一穂ミチのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
一穂ミチさん3年ぶりの長編最新作。
王様のブランチでも紹介され、気になっていたので。
タクシー運転手の青吾が仕事を終えて家に帰ると、旅行から帰宅しているはずの恋人・多実がいない。翌日以降も戻る気配がなく焦りを募らせる青吾のもとに、多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い、行方不明になったというしらせが届く…
最愛の人を理由もわからず突然失った、言葉にできないような喪失感を、あたかも自分が経験したかのように感じさせる文章の数々に何度も泣かされた。
ミステリやファンタジーの要素もあるけれど、物語を邪魔することなく最後まで飽きさせずに引き込まれた。
心に沁みた沙都子の言葉。
「多 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感情移入しすぎて、読み終わってもしばらくまともな会話ができなかった。
痴漢をした人の婚約者の気持ちも、痴漢をした人の気持ちも痛いほど共感できる描き方で、何度も本を閉じたくなった。
自分の婚約者が性犯罪を犯したらどうするだろう?
彼の罪を咎めず見て見ぬふりしたら、幸せな未来が待っているかもしれない。でも果たしてその人を“信頼”して生きていけるのか?
「恋とか愛とかやさしさなら、打算や疑いを含んでいて当然で…(以下略)なのに「信じる」という行為はひたすらに純度を求められる。」
本文に出てきたこの言葉の重みが、心にずっとのしかかっていて、どんな決断をしても、影を背負うように思えて。
後 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさん目当てで読み始めた一冊。
序盤は、読んでいる間はそれなりに気分が高揚して、まさにタイトル通り「ほろよい気分」にはさせてくれる。だけど、いざ読み終わってみると、あとに残る余韻があまりにもサラリとしすぎていて、どこか物足りなさが残る読後感だった。
お目当ての一穂ミチさんの一編を読み終えたときは、思わず「やったね!」と心の中で思った。やっぱりこの作家の描くものは毒薬だ!「ほろよい」どころか悪酔いしそうな、人間の不穏な心理描写は健在で、この強烈な一杯は楽しめた。
他にも、下戸だと言い出せない青年の葛藤を描いた一編には、男だからこそ「飲めない」と言えないリアルな空気感を感じて、身につま -
Posted by ブクログ
本屋さん大好き。自分が子どもの頃、小学校高学年くらい、行動範囲に、今でも名前を覚えている本屋さんが3軒あった。〇〇ならこの本屋、〇〇ならこっちの本屋、両方なかったらもう一軒の本屋、という感じで自転車で渡り歩いて本を買っていた。
コバルト文庫を読み漁ってたなぁ。友達は藤本ひとみさんの「マリナシリーズ」を買っていて、別の友達は折原みとさんのシリーズを読んでいた。自分は山浦弘靖さんの「星子の一人旅シリーズ」や、小野不由美さんの「悪霊シリーズ」を買っていて、みんなで交換して読んでいたっけ。赤川次郎さんも流行ったなぁ。とても良い思い出。
スマホなんてなくて、娯楽は本やその時間にリアルタイムで観るテレ