道尾秀介のレビュー一覧

  • 雷神(新潮文庫)

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    さすが道尾秀介ってかんじの終わり方。
    ちょっとずつ違和感あるような無いような伏線まみれで、気がついたらそーゆーことか、、に引き込まれた。
    ずっと暗くて希望のない展開だけど、それでもどこか希望を探してる感じが道尾秀介の気持ち良い気持ち悪さでした

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    2025年03月05日
  • ノエル―a story of stories―

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    再読。誰も不幸にならない物語です。
    こちらのお話には高度なミステリーというほどの小難しさはないけど、そこは道尾先生、気づいた時には小さく少しずつ巧みにミスリードされていて、途中ひゅっと不安な気持ちになる場面もありました。でもその分、プラスの方向へのドンデン返しが嬉しくホッと安心できます。
    3章の別々のお話が、エピローグで、深く繋がりあっていたことを教えてくれます。莉子ちゃんみたいに、卯月圭介×正木弥生『空飛ぶ宝物』の絵本を読めたらいいのになー。

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    2025年02月23日
  • ソロモンの犬

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     大学時代の青春を背景に、人間関係や人の脆さ等が描かれている作品。道尾さんの作品らしい、ミステリー小説。探偵役も魅力的です。ただ個人的には、物語の展開があまり好きではなく、推理パートも核となる展開もなんだか中途半端に感じてしまいました。ただ、青春パートは普通に面白い一冊だと感じました。

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    2025年02月23日
  • 球体の蛇

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    ネタバレ

    似た人に出会ったことで、忘れかけていた初恋の人を思い出した主人公の昏いいまが描かれる。初恋のサヨを「ある意味」殺した主人公が出会った智子の存在。性的倒錯をもたらす智子はサヨの過去と繋がりがあった可能性があり、彼女の罪もサヨの罪も「あったかもしれない話」として描かれていて、誰が「悪」かはっきりさせないところが魅力的だ。しかし事件を最も複雑にしているのはナヲ(サヨの妹で主人公の同居人)の存在であり、一番「真人間」のような彼女の正義感、(想い人が主人公なら自然な感情としての)嫉妬が絡まることで真相にモヤがかかる部分が皮肉めいていて面白い。

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    2025年02月18日
  • 貘の檻

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    ネタバレ


    薬によって見る悪夢のターンと現実が交差してる構成やけどとにかくどっちも暗い。笑
    三ツ森はいいひと過ぎて絶対なんか怪しいと思ってたら…。
    でも基本的にはいいひとなんかな。
    お金持ちの家に生まれながらもその家の父や兄が見向きもしなかったような家の子供である主人公・辰男のことを昔から可愛がって世話焼いてくれてたわけで。
    そこには何の損得感情も無かった。
    …もしかしたら自分がある種盲目的に愛してた美禰子の命を救った男の息子やった辰男やからこそ恩を返すような気持ちやったとか?
    そしてその後美禰子は失踪して世の中的には辰男の父が殺害したと思われてたけど美禰子と隠れ暮らしてた三ツ森は真実を知ってたから恨む

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    2025年02月18日
  • ソロモンの犬

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    ネタバレ

    主人公は大学生。大学の先生の子が目の前で亡くなり、主人公は真相を探る。鍵は犬。

    ■よかったところ
    ・道尾秀介ワールドです。文が読みやすく、物語にグングン引き込まれます。一気読みしました。
    ・後半怒涛の畳み掛けです。真実が明らかになっていくのが気持ちいいです。これぞミステリーのカタルシス。
    ・良作の条件、2回以上のどんでん返しは当然含まれています。冒頭を終盤で回収するのも心地よいです。

    ■うーんなところ
    ・子どもが死ぬのは最近個人的に心に来ます。
    ・基本的にはグッドエンドですが、ある家庭だけには救いが無いです。そこだけは苦しいです。
    ・終盤の犬登場シーンへの理由づけが若干苦しいかなぁと思いま

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    2025年02月16日
  • 雷神(新潮文庫)

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    私にとっては初の道尾秀介作品でした。
    そういうことだったのかという、予想外の真相が次々と明らかになり、一気に読んでしまいました。
    でも、読み終わったあと、私のなかを満たしたもの--それは、謎解きのおもしろさだけではなかった。
    大切な人を守りたいという、必死の祈りの連鎖、それに対する深い敬意を感じずにはいられませんでした。

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    2025年02月15日
  • ノエル―a story of stories―

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    最初の話、一回目よくわかんなくてビックリしてすぐ読み返しちゃった
    優しい気持ちになる道尾作品、「光」以来でした

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    2025年02月13日
  • 風神の手

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    積読してたので読んでみた。
    大ベテラン漁師のささいな嘘が、女子高生と若き息子漁師の運命を変える-「心中花」
    まめ&でっかち、小5の2人が「鏡影館」で遭遇した事件-「口笛鳥」
    自らの死を前に、老女の社長は過去の許されざる罪を打ち明ける-「無常風」
    各章で出てくる登場人物達が、時代を超えて繋がり合う、まあそれはそれはあちこちでつながり合うので、読んでいて「あぁ、この場面はこういうことだったのか!」と何度もなります。
    「上上町」と「下上町」の間にら流れる「西取川」の護岸工事にて、有害物質が川に流れ、隠蔽が発覚してしまう事件が発生。
    下町に住む家族、遺影専門店「鏡影館」、有害物質隠蔽してしまっ

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    2025年02月09日
  • 水の柩

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    再読。
    ダムが出てきます。作品の中にダムが出てくるのが好きなので個人的にとても嬉しいです。冬の冷たい水に満ちた静かで凍てつくダムと、季節を越えて、夏の焼けるようなアスファルトと干ばつしたダム…。それぞれがその場面展開に効果的で、ダムが舞台じゃなかったらこうはいかなかったよなぁと思います。ダムを褒めちぎってるだけの感想みたいですが本当にダムがあって良かった。
    あと、「水の柩」というタイトルが回収されるあのシーンも好きです。

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    2025年02月06日
  • 龍神の雨

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    道尾ワールド炸裂って感じ。

    内容は暗く読みながら浮かぶ情景もどんよりとしたものだが、文章が読み易いので感情移入しやすい。

    黒幕の存在は結構早い段階で検討が付いたが、後半の伏線回収がとても素晴らしい。

    そして、他の方々のレビューでもあったように解説文を読んで鳥肌!

    これが正解なら作者の才能に驚愕する。(でもきっとそうなんだろう)

    あと、風と雷も楽しみ!

    内容は☆3だが解説文も含めて☆4!

    解説文を読むために本作を読むべし!

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    2025年02月06日
  • 光

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    再読。小学生の少年少女が主人公だけど虐待や育児放棄のような悲しい境遇が出てくるわけではなく、道尾作品の中では後味が悪くなく読める作品。
    子供達のキャラクターが立っていて、小学生くらいの時ってこういう子いたなぁと解像度の高さにグッときました。中でも特に祖母と二人暮らしで貧しい生活をする清孝、議員の息子で大人びた言動の劉生は作品のキーパーソンであり印象的なキャラクターです。
    人類初のあの月面着陸の話も効果的に使われていて、より一層子供達が愛しくなりました。
    364ページ以降の物語のスピード感、好きです。

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    2025年02月05日
  • 光媒の花

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    この後ミステリ的なところに集結していくのかな?と思いながら読みましたが、徐々に各短編の登場人物たちのこの先を祈るような気持ちになっていきました。「春の蝶」、「風媒花」が好きです。

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    2025年02月04日
  • 光媒の花

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    再読。
    6篇の短編から成る連続群像劇。それぞれの登場人物が別の章にも脇役として登場して、また本編とは違った顔を見せてくれます。
    6篇のお話の中には辛く悲しいものもありますが、全ての章を読み終えると救いがあるというか希望の光が差したので、随分安心できました。
    前回読んだ時には「虫送り」「冬の蝶」が好きだった記憶がありますが、今回は「風媒花」が心に残りました。読むたびにその時の自分の感情や背景によって作品の印象が変わるのは読書の楽しみであり、再読の醍醐味ですね。

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    2025年01月24日
  • 雷神(新潮文庫)

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    道尾さんの小説らしいどんでん返しが何ヵ所にもある一冊。ただ、ミステリー自体はやや強引な感じは否めないので、どんでん返しのためのミステリーという印象を私は感じました。ただ、物語の哀愁がとても出ておりミステリーとしてよりも日常や過去を思い出している描写がとてもいい感じだなと個人的には思いました。

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    2025年01月23日
  • 花と流れ星

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    再読。
    真備シリーズである「背の眼」「骸の爪」に続く3作目。前2作は長編でしたがこちらは短編集。
    私は基本的に道尾さんは長編が好きですが、こちらの短編集は長編でお馴染みのキャラクターが登場する番外編的な作品なので、世界観にすっと入り込めて読みやすいです。
    1話目の「流れ星のつくり方」が一番お気に入り。凛ちゃん目線の物語というのが珍しく、短編ならではの特別感あり。
    全編通して、真備長編シリーズからの小ネタがちょこちょこ散りばめられているので、先に「背の眼」「骸の爪」を読んでから読むのがおすすめ!

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    2025年01月19日
  • ソロモンの犬

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    再読。
    大学生の男女4人の青春に絡めたミステリー。
    後半のミスリードに完全にひっかかり辛い気持ちになったりしながらも、最終的には後味は悪くないです。
    若い4人がメインなこともあり、人間らしい俗っぽさや愚かさが次々謎を呼んでいくのがおもしろいです。そしてオービーは名前の通り本当に賢い犬!
    あと間宮先生がクセつよででも意外に人情派なんだな。大学時代あんな教授に会ってみたかったな〜

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    2025年01月19日
  • 骸の爪

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    再読。真備シリーズ2作目。
    今回の舞台は滋賀県山中の仏像工房。前作「背の眼」のような、非科学的な心霊感はなかったのでホラーが苦手な私は助かったけれど、冬の山中で沢山の仏像に囲まれて起きる事件には、物理的な薄気味悪さがあって結局背筋がゾクゾクしました泣。
    このシリーズに出てくる「道尾くん」てちょっとヘタレな感じだけど、一般人としては(変人真備さんやしっかり者の凛ちゃんに比べると)一番リアルなリアクション。おかげで一気に感情移入できて、臨場感半端ないです!
    道尾さんの作品の中では割とミステリー(謎解き)感がある作品かな。

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    2025年01月19日
  • ラットマン

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    『合理化』
    受け入れがたい現象やストレスを軽くするために、自分にとって都合の良い理由を考え、行動を正当化すること。

    高校時代からの結成14年アマチュアロックバンドのメンバーに巻き起こる不可解な事件を紐解いていく物語。
    最初、読む時は音楽関係の用語がたくさん出てきて話についていけるか不安でしたが大丈夫だった笑
    それよりも第二章からは一気読みでした…
    主人公の幼い頃の事件にもスポットライトを照らしつつ、登場人物たちを巻き込んでいく展開はさながら小説でこそ作り出せるエンターテインメント性があった。
    また、道尾作品の中では恋愛色が強めに出ていたこの小説。でも同時に、大人の恋愛を少しノゾキ見?できたよ

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    2025年01月12日
  • スタフ staph

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    ネタバレ

    移動デリを経営する女性とその甥っ子、塾の先生、タレント中学生とその親衛隊
    奇天烈なメンバーがゴタゴタに巻き込まれていく話
    一つの目的に向かっているように見せかけて、全員がそれぞれの別の目的のためにひた走る

    やばそうな相手に対して手の内を明かしまくってしまうところとか、作戦の詰めの甘さが子どもらしく、危なっかしい
    お金と名声を持ってる大人にはもっと慎重に当たった方が良い、本当に怖い人じゃなくてよかった

    どんなに冷静で物分かりが良いように見えても、子どもは親(親代わり)がそばに居て自分に関心を寄せ続けてくれることを求めてるのかも
    "毒親"という言葉が病気のように流行ってしま

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    2025年01月04日