一穂ミチのレビュー一覧
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大学の友人でバイト仲間の2人。受けが攻めに告白するところから
始まる。受けは攻めには何も求めない。攻めはそのことをきっかけに
意識するんだけど、やっぱり「一番大事な友達」。
「大事な友人だから、傷つけたくないから会えない」と、切ない別れを
選ぶほど、“恋”へ進んではくれない。でも、一番大切にしたくて
一番側に居たいのはわかっている、そういう2人が、結ばれていく
過程が、もの静かに進んでいくからこそ、切なくて感じる良作かと。
恋人になった後の2人の短編も入ってます。さらさらと綴られる
その上品な甘さに「ご馳走様」と言いたくなりました。お気に入り。 -
Posted by ブクログ
文芸誌というものを初めて読んだ。
GOATは表紙も可愛いので知ってはいたけれど、なんとなく購入には至らず。
12月に2025Summerの第7刷が発行されたのを本屋で発見して、ついに文芸誌デビューとなった。
特集は悪。
ヒリヒリするような悪、わくわくするような悪、悪って面白い!
特に「あの子にしか行けない天国」は、一体この後どうなるのか?が気になってSTORY BOXで続きを読み漁った。
が、現時点で残念ながらまだ完結していない。
気になる!
早く先を読ませてくれ!
と思わずにはいられない…
魅力あるたくさんの作家の作品を読めるのが文芸誌のいいところだと思う反面、続きがあるとなかなか先を読めな -
Posted by ブクログ
これは重い。
行為なり、言葉なり、直接自分が受ける事で傷つくのと違い、結婚間近の恋人が犯した性犯罪をどう受け止めれば良いのか、消化出来るのか、理解出来るのか…。人によって、その性別、性格、価値観、判断基準によって、その後の想像される未来は異なる訳で、では2人の関係をどうするのか、の判断は異なってくるのだが、主人公新夏はある日突然、この正解の見えない悩みの中に放り込まれ苦しむ事になる。
本作の彼氏は、前夜の飲み会の酔い、ノリが醒めない出勤時にスカートの中をスマホで盗撮。本人は、病的に繰り返す様な人等とは違うとの意識でいるが、その安易な愚かしさがどれだけ周囲を傷付けるのかを理解出来てない事の愚かし -
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ネタバレ「光のとこにいてね」
初め、この題名に惹かれてこの本を手に取ったが、結果的に物語の最後まで強烈な引力を持つ言葉となった。まったく違う家庭環境の中で育つ2人が、それぞれの息苦しさを感じつつ、自分が持つことのできなかった互いの魅力に惹かれ合うさまがうつくしくて、だけどその分儚くもあった。長い年月を一緒に過ごしたわけでもなく、交わした言葉もそんなに多いわけではない。最初から名前をつけることなどできなかった関係性が、どうしてこんなにも二人を引き寄せ合うのだろう、そこにはどんな力が働いているのだろう、と同じような関係性に心当たりのない私は想像しながら読むのが興味深くて面白かった。友達にも誰にも打ち明けら -
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ネタバレミステリーの要素もあるが、「不在」や「喪失」がテーマの個人的に感情移入しやすい“さえないおじさん”が主人公(作者のインタビュー)の物語。
同棲中の彼女が見知らぬ男性と海難事故で行方不明になり、男性の妻と本当に「陳腐な不倫の結末なのか?」真相を探る旅が始まる…と書くとやはりミステリーなのだろうが、実際に驚愕?の真実もあるが、主人公がたどる謎解きは愛しい人への尽きせぬ思いという内面にフォーカスされていく。
相手の男性の妻との関係や新しい命に希望を見いだせるのか?期待するところもあったが、“乗り越えることの出来ない”主人公の癒えぬ傷跡こそが、彼にとっての愛の証明のようにも感じられ、胸が締め付けられた -
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男性がとにかく汚く穢らわしく思う作品。
ただ現実問題、それは事実であることも改めて感じた。
一度大きな過ちを犯した愛した相手を信じる事の怖さを知った。
物語の始まりは、彼氏にプロポーズをしてもらった翌日の朝に彼氏(婚約者)がその日の電車で「盗撮」した事が発覚する。
一生を約束した彼が、数時間後に捕まることから展開される。
この物語は、2部構成になっており、
前半は、カメラマン見習いの新夏と、その彼女にプロポーズをした男性、啓久の2人を軸として
主に"新夏視点"で話が展開していく。
盗撮、いわゆる性犯罪をした啓久に対して、新夏の想いは揺れる。
なぜ盗撮をした?謝って許され -
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遠い地で、見知らぬ男と海に消えた恋人
一緒に過ごした10年間は嘘だったのか──
と、きたら恋愛小説かなと思いますよね
が、ところがどっこい!
恋愛小説だけど、ファンタジーあり、ミステリーありです
一穂さん、いろいろぶち込んで混ぜてきました
まるでミックスジュースです
私、ミックスジュースすきです
さらっとしたやつでなく、ドロっとした方がすきです
しかし、この作品とミックスジュースは一切関係ないのでこれ以上はやめておきます
では、関係ある話を
この作品では公衆電話とテレホンカードがキーアイテムとなります
最近の子は公衆電話なんて使ったことないんじゃないですかね
テレホンカードな -
Posted by ブクログ
とっても難しかった。
いや、昨日自体は比較的スラスラ読める。
あっという間に読み終わった。
だけどすごく難しい。
盗撮自体も、付き合うのか、別れるのかも、
その後の交流も、会社の人との付き合いも
全部がわからない。
盗撮することだけが間違っていて
あとは全て答えがない。
間違うことは誰にでもあるけど間違っちゃいけないこともある。
痴漢も盗撮も被害にあったことはあるけどいずれも声は上げられなかった。年をとった今も無理だと思う。
被害者の女の子のような声をかけられることもある。
客引きやキャバへの誘いからの舌打ちはよくあること。
絶妙に感情移入させられて、難しさだけが残って
一生考え続け -
Posted by ブクログ
9冊目の一穂ミチさんは3年ぶりの長編小説です。
恋人の多実と10年一緒に暮らすタクシー運転手の青吾。ある日、一泊旅行に出かけたはずの多実が帰ってこず、携帯も繋がらなくなってしまう。心配し焦りを募らせる青吾のもとに「多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い行方不明になった」との知らせを受ける…。
いやぁ〜すごかった。最初からずっと先が気になって気になって、めちゃめちゃ読まされました。ミステリ要素あり、ファンタジー?スピリチュアル?要素もあり。
狭い島の中での濃い人間関係や複雑に絡み合った過去が、一穂さんの繊細な筆致で徐々に明らかになっていきます。最後もやられた。まさかそこに繋が