道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人が殺されるだけがミステリーではない。
様々な伏線が回収されていく爽快感。
ミステリーだけど嫌な気持ちが一切生まれない良きミステリー。
道尾秀介ならではの語彙力にも圧巻する。
西取川が流れる町を舞台に、様々な嘘が絡み合い、謎が生まれては謎が解ける。
短編集となってるが、登場人物が複雑に絡み合い、何度も出てくる人物や少しわからない出来事も最後には綺麗に回収されていく。
もはや美しいといいようがない。
恥ずかしながら読みながら笑ってしまってる自分がいた。
人と人ってほんの僅かなすれ違いや出会いで決まっていくんだろうな。
誰かがこうしなければ、こうならなかった。
そして私は存在しなかった。
常日頃感じてることをこの本が体現してくれた。
もし過去の過ちがあれば、この考えをすれば後悔だけではなく、少しは前向きになれるんじゃないかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレ終章で、物語はずっと未来に向かって進んでいたんだな、ということがわかった。
読んでいて思い出したのは、私は学生の頃、加害者の立場だったな、ということ。ここまで酷い行為ではなかったし、陰口程度のものだったけど。
忘れていた。
いくは謝ることで、過去と決別できた。
敦子は赦すことで、前に進むことができた。
逸夫が人形に何を託してダムに落としたのかは語られないけれど、たぶん「普通がつまらない」と思っていた過去の自分なのではないかと思う。
自分の日常が「普通」で平凡だと思うとき、考えは自分に向かっていて、他者には思いが至らない。
ほんとうは、蓑虫の蓑みたいに、自分が見ているのは蓑だけで、その中身がどんなであるかに目を向けない。
逸夫は、いつも気づくのは後になってからだと、あのとき気づいていたらと、後悔をして思いを巡らせる。
それは誰にでもあることだと思う。
長年一緒にいてよく知っていると思っている身近な人でも、本当のところはわからないし、自分の周りで何が起こっているのかを、俯瞰的に把握することは難しい。
思い込みで決めつけることはできない。
物語の最後が希望に溢れていて良かった。