一穂ミチのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレお互いだけではないけれども、お互いでなければ入れない、許せないスペースがある2人の物語
2人の関係は親友とか想い人とかで区分分けできない
それこそ タイトルの 光のとこにいてほしいという想いでつながっている
タイトルの光のとこにいてね はとてもあったかいんだけど、それを思う自分はその光の中にはいなくて、どちらかというと離れたところの暗いところにいるイメージがある
その気持ちの中には例え自分は辛いとこにいてひとりぼっちでも光のとこにいるあなたがいればそれでいい、というような少し憂い気な優しさを連想した
最後のシーンでは別れ続けた2人がそれまでとは違う形になるのではないか、と期待して読んでい -
Posted by ブクログ
【光のとこをみつけると思い出しちゃう病にかかること必至】
タイトルから抱いたイメージは、別れの予感と、
「私がいなくなっても光のなかでいてね」という優しさ。
正直、今の荒んだ私には合わないかも…と思いつつなぜか購入。
物語の中で「光のとこにいてね」は、
最初はただの「次の集合場所」として決めた言葉。
深い意味はない、無邪気な子供たちの合図。
だけど、太陽の動きとともに日向は移動する。
光を待ち合わせ場所にしちゃういびつさやかわいみ?
が、だんだんと2人だけの合言葉のような重みを帯びていく。
相手が大事すぎて、一瞬立ち止まる。
相手にとっての正解を探す。
その気遣いが、すれ違いを生む。
外 -
Posted by ブクログ
料理と恋愛にまつわる短編集。
料理が絡むからか、どれも一定大人の恋愛ストーリー。
一穂ミチのエピは不思議な色気を感じる作品。地味女かと思わせといてなかなかやりおる男女だわ。
古内一絵作品はこの人の根底にあるものが伝わるので嫌いじゃない。
君島彼方の作品は性的マイノリティの葛藤がいい具合に滲み出ていてこれも好き。
奥田亜希子のズルい男とそれをわかってて演じた女の話も結構好き。転がされてるようで転がす女は勝ち組だな、って思う。
ということでどれもなかなか思いを馳せることの出来る味わい深い短編集でした。
カレー食べたくなるよ
2025.11.11
204 -
Posted by ブクログ
解説が辻村さんということで最初から期待していたけど、短編を一つ読んでからあぁ好きかもと思った。久しぶりに読み終わってすぐ2週目に手を出した。
どの短編も丁寧な心理描写と散りばめられた目に浮かぶ情景が印象的で、世にも奇妙な〜を思い起こさせるような少しホラーチックなものや、涙腺が緩むものもあり、解説で辻村さんが「書かないものを読ませる」と言っていたけれど、その言葉の意味がよく分かる気がした。どれも分かるなぁ、という話では無いけれどファンタジーのようなどこか遠い所での話という感じではなく心の距離感無しに読めた。
もう一冊、一穂さんの本で読みたいと思っているものがあるのでとても楽しみになった。