道尾秀介のレビュー一覧

  • 花と流れ星

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    作家道尾と霊現象探求家の真備と助手・凛のシリーズ3作目
    こちらは短編集ということもあり1冊目の「背の眼」や「躯の爪」よりもずっと薄くて、文庫本といえどもそこそこの厚みを有する1、2作目に尻込みをしてしまう人はこの短編集で雰囲気掴んでからでもいいかもしれない
    ちょっとだけ1、2作めの話がでてくるけどネタバレにはならないし話がわからなくなるわけでもないから、支障はないと思う
    前作、前々作に引き続いて人のすれ違いやちょっとした陰りから起こした行動が予想外の事態を引き起こしていて、ままならなさとそれを受容していくしたたかさを描いている話だった

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    2024年04月20日
  • 骸の爪

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    デビュー作である「背の眼」がおもしろかったので作家道尾と霊現象探求家の真備と助手・凛のシリーズ2作目
    仏像を作る工房が舞台となっていて、仏像という神聖なもののようでいて、でも暗がりやずらっと並ぶさまは不気味に思えたり仏像の両性ぽい造形からくる神秘性をうまく作品に落とし込んでいると思った
    前作の「背の眼」でもそうだったんだけども犯人の悪意や作為のもとに事件が起こるわけではなく、ちょっとした人間の行動がもたらすボタンの掛け違いの連鎖が悲劇になっていくのが特徴だと思う
    でも強烈な、それこそ昨今流行りの因習村的なものよりも個人的には物語とは人間同士のあいだに起こり得る意思の疎通やその齟齬からなるものだ

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    2024年04月20日
  • 風神の手(新潮文庫)

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    人生は色々な運と縁と偶然から出来てるな〜と改めて思った。読み進めていくうちに、色んなところで繋がりがあって、段々と伏線を回収していくところが良かった。

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    2024年04月14日
  • カササギたちの四季

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    何年かぶりに引っ張り出してきて再読。
    良い、とても。
    ヒグラシの影の苦労や、カササギとナミちゃんの明るい暴走。
    カササギはキャラが良すぎて憎めない。
    ナミちゃんもしっかりものだし。
    相変わらず続編希望。

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    2024年04月13日
  • 満月の泥枕

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    中盤まで読み進めると、二美男がある
    計画を練って、二美男のアパートの住
    民達と一緒に計画を進めていき、何と
    か成功?と思いきや、ステージが変わ
    って、ハラハラする展開が待っている。
    一つの物語の中に、二つの山場があっ
    て読み応えがあった。
    道尾作品では、二美男のような人生が
    上手くいってない主人公が、周りの人
    達の影響で、やり直そうというストー
    リーが多く、それも魅力の一つだと感
    じた。

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    2024年04月09日
  • 透明カメレオン

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    道尾作品の中では、ポップな内容で、代名詞のどんでん返しもある程度予想できた範囲だったため、そこまでの驚きはなかった。

    ただ、主人公の心情には共感できる部分がかなりあって、最後の展開には温かいものを感じた。

    人はみな過去を背負って生きているのだな、と。

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    あのときこうしていたら。ああしていたら。そんなことは考えても仕方がない。行動の結果なんて誰にもわからない。選択自体が間違いだったわけじゃない。それなら、いまをつくり変えるしかない。新しいいまをつくってしまえばいい。たとえ目に見えない透明な世界だったとしても、本気で願えば、人はそれに触れることができる。両足で立つことができる。僕はそう

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    2024年04月04日
  • 透明カメレオン

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    ラジオパーソナリティの声だけが良いイケていないお兄さんの話。
    なんかめっちゃ面白いってわけじゃないし、めっちゃスッキリってわけじゃない。すごく伏線がきれいってわけじゃないし、最後も納得ってこともない。
    でも、主人公の嘘がキレイだったからちょっと感動してしまった。つらいことも無かったことにできるんかなって。今の自分はつらいこと無いし、わからない。つらくなったときそう思えるかもわからない。でも、いい話だったと思う。

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    2024年04月01日
  • 風神の手(新潮文庫)

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    残ページが少なくなってくるほどに読む手が止まらなくなってきた。段々回収されていくのが気持ちよかった。

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    2024年03月25日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

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    またしても友人Kからのお下がり本。

    この作品の主人公は「主人公」感が強い。
    道尾秀介特有のヌメっとしたテイストはありつつも、「こいつならやってくれるんじゃないか」ふとそう期待してしまうような、常にどこか光を感じるようなストーリーだった。

    終盤のシーンは、まるでアクション映画を見ているかのような疾走感が包む。

    そして何より、小説でないと成立しない道尾秀介らしいギミックが読み応えを増幅させたし、「やってくれたなぁ」と思わされた。

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    2024年03月24日
  • 骸の爪

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    前作の「背の眼」がホラーミステリだった為、今度もホラーなのかと思っていたら騙された。ホラーと見せかけて純ミステリという、前作の事が頭の片隅にあったからこそ、最後まで展開が予想できなかった。

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    2024年03月20日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ハンデキャップ、障害を抱えるひと、そしてそれらを取り巻く環境への問題提起となるような一冊。
    サクサク読み進められて、楽しかった。

    主人公耳がない
    冬絵目が小さめ(身体的ハンデというコンプレックス)
    秋絵ジェンダー
    ほさかくん車椅子
    マンションの住人(鼻がない、目が見えない、腕がない、、、)

    殺人のトリックや聴力が良過ぎるというトリックが後半明かされてすっきり。

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    2024年03月18日
  • 風神の手(新潮文庫)

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    もっと物騒な話かと思ったが人は思いもかけないところで他人の人生に深く関わっていくという改めて考えると深い話。
    自分の視点と他人の視点、思っていたこと想像していたこととは真逆の事実。
    私たちはそれに気づかず生きていることがほとんどではないか。だから切ないし苦しいしそしておもしろい

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    2024年03月12日
  • 貘の檻

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    筆者が得意とするホラーテイストで展開される重厚ミステリ。
    嘗て起きた殺人事件を軸に、複数の人間の思惑が絡まり引き起こされたすれ違いの悲劇を描いた作品。全体的に暗めで描写が生々しく、ラストへ向けた伏線回収や謎の解明は、これぞ道尾秀介といった内容になっている。

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    2024年03月10日
  • スケルトン・キー

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    ネタバレ

    途中まで多重人格なのか双子なのか分からなくて何回も戻って読み返した。よく見たら表記が違ってたのも全然気づかなかった…
    あれはそういう事かと理解できるのが楽しかった。
    まともじゃない人だらけの中で、主人公が段々まともになっていく。先生、間戸村さんとのやりとりが良かった。ヤバイ人たちだらけの中にも、ちゃんと優しい人たちがいるんだ。
    1番の不安要素が残しつつ、スッキリした終わりも好きな作品でした。

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    2024年03月05日
  • 満月の泥枕

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    読み始めて少ししてから「んっ」ってなった。あーこれ読んだことあるわー。でもどんな話だったのか思い出せない…。途中まで日常が書いてあるので眠くなるが、色々事件が起こってからは面白くなった。そして最後には伏線が回収されてめでたし?心情が良く表されていて良かった。

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    2024年03月02日
  • 球体の蛇

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    皆嘘を内に抱えながら生きている。保身のための嘘もあれば救おうとしてついた嘘もある。嘘で作られたドームの中で、いつの日かやってくる救いを待っている。物語の終わりは雪で、まだ救いが来ていないことを示しているってことなのかな。。

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    2024年02月24日
  • 風神の手

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    一言で言い表すなら『偶然が偶然を呼んだ物語』であると感じる
    母親の遺影を取りに行く少女
    母親のずいぶん前の恋物語
    そこでの青年とのやりとり、青年に起こった悲劇、隠された思い
    転校してきた小学生とその友達
    自身の母親といつか恋をした青年との出会い
    もうさまざまな偶然が重なってこの結末になったとしか思えない。
    道尾秀介さんの小説は読みやすく感情移入もしやすいように書かれておりとても引き込まれる作品であった。
    私がこの作品と出会ったのも何かの偶然かもしれない。そんなふうに思わせてくれたこの作品は本当に素晴らしいものなのだと感じている。

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    2024年02月22日
  • 光媒の花

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    光ったり翳ったりしながら動いているこの世界を、わたしもあの蝶のように、高い場所から見てみたい気がした。すべてが流れ、つながり合い、いつも新しいこの世界を。257ページ

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    2024年02月19日
  • 光媒の花

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    どんでん返し系のミステリーでは無かったため、道尾秀介はこんな作品を書くのかと驚いた。短編同士の思いがけない繋がりが、この登場人物はこの後こうしたのか、こういう意図があるのか、と感傷的になったり個人的には1編目がいちばん良かった。

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    2024年02月18日
  • スケルトン・キー

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    ネタバレ

    こんなにもサイコパスが集まってくるのかな〜
    というほど大集合で、ゾッとする恐ろしさ。題名の「スケルトンキー」と双子の名前が鍵となり、展開が面白い。途中から鏡数字で双子の視点それぞれで描かれているのに気づき、驚かされた。それにしても犯人が行方不明でその後は…どうなることかと気になる。

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    2024年02月17日