道尾秀介のレビュー一覧

  • I

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    ネタバレ

    こういうギミック系を前面に押し出して売り出す作品を遠目から冷笑し、敬遠していたのだが、いざ読んでみるととんでもない。同じような冷笑してる人にもかなりおすすめです。読む順番で結末が変わるなんてどうせ解釈的な差異であって大したもんじゃないだろうと疑っていたのですが、表紙詐欺ではありませんでした。ギミックを成り立たせるためにとある登場人物の言動が極めて不自然という弱点はありますが、それを差し引いても、とにかく読ませる力があり、ちゃんと伏線を記憶させてくれる良い作品です。


    【以下未読の方はスルー推奨】

    自分はバッドエンドの順番で読んでしまったのですが、これは明確に読者の意思でキャラクターを殺してしまったということになります。何気にウルチモ・トルッコ(読者が犯人)を成立させている稀有なミステリーということになりませんか?屁理屈?読者としては、なぜこれで結末が変わるのだろうと物語に散りばめられた手がかりから推理しながら読むわけですから、本格ミステリというジャンルに1票を投じます。

    たださあ、前情報は「読む順番で結末変わります」だけでよくねえか 救うか○すかあなた次第みたいなの言っちゃうと衝撃薄れるじゃん。それでマーケティングに成功してるなら仕方ないのだけど

    0
    2026年08月20日
  • ラットマン

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    ネタバレ

    バンド内での色々な葛藤があり、
    この人が本当の犯人か?と思いながら読み進めていたが、
    全く予想外の人物が犯人として出てきて、
    偶然の積み重ねで起こったことに面白さを感じた。
    あと、単純に自分が好きなバンド、アーティストがたくさん出てきて少し嬉しかった。

    0
    2026年08月20日
  • 晴れた日は謎を追って がまくら市事件

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    ネタバレ

    同じ街を舞台に競作するという企画の性質上、個性豊かな作家陣の手によって独創的な設定たちがひとつの街へ継ぎ足し、詰め込まれており、さながら違法建築のような異様な街ができあがっているところが面白い。

    0
    2026年08月19日
  • 龍神の雨

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    ネタバレ

    雨が引き起こす不幸の連鎖により全体的に暗く悲しいストーリー展開で救いのない話かと思いきや、散りばめられたニュースの描写や神話のモチーフから幸せな結末を願わずにはいられないオチに収束する、物語の余白に唸らされたお話でした。途中にいろんな違和感が出てきますが、鬼の正体はさすがに読みきれず見事に騙されました...(笑)
    辰也と圭介と対照的に蓮と楓は闇に堕ちていくような終わり方だったので、いくつかのニュースの通り「雨のせい」ですべて洗い流されていたらいいな、と切に願います。
    今回は単行本で読みましたが、小説版の解説が面白かったと評判なのでぜひ探して読みたいです。

    0
    2026年08月16日
  • 貘の檻

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    道尾秀介さんの作品は大好きで読んでいます。人のほんのわずかの勘違いやすれ違いが悲しい結末を生んでしまいます。やはり普段から勇気を出して、言葉を伝え続けることって大切だし、それをしないと少しずつ歯車が狂いだすのが人間なのだろうなと勝手に思ったり、、、夢の話が難しくて、何を例えているのか私には全てわかっていないような、、、

    でも、面白かったです!

    0
    2026年08月16日
  • I

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    ネタバレ

    ペトリコール、ゲオスミンという二つの物語があり、読む順番で結末が変わるという。

    ◎ゲオスミン
    休職中の医者・田釜と、ホームレスの元刑事・野宮は娘を自殺で亡くしている。自殺のには当然きっかけがあり、それが長年二人を苦しめている。

    ◎ペトリコール
    女子高生の夕歌はガラス職人の律子と暮らしている。夕歌は一家殺害事件の生き残り。もう一人、拓人もガラス職人見習いとして律子にお世話になっている。
    この二人、実は出生届を出されておらず無戸籍である。そのため生きづらい人生となっている。

    この二つがうまいこと絡み合い、結末へ。




    以下ネタバレ(覚書)





    田釜の娘・翠を自殺へ追い込んだと思われる夕歌。
    その夕歌を田釜の妻が撲殺。
    →実は夕歌は二人いた。姉(夕歌)、妹(結)。
    ペトリコールでの主人公は夕歌だが、妹の方。
    妹は無戸籍であり、自殺した(田釜によって殺害された)夕歌は、妹への手紙(遺書)に名前をプレゼントした。

    発見された身元不明の遺体は無戸籍の結として永遠に身元不明のまま。

    野宮の娘は、たまたま赤い傘をさしていただけで、カップルから盗まれたと言いがかりをつけられて、いじめにより自殺。

    この赤い傘の時系列で野宮は殺人をしてしまうのかがポイント。


    よくできた物語に驚きしかない。
    気になるのは本当の夕歌の性格。なぜ翠へひどいメッセージを送ったのか。
    登校拒否になっているのに、なぜ翠とは普通にやり取りができるのか。
    多重人格?

    ただ、とても暗い内容なので読み返す気になれず。
    読んでいて辛くなったので⭐︎4で。

    0
    2026年08月15日
  • I

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    ネタバレ

    私はバッドエンドを選んでしまいました。ラストシーンがもうめちゃくちゃ怖かったです
    半分読んで「あーこれはバッドエンドだな」と思ったんですけど
    それにしても後半の話の暗くて重いこと…
    休職中の田釜先生と無職の野宮刑事の会話も
    もう辛くて辛くて読むのが辛くて
    でもページを捲る手は止まらなくて

    お姉ちゃん、なんであんな事を…
    自分が不幸だとずっと思っていて、みんなにも不幸になって欲しかったのかな…
    生存ルートで読み直しても、バッドエンドの影響が大きすぎて「???これでどうして生存ルート?」と頭の中がぐちゃぐちゃに

    時系列にまとめても
    わざとわかりづらく書いてあるし

    他の方の解説を読んでやっと納得しました。これをさらっと読んで理解できる人はすごい

    確かに結末は全く違うものになるし、話自体も面白かったのだけど
    それでも⭐︎5をつける勇気がありません…

    ただ、この体験はして良かった。

    誰が悪かったのか
    何が悪かったのか

    このテーマがしばらく胸にずーんと響きそうです…

    私にも後悔していることがいっぱい

    生きるって難しいよね

    0
    2026年08月15日
  • I

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    ネタバレ

    ペトリコール→ゲオスミンで読む。夕歌がなぜ嘘をついたのか、翠のことを、劇団員が本当はどう思っていたか等、他人の心の中は、わからないのだろう。

    0
    2026年08月14日
  • カエルの小指 a murder of crows

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    ネタバレ

    おもしろかった!
    でもいつナガミネの本名とかを突き止めたのかわかんないし結局探偵は役者ではなく本物だったってこと???

    カラスの方が個人的には好みです

    0
    2026年08月11日
  • 光媒の花

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    『N』に続いて読んだ道尾秀介さんの作品。読み始めはサスペンス色が強く、どこか不穏で緊張感のある物語が続くのだが、読み進めるほどに、それぞれ独立しているように見えた人生が少しずつつながっていく。その構成が本当に見事だった。

    特に印象的だったのは、登場人物たちが意図せず誰かの人生の「媒介者」になっていること。ある人物の何気ない行動や出会いが、別の人物の人生に影響を与え、それがまた次の物語へと受け渡されていく。読み終えて振り返ると、すべての人生が静かに連鎖していたことに気づかされる。

    前半のサスペンスから、後半に向かうにつれて人間の優しさや温かさが浮かび上がり、最後の「遠い光」では、まさにタイトル通りの光を感じた。この着地がとても好き。

    『N』の大胆な仕掛けも面白かったが、個人的にはこちらのほうが好み。『向日葵の咲かない夏』のような大どんでん返しを描ける作家が、こんなにも丁寧に一人ひとりの人生を紡げることに、ただただ感服。道尾秀介さん、人間を描くのが本当にうまい。

    0
    2026年08月09日
  • いけない

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    ネタバレ

    章ごとの終わりに画像が載ってて真相が明らかになる斬新なミステリー。だが自分は何も分からなかった。そんな人にも楽しめるようにQRコードを読み込むとヒントが出るようになっててそこでようやく真相を理解した。一つ一つの章の最後でひっくり返る様な物語の構成力、一文に二つの意味を重ねる遊び心と周到さによるなせる技だと思う。振り返ると違う意味になるみたいな気づきもまたこの物語の魅力だった。そしてタイトルの回収も凄まじく最後の街の平和を信じては「いけない」は最後の画像により殺人などを犯した者たちが全てこの町では捕まっていない事がわかる。これが平和と言えるだろうか。凄まじかった。自分の思考では到底及ばないからこそ面白い。単純に見るだけでは終わらせない。自分の物語に無理やり引き込む、それが道尾ワールド。

    0
    2026年08月09日
  • 雷神(新潮文庫)

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    2026年21冊目

    星4.5くらい
    さすが道尾秀介先生の書いた小説
    すごく面白かったです。

    最初の半分まではペース遅めでゆっくり読んでいましたが、中盤〜終盤にかけて、続きが気になる!早く次の展開を知りたい!という気持ちで、夢中になって読んでいました。

    なんとなく、最後の展開は読めてきたなと思っていたが、これがミスリードなのか…うまく騙されました、、
    特にあのある仕掛けには、あ!そっちなんだ!と予想が外れてしまうことに笑。
    自分の中では、最後こうなるだろうと思い描いていたものがありましたが、上手く引っくり返されました。
    そういうことなのか!と驚嘆と面白さでニヤニヤ。

    神様はいるのか、なぜ人は人を殺すのか、なぜこうも物事は思ってもない方向に進んでしまうのか、、
    物語への没入感も強く、登場人物だけでなく読んでる私まで心がしんみりとします。幸せに生きてるだけで良いんだなと改めて感じます。

    館系とかクローズドサークルとか、私の好きなミステリ要素は少なかったですが、全く気にすることなく最後まで楽しめました。
    ありがとうございましたm(_ _)m

    0
    2026年08月08日
  • カエルの小指 a murder of crows

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    ネタバレ

    複数のペテンや嘘の複層構造になっており、伏線もしっかり張られている。前作以上に層が重ねられており、最後の嘘(勘違い)からのネタばらしと未来へ希望が繋がる形での回収が素晴らしい。

    0
    2026年08月05日
  • きこえる

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    誰しもが持つ「先入観」。そこには属性、状況、関係性の罠がある。
    道尾秀介『聞こえる』は、文字に植え付けられたその目隠しを「音」で剥ぎ取る体験型ミステリー。
    第5話の音声➕アルファの仕掛けを見た瞬間、全ての点が線になる戦慄の読書体験。

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    2026年08月02日
  • 鬼の跫音

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    ホラー小説、短編の6話です。
    全ての話にSという人物が登場しますが、全て別の人物という設定です。
    最終的に謎が残る感じが、もやもやします。
    個人的に「悪意の顔」が好きです!

    0
    2026年08月01日
  • いけない

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    最初わからないことだらけだったストーリーが、ラストに進むにつれて「ああ…あああ…」ってわかりはじめて鳥肌でした。怖かった!

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    2026年08月01日
  • 背の眼(上)[新装版]

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    ネタバレ

    大好きな道尾秀介さんのデビュー作。
    ひとまず上巻のまとめ。

    ・ホラー作家の道尾が福島県白峠村で聞いた
     「レエ…オグロアラダ…ロゴ…」
    ・白峠で神隠しにあった4人の子供(7〜9歳)
    ・首だけ川で見つかった少年→糠沢耕一
     「ネェ…ボクノカラダ…ドコ…」
     首は川の上流から流された
    ・宿の主人の歌川春芳 東海道五十三次
    ・脇道ですれ違った棒と箱をもった美人
    ・自殺した痴呆の母親 呂坂寿々
     →遺書「少年を河原で殺した」
    ・自殺し自分の背の目を見た、呂坂幹男
    ・『霊現象探求所』真備と助手の北見凛
    ・背中に人の目が映り込み、後に自殺した4人の写真 
     白峠2、愛染2
     →数値的に糠沢耕一の眼か?
    ・真備いわく霊とは
     ①意図的に生み出された霊(果にたいする因)
     ②ある情報から生み出された霊(プラシーボ的、物の怪)
     ③霊の霊(具体性のない不可解な存在、オタマジャクシ)
     ④憑依現象としての霊(ペルソナ、無意識的防衛手段)
     ⑤本物の霊(真備が追うもの)
    ・糠沢長次 天狗の面打ち職人
    ・天狗=山伏(山岳信仰の修行者)+猛禽(タカや鳶)
    ・停留所で聞いたコ…コン…木琴のような音
    ・「ゴ…ビラサ……」
    ・『白』—髑髏←天狗の
    ・疫病で村人大量死
     →早川の穢れと考えた
     →『神殺し』として天狗=山伏を皆殺し
     →川に首を流した
     →村に平静が戻り天狗を祀る
    ・天狗祭り、天狗踊り←謝罪
    ・幹男の死体とその背の眼をみた少年。溝之木亮平
     またあれが現れた——。
     僕はまた見てしまった——。

    『霊現象というものが存在して欲しい』
    「それはきみがほんとうの飢えってのを知らないからさ」
    「たぶん僕も——同じものを探しているんです」


    気になるのは最後の亮平。
    きみ…前にも「背の眼」見たことあるんか!?
    どこまでが人為的なのか。どれかは本当の霊現象なのか。
    神隠しと背の眼と自殺の関係は…?

    「ゴ…ビラサ……」ってなんだ。
    また舌がうまく回ってないのかな。
    下巻が楽しみ。

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    2026年08月01日
  • 骸の爪[新装版]

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    笑う仏/血を流す仏/殺す仏/消える仏/生きている仏/宿る仏/最後の仏/仏は人を殺すか

    仏像を生み出す場所で事件は起きる
    怪奇現象なのか 人の手によるものか
    不思議があり 恐怖もある
    自然の理もあり 複雑な人の心もある

    ホントの所は誰にも分からない……

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    2026年07月27日
  • 雷神(新潮文庫)

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     ノイズのように蘇りかける失った記憶の断片や、ぽっかり空いたような時間の空白の描写に混乱し、読めば読むほど謎が増える。
     そんな中でも手紙のトリックには「こういうことかな……?もしかしたら分かっちゃったかも」と閃きのようなものを覚えたものだったが、いざ手紙の本文を見てみるとアレレ?とまたハテナが浮かぶ。
     最初から最後までしっかりとミスリードに乗せられてしまった。
     そこからの伏線回収は見事なもので、言われてみれば確かに繋がるなという細かい伏線が随所にばら撒かれていたことに気付かされた。悔しくもあり心地良くもある。

     結局、秘密は隠し通せていたのかな?それとも……?

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    2026年07月26日
  • 雷神(新潮文庫)

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    みるみる物語に引き込まれていく。謎は多くばら撒かれたが、その分伏線回収のパンチ力は半端ない。この間違いさえなかったら…って思うけど、ここまで面白くなるならやむなし笑。自分も性格悪いな。

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    2026年07月25日