【感想・ネタバレ】ノエル―a story of stories―のレビュー

あらすじ

孤独と暴力に耐える日々のなか、級友の弥生から絵本作りに誘われた中学生の圭介。妹の誕生に複雑な思いを抱きつつ、主人公と会話するように童話の続きを書き始める小学生の莉子。妻に先立たれ、生きる意味を見失いながらボランティアで読み聞かせをする元教師の与沢。三人が紡いだ自分だけの〈物語〉は、哀しい現実を飛び越えてゆく――。最高の技巧に驚嘆必至、傑作長編ミステリー。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童文学でつながる3編の連作小説

それぞれの話の中、不穏な空気は漂いつつも、だれも悲しくさせない結末に辿り着いてにっこり
特に「光の箱」が好きだった(ミスリードにもちゃんと引っかかったし)

作中に出てくる児童文学、本当に絵本になってくれたらいいのに
蛍とカブト虫とヤモリの話とか、大人も考えさせられる絵本になりそう

お話を自分で作ることは難しい
でも、誰かが作ったお話の中に逃げ込む感覚は身に覚えがある
本を読む時間、物語に潜り込む時間は孤独ではあるけど
みんなそうやって逃げ込める場所を持ってるのかなと思うと少し安心する

物語好きを包み込むみたいな優しいお話だった

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2023年03月28日

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理不尽な暴力から心を逃すために
絵本を作る男の子と女の子のお話でした
作中の童話とリンクしながら
でも時間の流れが交差しながらの
とても不思議なお話でした
短編連作で でもしっかりと繋がっていて
最後 ほんとに よかった

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2018年08月21日

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弥生と圭介の絵本作り、物語の中の真子との会話で成長していく莉子の物語、妻に先立たれ小さい頃の思い出を思い出すおはなし会の与沢の物語。
ひとつひとつの短編のようで、実は繋がった長編。物語や言葉で生きる力を与えられる。とても元気をもらえる作品。クリスマスの時期に読みたい。

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2017年04月26日

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まず、装丁が小さい頃から大好きな藤城清治さん。見るからに大切にしたくなる一冊。
何かが飛び抜けて悲しいわけではないし、劇的に幸せが訪れるわけでもない。なのに、じんわり心に染みて涙か浮かんでくる。

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2016年11月26日

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別の世界に入り込むしかなかった、
身近に童話があった人たちの3つの物語。
いじめに遭いながら、物語を作る少年。
姉になるのが怖い少女が書く絵本の続き。
絵本の読み聞かせを止めようと決めた老人。

いろんな仕掛けがあり、
今までに味わったことのない展開の仕方。
感情の起伏が激しかった。

誰かに影響を受けていた自分が、
いつしか誰かに影響を与えている存在になっている。
自分はそうなのかなんて考えても答えは出ない。
与えてる方は気づかないから。
この作品に出てくるかぶと虫のように。

読み終えると心が温かくなる、ほっとなる作品でした。

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2016年06月28日

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再読。誰も不幸にならない物語です。
こちらのお話には高度なミステリーというほどの小難しさはないけど、そこは道尾先生、気づいた時には小さく少しずつ巧みにミスリードされていて、途中ひゅっと不安な気持ちになる場面もありました。でもその分、プラスの方向へのドンデン返しが嬉しくホッと安心できます。
3章の別々のお話が、エピローグで、深く繋がりあっていたことを教えてくれます。莉子ちゃんみたいに、卯月圭介×正木弥生『空飛ぶ宝物』の絵本を読めたらいいのになー。

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2025年02月23日

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最初の話、一回目よくわかんなくてビックリしてすぐ読み返しちゃった
優しい気持ちになる道尾作品、「光」以来でした

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2025年02月13日

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それぞれ短編として楽しめながらも、作品全体として楽しめる長編でも楽しめる、作者の技量の凄さ。
色んな家庭のお話。自分の周りの人が少し大切に感じることも出来る作品です。

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2024年11月09日

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「道尾秀介」の長篇作品『ノエル―a story of stories―』を読みました。

2月の始めに読んだ『鬼の跫音』以来、12冊連続で「道尾秀介」作品です、、、

書棚にあった「道尾秀介」作品の在庫も、本作品が最後の一冊… 寂しいですが、暫しの間はガマンですね。

-----story-------------
現実に立ち竦み、自分だけの〈物語〉を紡ぐ三人の男女。
極上の技が輝く長編ミステリー。

孤独と暴力に耐える日々のなか、級友の弥生から絵本作りに誘われた中学生の「圭介」。
妹の誕生に複雑な思いを抱きつつ、主人公と会話するように童話の続きを書き始める小学生の「莉子」。
妻に先立たれ、生きる意味を見失いながらボランティアで読み聞かせをする元教師の「与沢」。
三人が紡いだ自分だけの〈物語〉は、哀しい現実を飛び越えてゆく――。
最高の技巧に驚嘆必至、傑作長編ミステリー。
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別々に思えた三つの作品が、実はつながりのある物語だったんだ… という構成のチェーン・ストーリーです。

 ■光の箱
 ■暗がりの子供
 ■物語の夕暮れ
 ■四つのエピローグ
 ■解説 谷原章介

『光の箱』は、童話作家の「圭介」とイラストレーターの「弥生」が、中学生時代に虐めから逃れるために自分たちだけの世界を築こうとするが、同級生の「夏美」の登場により二人の間に大きな溝ができてしまう物語、、、

でも、この作品… 「マサキ」と「正木」と「昌樹」や、同じクリスマスシーズンの雨の夜のホテルでの出来事等で、うまーくミスリードされる仕掛けがあって、頭の中で描いていた暗い結末とは、全く異なる明るい未来が感じられる展開が待っており、愉しく読めました。


『暗がりの子供』は、母親に子どもが宿り複雑な感情を抱いているときに、大好きな祖母が倒れて入院し、その際の父と母の祖母の扱いに関する会話にショックを感じてしまった小学生の「莉子」が、童話の続きを自ら綴り始め、母親への黒い思いを募らせる物語、、、

この作品は時間軸がわかりにくくなっていて、それでうまーくミスリードさせられました… 妹となるはずの命を殺めてしまったかと錯覚してしまうような展開でしたが、こちらも頭の中で描いていた暗い結末とは、全く異なる明るい未来が感じられる展開でしたね。


『物語の夕暮れ』は、最愛の妻を喪い自ら人生に終止符をうとうとする元教師「与沢」が、昔、暮らしていた家に童話作家が住んでいることを偶然、雑誌で知り、祭りの囃子を電話口で聞かせてほしいと依頼し、その音を聞きながら、死のうとする物語、、、

このエピソードの結果は、次の『四つのエピローグ』で明らかになります。


『四つのエピローグ』は、読者に隠されていた事実が明らかになり、三つの物語がひとつの環としてつながっていく物語、、、

「与沢」の自殺は、「莉子」の妹「真子」の機転により未遂に終わり、「与沢」が電話した家には、夫婦となった「圭介」と「弥生」が住んでおり、しかも、「与沢」は「圭介」が小学校時代の担任の先生… この4人は、今後も良い関係を築いていけたんじゃないかと思います。


それぞれの切ない人生を想いながら、じーんとしちゃう作品でしたね… 挿話として使われている童話もなかなかのもの、、、

それはそれで出版されてもイイんじゃないかと思いました… 現実を生きるために、物語って大切なんですね。

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2022年10月20日

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温かくて優しいお話でした。
それぞれの短編の中で描かれる人間のとても暗い部分は、ゾワッとする恐ろしさを感じますが、それがよりラストを際立たせるように感じました。
物語を読むこと、そこから想像をふくらませることが、私の味方になるんだと勇気をもらえました。

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2022年07月01日

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表題の通りXmasを起点とした連作短編集。
各章毎に心が凍えそうになるかと思いきや
プレゼント箱を開けたような驚きと温もり、
そしてキラキラとした光に溢れていました。
読後は筆者にサンタ帽を被せたくなります。

「物語の夕暮れ」の章は終始涙が止まらず
加齢で涙もろくなったかと覚悟しましたが
皆さんのレビューを読んでほっと一安心…

「人間にとって本当に必要なものは、(中略)
この世に一人ぼっちではないと信じさせてくれる何かなのです」

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2021年07月18日

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これも「雷神」繋がりで再読。

みんなが幸せであって欲しいと、祈りたくなる。

さ、次は「雷神」を再読!www

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2021年06月24日

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なんていいお話なんだろうと思った。
涙脆いわたしは、3つ目の『物語の夕暮れ』の後半部分から思わず泣いてしまった。

この3つの物語は、それぞれの話に出てくる主人公たちが描く童話でそれぞれが深く繋がっていて、その童話もとてもいい。

ミステリーというと、誰かが死んでその犯人は。。。みたいなものに慣れ親しんでいるわたしは、第一話で些細な思い込みから騙されてしまい、二度ほどページを戻って読み返してしまった。第二話は完全に「あぁ、この子はやってしまったんだな」という嫌な気持ちになったことをいい意味で裏切られた。読み誤るのは、自分自身の考え方や感じ方がよくない風に凝り固まっているからで、なんだかこのままじゃわたしは駄目だなと思う。

大きな夢を叶えたり、他人に良いことをして感謝されたり、意味のある人生を送り何かを残したり、という自覚できるあからさまな満足感を得たいと望むけど、なかなかそういうのは難しくて、人は人生全体において物足りない焦燥感を抱きながら生きる。
でも光の粉のような目に見えない温かい何かを心で感じられるような、
何かのためにという明確な目的によるものではない、
わたしもそんな毎日が送れるといいのに。
多分無理だけど。
でも、読み終わった瞬間は間違いなく強く感じた。

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2020年01月03日

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ー お話の世界に逃げ込むという意味じゃないんだ。物語の中で、いろんなものを見て、優しさとか強さとか、いろんなものを知って、それからまた帰ってくるんだよ。誰かのつくった物語でも、もちろんいい。でも、自分でつくったほうが、知りたいものを知れる。もし知りたいものが何なのか、わからなかったとしても、きっと見つかってくれる。自分でつくる物語は、必ず自分の望む方向へ進んでくれるものだから。

「それを聞いて初めて、やってみようって思った。強くなるのでもいいし、優しくなるのでもいいし ー とにかく、変わりたかったんだ。そのときの自分を変えたかった。そうすることで、自分のいる世界を変えてやりたかった」 ー

3つの物語が繋ぐ奇跡の優しい物語。

もちろん道尾さんのガチなホラーミステリーが好きなんだけど、まぁ、こういう作品をたまに読むのもいいかな。優しい気持ちになれる。

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2019年09月26日

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とっても久しぶりの入力です!久しぶりの入力にこの本を選べるなんて嬉しい。
悲しくて優しい。淋しくて温かい。冷たくて柔らかい。
二つの気持ちを味わえます。読んで良かった!

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2019年02月07日

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ネタバレ

連作短編集風だが、3つの物語が最終章で重なる長編小説だと思う。

最初の章でいきなりどんでん返しをくらい、その逆転が心地良かったので次はと期待するがそれほどどんでん返しがある訳ではない。

まったく別々の3つの物語が1つのところを収束というか、つながりがあったという物語。
童話がいろいろ出てくるのだが、その童話が面白く本当に絵本で読んでみたいと思えるほどのクオリティー。

とにかく一番面白かったのが、全体を通してではなく、
最初の一遍目。
分かれたカップルが再開し誤解を解く話で、まったく別人と彼女が結婚し、元彼は事故で亡くなってしまった様な描き方をされていて、それがどんでん返しとなるのでビックリ。

評価的には☆3というところだが、最初の章が良すぎたので評価を☆4とした次第。

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2019年01月18日

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ネタバレ

3編の物語は独立しているようでいて、実は密接につながっている。
どの話も、子ども向けの「おはなし」を交えて展開するけど、どこか不穏な、不吉な結末を予感してしまうので、ハラハラする。
最悪の結果に怯えながらも読んでいくと、なんて暖かいラストシーンだろう。
おじいさんの考える(自分は何も残していないんじゃないか)という恐怖は、すごく分かる。自分もそんな不安に縛られて苦しくなることがある。
でも、生きているだけで誰かの人生に影響を与えているかもしれない。そんな可能性に気づかせてくれる一冊だった。

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2018年08月30日

Posted by ブクログ

登場人物が少しずつ重なりあう連作ミステリだが、人の死なない暖か系。周囲の人たち含めて嫌なやつがあまり出てこず、安心して読める。出てくる子供たちがちょっと優秀すぎるけど。
しかし、一作目はどこかで読んだ気がする。別の短編集かなにかに入っていたのだろうか。

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2018年01月13日

Posted by ブクログ

「光の箱」は, ストーリー・セラーで読んでいたので再読。
むしろ, ストーリー・セラーでこの作家にハマり, この本を手に取ったわけで。

どのストーリーもすごく心をぎゅっと締め付けられるのだけど, 昔どこかで感じた人に触れた温もりとか, 家族という存在自体の温かみを再認識できるお話で好き。

そして, 最後の最後には, 独立した3つのストーリーが1つの物語を紡ぎ出す。
この流れもまた素敵。

個人的には, 真子ちゃんと莉子ちゃんのお話が心にぐっきた。
私には兄弟も姉妹もいないから, 莉子ちゃんの気持ちは残念ながら分からないのだけど, これから家族を守っていく身として, 上の子はこういうことにも不安や懸念を抱くのだと思い知らされた。

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2017年10月10日

Posted by ブクログ

道尾秀介作品らしい、もの悲しい雰囲気が漂いつつも最後には心温まる物語だった。
なんのために生きるのか、生きている間になにを遺せるのかという問いは、誰しも一度は考えたことがあるだろう。しかし、なにかを遺したと自覚できるほど、誰かに影響を与えるということは難しい。例え影響を与えていたとしても、与えられた側から伝えられなければそのことに気づけないからだ。
そんな中で、本作では絵本を中心に描かれている。物語を作ることを勧める人、絵本を作る人、絵本を読む人、それぞれが影響を与え、与えられている。映画でも小説でも漫画でも、例え作者が意図していなかったとしても、物語とはただ面白いだけのものではなく、人生を大きく揺さぶることのできる魅力的なものだということを改めて実感した。自分で誰かに影響を与えられるような物語を作ってみたいとすら思えた。
ただ、本作は複数の短編がつながって一つの長編のようになっているが、そのつながりの中の一部が少し後付けのように感じられたので、★4。

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2017年07月14日

Posted by ブクログ

読み始めたら知ってる話が出てきてなんだ残念、と思いきや。
これは確かに長編ミステリー。
エピローグがとてもいい。

光の箱 の道尾さんらしさが好き。

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2017年05月24日

Posted by ブクログ

3つの話と1つのエピローグからなる物語。 道尾秀介って、ミステリー作家だと思っていたけどこの小説は絵本を題材にしたストーリー。文章中に出てくる絵本の展開がとても良かった。タイトルからこの時期にぴったりの本です。

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2016年11月30日

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3つの異なる物語が思わぬ形で繋がっていて1つの物語になっている。
結末にもうひとひねりほしかった。
道尾秀介の絵本、あれば読んでみたい。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

絵本作家になった圭介、妹が生まれる莉子、読み聞かせを行う与沢の話。勝手な先入観により掌で踊らされ、どんどん繋がっていく様が最早楽しい。人間の後ろ暗い部分が分かりすぎるくらい上手く表現されてて、だからこそ入り込む。正しくクリスマスのお話で絵本が開きたくなる。

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2024年03月07日

Posted by ブクログ

滑り込みで夏の読書となったクリスマスのお話(^^;
最初のお話好きだなぁ。騙されてあっという間に真相がわかる叙述トリックもあり(笑)

苦手なファンタジー要素は出てくるものの、童話の世界だと分かっているので、なんでもアリな感じではなく想像もしやすい。全然問題なかった。
圭介の作った物語もおじいさんが作ってきた物語も優しくて好き。

ただ、3話目の「あのね…」で話が途切れる箇所が何回かあるのがもどかしい。結局何なのか分からなかったのは、私の読解力のなさかな。
最後に出てきた若い男女はあの2人ではないの?(他のサイトで違うこと書いてあるの見た)とか。
とても感動する良いお話だっただけに、ちゃんと理解できなかった自分が悔しい!

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

同作者の龍神の雨が面白かったため当本を買ってみたが、龍神の雨の方が面白かった。ミスリードなのかもしれないが、文が分かりにくいと感じた。(それが良さならば私は苦手)。絵本の量が割と多めでそこはあまり読んでいない。結果的に元教師のおじいちゃん生きてるみたいでよかったってだけの感想。あと夏実優しい。ハッピーエンドちゃんちゃんって感じがすごいする。お母さん石鹸で死んでないのかいってなった

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

物語の力に導かれる主人公たちの3編とエピローグから成る連作長編。それぞれ驚くラストが用意されていながら、エピローグで全てが優しく繋がる構成が見事。童話を挟みつつ人の暗部を描いていて不穏な空気が流れることもあるが、基本的に素敵なオチがついていた。「お話の世界に逃げ込むといういみじゃないんだ。物語の中で、いろんなものを見て、優しさとか強さとか、いろんなものを知って、それからまた帰ってくるんだよ。」というセリフが象徴的。

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2022年06月02日

Posted by ブクログ

2017年、46冊目は、今年もお世話になりましたの、道尾秀介。

『光の箱』『暗がりの子供』『物語の夕暮れ』3つの中編とエピローグの連作構成。そして、3つの中編には、童話的物語内物語が存在します。

タイトル的にも、クリスマス前のこの時期には、ピッタリの一冊。

ミステリーのフォーマットで描かれたハート・ウォーミングもの。ただし、イジメ、ハンディキャップを持った児童、孤独、疎外感……、といった、道尾的読む者に負荷をかける要素も多分にあります。

『光媒の花』『水の柩』『笑うハーレキン』辺りが好きな方向き。真備シリーズ、『シャドウ』好きには微妙。『向日葵の咲かない夏』『鬼の跫音』を期待すると……。といったトコではないでしょうか❔

自分の評価は辛めの★★★☆☆。

巻末、谷原章介の解説も(全肯定的立場が前提としても)、けっこう的を射てるし、好き。

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2017年12月04日

Posted by ブクログ

主人公である童話作家の作品に本編の展開を象徴させるという、道尾氏らしい凝った構成です。
小説としての完成度は高く、ハッピーエンドと言える展開であるものの、誤解も含めてですが黒い感情が多く登場するところが自分の好みではなかった。
その点も含めて道尾氏らしいのだけれど。

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2016年10月30日

Posted by ブクログ

不思議な感覚のファンタジー&ミステリー
表題のとおり物語の中に物語(絵本)があり、さらに短編が織り成す連作ミステリーとなっています。

「光の箱」
「暗がりの子供」
「物語の夕暮れ」

と3つの短編が絡み合いながら進み、最後
「四つのエピローグ」
としてものの見事にまとまっていくストーリです

「光の箱」は小学校、中学校といじめられていた子供が童話作家になる物語。このショートストーリの中にも闇と光が感じられます。そして、この童話作家の童話が本書の中で語られていきます。

「暗がりの子供」は足が不自由な女の子の物語。先の童話作家の絵本の世界にはまっている女の子が絵本をなくしてしまい、絵本との会話から、闇の声との会話に変わってしまいます。母親と生まれ来る子供への嫉妬を含む心情がどうなるのかとハラハラさせられる物語。

「物語の夕暮れ」は妻に先立たれた老人の物語。生きる希望がなくなった老人が最後に望んだのは自分の生まれ故郷の祭囃子の音色。

そして、「四つのエピローグ」ではそれぞれのショートストーリをひとつのストーリとして温かく作り上げています。
うーみゅ、すごい!
ファンタジーの世界とリアルの世界を「フォント」で分け、哀しいストーリが温かいストーリに変わっていきます。

うまく書きあらわせないけど不思議な物語でした

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2016年09月18日

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