道尾秀介のレビュー一覧
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720通りの読後感を
道尾秀介さんはこれまでも様々な読書体験をテーマに音声や写真の活用、読む順番というギミックを使って読者に多様な読後感を味わってもらう作品が多かった。今作品「N」は6個の短編をどの順番から読んでも良いという仕掛けであった。
それぞれが少しだけ関係性を持った独立した短編を読むにあたり大事なことは読み手によって、読む前の「前情報」が異なるということ。人によっては前の章で謎であった因果関係が明らかになる人もいれば、新たな謎な因果関係を生み出す読み方もあり、同じ本であるのに、違う読み方ができるということが画期的であった。
作品のそれぞれの内容も明らかにされない部分などは仕掛け上 -
Posted by ブクログ
ネタバレ闇金業者からの借金で人生を狂わされた男・武沢竹夫は、入川鉄巳と詐欺を生業として暮らしている。ある日、ひょんなことから彼らの家に河合やひろ、まひろ姉妹とその彼氏・石屋貫太郎が転がり込む。第140回直木賞候補作。
小話のクオリティが高い。
私は、春のお堀端を走るタクシーの中でタケさんとテツさんが話していた鴨とカモ、鷺とサギのかかった話や家族が一緒にいる重要性を実際に五指を用いて説く話が特に気に入った。こういう本筋でないところでウィットに富んだ雑談をさせられるのってセンスだよなあと感心しきり。こういう余分な贅肉の部分こそが、物語の旨味であり滋味である。
ラストはどうだろう。
私は、盗聴器バスター -
Posted by ブクログ
オムニバス形式で舞台装置(登場人物や小物、場所など)が共通しており、世界観を少しずつ拾っていける楽しさがある作品だった。
若干の引っかけもあり(苦しくはないか……と思うことはちょっとあったけど)過去に読んだ箇所から拾ってこれると点と点がつながった喜びもあり、
本を読む楽しさというよりかは他分野を学習したことが下地となり、世界が広げられた高揚感が強く感じられる作品だと個人的には感じた。
読む順番によってきっと寂しいまま終えることもあるだろうけど、その読後感のばらつきも読書体験として面白い。
もうちょっと各短編の紐付きが強いとより良いかな、と主観では思ったが、良い体験をしたと思う。 -
Posted by ブクログ
道尾秀介『光』
記憶の淵で、少年たちが放つ一筋の輝き
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こんにちは。
本日は、道尾秀介さんの『光』を紹介します。
この作品は、同じ小学校に通う少年たちが、嘘や秘密、そして消えない罪悪感を抱えながら過ごす日々を瑞々しく、時に残酷に描いた物語です。
読み終えた後、心に静かに残った感情を短歌とともに振り返ります。
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第一章:女恋湖の人魚
「嘘の中に眩しい思い出あり」
枯れ果てた
湖底に浮かぶ 洞窟は
あの日僕らが
始めた体験
夏休み、雨が降らずに干上がった湖。現れた洞窟は、少年たちにとって最高の冒険の舞台でした。
教頭先生が語る「人魚伝説」が切