道尾秀介のレビュー一覧
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全六章にわたる連作群像劇、それぞれの話が少しずつのつながりを持ちながらもそれぞれの話に独特の空気感を帯びて話が展開されていく。描かれているのは人と人との関係、家族の繋がり。それぞれの章に少しずつの謎を描きながら、それが背景描写と相まって物悲しい雰囲気を根底に置きながらも光に向かって進んでいく展開であった。
一番最初の章はとても悲劇的で、そのような作品が続いていくのかなと思ったが章が進むにつれ段々と光が差し込んでくる。p284物語のラストシーン「光ったり翳ったりしながら進んでいるこの世界を、わたしたちもあの蝶のように、高い場所から見てみたい気がした。」という締めくくりもまさに我々に対しての希望、微かな光の中の希望を見つけられるように日々を大切に、そして前向きに過ごしていく大切さを感じた。我々もこの光があまり見えない世界に、それでもなお小さい時には感じていた光を今一度自分達の力と願いで見出していく姿が必要なのかもしれない。 -
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ネタバレあらすじに「盗聴」とか「スパイ」とかが書かれているので、裏社会を生きる人たちのお話かと思ったら、人生をめちゃくちゃ前向きに生きる明るいお話でした。
少し違和感は感じていたのですが、特に深く考えず読み進んでいって、最後に色々な謎が明らかになった時にその違和感の正体に納得がいきました。
わたしは本当、性別誤認トリック?によくハマるタチで、いつも最後まで気が付かないんですよね(⌒-⌒; )
今回はそれに加えて、身体の一部分がないローズ・フラットの住人たちの特徴にも気が付かなくて、知った時は驚きましたが、
私自身、相手からどう見えるかを気にせずに生きたいと思った事が何度もあったので、彼らをとても羨ましく思いました。
生きることが辛く感じた時、読んでほしい本です。
手や耳や足や鼻がなくとも、自尊心を持って毎日を過ごしている彼らにぜひ、会いにいってほしいです。
でも三梨さんは最後のページで、見た目で判断するお客さんには興味がないようにおっしゃっていますが、そういうお客さんにも来てもらわないと生活が苦しくなるような気がします。
お給料が払えなくなって冬絵さんに愛想を尽かされても知りませんよ(´・Д・)」 -
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面白かった。
双子というワードが散りばめられていたことに後からなるほど、そういうことかと驚かされた。表紙にもヒントが隠されていたとは。
一方で、過去のくだりでは錠也もサイコパスということだったのに、鍵人と出会って恐怖を感じて以降はある意味まともになってしまい、魅力が薄れた印象で少しもったいなかったなぁと思った。読み手がそれまでに味わったサイコパスへの恐怖を極めるなら、究極のサイコパス同士の戦い、でも面白かったかなぁとも思った。
終わり方も母の録音が出てくるのであれば、もう少し錠也も鍵人もちゃんと救われる終わり方でもよかったなかと思った。
あくまで一読者の希望なので、作品はとても面白かったし、もっと著者の本を読みたいと思った。
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ネタバレ就活が終わり、久しぶりにどっぷりと読書ができてとても嬉しい!ミステリーで非日常を味わいたいと思い手にとった一冊。初めはあたたかい家族小説かと思いきや、途中から様子がおかしげに。姉のサイコパスな言動に惹かれる青少年主人公は、自らの「かわいそう」という同情を向けることで優位に立っていた。同情と優しさって紙一重だと感じた。私もかわいそうからくる行動はよくしてると思うけれど、自分をよく理解するために自分なりに考えた。同情はスノードームでいう内に閉じ込める行為、優しさはスノードームの殻を破るような行為だと思う。同情と依存関係は共通部分があるとも思った。相手の人生を広げるようなコミュニケーションをとりたい。
この物語の根幹は、真実は誰にもわからないということではないか。最後のナオに対する主人公の考察も本当かどうかはわからない。自分に都合のいい解釈だったら、、、。
思春期にこれほどまでの苦しい思い出を増やしてきたから救われてほしいと願う。
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Posted by ブクログ
ネタバレ巧みなストーリー展開で毎回読者を驚かせる道尾秀介の短編集
全体的な雰囲気として現代を舞台にした作品が多いものの横溝正史や夢野久作のような戦前の探偵小説に近しい雰囲気があり、少々懐かしさをも感じさせる内容ともなっている
各話の感想
鈴虫
最後の伏線回収は見事だが、ラストで私が怒鳴り出すのは意味がわからなかった
杏子に利用されただけに過ぎないという意味か?
犭(ケモノ)
本作で一番のお気に入り
いい話で終わるかと思ったら・・の先の絶望が後を引く
よいぎつね
本作で最も現実味の薄い幻想的な作品だと思った
ただし次の話のはじめでその隠された真相が明らかになる訳だが・・
箱詰めの文字
この物語の僕はシリアルキラー?
人を殺したのははじめてではないようだが、最初に殺した人以外は全て口封じ?
本編では曖昧にしか語られない事から少し気になるところ
冬の鬼
日記形式で過去に遡ってみると真相がわかる形式
戦後間も無くの舞台になった話で内容もその時代の小説に近く耽美である
最初の鬼の跫音は誰の話声であろうか?
悪意の顔
前の話と違い現代を舞台にしているが、最後に相応しく全作品で最も恐ろしいオチであった
最終的にSの真意はどうなんだろうか?
そしてあの女性は何が原因で死んだのか?