道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
全ての章に死と海に咲く花が絡み、程よいどんでん返しが散りばめられていた。
登場人物は孤独なように見えて、さまざまにつながり合って町の営みが形成されている。どの章から読むかによって、それぞれの章の登場人物への印象が変わるのがおもしろかった。結局、その人への理解の深さによって、印象は変わってしまうんだと思った。先入観はある。
全ての登場人物が、「花」を見つけて希望を持って生きてほしい。
読んだ順番↓
消えない硝子の星:アイルランドのホスピス
飛べない雄蜂の嘘:DV夫を殺した女性と空き巣男
眠らない刑事と犬:息子を信じられない女性刑事
笑わない少女の死:蝶を逃した不器用な元英語教師
名のない毒液と -
Posted by ブクログ
向日葵の咲かない夏
著者:道尾秀介
「自殺なんてするもんか。僕は殺されたんだ」p110
夏休み前の終業式、主人公のミチオはクラスメイトS君の首吊り死体を発見する。
その後、目にした筈の死体は消え、1週間が経過した日、S君はあるものに姿を変えミチオの前に現れるという話。
超常現象×ホラー×ミステリーという江戸川乱歩のような世界観。
S君の証言、ミチオ母の言動、トコお婆さん。
冒頭から不可解な描写が断続的に行われ、その真相全てが結末まで明かされない為に、
身体に張り付くような気味の悪さを抱えながら読み進めることを強制する作品。
爽やかなタイトルと表紙に惹かれて手に取ってみたが、予想とは -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む人によって結末が変わる小説を書いてみたいなと思っていたところ、それを実践していそうな小説に出会ったので読んでみた。
私は5→2→1→4→3→6の順。
1話1話を完結させて、都度視点を変えているため、シンプルな方法で目論見を実現させている。
面白いなと思ったのは、読み進めても終わりが見えなかったこと。行きつ戻りつ、本を逆さにしつつ読むことになるため、物語は終わらないことを(人の人生はこの話の前後にも続いていくんだなあ、というようなことを)感じさせられる。
「ページ数的にそろそろ終盤だから、もうひと展開くらいか、、?」などと余計なことを考えずにフラットに楽しめた。
少々人死にすぎ&みん -
Posted by ブクログ
ネタバレ読みながら「これ昔読んだことある」と思い出した一冊だった。
全体の話は忘れていたのに、印象的な場面(Sくんを女郎蜘蛛に襲わせようとする場面や、妹の妙に大人びた口調)だけ覚えていた。
再読が故、最後の衝撃はやや薄れたが、本を読む手が止まらない、次、次、と読ませてくる作者の技巧は薄まらず、一気読みしてしまった。
自分ははじめ、「生まれ変わり」との会話を本当の生まれ変わりとして読む、SFファンタジー寄りの解釈をした。読後感も「不思議で不気味な話だったな」くらいだった。
知人から、あれはすべて主人公の妄想、という現実的な解釈を聞いたことで、一気に作品全体が不気味になった。この瞬間に、ようやくこの物語 -
Posted by ブクログ
え!?え!?っていうのが何回も何回もくる
正直途中から「あれ、なんだったっけ?」てこんがらがるけどそれを掻き消すほどの衝撃が
小学生の夏休み、ちょっとした探偵ごっこなんかじゃない
話の展開が大胆すぎるのではとも思ったけど、主人公が小学生なのも相まって程よくファンタジー感として受け入れることができた気がする
読み始めからなんとなくぼんやりとした狂気みたいなのは感じるけど、より進めて行くうちにその濃度が濃くなっていく。ラストの締めはついていけないくらい衝撃だった。生まれ変わりの要素が直接物語の本筋と関係ないってとこが、推理要素と狂気要素として二つの違う味を楽しめてる感があって最高だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夏の景色や空気を近くに感じられるほど表現が素晴らしく、すぐに世界に引き込まれた。
ストーリーは二転三転ありとてもおもしろかったが、母親のミチオに対する態度に厳しいものがあり胸が苦しくなった。この手の描写が苦手なのだと思う。
また、終盤のミチオの覚醒について違和感を感じた。それまでは頼りなかったはずが、急に大人を追い詰めそれを楽しんでいるような状態になったのが気になった。
最後のシーンは読み手によって理解が分かれると思うが、影が一つであったことからミチオだけが生き残って両親やミカは生まれ変わり(実態としてはミチオが作り出しているだけ)だと思った。