では彼女「新夏」の視点、後半は彼氏「啓久」視点で描かれています。新夏は啓久の行動の理由を理解したいと思い悩みますが、恋人の家族や友人の価値観、その価値観に至った背景を流し込まれ、啓久との関係にどんな決断をするのか。対する啓久は被害者や類似の犯罪に一度手を染めてしまった人たちとの関わりを通じ、新夏の決断に対してどのように行動していくのか。主人公と登場人物たちとのやりとりは生々しく、嫌で、自分だったら目をそむけたくなるような内容で
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Posted by ブクログ
ネタバレ現実世界で、友人の友人が盗撮で捕まった彼氏と結婚した話を聞いたばかりだったから、思わずその子と主人公を重ねてしまった。ちなみに、その子は彼を選んでそれ以外の全ての縁を失ったらしい。
この作品が良かったと思えるのは、「正解以外の恋愛をしたことがある人」じゃないかなと思った。私は楽しめたけど賛否があるのも頷ける。
二部作で前半はプロポーズに応じた翌日に婚約者が性犯罪者になる彼女の視点、後半が1度の盗撮で全てを失ってしまう彼氏の視点で話が進む。
出来事より人の感情がフォーカスされていて、全体的に静かな流れで物語が進む。登場人物達と同じように、読者も何が正解なのかは分からず読み終わってもス