道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
道尾秀介の作品は子どもの世界を描いたものが多い印象。
「月と蟹」も、高学年の小学生3人がメインです。
ただでさえ大人になりかけの微妙な時期。少ーしだけ見える子どもらしく無邪気な部分にやたら安心するのは、ほぼずっと息が詰まりそうな展開だからかも。
子どもって大人が思うよりも大人を冷静に見てるものですよね。
どうしたって大人の事情に心が振り回されてしまうのが、仕方ないけど辛い。
大人が言い訳したり取り繕ろったりするのも、子どもにとってはさらにキツい。
子どもの世界にもいろいろあるなぁ、しかもけっこう残酷。
なんとか自分を守ってほしいと思いながらも、それぞれに立ち向かう姿に苦しくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ連作中編集。
3つの中編とまとめ的な1編の構成。
上上町と下上町での出来事が各パートで語られ、その登場人物たちがリンクしていく。
各パートごとでも謎や解決があるが、次のパートで見方が変わり真実が明らかになったりする。
ミステリーではあるけど、ヒューマンドラマ的な感じ。
1編目 漁師見習と女子高生の恋愛物語。女子高生は家庭の事情で引越すことが決まっている中、彼氏が事故に遭い死んだと告げられるが、数年後再会する。
2編目 まめとでっかち小学生2人の物語。
3編目 女子高生の家庭の事情は祖父の会社が起こした事故と隠ぺいなのだが、それが事故ではなく人的に起こされたことが真実として語られる。
読み終えて細かい疑問残るところ、スッキリしないところもあるが面白かった。 -
Posted by ブクログ
バンド仲間との青春物語かと思いきや、想像を超える重苦しい展開に引き込まれ、一気読みしてしまった。どんでん返しに次ぐどんでん返しにまんまと騙され、予測はことごとく裏切られる。単なる「反転」や「トリック」では到底語れない、怒涛の物語。
「ラットマン」とは、見る角度によって印象が変わる絵。その構造が物語全体に張り巡らされ、真実と思っていたものが何度も覆される。登場人物たちは皆、思い込みや勘違いを抱えたまま、それぞれの優しさが絡み合って複雑な人間関係を生んでいく。
現在の事故と23年前の事故。この二つの出来事に翻弄される主人公・姫川の苦悩が痛いほど伝わってくる。特に真相を知ったあとの彼の感情は、読者の心にも深く刺さる。仄暗い空気が全編を支配しながらも、過去と現在が交錯し、少しずつ真実が浮かび上がっていく構成に圧倒された。
読み終えたあとには深い余韻とやるせなさが残るが、最後にほんのわずかながら救いが用意されていたことに希望を感じた。読後に疲労と満足が同時に押し寄せる、濃密な一冊。 -
Posted by ブクログ
いけない、第2弾。
文庫化を待ってた!♪‹‹⸜(*ˊᵕˋ* )⸝›‹⸜( *)⸝›‹⸜( *ˊᵕˋ*)⸝››♪
各章末に挿入された写真を見た時、物語はがらりと姿を変える。読書の概念を覆す、驚異の《体験型ミステリ》第2弾。
文庫化と共にヒントサイトが開設されたので、章を読み終える度に推理して、ヒントサイトを見ていたのですが、これがすっごくよかった。
段階的にヒントが書かれているので、自力で推理しやすくなっていて、より楽しめた。
今作は前作と違って、各章の真相が物語の中できちんと明かされるので、ヒントサイトやネタバレサイトを見たくない方も真相を知れて、モヤモヤしないのが◎。
私はホラーが苦手なので2章の最後の写真はとても怖かった…(((:(꒪꒫꒪ ):)))
3章から終章にかけて、全部が繋がっていく構成が好き。
滝への願いは全部叶ったけれど、ラストはスッキリするような、しないような…。
次作の体験型ミステリも楽しみです♪ -
Posted by ブクログ
消失感を抱えた少年が奇妙な儀式を友達と始める。そこから段々と少年に内包されている自我が変化していき、悲しみや寂しさが溢れてそれは暴力性や非倫理的な思いや行動へとつながっていく。
話の中に流れる描写が少年たちの行動や心情を生々しく描いている。その少年少女たちも家族を失っていたり、家族に暴力を振るわれていたりと家庭の愛をどこか感じられていない心にすっぽりと穴があるような人たちである。それが交わり交流していく中で改めて主人公に訪れる妬みや嫉妬、それらがいつか主人公の人格もどこか変えてしまう。
どうして人生は上手くいかないのだろうか、どうして大人になるのは難しいのか、そんな誰しもが抱える気持ちをこの本の読みに捧げながら、溶かしながら読み進めていくと、腹の中にドロドロとした様々な感情が読み手の中に生まれると思う。 -
Posted by ブクログ
多分10年以上ぶりに読書欲が湧いて、2番目に読んだ作品。
まだまだ道尾秀介さんの作品で未読のものは多いけど、今のところ個人的にはこの作品が1番心にきた。
なんだろう、各登場人物たちの苦悩が1番す…っと自分の中に入り込んできた、1番入り込んだ感じで。
今までの自分が経験してきた苦悩(仕事のことだったり親の介護だったり色々な漠然とした不安だったり)が勝手に個々の登場人物たちの苦悩とリンクして、途中からポロポロ泣きながら読んだ記憶がある。
同時に読み終わった後、登場人物のほぼ全員(全員ではない笑)をぎゅっと抱きしめたくなるような気持ちに襲われました。