一穂ミチのレビュー一覧
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ノーモアベットの曲者社長と頼れる先輩あっさんのスピンオフ。
ノーモアベットはこれのための前哨戦? という感じで今作の方が好みでした。
懐かない猫である雪と、そんな彼に執着にも似た深い愛情をそそぐ藤堂社長。家族との関わりを軸に、螺旋を描くように彼らの想いが長い長い時間をかけて絡み合っていく様にぐっと引き込まれました。
なんというか、off you goに文章のトーンが似てる気がします。
巧みにするすると引き込まれる人間模様とドラマ、行き来する過去と現在。
ただのイチャイチャのエロではなく、感情にぐっと深く迫る描写の深さと濃密さ、魅せるドラマとしてのめり込ませてくれるお話でした。
ノーモアベット -
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ネタバレたまたま仕事が休みだったので、限定小冊子目当てに発売日に走ったら、「入荷予定には入ってるんですけど、全部の荷物開けても無いんですぅ~。明日ですかね~。」なんてことをお店のお姉さんが言う。
次の日、バス1本早いので出掛けて仕事前に回り道して寄ったけど、まだ店頭に無かった。
時間が迫ってるので問い合わせは諦めてトボトボ仕事に行った。帰りでは閉まってる。
3日目、また1本早いバスで出掛けて、やっとGET。
売り切れてなくて良かった。
潮の家族編。
ネタばれ大歓迎で、なんなら推理小説でさえラストを読んでから読み始めるわたしが、1ページ目から読む数少ないシリーズ。
計が可愛くて仕方ない。
今回、男前 -
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訳ありの潮の家族問題がついに明らかになるシリーズ三作目。ずっと自分を支えてくれた潮に対して今度は自分が潮を救ってみせる、と奔走する姿、繋ぎあった想いの深さがひしひしと伝わって胸いっぱいに。序盤の何気ないシーンから泣けてきました。
潮の寂しさを知って、それを掬い上げようと寄り添い、奪われたものを取り返そうと必死に奔走する計の機転と行動力は本物の王子様で、かわいくてかっこいいスーパーヒーローでした。
2年で積み上げてきたふたりの絆も、少し切ないだけれど優しさが滲む潮の家族の問題も、全てがすとんと胸に響いてとてもあたたかに沁みわたるよう。
しかし恋のお邪魔虫だった竜起くんはすっかり理解者の良い後輩に -
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ネタバレあーーーー計はかわいい!本当にかわいい!ただそれしか出てこない!というくらい、計が可愛かったです。
前作も可愛かったですが、五割増し、いや、六割増しくらいで更に可愛くなっています。
一生懸命で真面目で器用で努力家で、でも素直になれなくて器用なんだけど不器用、肩の力を抜いて上手く生きられない美人さん。
そんな計を放っておけなくて可愛くて、からかいながらそっと見守る潮。
テンポがよくて、でもハラハラする前作の良さを殺していない展開と文章がとても良いです。
恐らく麻生さんと木崎のスピンオフが来るのだろうけど、計と潮の話もこれからずっと続いてほしいなあ。 -
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表紙詐欺…!?と思ったくらい佐伯さんの表情が受々しくて驚きました。このシリーズを初めて読む方は要注意、佐伯氏はそんな一般的な受カテゴリに甘んじているような受ではありません。
さて新聞社シリーズ同人誌を集めた本も二冊目。off you go多めでかなり読み応えあり。なによりこんなにお話があったんだー!と一穂さんの自作品に対する想いの強さに打たれます。個人的には、子供の頃の佐伯が、誰にも知られることなく問題を解決する話が好き。ちょっとしたミステリー小品の雰囲気を漂わせつつも、佐伯という存在の芯を感じさせる興味深いエピソードだと思う。新聞社シリーズをより楽しむための作品集なのでファンは読むべし。 -
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ネタバレ新聞社シリーズ4部作の今のところの完結編。携帯の普及していない17年前を舞台に、良時や西口もいいアクセントにぽつぽつ脇役として活躍しています。(佐伯さんも一瞬だけ!)
新聞記者の冬伍と製薬会社勤務の望、それぞれ出会うはずのなかったふたりが奇妙な運命に導かれ、やがて引き裂かれてしまう展開はハラハラと切なさで胸がいっぱいに。
新聞記者の仕事、マスコミの功罪など、シリーズ中で一番「新聞社」の仕事の側面が強く見えたような。
シリーズお馴染みキャラが脇役でうまくアクセントになり、人間模様の面白さと物語の巧みさにどんどん引き込まれました。
望というキャラクターの人間像がとにかく魅力的で、ほんとうに人を描 -
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ネタバレOff you goを先に読んでしまってたのもあってか、佐伯さん、ああ佐伯さん……みたいな複雑な気持ちに。
一束も佐伯さんも実らなかった初恋に囚われた同士で惹かれあってたのかな。
タイトルと、そこに纏わるエピソードがとても好きです。
思春期のゆらぎともどかしさ、そこで止まった時間がもう一度動き出し、二人が歩み出す姿がなんとも言えないひりひりした痛みと切なさを色鮮やかに残していきます。
香港と日本、ふたつの舞台の対比がうまく生かされていて、劇的な展開を盛り上げてくれたなーと。
圭輔は一穂キャラ随一の子どもっぽい攻めですが、そこがなんともかわいい。
is in you=あなたのもの、というまっす -
購入済み
願いが叶った!
『is in you』が好きすぎて、月1の頻度で読み返してましたが、まさか念願の番外編が出るなんて!夢じゃなかろうか?!(笑)。
落ち着く所に落ち着いた二人のその後が読みたくて、時には一人妄想していましたが、やっぱり本物のラブラブには敵わないよ…幸せ~
ふたりの絆が強くなっていくのが感じられます
一穂先生、再び二人を書いてくれてありがとうございます!
2でもぜひお願いします!!
相変わらず圭輔先輩カッコ良くて一束が羨ましいよ☆
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今まで発行されていた新聞社シリーズの同人誌や小冊子掲載作品などを集めた本。同人誌や小冊子を集めていた身としては…(以下略)ですが、買えなかった本も収録されておまけに挿絵もあるしでファンにとってはお得な一冊。
ただ、そんな事情を知らず普通に続編だと思って購入した人は、戸惑ってしまうかも。林檎と違ってこちらはひと組のカプだけではない上、ひとつの話自体が極端に短い話もあるし。でも、それを差し引いても、読む価値のある貴重な話ばかり。カプが出てこない脇キャラ(女)のその後の話を、さわやかな気持ちで読めるとは思ってもみなかった。
一見雑多に見える細かいエピソードが、今も連綿と続いていてカプたちの世界を彩っ -
購入済み
面白いです
一穂さんの作品の中でもかなり好きなお話です。先に文庫本でも買ってましたがデジタルでも読みたくて、続刊ともに両方揃えちゃいました。主人公の心中の悪態と、外面に対するひたむきな努力が可愛らしくて憎めません。楽しくもどこか考えさせられる。素敵なお話です。
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ネタバレ家族に恵まれず、満たされない欠落を抱えた二人が互いの孤独に寄り添ってくれた故人を媒介に運命の巡り合わせのように出会い、ゆっくりと穏やかに心を重ね合わせていく物語。
特に何か劇的な展開があるわけでもないのですが、しっとりと霧雨が雨が降り続けるようなけぶった世界観の中で二人のさみしさがゆっくりゆっくり重なり合い、やがてあたたたかな想いとなって形を変えていくのがとても心地よかったです。
いまにしてみると、どしゃぶりの原型的な世界観のようにも思えます。
デリケートで繊細で他人に心を閉ざし、虚勢を張っていた慈雨が剥き出しの孤独をそっと包んで寄り添ってくれた亡き妻への想いを綴った裸の想いが描かれたエッセ -
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ネタバレめちゃくちゃお気に入りの小説「イエスかノーか半分か」の続編。
計と潮の掛け合いも前作に引き続き面白いですし二人の関係も甘くてたくさんきゅんきゅんさせていただきました……。
それだけに、途中の記憶喪失のくだりは唐突に思えて驚いた…んですが。
読み返してみると、「イエス~」のほうと表紙だけでなく内容も対になってるのかな?と思いました。
また、お仕事小説としても、胸にぐっさり突き刺さるものが多い作品でした……。あーすごく好き。
大好きな作品なのでこれからもちょこちょここの二人の話が読めるといいなあ…と思いつつ。
こちらもドラマCD化するといいなあ。 -
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「イエスかノーか半分か 」の続編。すごく裏表のある人気アナウンサー、計が今回も心の中で毒吐きまくりで面白かったです。もう以前のように性格悪~とかはまったく思いませんwむしろ、すごく気分爽快です。
映像作家の潮とは順調にラブラブのようでよかったと思わせてくれました。彼だけには素の部分を晒してるんだけど、安心してる証拠なんだなとしっかり感じます。
絶対安全地帯なんですよね…
そこそこ波風は立ってましたが、客観的に見ても安心できる関係なんで、頭打ってあなた誰ですか状態になっても信じられるものがありましたw
お仕事ものとしても楽しい展開になっていて、思わず引きこまれてしまいました。
報道番組の抱える -
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ネタバレBL的な見せ場と山場もたくさんあって起伏に富んだエンタメなんだけど、『職業意識』を通しての物の見方考え方、生き方がきちんと描かれて人間を魅力的に描く人だなぁというのをひしひし感じさせられました。
会話のテンポ、絶好調の毒舌の裏で繰り広げられる不安と本音と焦り、すれ違いに切なくもハラハラさせられたり。
一気に二作続けて読めた後追い組ですが、半年足らずで一冊まるごと書き下ろしの続刊だったのか。
スピンオフじゃない二巻はイエスノーが初めてなあたり、それだけ反響が大きかったんだな。
前作でも感じた事ですが、計みたいに去勢を張って見せかけの自分で生きてきた人にとっては偽らない自分を受け入れてくれる相