道尾秀介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ道尾秀介先生、初です。youtube動画で小説紹介をされているBookTuberのマサキさんや、ヨビノリたくみさんの3分書評をよく視聴しているのですが、恥ずかしながらそこで初めて知りまして、読んでみたい!という気持ちが膨らんで購入。結果↓
すっっっごく面白かったぁぁぁ…っ!!!
幾つもの謎と疑惑が浮かぶ中、徐々に明らかになっていく真相が畳みかけるように勢いよく、終盤どういう事!?と目が離せなかった物語。伏線回収も残す事なくお見事で、読後スッキリした気持ちになりました。
読み終わって見れば、タイトルもこのワンコの表紙も伏線じゃないっすか!と。いや、ワンコはあらすじからして重要な事はわかるんですけどね。はー…そっかぁ、これそれね!そうなのね!(わからんわ)と。お話の中にもここにもあそこにもと、複数に散りばめられている伏線。これが読んでいてさして気に留める必要一切ないと思ってた事とかが、後に「えっ!」となったり、ちょっと引っかかったけど流しちゃったー!とか、沢山あって忙しかったです。私の驚きの感情が。
終盤はもうどんでん返しの鮮やかさに見事に大波で丸ごとひっくり返されました。と思ったらまだあるぜ!とばかりに再びザッパーンッ。やられたーっ!でも好きだーっ!って感じの心地良さ。プカプカほけーっとなって浮いちゃったわ。
主たる事件は切ないし、やるせないんですが、その気持ちを和らげさせるものが登場人物達の魅力の雫で落とされている作品。
一番は主人公たる秋内くんの恋愛における可愛らしさ。彼は同じ大学でオフでも会う仲の良い友人3人がいるわけなんですが、その内の女子の一人、羽住さん(イケメン風美人)に密かに想いを寄せているんですよ。その「密か」具合が何とも可愛らしいっていうか、こっぱずかしいというか(笑)。
まだこの作品しか読めていないのですが、道尾先生凄いな、って思ったのが秋内くんのこの心の描写。心の中で思っている事の動きのテンポが実にリアルで、あー、こういうのあるあるっ!てなる。親近感を持つと共に、そういった恥ずかしさや身の置き所のなさというか、何やってんの自分やらかしちゃってハッズーッ!(/ω\*)みたいな。
恋する秋内くんの想いがまた面白くて、読んでいると乗れる感が心地良い。
思わず笑ってしまった『どうする。どうしよう。どうしましょう』のくだりとか、羽住さんに一目惚れした時に初めて名前を聞いた時には『なんて美しい音。なんて清らかな響き。何であなたはハズミなんだ。何でハズミはあなたなんだ』とか、こういった恋に不慣れな男の子の青春ど真ん中な所がとても素敵だった。秋内くん大好きになりました(*´ω`*)
次いで間宮教授ですね。ちょっと狡いなーってキャラ。変わりもので見た目もドン引きされる風貌なんだけど、着眼点鋭く頭の回転良し。コイツ、出来る…!ってタイプですよ。普段はあちゃーっみたいな人だけど、お茶目な部分もある。こういう人好きな人いますよねそうですよね?私好きです!(自分が言いたいだけ)見た目は大股一歩引きますけど(引くんかい)、間宮教授は良いキャラしてるのです。このお話で秋内くんと共に大活躍の先生なので、その動向は必見。
登場人物の魅力はほぼ全員あるといってもいいこの作品、秋内くんの想い人である羽住さんや、友人のハイスペックイケメン京也くん、その彼の恋人でもあり羽住さんと仲の良い友人でもあるひろ子ちゃん、それぞれの抱える問題や悩みから想い合い絡み合うが故に起こる葛藤や苦悩、不安、恋心、それら全部が上手く描かれており、彼らの友人として自分も近くにいて見守っているかのような感覚で読んでいました。
皆が皆、イメージとは違う意外な一面があるのもまたポイント。京也くんは乙女ゲームなんかでいたら人気出そうなキャラだなぁと(笑)。羽住さんは今時令和ヒロインって感じで、ひろ子ちゃんは昔ながらの王道ヒロイン。でもそれだけではなかったそれぞれの魅力は、是非にこの物語を読んでみて頂きたいなと。
スタート舞台、悪天候に飛び込んだ喫茶店。そこに何か感じる違和感、意味深な言動のマスター、唐突に切り込まれる息を呑む言葉。
何故、あの小さな友人は死んでしまったのか。何故、彼に忠実な犬は突然走り出してしまったのか。
回想のように始まり、進む度に幾度か挟み込まれる激しい雨の中の不思議な空気纏う喫茶店。集まった4人の張りつめた会話。何かを含んだような不可解なマスター。
浮かんでいく事実、隠された秘密にやめられないとまらない!どういう事!?これどうなるの!?と、読みながら何度同じ事を呟いた事か。
終盤のある所では「えーっ!!?えぇぇーっ…!マジでうそぅ…っ」となり、次の展開で「はあぁぁぁっ!?( ゚Д゚)……は、あ、あぁ、やられ…やられた…!あー、でもあー…うんうんっ(ほろっ)」って感じでありました(わからんわ)。
かなりの急展開にお口あんぐりですが、その先が気になってノンストップ状態。
しかし私、色々推理してたんですけど全然駄目でした!(きっぱり言う事ではない)
後半は消去法で残る人が何人か出てきても、じゃあ何故?となると結びつけが出来なくて、結局真相はさっぱりだけど(意味なし推理)やっぱりこの人か!?なるしょぼい推理も、予想通り思い切り外しましたとさ。ははっ(笑えんわ)。
どうしたって失った命はあるし、切なさは残るものの、ラストは心地の良い読後。爽やかさすら感じる。何とも秋内くんらしい締め方でした。優しいのよね、彼。
そして道尾秀介先生の文章にどっぷり心掴まれました!!
以下、完全重要ネタバレ。
秋内く────んっ!生きてて良かったぁぁぁっ!!!←うるさい
もう死んじゃったかと思った…崩れそうになった。だってあんなんもうこれ無理なんだって思うじゃないですか。三途ですよ。向こうに二人お迎えみたいにいるじゃないですか。それが向こう側に行きかけて戻るとは誰があれで予想出来ようっ。
告白はドンマイだったけど(笑)、羽住さんとお幸せに! -
Posted by ブクログ
ネタバレそうだったのか!!!なる多数の事実とどんでん返しのお子様ランチ状態です。
ライトなハードボイルドのようでありながら、言い訳や逃げを許さないような重みと深みが内包し、痛みと悲しみ、やるせなさと同時に笑いと愛と温もりがそこにある、人の心に突き刺さる物語。
深くて素敵なお話でした。とても好きなお話。『ソロモンの犬』も大好きな作品となったんですが、こちらも違った魅力があります。ていうかもう、道尾秀介先生に沼りそう。
もうね、文章が私好みなんです。ああ、遅くなったけど知る事が出来て良かった。
主人公の三梨さんは三枚目と二枚目のバランスが良い軽妙さ。ルパン三世とかシティーハンターの冴羽さんとか、銀魂の銀さんみたいな、カッコ悪さやだらしなさや適当な緩さとか、時に引かれるような部分なのにそれが魅力、みたいなキャラ。そして熱いハートを持つカッコイイ所もある。
他、アパートの住人達がこれまた滅茶苦茶クセがあって濃ゆい。読んでいて『めぞん一刻』(若い人知ってるかなぁ?)の住人達思い出しました(笑)。けど皆すっごく素敵なんですよ!他に帆坂くんやバーのマスターもなんですけど、三梨さんの周りにいる人達は読み終わったらもう全員大好きになってると思います!
『ソロモンの犬』に引き続き、どうしてこんなに登場人物が魅力なのか道尾先生。二作連続超好み。
他の人と違うハンデやコンプレックス。先入観の恐ろしさ、人間の保身や狡い心を剝き出しにされていく恥ずかしさを感じさせられます。
多数派で決まっていく【普通】という枠が決められてしまう集団心理。これを正しいとは思わないけれど、多数派の中にいると安心してしまうのも、実際あるんだよなぁって。身に覚えがあり過ぎる小心者の私です。
そこを痛く突かれ、そして起こる悲劇に隠された真相の一つには、何かこう…酷くゆっくりと己の悪意の塊を、冷たく蔑んだ表情で抉り取って見せられているような気分。
三梨さんとバー『地下の耳』のマスターとの会話のシーンで「あくどいことをする人間ってのはさ、罪を感じないものなのかな」の三梨さんの問いかけに、マスターが「私にはわかりません」と答えながらも、彼らは『深海魚』みたいなもの、あいつらはそこで生まれたから身体がそういう環境に適している。だから普通の魚では一瞬で潰されて死んでしまっても、あいつらには屁でもない。何の違和感もおぼえずに生きている。
ふっっかぁぁ…と共にやるせなぁぁっ…てなりました。そしてこの説得力よ。
ミステリーも存分にあって、色んな真実が隠されており、これでもかってくらい騙されまくりました。あれもこれもそれものフルオープンの事実は全然予想出来ない展開で、私途中でお風呂に入りながらこれでもかってくらい、首捻りながら(わかってないがな)頑張ってあれこれ考えていたのに、えっ…ぇぇぇぇぇっ!?と全然違う方向からこられて口が開きました(閉じろ)。
もうね…いや、これ最後のネタバレ感想で叫びます(またかい)。
とんでもなく悲痛な事もあり、この野郎!みたいなのもあり、ワクワクな爽快さもあり、ニマニマしたくもなり、しんみりしたくなり、もうお腹がいっぱいみたいな感じのてんこ盛りの仕掛けがこの一冊に詰め込まれてます。ページ数は厚くないのに中身の熱さが凄い。
伏線回収は今回もお見事。本当に見逃してしまいそうな所とかにも隠されているんですよね。
途中で出てくるトランプの意味とかも、その時はわからなくても後できちんと意味がわかるようになってますので安心を。
最初、三梨さんの持つ特殊能力みたいなものがあり得なさ過ぎというか、普通にずば抜け過ぎていて、え!?いくらなんでもそれはちょっと…とか思っていたんですけど、これがまたやられた!っていうか何て言うかそういう事かーっ!!ってストンと腑に落ちました。もうこのこのっ!って感じ(笑)。
ラストは気持ちの良い終わり方です!
軽いテイストっぽいようでガツッと胸に勢いよく打ち込まれる、とてつもなく重い衝撃を堪能!
とてもとても面白かったです!!
以下、完全ネタバレ感想の叫びです。
一番に、秋絵さんが男性だった事が衝撃でした。
そして何故一見関りがなく見える今回の事件と、もう過去になっている秋絵さんの自殺が同時に物語にピックアップされてきているのかが謎だったんですけど、まさかこの性意識の問題が秋絵さんを死へと追い詰めた悲劇の糸に絡んでいたとは…何かもう全ての事を知った上で見せてくる、「鳩が好きなの」って言葉の意味に胸が痛くなりました。「誰も、見分けようなんて思わないの」これが深くて悲しくて。どんな思いで鳩を見つめていたんだろう。はかり知れない。死なないで、幸せな道があったらなぁ…っ、そう思わずにはいられない。三梨さんの狂ったような慟哭が辛かった。
凄く驚いたアパートの住人達の正体!全員同業者かい!(元だけど)実は…なこの真相よ!また登場が三梨さんのピンチに颯爽とですよ!カッケー!!特に野原の爺っちゃん素敵!!!←
そして双子ちゃん達の無免許運転登場にも脱帽!ナニコレ、ワクワクすっぞ!(孫悟空か)なんだろな~とんでもなく無茶苦茶なのに気持ち良いっ。もう笑顔になる。
しかしまさか帆坂くんやアパートの住人全員、三梨さんの耳を失くしてしまったと同じ、あったものを失くしてしまっていた事実には吃驚しました。足、鼻、眼、腕…ここで途中で出てきたトランプの意味がわかって「ああっ!」と。
「自分の身体のことなんて何も気にしていない」「奴らは片眼でも両眼でもない。眼の数なんて数えても意味がないことを知っている、素晴らしい猿だ」
泣ける…!!!(TAT)
三梨さんの三枚目だけどこのカッコ良さったらさ!!!(一言多い)
冬絵さんとも上手くいったようで良かった良かった。
でも、せっかく作った耳が勿体ないと思った私はセコイ人間ですかそうですね(笑)。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはじわじわ不気味さが入り込んで、そこから恐ろしい出来事が展開する。道尾さんらしく負担がなく軽い、面白い作品だった。
鈴虫
大学時代のこと、ずっと好きだった杏子は友人のSと付き合いだした。私は嫉妬した。壁の薄い隣の部屋でSは杏子と会っていたが、違う女の声も混じるようになった。崖から落ちたSを河原に埋めたのは私だ。そばで鈴虫が見ていた。Sが死んで杏子と結婚した。息子が学校から鈴虫をもらってきた。籠を覗くと鈴虫が私を見て何か呟いた。秋が来て鈴虫は死んだ。メスはオスを食い殺すと息子にも教えてやった。11年ぶりにSの死体が見つかった。死体にかけた私の背広には学生証も財布も入ったままだった。刑事の質問が続く。
犭(ケモノ)
部屋の椅子が倒れて足が取れた。刑務所の作業場で作ったものだったが、折れた足に落書きが彫ってあった。「父は屍 母は大 我が妹よ 後悔はない」と読めた。その後にSという名前があった。
Sを検索すると、彼は過去の事件で無期懲役になり、その後自殺していた。ボクは調べたSの村に行って事件のことを訊ねる。そして椅子の足に書いてあった文字の意味に気がつき、Sの恐ろしい悲しい運命を知ってしまう。
僕は家の中では誰からも相手にされない、出来損ないだと思われていた。優秀な家族はボクのことを気にもかけない。
Sのメッセージを解いたボクは、誰も待ってくれていない家に帰る。
これは最後を読むと、途中で何度も作者の意図が表れた文章に出会う。ああ巧みな伏線だったのか。これは全く非の打ち所がない一編。
よいきつね
20年ぶりに取材をかねて帰った村は稲荷神社の秋祭りだった。
高校生時代、悪友に乗せられ、ふざけ半分で女を空になった神輿蔵に連れ込んで犯したことを思い出す。見張り役の仲間がいたがうまく現場から追い払われてしまっていた。神輿蔵の一件は黙っていたので騒ぎにはならなかった。
橋のたもとに未だ神輿蔵はあった、そこで自分に似た男を見かける。
暁闇、日が落ちた後のかすかな空の明かり、そんな不思議な時間には現実と幻が混じり、自分と他人の境も朧になる。長い竹竿の下で伝統芸能の「よいきつね」が面白おかしく演じられている。過去と現在の境、祭りの夜は見えないものが見えることもある、隠したものが現れることもある。
そんな夢幻のような一夜の中の不思議が、静かに恐ろしく書かれている。これも秀作。
箱詰めの文学
これは技巧的な一編。
作家と友達のS、彼が作品を盗んだのか。作家の盗作か。原稿は泥棒が盗んだのか。泥棒はSの弟だという。
ないはずのネコの貯金箱を盗んだとその泥棒は言う。中に紙がたたんで入れてあった。「残念だ」あの原稿用紙の文字だ。
過去のことは過去にして、泥棒だったSの弟とSの墓参りに行くそして真相を知る。
謎解きクイズのような形式で引っ張られる。
冬の鬼
仲良く暮らしている夫婦の秘密。
妻の日記が遡るにつれて二人の秘密が明らかになる。
谷崎の「春琴抄」を思わせるような、それ以上に不気味な恐ろしく悲しい話。
悪意の顔
人が入ってしまう絵の話。
はじめは悩みを閉じ込めてくれる絵だった。苛められっ子は臆病な心を絵に移し替えて貰った。
その絵を描いた人の妻は絵に入りたかった。
絵で救われることもある不思議な話。 -
Posted by ブクログ
ネタバレカエルの親指の続編ということで楽しみにしていた。
読み始めてすぐにテツがでてきて「誰!?」となったが、やひろと貫太郎の子供だと知り「子供出来てる!」と嬉しくなった。
今回新しく登場するキョウとテツが大人顔負けの活躍をするのにはすごく驚いた。
キョウの作戦には当たり前のように騙され、テツの機転の利いた立ち回りに惚れ惚れした。
ほんまに学生か?と何度も思うほどだった。
十数年経った後もみんなで仲良く協力して久しぶりのペテンを仕掛ける様子はとても見ごたえがあったしワクワクした。
途中、タケが急にスキンヘッドになって笑ってしまったが、あれは映画版「カラスの親指」からの逆輸入だと知って映画も見てみたいと思った。
最後も良かったと思える結末で安心した。
やっぱり今回もタケさんはしてやられるのでした。
結局、まひろの恋の行方はどうなったん?続きが気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいつか手にしたいと思っていたところ、いつも通う本屋で突然陳列されていおり入手できた。
どんでん返しの名手である道尾秀介さんらしい作品。
盗聴専門の探偵三梨がある依頼を調査中新たな仲間を作り、ともに仕事をする中ある殺人事件を"聴いて"しまう。そこから過去同棲していた人物や新たな仲間への違和感やそれを取り巻く舞台が目まぐるしく動いていく。
主人公と近しい人々の行動や所作に違和感を感じ「何か、明言を避けているな」と思ったり、「異能力の世界観でいくのか?」という疑問をもったりしていた。が、最後にはそれぞれが見事に回収された。能力が万能でなかったことにも納得。
映像化して欲しいけど、無理そうです。
周りの人と違うこと、周りの人からの目線、自分だけの個性、、、といったものへの恐怖や偏見を皆もってしまっていると感じさせられました。周りと同じことがいいのか、自分だけの個性として受け入れるのがいいのか考えさせられる作品です。
-
Posted by ブクログ
面白かったー。道尾秀介さんの小説、何でも面白い説。
序盤からもう、これ面白いでしょって感じがバシバシ。面白いとわかってるものを読む安心感!
ストーリーがそれほど動いていない部分の文章でも面白いんだよなー。何なんだろ。解像度がすごいのかな。ちょっとした光景がちょっとした感じで描かれてても、それがクリアに目に浮かぶから没頭できるのかも。
前作「いけない」同様、各章の最終ページに写真が挿入されていて、それを見ることで隠された真相を発見してねという作り。
写真を見て「そういうことかー」とわかったり、「やっぱりねー」と思ったり。次の章を読むと、前の答え合わせ的な文章が出てきたりもするのでそこでも事実が再確認できる。
「いけない」よりも、のめり込んで読んだ。私は断然「いけない II」の方が好きだ。今回の方が推理はわかりやすいんじゃないかと思う。ピンときて理解するのが快感。
4つの章はそれぞれ別のストーリーではあるけれど、少しずつ登場人物が絡み合っているので気が抜けない。最後まで夢中で読んだ。
推理したり発見したりする楽しさだけでなく、読みながら感情もけっこう揺さぶられた。ホッとしたり、ハラハラしたり、絶望したり。そうであってほしくないという結末が写真によって決定づけられてしまうと、切ないというかつらいというか、やり切れない気持ちになったりもした。
読後、しばらく思い返して登場人物たちのその後の気持ちなどに思いを馳せてしまってた。ほとんどみんな哀しいんだもん。 -
Posted by ブクログ
その「嘘」はやがて世界の見え方を変える
容姿に自信がない主人公は本人も唯一の自信にしている「声」を使ってラジオパーソナリティの仕事をしている。そんな主人公のもとに突然現れた謎の美少女に半ば脅されながら復習計画の一員となる。
まず一番に読む上でポイントになるのは主人公から見たヒロイン像と読み手から見たヒロイン像とのギャップであり、そこにこの物語の本質でもある「誰が信頼できる語り手」なのか、「真実の動機づけ」とは何かを読み解いていくのが良いと思った。
読み手からするとどう見ても怪しいこのヒロイン、主人公もそう思っているのだがそこには「惚れてしまった」補正が加わり、ヒロインとの関わりにドギマギし楽しみ喜びを感じているこの二人の関係性には読み手とヒロインには生じていない「愛情」やら「恋愛感情」といったつながりがあるから故なのだろう。「恋は盲目」とは言い得て妙だとも思う。
そして読み解いた先にある様々な真実に、様々な嘘を知ると気づいた先に
「盲目」であったのは読み手である「わたし」であると。
その嘘に隠された様々な「愛情」、誰かを救ったり、励ましたり、守ったり、「愛」には確かな「熱」がある。その「熱」で冷たく凍った世界を少しでも溶かしていけたら、そんな励ましの「熱」を読後に確かに受け取ることができた。
道尾秀介さんの作品は様々なキャラクターが存在する。世間という集合から少し離れた人々たち、ただその関わりにも確かな「愛情」や「熱」がある。読後にガラリと変わる見え方を心に刻んでほしい。 -
Posted by ブクログ
道尾氏完読中なのにこちら未読で、Iが出たので慌てて読みました。そして1日で読み終わりました!やっぱ読み出したら止まらない!!
ちょい道尾ブランクがあったので、一章を読んで聴いて、あ、そういうことか!と。二章目はすっかり騙され、三章以降は道尾節に慣れて来たからこそ、うっすら分かるけどどう音に持ってくの〜?を楽しみ。最終章はスマホ耳にひっつけて聴いてたから、他の方の考察を読むまでわからなかった。。そのあたりも、一時期テレビ番組によく出てた道尾さんならではだなぁ〜と思いました。
変わらず何気ない伏線と回収がもうすごい。
QRコードの音声が、以外と長い。そして「朝が来ます〜ように〜」が耳について歌えるようになった笑
メディアミクスの時代の秀逸な本です。 -
購入済み
カラスの方との
合体版を購入に踏み切った自分を褒めてあげたい
良くこんな気色悪い表示の本を読む気をなった
やっぱり本屋さん大賞の影響はスゴイ
さて、今回も大変面白く怒涛の伏線回収と
ドンデン返しを疑いながらもそれ以上の内容でした
是非おススメ、伊坂作品好きにはもっとおススメ