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Posted by ブクログ
さすが道尾先生というか、このもどかしさとやりきれなさから更にずぷりと沈め込まれるような痛み、心グサグサやられてしまう。毎回しんどさのメーター振り切れるんじゃないかってくらいなんだけど、これがクセになるんだっ。やめられない重痛の魅力。
主人公の床下の行動は乱歩作品みたいな変質っぷりだなぁと引いてしまいましたが(笑)
タイトルへの繋がりが出てくるたびにいつも成程、と息が漏れます。こんな自分が嫌なのに、嫌だから更に上塗りしてまた嫌だなと嘆く。誤魔化しながら、言い訳しながら、欲に手を伸ばして。主人公のみならず、自分までグサグサ刺される。
重なる嘘は、どれがどこから何が嘘で真実だったのか。その明確な答えはないまま、曇天の心にずっと小さな痛みの塊を感じながらの終幕は重い余韻。
妊婦からゾウ、蛇、球体と表す流れが好き。主人公が球体の内部に感じたものに、ずっと包まれていたいか否か。やはりはっきりと答え難い。
Posted by ブクログ
「向日葵の咲かない夏」「N」「いけない」など、巧みな文章力で読者を翻弄しあっと驚かせる名手といわれる道尾秀介だが、この作品では彼の豊かな表現力と描写の美しさに圧倒された。
純文学の情景・心理描写も美しいし的確で強い共感を得られるが、回りくどいというか、正直共感するまでに結構頭を使う。一方道尾先生の描写は端的でわかりやすく、過不足なくガチっとハマっる感覚がある。ミステリ作家ならではの、ストーリーの邪魔にならない適度な描写。しかし決して手を抜いているわけではなく、もっと書きたいところを抑えてちょうどいい塩梅に収めているところがすごいと思った。
幼年期のトラウマを抱えたまま屈折した思春期を経て青年へと成長する主人公。これだけみると純文学にありがちなストーリーだが、もちろんお家芸?のどんでん返しもあるしミステリとしても完成している。
どんだけ能力の高い作家なんだ!?と驚いた。
東野圭吾の後を継ぐのは道尾秀介かもしれない
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