一穂ミチのレビュー一覧
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ネタバレ山崩れを意味する「蛇抜(じゃぬけ)」という苗字をもつ苑(その)は、苗字故になかなか友だちを作れずにいた。
その田舎町にあるクラフトビールの会社の息子が同級生の明渡(あきと)。
人気者の明渡は、陰キャで両親にもネグレクトされている苑にも優しく接してくれる。
小学5年の時、苑は両親のことで夜に家を飛び出し、名前のとおり山崩れに会ってしまう。が、明渡が手をのばしてくれて助かってしまった。本当は死にたかったのに。
明渡のおかげで、苑は無事だったが、明渡はしばし入院してしまった。
退院してからも明渡は苑をかまってくる。
二人は高校生になった。
優秀な明渡は頭のよさに相当する高校をうけず、苑と同じ高校に通う。
そして朝と夜、かならず苑の部屋にやってくる。
そして明渡は苑を好きだという。
苑は恋愛の意味では好きじゃない。でも立場もあって拒み切れない。
ある時、半ば無理やり一線を越えてしまってからは、ずっとセックスしまくりの日々になってしまう。
高校を卒業して明渡は大学生。苑は専門学校を経てマッサージ師になった。
ネグレクトの親元からようやく離れられる。
そして明渡とは同棲(同居?)をしている。
相変わらず明渡は苑に対して、スパダリを発揮する。
苑はいまだに、恋愛感情をもててないが体はつなげている日々。
なんで明渡はこんな何もない自分を好き好き言うんだろう?
明渡はある時倒れてしまった。救急搬送されて検査した結果、脳に血がたまっているらしい。血管は大きく切れてはおらず、何年もかけてたまってきたのではと。
それはもしかして、小5の山崩れが原因なんだろうか?
明渡が入院して手術をるす同意書に自分はサインもかけないし、ICUに入ることもできないと焦る。それを機に、明渡を好きな気持ちに気が付いてしまった。
明渡と相談をして、入院前に養子縁組をした。これで手術の同意書もかける。
(明渡は家業を継ぎたくなくて、家に連絡もしたくなかった)
入院まえにようやく二人の想いがばっちりあった。
恋をするってこんな気持ちだったのか!
明渡の手術は成功。ICUで目をさました明渡の表情に違和感。でもまだ手術のあとだから・・・。
でも、違う日に行っても、何かが違う。なんだろう?
実は、明渡は手術後に苑への恋愛感情がまったくなくなってしまったのだ。
脳にできた血の塊が、小学5年生から少しづつたまっていて「恋をする」状態をつくりだしていた可能性があると医者は言う。なのでそれがなくなった今、明渡は苑を好きじゃなくなってしまった。
そもそも、「好き」という状態がイレギュラーだったのだ。
ようやく明渡が大好きだと気が付いた苑は、明渡の元から去る。
そしてまた数年が過ぎた・・
っていう話。
もうね、めちゃくちゃ辛い。
お話の前半は、いやいやエッチしているのもしんどいよな~って感じだったのに、
やっとそれが「恋愛」になったとたん、
それは間違いでしたってことになるなんて。
よく、記憶喪失で「好きだった記憶」がなくなる話は、掃いて捨てても有り余るほどあるけど、
「好きだった記憶」がそもそも間違いだったってパターンは初めて読んだわ。
辛い~~~。
ラストギリギリまで「え?このまま終わるの!?」って感じだったけど、ほんっとにぎりっぎりでほっとする。
ギリギリすぎて、もうちょいくださいよぉ~~ってところで終わる。
あ~ぁ・・・って思っていたら、どうやらこれ、続編があるらしい。
「ラブ ~キス2」っていうらしいのですが、どこを探してもない!!
もう絶版?重版しない?
たまに見るのは、プレミアついてお高い本になっている。
なかなか古い本だから重版とかは厳しいのかなぁ?
いつか続編が読みたいですっ!! -
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ネタバレ電車移動が増えたので、暇つぶしに駅の本屋さんで物色。一穂さんなら間違いないと思って購入。大阪のテレビ局に勤務する4人の訳ありな人々の連作短編集。春夏秋冬の季節ごとにわかれていて、季節ごとに主人公が変わる。前後の話で登場人物が絡むこともあるので面白い。
春は不倫騒動で東京のテレビ局に左遷されて、再び大阪に戻ってきた薹の立った美人アナウンサー。夏は人当りの良いニュース番組デスクの中年男性。秋は好きになった同僚がゲイで絶対に自分の思いは届かないタイムキーパーの女の子。冬はうだつのあがらない派遣ADの青年。どこにでもいそうな人たちが主人公なんだけど、春は幽霊騒動、夏は年頃の娘との確執、秋は女の子の悲しい過去の秘密、冬は覇気のないADの青年が出会った人当りの良いコメディアンがキーポイントになっていて、読み始めたら先が気になってどんどん読んでしまった。
特に幽霊騒動にかかわる新人アナウンサー笠原雪乃が、脇役なんだけど他の話にも出てきてこの物語全体のキーマンになっていてとても面白かった。最後エピローグのような「砂嵐に花びら」のエピソードもとってもよくて読後感がとても良い。最近本当に涙もろいから電車の中で何度もこみあげてきて困った。この本を読んで「よし、こうしよう、こうしないと」まで大きく心を揺さぶられはしないけど、良質な読書時間だったと思える良い本だった。 -
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知っている作家さん、知らない作家さん含め色々な作家さんの文章にお試しで触れることができるのがアンソロジーの魅力の1つですよね。
澤村伊智先生、原浩先生、小野不由美先生の安定感は流石で、まさかの鈴木光司先生ご本人が登場する鈴木光司先生のお話も面白かったです。
そんななか今回の顔ぶれのなかでは一穂ミチ先生と阿泉来堂先生の著書はこれまで拝読したことが無かったのですが、今回はこのお2人の作品が個人的にはトップ2かなというくらい特に気に入りました。
阿泉来堂先生の読みやすい文章と個性的なキャラクター、一穂ミチ先生の「にえたかどうだか」の恐さ、他の著書も是非買ってみようと思えるもので、良い出逢いでした。 -
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ネタバレイエスかノーか半分か」の番外編2巻目
スポーツキャスターの竜起と、ADの深とのお話。
前回から付き合うことになったふたりのところに、中途採用の恵小太郎がはいってくる。
小太郎はアメリカからやってきて、旭テレビに採用された。
深のような制作会社でないのでそのうち深より偉くなるだろうが、畑違いの世界に飛び込んできた小太郎の教育係になることに。
小太郎はとても優秀で、なんでも早々にできるようになる。
竜起とはどうやら旧知の中だったらしく、なぜか小太郎がかなり目の敵にしている。
そのうち、小太郎は深を好きになってしまう。
仕事は仕事としてきっちりやりつつ、小太郎からのアタックを交わす深は、竜起にもこのことを言えないでいて・・・。
それと、竜起が、元カノの話はしてくれるのに、深の前に好きだった人の話はしてくれないことが気になっている。失恋して2年は誰も好きになれなかった、初めて男を好きになってしまったという、その相手は誰なんだろう?どうして話をしてくれないんだろう?
ってお話。
だんだん、潮×計CPよりもこの竜起×深のほうが可愛くて好きだな~っておもう。 -
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みんみんさんがおすすめくださり、即ポチした作品。
一穂ミチさんなんですよ。
耳馴染みありますよね。
一穂ミチさん、BLをお書きになるとは!
みんみんさん、おびのりさん、yukimisakeさんに感化され、最近だいぶ普通にBLを読める自分がいます( ̄▽ ̄)
耐性ついてきたのか!?
この物語は、
海辺の街で暮らしていた泉が、海岸を散歩(ゴミ拾い)している時に宗清に出会うところから始まる。
宗清は、泉の弟、靖野に似ていた。
泉の弟の靖野は、海の事故で2年間意識のない状態が続いていた。泉は弟の介護をする為に、在宅勤務という形で弟に寄り添っていた。
靖野に似ている男、宗清は長期休暇を取得して暫くこちらへ滞在していた。
人当たりがよく、話しやすい宗清に時間をかけて惹かれていく泉。。。
似ている?
何かあるよね?
あるよねーーー???
って読み進めてみましたが、まぁ私の想像を超えてきましたよ。
びっくりしました!
え!そういう!?
そっちがそっち!?
前半戦、あんまり宗清に私自身が惹かれず、キュンキュン全然出来なかったのですが、後半戦ですよね。
後半戦からじわじわきますよ!
うっそーーーん!?
えぇーーーー!?
そっちーーー!?
そして靖野と泉の秘密、それから、宗清の秘密、秘密がダダ漏れになってきたあたりからが全力疾走です!
秘密だらけやんっ!
あんまり好きでなかった宗清も、後半戦はちょっと好きになってきました(๑˃̵ᴗ˂̵)
相変わらず私はどうもエロ描写が苦手すぎて、どうでしょうか?10ページくらいありましたか?
申し訳ないのですが、飛ばさせて頂きましたm(_ _)m
この作品、ずっとプラトニックでいきそうだったんです。
ずっとプラトニックだったんです!
でもきっと、サービス描写が必要なんでしょうね?誰にとってのサービスか知りませんが、私には不必要でした(笑)
もっと心の中をぐいぐい書いて欲しいです!
いや、しかし、さすが一穂さんですね!
これも映像で見たいなぁと思ってしまいました。いいドラマになりそう!(*´∇`*) -
匿名
ネタバレ 購入済み途中まで密があの佐伯だと全然気付かなくて・・・まさかあの佐伯が、これ?!と、ものすごくビックリしました。
香港の時はかなりイヤなヤツだったんだけどな(苦笑)
電子版なのでイラストが表紙しか見られなくて、でも、自分の中で想像する佐伯とは全然違って。
おまけに良時との関係では密が受け・・・色々驚きました。
三角関係なんて言葉ではひとくくりにできない、三人のバランスというか。
きっとそれぞれが、それぞれを好きでいるその相手を愛してるんだろうなと感じました。
境遇からいくと十和子はもっと傲慢な感じに仕上がってしまいそうだけど(苦笑)
意外としっかり育ってて、これもまた、三人でいたからこそうまく作用したのかなとも思いました。
読めば読むほど、一穂ミチ先生の作品の素晴らしさにハマっていく感じがします。
他の作品も色々読んでみたいです。 -
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ネタバレ「イエスかノーか半分か」の3巻。
クレイアニメ作家の潮と人気アナウンサーの計のお付き合いは2年。
ある日、計に選挙出馬の噂が立つ。もちろん、そんなつもりはない。
否定しても噂はついてくる。
どこからそんな話が?
一報、潮のところには15年ぶりに見る顔が。
その西条という男は、潮の父の秘書だった。
潮は苗字の違う父がいる。家は代々議員。父も国会議員をしている。
母はそんな父を支えて、雪の日に倒れて死んだ。
その母の死すら、選挙の票にするしたたかさに潮は家を出て、母方の祖母の元に逃げ込み、苗字も変え、15年音信不通だった。
が、西条は今の仕事を辞め、父の地盤を継ぐために実家に戻れという。
当然断ったら、
潮の恋人が誰であるか、その人と潮との関係をバラしたら、計がアナウンサーをやれなくなることになるかもしれない・・
と脅す。
潮は計の後輩の竜樹に頼んで、計の番組の見学をさせてもらい、
やっぱりアナウンサーを辞めさせるわけにいかないと覚悟を決める。
その夜、計をホテルの一室に呼び出し、
父の事、家に(一時的にでも)戻らなくてはいけないことを告げ
「また戻ってくるよ」
と言って出て行った。
計は放心状態になり、「アナウンサーを辞める」という決心をする。
アナウンサーの仕事より、潮を無くすことの方が重大で大事で絶対に嫌な事。
だが、会社に行ってそれを告げようとするも、体も頭も仕事をしてしまう。
他のアナウンサーと違い、自らやりたくてやった仕事ではなかったが、もう計はそれも手放せない。
そこに老いた議員の江波と局で会う。
食えないじじぃだが、江波は計の番組の討論会で毒舌な物言いを見出され、ちょくちょくTVに出るようになっていた。
その恩を今,払えと頼みごとをする。
それは、
潮が今軟禁状態にあるであろう潮の実家、若宮家に連れて行ってほしい。
自分ひとりでは追い返されるので、潮の祖父と親交のあった江波がいけば通してもらえるだろうと。
そして、計は潮を連れ戻しに行く・・
って話。
ほぼ電車で読んでいたんですが、二人がホテルで分かれるところはまじで泣いてしまった。電車の中なのに。マスクしててよかった(よくない)
潮が出て行って、計が部屋にのこされて、座ったまま記憶がなくて、また次の記憶が電車に乗ってて・・・っていう、
やらなきゃっていう理性的本能で体が動いているけど、頭が全然うごいていなくて、
「あれ?俺なにしてんだろ?」って時々思って、またその意識が水面下におちていく・・
そういう経験、あるわあ~(ホテルにおいてけぼりはないけど)
あんなに普段、潮に暴言吐いて態度悪いのに、いなくなったらもうダメダメな計になってしまう。
ただ、国江田さんとしてはしっかりしているところも、なんかつらいよね。
社会人の辛さだよね。
2人の話はここでおしまいなのかな?
もう続きはでなさそう?
あとは、計の後輩の竜樹の話が番外編で出ているようで、
それもまた後日読もうとおもうのですが、「番外編2」は手元にあるけど「番外編1」がまだ手元にない。
やっぱネットで買うしかないのかなぁ? -
Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー
錚々たる作家陣のお話が読めます
澤村伊智先生の「ココノエ南新町町店の真実」
一人称の語り口で進むお話。登場人物を通して見ること、またその人物の心情変化からじわじわ恐怖を感じることができます。
語り部の変化についてもこわっとなれるお話。読み応えあり。
小野不由美先生の「風来たりて」は、自宅で起こる怪異。話の骨子としてはとても分かりやすい、古くからよくあるのパターンのお話ですが、やはり怖い描写がとても良いです。怖いです。
書籍化もされている営繕かるかやの尾端さんが出てきてくれます!
タイプの違う色々なお話が読める楽しみとともに、こちらで初めましての新しい作家さんとの出会いも楽しめました。
ちょこっとしたホラーを手軽に摂取したい方におすすめです。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさんの恋愛小説です。
主人公の泉は、2年間意識が回復しない弟の付き添いのため、仕事やプライベートを犠牲にし、狭い世界の中に引きこもっていました。そんな中、弟に似た宗清という男性と知り合い、関係性を深めていくことで泉が色々な事と向き合うようになります。泉は異性愛者でしたが、宗清の人あたりの良い気軽さや時折見せる誠実さに惹かれていきます。性別関係なく、人に惹かれるということはこういうことだよなぁと感じさせる表現が絶妙でした。弟はなぜ海に飛び込んだのか?宗清の正体は?とミステリー要素も含まれており、とても面白かったです。『恋とか愛とか〜』もそうでしたが、一穂さんの文章が良過ぎ!もう好きしか思い浮かばない、そんな作品でした。