道尾秀介のレビュー一覧
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ネタバレ一応は青春小説になるのかな。10年ぶりくらいの再読だったが、ほぼ覚えていなかったけど、面白かった。
端的に言うと壮大な大勘違いの話。ただし姫川が自分で納得しているから、よしとするか。良しとして良いようなレベルでは無いように思うけど、勘違いも含めて父親と同じ行動だったから、良かったんだろう。
ただし解せない点がある。
ひかりが子供を堕ろすのに姫川の子供と言い切ったこと。嘘を付くなら、こっそり堕ろしたら良いのに。。。それから姫川がモテる理由も謎。そして姫川はひかりのことを本当に好きではなくなってしまっているんだと感じてモヤモヤした。好きじゃなくなる理由は?
あと女性同士は初体験をしたことがすぐ分かってしまうのは本当なのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエンタメ33% ミステリ33% ヒューマンドラマ33% くらいの構成
表紙の絵や帯のアオリ文から、悲愴な物語化と覚悟して読んだが、道尾秀介の作品の中ではむしろコミカルでライトなものだった。この作家は何を書いても上手ですね。
遺族をターゲットにした宗教は、道尾作品に何度か出てくるね。
ミステリ部分に関しては、ミスリードを誘うものではなく、道尾さんにしてはヒントが多く親切な書き方だった。
映画化できそうな、ビジュアル映えする作品(もうされてるのかな?)
道尾さん独特の人間の哀しさ、愚かさ、愛おしさがちょうどよい重みで書かれていて、万人受けする作品だと思った。コアな道尾ファンには少し物足りないかも。でも、嫌味もなく、何かが足りないというわけでもなく、基本的に完成度が高い。道尾秀介という作家への信頼度がまた一つ上がった。
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「龍神の雨」「雷神」と合わせて神三部作と呼ばれている作品。だけど、中身の繋がりは特に無く、ただ神という文字が付く作品ってだけ。
中身は連作小説で、中身はどの話も"遺影専門の写真屋"にまつわる話。で、この遺影専門の写真屋さんっていうのが個人的にすごい好きな設定で、そのお店はその名の通り、利用者は生前に自身の遺影を撮りに来るわけやけど、撮影後大体どの人も最後の二枚でどちらにするか迷うんだとか。その時にお店から「もし迷われているようでしたらこちらがお決めいたしましょうか?」って提案して、選ばれなかった方をお店に並ばせてもらうんよ。だからお店は色んな方の遺影候補だった写真が並んでるわけやけど、物語の登場人物がその並んで遺影を見て「…この人は」みたいな感じで話に入ったりして、もうその感じがめっちゃくちゃ好きやった。
で、三篇+エピローグが収録されてるんやけど、話の繋がり方がすごい!もうお見事!そこも繋がるのね!って感じで、繋がりすぎてもうややこしく感じたところもあった!繋げすぎ!あほか!
ほんで、最初の話「心中花」にめちゃくちゃロマンティックで素敵なところがあったんよね。別に「ほらっこれっロマンティックやろー?」って感じで書いてるわけではなくて、結構サラッと書かれてるんやけど、もう個人的に「キャー」って枕に顔をうずめながら足をバタバタさせたくなった。おじさんやけど。
ただ、話の中で「風はどこから吹くのか。風が吹く最初には何があるのか」みたいな疑問を解説するところがあるんやけど、そこがマジで意味わからんかった!意味わからんかったから是非読んでみて欲しい!意味わからんから! -
Posted by ブクログ
ほんタメで「感動どんでん返し」として紹介されていたこの作品。
主人公はめちゃくちゃええ声やけど外見は残念なラジオDJ。
そのDJが行きつけのバーで常連さんと飲んでいたら急に扉が開かれ、知らない女性が立っていた。そして一言。
「…コースター」
全員「コースター?」
コースターを受け取ると女性はどこかへ立ち去った。
そして誰かが気付く「さっきのって『…コースター』じゃなくって『…殺した』って言ったんじゃない…?」
みたいな感じのあらすじ。ここだけ見るとちょっとホラーというかシリアスな感じがするかもやけど、中身は結構ポップな感じで描かれていて、序盤からすごい文章も読みやすく軽快。そのまま最後の方までサクサクいけちゃうんやけど、「これからどうどんでん返してくるん?」かーらーのー!
どん!
でん!!
って感じで、確かに感動どんでん返しって感じやった。いやー、もうそこから始まってたんやねー。って感じ。 -
Posted by ブクログ
題名になっている『ラットマン』とは、思い込みにより同じ絵なのに人によって別のものに見えるという錯視を利用した有名な騙し絵のこと。
高校時代に結成し活動を続けるアマチュアバンド“Sundowner”、ライブに向けスタジオで練習中に事件が起きる。事故か?作為によるものか?
バンドのギタリストである主人公の姫川は平常を装いつつ淡々と無機質な生活を送っている。それは23年前に起きた父と姉の死に起因している。
父の遺した最後の言葉『俺は正しいことをした…』
その言葉を自分に言い聞かせ、父の行動を模倣する。姫川は何を正しいと考え、何をしたのか?
物語の核心となる23年前の過去の真実を小出しにしつつ、現在の事件と交錯させることにより見事に話に惹き込まれていく。そして、大きな思い違いこそが全ての誘因であったことが判るのだが、登場人物ほぼ全員がなんらかの勘違いをしていたことにビックリ。。まさに全員ラットマン状態!
ただ、思い違いをすることにより起こす行動は、みんなその人を大切に思うが故に生じているんだと分かり心温まる気持ちになれる。
でも…犯人の犯行動機だけはどうしても理解できない、ここだけはマイナス点。
そして、最後に気づくことがある、、、それは一番思い違いをさせられてたのは自分(読者)であったことに……やられた。