あらすじ
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
感情タグBEST3
素晴らしい
夢中になって読みました。凄い。
物語はとんでもない方向に進んでいきますが、がんばってついていってください。
でもこれ、ミステリかな?ミステリとして読むとスマホ投げ飛ばしたくなるかもしれません。
でも、純粋に読み物として捉えれば、これは本当に素晴らしい。この常軌を逸したお話は、実は結構な人が共感できる世界を持っているのではと思います。
悲しくて寂しくて幻想的なお話です。
Posted by ブクログ
再読です。
妹を死なせてしまった罪悪感や、母親に否定され続けた悲しみ、孤独。それらに耐えきれず、自分に都合のいい物語を作り出していくミチオ。夜、耐えきれずにミカ(トカゲ)の手を口に含むシーンでは、深い悲しみや寂しさ、不安が伝わってきました。
生まれ変わりの虫たちは、自分の気持ちを整理したり、決意を肯定してもらったりするための存在でもあったのかも。
ミカへの愛情は特別なものだったと感じました。
S君だけがなぜアルファベットで表記されているのかも気になりました。実名ではないことが、かえって不穏さを増しているように感じました。
初読のときの面白さはやっぱり格別でしたが、語り手が信用できないからこそ、最後まで何が本当なのか分からない。
でも、その語りの奥にいるミチオの、どうしようもない悲しさが印象に残りました。
Posted by ブクログ
とにかく凄すぎる。
今まで読んだミステリーの中でも異色中の異色だった。
初めから最後まで全く想像がつかないし、終盤の伏線回収の連発が凄かった。
かなり、体力のいる作品だということは聞いていたけど、重たい内容なのに次が気になってページが止まらなかった。
ぜひ他の作品も読んでいきたい。
Posted by ブクログ
主人公のミチオが友人の死体を発見したところから始まる物語。終始、自分の先入観を何度も覆される展開に翻弄された。
読み終えた直後は、ミチオにとって報われた結末だったと感じた。しかし、エピローグに立ち返ると、やはり彼の人生に大きな影響を及ぼす出来事だったのだと改めて思わされる。まだ小学生だったミチオが背負うにはあまりにも重く、彼のことを不憫に思ってしまった。
Posted by ブクログ
読めば読むほど謎が増していき、どんどん誰も信用できなくなっていく不思議な感覚が、読んでいて楽しかった。登場人物それぞれが創り出していた物語に驚き、悲しいような切ないような気持ちになった。最後の火事のシーン、とても好きだなぁ。最後の最後まで、結局何の希望もなくて苦しい。ミチオはこれからも、物語の中で生きていくしかないのか、、この終わり方、私はすごく好き。
すごいすごいとは聞いてたけど、本当に読んでよかった。大好きな作品になりました。
Posted by ブクログ
面白かった!!怖かった!!すぐに読んじゃった~
主人公のミチオくんがかなり歪んでるからこそ、この叙述トリック(?)文章による仕掛けが成り立つんだなと思う。
人って分からないし怖いわ。子供の生育環境がいかに人格形成に影響を与えるか、って考えてしまう。
岩村先生、キモすぎるしいつか必ず裁かれて欲しいけど殺人に何も関与してなかったのは驚いた。絶対何かしら関わってるだろ!って思っちゃった!でも本当に暴かれて欲しい。
最初から3歳がこんなにスラスラと喋れるはずがないとは思っていたから、ミチオくんは自分の無意識と会話しているんだろうなと思ってた。ミカちゃんにも自分が言って欲しいことを言わせてるし、Sにも真相から目を背けるためのことを言わせてるんだろうなと。トコお婆さんとかスミダさんのことは全く予想してなかったから驚き!おもしろい!こわい!
Posted by ブクログ
これはまた凄い小説を読んでしまった。YouTubeで「絶対に読んで欲しい作品」として紹介されていたので、なんとなく書店で買ってみたところが大当たり。しかもほとんど前知識がない状態で読めたので感動もひとしお。
しかし好き嫌いが分かれる作品だとは思う。私はS君が蜘蛛に生まれ変わるところもすんなり受け入れられたので、本当のところはどうなのか、というミステリー的な展開を純粋に楽しむ事ができた。冒頭の「ラテックスのつくり物のようにすべすべした、あのお腹」「あの綺麗な丸い眼」という表現から、ミカは爬虫類ではないかと考えていたが、まあ当たりという事にしておこう。お母さんがやたら可愛がってお化粧してあげたりしているミカは何なのか、という疑問に対する答えは、ちょっと普通すぎた気がするが。
実際の自分を受け入れられずに、都合よく作った物語の中を生きている、というのは自分も感じていた事だけれど、こんなに面白く上手に表現出来るなんて凄い!と素直に感動した夜でありました。
Posted by ブクログ
道尾秀介作品で最初に読んだ一冊で、これをきっかけに道尾作品にハマった。
じわじわと積み重なる違和感と不穏さ、独特の世界観が強く印象に残った。
現実感が揺らぐ物語なのに、作品の中では一貫したルールがあり、読み終えたあとにそれまで見ていた世界の意味が変わる感覚が面白かった。
今でも道尾作品の中ではかなり好きな一冊。
Posted by ブクログ
本当に面白かった。
ミカの思考と口調があまりにも大人びていて3歳の発言とは到底思えないので、亡くなっているんだろうなとは思っていた。ただ、それを受け入れられない母親のことを思いミチオも妹を存在しているかのように振舞っているんだなと思っていたけれど、ミチオが誰よりも狂っていたとは…(登場人物全員狂気を感じるけど群を抜いてミチオがやばい)
どんでん返しが1回で終わらなかったのも面白かった。色んな人の視点で物語が進んでいくので、語り手の主観が入り、辻褄が合わない部分が出てくるところで一気に話に引き込まれたし、登場人物たちの言動に完全に騙されてしまったのが悔しいし痛快だった。
道尾秀介大好きになりました。
予想ができない
あまり本を読んだことがなく、久しぶりに読んだのが『向日葵の咲かない夏』でした。きっかけはYouTuberの小澤ゆうたさんが紹介していたので気になり読み始めました。小説があまり得意でない方でも、スラスラと読めてしまいます!途中から早く結末を見たくて、気づいたら長時間読んでいました笑笑
ミステリーなどが好きな方本当にオススメです。
最後のどんでん返しに驚きました
匿名
友達の首吊り死体を見つけ、学校に人を呼びに行っている間に遺体が消えてしまう。虫生まれ変わった友達と遺体探しをする。
話の真相にびっくり。妹のことは何となく分かったが、まさかお婆さんまで?となって、主人公の精神状態に涙が出た。最後の結末にまたゾッとする。
何度も読みたい傑作。
Posted by ブクログ
なにか仕掛けがあるんだろうなあ、とは
意識して読み進めていた。
やたらミチオに冷たい母親、
大人びすぎている妹の言動、
変だなあ…とか思いながら。
S君が蜘蛛に生まれ変わったあたりから、
「そういう世界観なのか?それとも狂った主人公なのか?」と分からなくなって
もう導かれるがままに読んでいったよ。
前半にあれだけ恐ろしく描かれた岩村先生は、
後半で全く登場しなくて…クソ鬼畜変態教師であることは間違いないし、それは暴かれないのかなってちょっと気になった。
Posted by ブクログ
終業式の日にプリントを届けた先で自殺していた友人、その死んだはずの友人があるものに姿を変えて主人公の前に現れる。
冒頭から奇妙な展開ではあるものの、小学生の目線で描かれていることで、不思議とリアリティーは落ちていない。
小学生の頃って、こんな不思議な妄想あったな、夢の話が現実のように感じてることもあったよな(本作とは関係ないが)と、小学生の頃の夏休み特有のカゲロウを見ているようなトロンとした世界観で物語が進んでいく。
話の内容は、他の評価にもあるとおり、決して明るいものではないが、ミステリー性も高いことから非常に引き込まれた。
不思議な作品、正直言うとぶっとんだ作品だとは思ったが、その奇妙な世界観はクセになるものがあった。
Posted by ブクログ
キラキラとしたお日様の陽を浴びて真っ直ぐに咲く多くの向日葵。その中で、アブラゼミに侵され、項垂れ、咲かないのではなく、【咲く事の出来ない】一本の向日葵。
夏休み前に気持ちを昂らせ、明るくはしゃぐクラスメイトの小学生。その中でその光景を一歩下がった場所で俯瞰しながら、窓の外に居ないはずのSくんの姿を見つけるなど、仄暗い一面が垣間見えるミチオ。
咲かない向日葵は、心を傷ませる過去の出来事に巣喰われたミチオそのものであり、その比喩表現の対比が実に美しく描かれていると感じた。
普通の小学生にとっての楽しい夏休みも、ミチオにとっては、精神を病んだ母親と、それを傍観し全てを諦めた父の3人で暮らす時間が増える憂鬱さに対する、漠然とした不安要素の一つに他ならない。
味方の居ないあの家で、本来なら無条件で愛情を注いでくれるはずの母親が3年も自分の名さえ呼ばず、死んだはずの妹に見立てて人形に化粧をしたり、自分にさえ作らない夕食を与えたりする。父親とは会話するだけでも気を遣い、夜中になると狂った母親が低い声で叫び始める。
学校では、クラスメイトからいじめに遭っているS君と演劇会のペアを組まされている。一見気に掛けてくれているかのような担任も、結局はS君のいじめを黙認しており、小児愛の性癖を持つ裏の顔がある。唯一恋心を抱いていたと思われる後ろの席の女の子は、車に轢かれて亡くなっている。S君の母親からは、猫を小瓶に詰めて飼ったり、死体を見つける練習を飼い犬にさせているS君の異常行動を聞かされ、野良猫を亡くなった母親の生まれ変わりだと信じ込んでいる製麺屋の主人、S君の隣人で、死体の足を折る事に快感を覚える老人…。
ミチオを取り巻く世界は、【どこかがヘン】で、狂いかけている。そしてミチオ自身も、じわじわとアブラムシに身体を侵されて、自分でも気付かぬうちに、ゆっくりと、けれども確実に、精神を病んでいく…。
あの時、3年前自分が嘘をつかなければ、母親が階段を踏み外さなければ、妹が亡くならなければ、そうしたら父親の目には生気が籠っていただろう。母親は発狂せずにいただろうし、妹のミカは無事に産まれて、今頃自分の隣で笑っていただろう。家庭環境に問題が起こらなければ、性格が明るくなれば、クラスメイトとももっと近しくなれただろうし、S君以外にも友人が出来ていたかもしれない。ミチオは、そんな事柄を一体何百回思案し、何百回後悔したのだろう。
どこからか狂い始め、花は萎れて、閉じこもっていったのだ。
その過程が、実に哀しく、どうしようもなく、切なく描かれている。
誰かが、彼の異変に、異常に、気がつくべきだった。9歳の少年が、抱え込んでいる闇の大きさに気が付いて、救ってあげるべきだった。
真夏に美しく明るく花咲く向日葵(少年)が、【咲く事ができなかった】夏。物悲しくも美しく、ラストのどんでん返しの伏線回収含め、生涯記憶に残る完成度の高い作品であると感じた。
Posted by ブクログ
友人に薦められて初めて読んだ道尾秀介の作品。クラスメートの自殺の謎に迫っていくに連れ、真相が浮かび上がってくる。3歳の妹の大人びた言動やS君が蜘蛛になって出てきたところからファンタジーとして読んでいたが、それらも全て現実と壁を作るために主人公が作り出した妄想だと分かると急に怖くなる。今後主人公がどんな大人になるか考えたら恐ろしくなった。
Posted by ブクログ
道尾秀介先生はこれで3作品目。
なんとも感想が難しい小説でした。
序盤からずーっと暗い展開でしたが、先が気になって読む手が止まらず一気読みでした!
本作は現実とミチオ(主人公)の妄想が入り混じる複雑な構成となっており、どこまでが現実でどこまでが妄想?とわかりにくい箇所もありました。
ミチオの物語(妄想)を見せられた読者が、最後に現実に気づく瞬間は驚きや悲しみ、哀れみといったいろんな感情が湧くものになってます。
登場人物がみんな異常者なので、共感とかはできないのですが、誰しもいろんな闇を抱えていると解釈できました。
本作で1番心に残ったのは、終盤のミチオのセリフ
「誰だって自分の物語の中にいるじゃないか」ですね。現実を受け入れられないほどの辛い状況で、
どうやってミチオが自分を保っていたのかがよく伝わります。また、誰もがそうやって自分の解釈で自分の世界を作って生きているのだと感じました。
主人公ミチオの掌で踊らされたい方はぜひおすすめです。たまげますよ。
Posted by ブクログ
蜘蛛を見る度にS君を思い出します
ラストの仕掛けがシックスセンスと全く一緒なので、勘が働いてしまいました!
ミチオ=道尾
S君=秀介
に気づいた時はドーパミン、ドパドパです!
Posted by ブクログ
全体的に暗い印象の小説。
S君が蜘蛛になって出てきたところから、
「これは現実の話ではないのだな」
と割り切って読んでいたが、最後にどんでん返しをくらった。
おじいさんがカマドウマになって出てきた時は流石に笑ったが、ミチオの母親が人形を娘として接していることを見た瞬間に、ミチオもその辺の動物とかを人間に見立てているのだなとわかった。
丁寧なことに、最後の文章に「影が一つだけ伸びる」
という表現が使われていることにより、私の考えは確信に変わった。
Posted by ブクログ
少し不思議……と言うよりはかなり不気味。構成はやや入り組んでいるのに文章は読みやすい。ただ、読みやすい文章に流されて読み進めると、後で「うわぁ……」となる。最後のネタバラシの感想は「わあ!」ではなく「うわぁ……」だった。後味の悪さも含めて結構好み。
Posted by ブクログ
読み終わってから改めて読むと、伏線に気付き腑に落ちるところが多かった。不気味な空気感の物語で、何か騙されそうだと警戒して読んでいたが、結局見事に騙された。巧妙な文章の仕掛けが面白かった一方で、自分の好みではなかったのかも。
ミチオには恐ろしさを感じると同時に、自分で作り上げた物語に逃げ込むしかなかったことは可哀想に思った。
Posted by ブクログ
どんでん返しはあったけど、うーん‥て感じ。
いきなり覚醒して、突然の頭の良さは何?
輪廻転生?で周りの人が生まれ変わってまた集まるのはわかるけど、そんなに近くに生まれる?
ミチオの都合の良すぎる妄想過ぎる
Posted by ブクログ
ーーキングオブ違和感
絶対友人には薦められないとの口コミに薦められ読むことに。
夏休みの小学生というありきたりな舞台と
少し歪な主人公と周囲の違和感が対照的に映る。
この物語の真相が知りたくてページをめくる。
この物語から早く逃げたくてページをめくる。
圧倒的後者。(圧倒的強者みたいに言うな)
これは確かに友人に薦められない。
そうだ、ミカがいた、ミカに薦めてみよう。
Posted by ブクログ
読んでも読んでも暗くなっていく物語に辟易しながらも、結末が知りたくてどんどん読み進めてしまった。
物語の大部分がミチオの想像だったとして、どこまでが事実だったのかというところが気になり他の方の解説や考察を見てまわった。
Sが自殺したことと母親が流産したことが事実だったとして(ミチオが関わり起こった事件だから)
その他の事件は、自分が苦しまないように創り出した物語なのではないかと思った。
先生が小児性愛者なのもイヌネコの死亡事件もおそらく作り話。
古瀬さんはどっちなのだろう...
実在していたのか、創り出した人物なのか。
ミステリーやどんでん返しに気を取られがちだが、ここまでミチオを歪めてしまった原因はミチオの両親。誰かがそのSOSに気がついて救うことはできなかったのか。誰も救われない物語だと感じた。
Posted by ブクログ
賛否両論、どんでん返しと聞いてワクワクしながら読んだ。
どんでん返しがほんとにすごくえーー!!っと声を出して驚いた。ただ最後のほうはよく分からなくて色々調べてようやっと理解できてきたがやっぱり納得がいかないところがあった。
Posted by ブクログ
個人的には、後味悪くて不快感MAXの胸糞ミステリー小説だった。だいどんでん返しかと思ってたけど、なんとなく徐々に疑問点が積み重なり、徐々に真実が明らかになる感じ。ラストのあの描写はすごく苦しかった。
この世界観に沼ったら、日によってはアタオカになるし、鬱になりそうな作品。なんとなくだけど、、時が経ったらまた読みたくなりそう。
生々しいなと思ったのは、人間の貧弱さ、現実から逃れようとする心理が分かりやすく描写されてる作品だと思った。
でも、1日で読んじゃうってことは結構この世界観に引き込まれた証拠かな!
Posted by ブクログ
プレゼントでもらった本です。
なんの知識もなく、タイトルから爽やかな夏の作品かと思ったら序盤から人が亡くなってびっくりでした。
不思議な話でファンタジーかと思いきや、なるほど自分の物語の中で生きているんですね。
誰もが主観の中で生きていますが、歪んでいき過ぎるとこうなるのでしょうか。
Can we separate what is real from what is a delusion?
Posted by ブクログ
ファンタジーミステリー。
謎が解けたと思ったら、さらに謎を呼ぶ展開で面白かった。
ただ、最終的には全部の謎をパッと説明して終わりでちょっとミステリー好きとしては物足りなく感じた。
Posted by ブクログ
ミカ3歳なのになんでこんなに喋れるんだと思ったらそういうことだったか…
岩村先生の話が始まった頃はどんな気持ちの悪い話に進展するのかと恐々としたが、最終的には納得の結末ではあった
匿名
もやもや
あんまり好きじゃないかも。結局S君は自殺で犯人はお爺さんなのはびっくりしたけど、ミチオやお母さんの頭がおかしくて妹がイマジナリー(トカゲ)なのは正直予想出来るし。それで結局先生は何にも関係ないショタコンなのね。トコおばあちゃんが猫なのもびっくりした。最初のページはトカゲの妹が死んだ時の描写なのね。転生、あるといいな。転生なしだとミチオが名探偵ってことかな。それはそれで面白そう。
向日葵の咲かない夏
登場人物でs君以外人間だと思わされていたところに
まんまと引っかかってしまったのが、なぜか気持ちよかったです。
最後はあんまり理解ができなかったので、また考えてからもう一度読みたいと思いました。
道夫さんの作品初めてですが他の作品も読みたいと思いました。
私には無理でした
叙述トリック小説が好きで手に取ったのですが、冒頭から不快感を煽る描写、おかしな人物たち、場当たり的な行動、主観的で根拠のない推理が続き、最後までセンスが合わず、胸クソ悪かったです。S君が蜘蛛になった時点で「なんだこりゃ…(呆)」となり、正直読むのが苦痛でした。3歳とは思えない口達者なミカは、ミチオ以外の他人には知覚できない存在なのだろうとは分かったので、トカゲという実体があろうがなかろうが、どうでもよかったです。恐らくミチオが聞こえる声、交わす会話だけが妄想で、視覚的なものは常人と同じものが見えているのでしょう。あれ、でも校舎の窓からS君が空を飛んでいるのが見えたんでしたっけ?
「お爺さん」を論破して追い詰めるほどの饒舌さと身体能力を持つ、こんな9歳男子なんているわけない、あぁきっとミチオは自分のことを小学生だと思いこんでいる青年なのだろう、と期待したのですが、そんなオチでもなかったようで…。
ミスリードさせるための異常性を持つ岩村先生はいつのまにか退場してしまいます。彼は一連の事件とは関係なかったけれども、彼の被害に遭った子たちはどうなったんでしょう? もしかしてミチオは自分の記憶にフタをしているだけで、岩村先生の部屋で見たビデオに映っていたのも、S君じゃなくてミチオ自身だったんじゃないの?と勘ぐってしまいました。
最後に部屋に火を放ったミチオにとって、両親が死ぬか、自分が死ぬか、あるいは全員死ぬか、どれでもよかったのでしょうから、ラストシーンやプロローグだって、死んでいくミチオの妄想かもしれません。「ぜーんぶ主人公の妄想でしたっ!」というのはただのちゃぶ台返しであり、私にとって「叙述トリック」ではなかったです。いや、伏線とかあるんだろうけど、読み返す気にもなれない。