一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2024年第171回直木賞受賞作品。
目立つ装画は画家の目黒礼子さんの作品です。この本を書店で目にしたら、思わず手にとってみたくなるほどインパクトのある色あいです。
一穂ミチさんは初読みです。タイトルはパンデミックの時期の罪でツミデミック。うまく考えたなと思いました。コロナ禍の先の見えない不穏な時期を背景にイヤミス。ただそれだけではなく、救いの部分もあったりして面白かったです。6つの短編集は、そうきたかと思いつつ楽しめました。
【違う羽の鳥】
自死したはずの井上なぎさと再会した男性の話。緊急事態宣言が出る前の不穏な雰囲気とマッチしていました。
【ロマンス☆】
ワンオペで多忙な主婦がイケ -
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ネタバレ2026.02.12
思いの外早くにこのタイトルの一文が出てきてから、ずっとこのフレーズを頭の片隅に置いて読み続けた。
仄暗い影がずーっと纏っていて、たまに光が差すようなそんなお話だった。
「切ない」の一言では言い表せないような、複雑な感情、出来事、人間関係が絡まった2人の女の子のストーリー。ずっともどかしくて、早くこの2人が光のもとで過ごせるようにと願いながらページをめくり、そのまま読み終えた。
光のとこにいてほしいと願う果遠ちゃん。
でも自分という過去があることで結珠ちゃんに影が付きまとうからと、自ら離れていくラストは
とても苦しく、なぜこんなにも報われないんだろうと思わずにはいられ -
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前作1号では何ひとつしっくり来なかったテーマ設定、今回は非常に良かったです。後半テーマが旅になってしまうのかよと途中ガッカリした位に。
どこを見ても画一的に描かれてしまった「愛」に対して、「悪」は多様な側面から描かれていて大満足ですし、「悪」というテーマなだけに胸糞エンドでも納得感があるし、綺麗に終わっても満足感があってとても良い。むしろ前作は何故ハピハピな物が無かったんですかね。愛なのに。
後半テーマの旅もブックホテルの話から始まり、「うん、本好きな人の大半旅とか興味あるわけないじゃんかねww(私個人の偏見です)」って感じで冗長ではなくサクサク読める小作品ばかりで良かったです。
ただ、仕様 -
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とてもショートなストリーもあれば、読み応えあるものも。ごちゃ混ぜのジャンルなのに心にどっか残って、この先何かの拍子にこの話ってなんだっけ?と首を傾げる自分が容易に想像できる。
短編なのだけどテーマが重かったり、本当にまちまち。メニューがたくさんある居酒屋に来て、どのメニューもそこそこのバランスで美味しかったりして、逆にどれが当たりのメニューなのか不安になるような気持ちになる。
最近ハマり始めて読み始めた一穂ミチさんだけど飽きないな。
こういう形のストーリーを書く人だなってふんわりと認識して自分の中の出来上がった解像度をすぐに壊されてしまう。毎回、あれ??おかしいなって気持ちになる。でも、重 -
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一穂さん4冊目。暗い内容が多い。今回はミステリーとファンタジーも加味されていたが、なかなかサクサクとは行かなかった。
10年も一緒に暮らしていながら、相手のことを何も知らない青吾と、相手構わず突き進む沙都子。二人のパートナーが一緒に行方不明になったことから二人の調査が開始される。次々と明らかになる事実。殺人事件が殺人事件を呼んでいく。
残された二人が接近するのかと思うとそうではない。時空を超えたパートナーとの電話が秘密を解き明かす。色々な要素が絡みあった内容なのに、何故か歩みが遅い。てんこ盛りに盛りすぎたのかも知れない。
タイトルの「お先にどうぞ」が出てくるのは、ほとんど最後の場面。納得したよ -
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同棲中の多実さんが、旅行から帰ってこない。長年一緒に住んでいるのに互いの家族や過去や友人ですら知らない。警察に行っても家族じゃないとと言われる。物語はここから。ここで、私はうっと唸る。遠方の友人やそれ以上?の相手と遊ぶとき、そこでなんかあったらと誰が探しだしてくれるだろうかと。それはさておき、彼女が多分亡くなったであろう、しかも別の男性と一緒に。喪失感と共に何故?を思う、青はその男性の妻と、亡くなった島で2人の痕跡を探る旅に。と、私はファンタジー要素は苦手で、公衆電話はちょっとなあって、思いつつ、私にとっても何故!?が止まず。
謎解きが終わったところで泣けてきた。
青は「好きな人と住む」と、言 -
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「光のとこにいてね」タイトルの意味を理解したときにはやられた。相手への思いが詰まっていて、刹那的で。
一見、光のとこにいるけど影を見ている結珠と、影のとこにいるけど光を見ている果遠。形の違う同じ孤独を抱える2人の、切なく苦しい日々の中でお互いと居る時の不安定な安らぎ。
離れている間にそれぞれの時が流れても、また出会ってしまえばお互いでしか埋められないものができる。それぞれの夫も必要だった存在であることは間違いなく、ただ、代わりにはならない。
一気に読んでしまったものの、個人的には感想が難しいお話。読むときによって浮かぶ思いが変わりそう。またいつか読み返したいです。