道尾秀介のレビュー一覧

  • 笑うハーレキン

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    どこで見ても、道尾秀介先生作品としては評価(内容は見てない)が少し低めだったのでどうなのかしら?と思ってみてみました。
    確かに、道尾秀介作品として伏線やどんでん返し等を期待すると期待はずれの様な残念な気持ちになるかもしれないけれど、人間のテーマというか過去と未来、トラウマや心の葛藤が描かれていて今の私にはどんぴしゃの作品でした。
    淡々と読み進められます。

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    2023年11月23日
  • 透明カメレオン

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    声はめちゃくちゃ良いけど、容姿は冴えないラジオパーソナリティの恭太郎
    彼が通うバー「if」にある日ずぶ濡れの女性が現れてから、常連客を巻き込んでの出来事に発展していく…

    物語りの大半はドタバタ劇だしコミカル要素が強かったので、緊張感というよりも、この先どうなるのかなぁ〜と楽しく読み進めていましたが
    まさか、読後に泣いてるなんて…
    ラストまで読んで、恭太郎の心の強さ優しさが大好きになりました
    想像してなかった感動作に出会えて、手にとって良かったなぁと思えた一冊でした

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    2023年11月13日
  • スケルトン・キー

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    ネタバレ

    2人のキャラクターの設定と、ボウフラの表現が道尾さんだなあと感じさせられた。サイコパスではあるけれども、後味はスッキリした。

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    2023年10月24日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

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    ミステリーの要素もさることながら、メッセージ性も強い作品。人間は自分と違うものを虐げる。虐げられた人間は時に傷つき、心にも傷がつくりそれでも前を向いて歩いていく力が人間にはある。そう気づかせてくれた作品。

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    2023年10月24日
  • スケルトン・キー

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    ネタバレ

    主人公錠也の一人称視点で進んでいく物語。サイコパスに焦点を当て、彼らの感情や恐怖の感じ方等巧みに描写されていた。
    児童養護施設「青光園」で、児童や先生に一目置かれて育った錠也は、自分が「何」であるかを考えつつ生きていた。母親から託されたというひとつの「鍵」は肌身離さず持っていたが、それが手掛かりになるとは限らない。そんな中同じ施設にいた年上の少女に、自分の正体が明かされる。

    過去に読んだ道尾先生の「透明カメレオン」という作品が記憶にあり、比較的新しい書籍ということで手に取ってみた。他の著者とは決定的に違う感情描写の巧みさで物語に引き込まれやすい印象があったが、本作もその感覚をより強く味わうこ

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    2023年10月23日
  • 鬼の跫音

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    人のなかには、最初から眠っている鬼がいて、それが6人のSをきっかけにして、少しずつ目覚めていく物語。
    自分にとって妬ましい相手だったり、唆してくる相手だったり、異常な愛への執着をうむ相手だったりする。
    きっと誰にもSはいて、自分がいま、どの段階の鬼なのかはわからない。
    ゆえに、この物語は哀しく恐ろしく、そしてなぜか愛おしいのだろう。

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    2023年10月03日
  • いけない

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    ネタバレ

    この作品で道尾秀介さんの虜になりました。
    全てが秀逸で伏線と伏線回収が完璧です。
    とばし読みには向かずしっかり文章とにらめっこしながら読む作品で、写真を見てから何度も捲っては考えてを繰り返した作品です。
    短編で色んな方が読みやすい作品だと思います。

    写真を見ることで結末を見破れるのはもちろんですが、最後の1ページまでの物語もおもしろく伏線と回収も沢山ふくまれています。

    復讐に青年2人を殺した邦夫、隅島を殺した吉住、お婆さんと革ジャン兄貴を崖から突き落とした山内、2人を殺した守谷、水元を殺した竹梨

    この全員がまだ逮捕もされずこの街にて
    終章の題「街の平和を信じてはいけない」の回収も綺麗にさ

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    2025年11月05日
  • フォトミステリー - PHOTO・MYSTERY -

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    一枚の写真とそれから広がる想像の世界。ユーモラスなもの、言葉遊び的なものもあるがホラー系のミステリーが不気味。ただ写真とそんなにマッチしていないのもあって、お話だけでも良かったのではと思った。ショートショートの切れ味は抜群。

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    2023年09月20日
  • 光媒の花

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    初めて道尾秀介さんの作品を読んだ。短編だったのもあるが、とても読みやすかった。それぞれの話や登場人物が少しずつ絡んでくるのもおもしろかった。情景が浮かんでくる描写が上手だな〜と感じた。

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    2023年09月18日
  • 月と蟹

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    ネタバレ

    一体、何匹のヤドカリが炙られただろうか。海から取ってきたヤドカリを『ヤドカミ様』として崇め、少年たちは願う。心が『無』になるまでの過程が丁寧に描写されており、かつての言葉にし難い感覚に共感を覚えた。心の廃退とヤドカリの子の成長の対比が印象的。物語の後半~終盤にかけての畳み掛ける疾走感。暗闇の中の月は悲しくも美しかった。

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    2023年09月13日
  • 月と蟹

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    道尾秀介さんが好きな友からのお勧め。

    読んでいるこちらが苦しくなるような灰色の閉塞感が終始漂っていて、
    「今のタイミングで読むのしんどいかも…」なんて思っていたが、鳴海が慎一家に遊びに来た辺りから目が離せなくなった。

    子供の無邪気な残酷さ、後ろめたさや不安からくる、下腹の辺りがムズムズするあの感覚。
    心理描写が見事で、子供の頃抱いた事のある仄暗い感情を思い出した。

    道尾さんの作品はどれも一気読みしてしまうなぁ。

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    2023年09月09日
  • フォトミステリー - PHOTO・MYSTERY -

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    仕掛けや意味を理解した時の驚きやゾッとする感じがたまらない。
    道尾秀介さんの発想力と想像力がすごい。頭の中どうなっているんだ…
    理解できないものもあったけれど、他の方々が書かれている解説読んだりして理解したものもあるので、本当に感謝です。

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    2023年09月05日
  • 月と蟹

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    ネタバレ

    何も知らずに読み始めたので、いつ殺人事件が起こるんだろう、、と思ってたら読み終わった
    読後感がなんとも言えない、叫び散らしたい
    小学校高学年ともなれば思考は大人、でも経験値の浅さからか物事の判断力は子供、みたいなちぐはぐさが、なんとも懐かしいような、恥ずかしいような気持ちになった
    あと爺ちゃん好き

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    2023年09月02日
  • 本格王2023

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    1 今村さん
    別の本は途中読むのを辞めてしまったが、
    こちらの小説は面白い。
    どんでん返し

    2結城さん
    面白い、なるほど。こんな言葉だったのか。っと思いました。

    3潮田さん
    うーん、
    まずは、文章の書き方が読みづらい。

    4矢樹さん
    面白い 自業自得だった。

    5荒木さん
    面白い

    6白井さん


    7道尾さん
    面白い

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    2023年09月09日
  • 本格王2023

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    ミステリ―が読みたーい!でも最近の作家さん知らなーい!となってる方におすすめ。2022年に発表された本格ミステリー短編から選ばれた7つの作品を読むことが出来て、新しい作家さんを知る機会となります。矢樹純さんと荒木あかねさんが好きでした!

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    2023年08月13日
  • 貘の檻

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    道尾さんの本は初めてかと思ったら、「ラットマン」を読んでいたらしい。とある村出身の主人公が、自分の両親から始まるある事件に巻き込まれていく話。
    雪の溶け方で代掻きの時期を決めるとか、田植え用の放水とか、その地方でしか知られてない歴史上の人物とか、地味ではあるんだけど、その地味な舞台背景の中で何度も何度もどんでん返しをくらわされる。映画にしたら映えないだろうなと思うけど、ちょっと「ゆれる」みたいな感じがある。
    お母さんの、子供をとにかく守るためなら夫も殺すという気持ちは今ならよく分かる。そうするしかない瞬間が、母親にはあると思う。

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    2023年08月09日
  • 月と蟹

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    どんよりと暗く重い灰色の印象の作品でした。
    子供特有の残虐性、繊細さ、悲哀が詰まっています。心の機微をこれ程までに細やかに表現できるのかと驚きました。
    当たり前ではありますが、子供といえども社会があり、自己があり。大人が思うよりもずっと複雑で繊細なのだと改めて考えさせられます。
    そして、子供だからこその歯止めの効かない狂気も感じる事ができました。
    ひたすらに苦しく報われず幸せになれない作品です。じゅくじゅくとした擦り傷を砂で汚れた指で弄くり回すような陰湿な痛みが表現されています。が、人生ってきっとこうなのだよなと個人的には清々しく感じました。

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    2023年07月30日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

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    マスターの深海魚エピソードが引っかかった。
    未知の領域への知的欲求という希望的側面も感じるし、
    結局は同族しか寄りつかないという諦念も感じる。

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    2023年07月09日
  • スケルトン・キー

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    なかったはずの違和感が、突如として現れた。
    知らない世界をまた1つ見てしまったような後ろ暗いような不思議な気持ちになる作品。後半の怒涛の流れに翻弄されない人はいない!
    登場人物にはモデルがいるに違いない、と思うほど登場人物の解像度が高い…脱帽。

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    2023年07月06日
  • 光媒の花

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    静かな中にちょっとゾワッとする描写だったり、人の心の中の嫌な部分を切り開いて見せるような描写だったりがあって、とても引き込まれた。他の方の感想を見てると、ミステリー要素が少ないことが残念、というような記載があったから、この作者さんの本を読むのが初めてで何の先入観もなく読めて逆に良かったのかも。ミステリーとしてでなくただの連作の短編集だと思えばとても上質。

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    2023年07月01日