道尾秀介のレビュー一覧
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「龍神の雨」「雷神」と合わせて神三部作と呼ばれている作品。だけど、中身の繋がりは特に無く、ただ神という文字が付く作品ってだけ。
中身は連作小説で、中身はどの話も"遺影専門の写真屋"にまつわる話。で、この遺影専門の写真屋さんっていうのが個人的にすごい好きな設定で、そのお店はその名の通り、利用者は生前に自身の遺影を撮りに来るわけやけど、撮影後大体どの人も最後の二枚でどちらにするか迷うんだとか。その時にお店から「もし迷われているようでしたらこちらがお決めいたしましょうか?」って提案して、選ばれなかった方をお店に並ばせてもらうんよ。だからお店は色んな方の遺影候補だった写真が並んでるわけやけど、物語の登場人物がその並んで遺影を見て「…この人は」みたいな感じで話に入ったりして、もうその感じがめっちゃくちゃ好きやった。
で、三篇+エピローグが収録されてるんやけど、話の繋がり方がすごい!もうお見事!そこも繋がるのね!って感じで、繋がりすぎてもうややこしく感じたところもあった!繋げすぎ!あほか!
ほんで、最初の話「心中花」にめちゃくちゃロマンティックで素敵なところがあったんよね。別に「ほらっこれっロマンティックやろー?」って感じで書いてるわけではなくて、結構サラッと書かれてるんやけど、もう個人的に「キャー」って枕に顔をうずめながら足をバタバタさせたくなった。おじさんやけど。
ただ、話の中で「風はどこから吹くのか。風が吹く最初には何があるのか」みたいな疑問を解説するところがあるんやけど、そこがマジで意味わからんかった!意味わからんかったから是非読んでみて欲しい!意味わからんから! -
Posted by ブクログ
ほんタメで「感動どんでん返し」として紹介されていたこの作品。
主人公はめちゃくちゃええ声やけど外見は残念なラジオDJ。
そのDJが行きつけのバーで常連さんと飲んでいたら急に扉が開かれ、知らない女性が立っていた。そして一言。
「…コースター」
全員「コースター?」
コースターを受け取ると女性はどこかへ立ち去った。
そして誰かが気付く「さっきのって『…コースター』じゃなくって『…殺した』って言ったんじゃない…?」
みたいな感じのあらすじ。ここだけ見るとちょっとホラーというかシリアスな感じがするかもやけど、中身は結構ポップな感じで描かれていて、序盤からすごい文章も読みやすく軽快。そのまま最後の方までサクサクいけちゃうんやけど、「これからどうどんでん返してくるん?」かーらーのー!
どん!
でん!!
って感じで、確かに感動どんでん返しって感じやった。いやー、もうそこから始まってたんやねー。って感じ。 -
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題名になっている『ラットマン』とは、思い込みにより同じ絵なのに人によって別のものに見えるという錯視を利用した有名な騙し絵のこと。
高校時代に結成し活動を続けるアマチュアバンド“Sundowner”、ライブに向けスタジオで練習中に事件が起きる。事故か?作為によるものか?
バンドのギタリストである主人公の姫川は平常を装いつつ淡々と無機質な生活を送っている。それは23年前に起きた父と姉の死に起因している。
父の遺した最後の言葉『俺は正しいことをした…』
その言葉を自分に言い聞かせ、父の行動を模倣する。姫川は何を正しいと考え、何をしたのか?
物語の核心となる23年前の過去の真実を小出しにしつつ、現在の事件と交錯させることにより見事に話に惹き込まれていく。そして、大きな思い違いこそが全ての誘因であったことが判るのだが、登場人物ほぼ全員がなんらかの勘違いをしていたことにビックリ。。まさに全員ラットマン状態!
ただ、思い違いをすることにより起こす行動は、みんなその人を大切に思うが故に生じているんだと分かり心温まる気持ちになれる。
でも…犯人の犯行動機だけはどうしても理解できない、ここだけはマイナス点。
そして、最後に気づくことがある、、、それは一番思い違いをさせられてたのは自分(読者)であったことに……やられた。 -
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道尾秀介の作品は子どもの世界を描いたものが多い印象。
「月と蟹」も、高学年の小学生3人がメインです。
ただでさえ大人になりかけの微妙な時期。少ーしだけ見える子どもらしく無邪気な部分にやたら安心するのは、ほぼずっと息が詰まりそうな展開だからかも。
子どもって大人が思うよりも大人を冷静に見てるものですよね。
どうしたって大人の事情に心が振り回されてしまうのが、仕方ないけど辛い。
大人が言い訳したり取り繕ろったりするのも、子どもにとってはさらにキツい。
子どもの世界にもいろいろあるなぁ、しかもけっこう残酷。
なんとか自分を守ってほしいと思いながらも、それぞれに立ち向かう姿に苦しくなりました。 -
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ネタバレ連作中編集。
3つの中編とまとめ的な1編の構成。
上上町と下上町での出来事が各パートで語られ、その登場人物たちがリンクしていく。
各パートごとでも謎や解決があるが、次のパートで見方が変わり真実が明らかになったりする。
ミステリーではあるけど、ヒューマンドラマ的な感じ。
1編目 漁師見習と女子高生の恋愛物語。女子高生は家庭の事情で引越すことが決まっている中、彼氏が事故に遭い死んだと告げられるが、数年後再会する。
2編目 まめとでっかち小学生2人の物語。
3編目 女子高生の家庭の事情は祖父の会社が起こした事故と隠ぺいなのだが、それが事故ではなく人的に起こされたことが真実として語られる。
読み終えて細かい疑問残るところ、スッキリしないところもあるが面白かった。 -
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いけない、第2弾。
文庫化を待ってた!♪‹‹⸜(*ˊᵕˋ* )⸝›‹⸜( *)⸝›‹⸜( *ˊᵕˋ*)⸝››♪
各章末に挿入された写真を見た時、物語はがらりと姿を変える。読書の概念を覆す、驚異の《体験型ミステリ》第2弾。
文庫化と共にヒントサイトが開設されたので、章を読み終える度に推理して、ヒントサイトを見ていたのですが、これがすっごくよかった。
段階的にヒントが書かれているので、自力で推理しやすくなっていて、より楽しめた。
今作は前作と違って、各章の真相が物語の中できちんと明かされるので、ヒントサイトやネタバレサイトを見たくない方も真相を知れて、モヤモヤしないのが◎。
私はホラーが苦手なので2章の最後の写真はとても怖かった…(((:(꒪꒫꒪ ):)))
3章から終章にかけて、全部が繋がっていく構成が好き。
滝への願いは全部叶ったけれど、ラストはスッキリするような、しないような…。
次作の体験型ミステリも楽しみです♪ -
Posted by ブクログ
消失感を抱えた少年が奇妙な儀式を友達と始める。そこから段々と少年に内包されている自我が変化していき、悲しみや寂しさが溢れてそれは暴力性や非倫理的な思いや行動へとつながっていく。
話の中に流れる描写が少年たちの行動や心情を生々しく描いている。その少年少女たちも家族を失っていたり、家族に暴力を振るわれていたりと家庭の愛をどこか感じられていない心にすっぽりと穴があるような人たちである。それが交わり交流していく中で改めて主人公に訪れる妬みや嫉妬、それらがいつか主人公の人格もどこか変えてしまう。
どうして人生は上手くいかないのだろうか、どうして大人になるのは難しいのか、そんな誰しもが抱える気持ちをこの本の読みに捧げながら、溶かしながら読み進めていくと、腹の中にドロドロとした様々な感情が読み手の中に生まれると思う。