道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初から最後まで、全く展開が読めない(^ ^; 乱暴な言い方をお許しいただければ、「プロットをちゃんと考えずに取りあえず書き始めて、キャラが勝手に動いてくのを追っかけて一作にしました」みたいな、余談の許されなさ(^ ^; もちろん、そんなことはなく、きちんと計算され尽くしている訳で(^ ^ 最後の最後になって「壮大な釈迦の掌」に驚かされる。
登場人物は、みな「漫画っぽい」感じで、それがドタバタと大きなうねりに巻き込まれ、取り込まれ、ハラハラドキドキなかなかなサスペンス感(^ ^ この辺はRPG感と言うか(^ ^
とにかく菅沼先生がいい味出してる(^ ^ 世間からずれまくった数学バカ...か -
Posted by ブクログ
ネタバレ零細な釣り堀とそれがある街を舞台に、個性の強い人々がそれぞれの思惑に翻弄される物語
(簡潔に説明するのが難しい作品…)
文庫版は最初のページに
登場人物が描かれたタロットカードがあり、序盤各人の登場シーンはそれを見ながらなんとなくの人物像をイメージできた
読み終わった後にもう一度タロットカードを見ると、絵の細かいところの意味も分かっておもしろい
登場人物たちの
忘れられない記憶や、邪な狙い、不安や懸念、期待などが目線を変えて語られるので
読者としては俯瞰して状況を把握するかたちになる
彼らの思いが絶妙にすれ違って、思いがけないかたちで噛み合ってしまったりするのが楽しくて仕方なかった
あと -
Posted by ブクログ
ネタバレ児童文学でつながる3編の連作小説
それぞれの話の中、不穏な空気は漂いつつも、だれも悲しくさせない結末に辿り着いてにっこり
特に「光の箱」が好きだった(ミスリードにもちゃんと引っかかったし)
作中に出てくる児童文学、本当に絵本になってくれたらいいのに
蛍とカブト虫とヤモリの話とか、大人も考えさせられる絵本になりそう
お話を自分で作ることは難しい
でも、誰かが作ったお話の中に逃げ込む感覚は身に覚えがある
本を読む時間、物語に潜り込む時間は孤独ではあるけど
みんなそうやって逃げ込める場所を持ってるのかなと思うと少し安心する
物語好きを包み込むみたいな優しいお話だった -
Posted by ブクログ
陰鬱な雰囲気にぐっと吸い込まれそうでした。
重く、決して明るくはない話が、後半に向かって光が射してくるところがよかった。ラストの章、主人公の心の声に思わず目頭が熱くなる。
この世界は光ったり翳ったりしながら動き、高い場所から見てみれば、全てが流れ繋がり合い、いつも世界は新しいと。
ミステリー要素というより、物悲しい過去を持っていたり、今も心を閉ざしている登場人物の心情描写が繊細で美しく凄い。静謐さ、匂いまで沸き立つよう。
特に印象的だったのは、第1章、第2章、第4章。家族間の悲哀が表現され、そしてあたたかさを感じた。家族(血の繋がり)は困難に直面しても向上させる力がある…と、そう伝わりました。 -
Posted by ブクログ
盗聴専門の探偵が、受けた依頼によって巻き込まれる事件
彼を取り巻く人々やその過去
新しくスカウトした同業の女性
複数の要素が出てくるけど、短い章立てで組み立てられていてするすると読める
でも、この"するする読める"ということすらたぶん罠
本を読むとき、目の前にあるのは文章だけで
その文章を頭の中に取り込んで映像化してそれを動かしている、という感覚がある
"するする読める"と感じているとき、その映像は滑らかで滞りない
頭の中の映像が恣意的なものであることも自覚せずに、物語の中を進んでいる
自分の描いてた映像がことごとく間違いであることが、この本の最後 -
Posted by ブクログ
さすが道尾先生というか、このもどかしさとやりきれなさから更にずぷりと沈め込まれるような痛み、心グサグサやられてしまう。毎回しんどさのメーター振り切れるんじゃないかってくらいなんだけど、これがクセになるんだっ。やめられない重痛の魅力。
主人公の床下の行動は乱歩作品みたいな変質っぷりだなぁと引いてしまいましたが(笑)
タイトルへの繋がりが出てくるたびにいつも成程、と息が漏れます。こんな自分が嫌なのに、嫌だから更に上塗りしてまた嫌だなと嘆く。誤魔化しながら、言い訳しながら、欲に手を伸ばして。主人公のみならず、自分までグサグサ刺される。
重なる嘘は、どれがどこから何が嘘で真実だったのか。その明確な答え -
Posted by ブクログ
『光媒の花』と同じくリンクしていく連作短編集。各章共通する登場人物達なのだけれど、全く違う道を歩んでいるお話。生と死と、昏く重みある先に、光を見出すような最終章のまとめかたが相変わらず凄い。
あの時ああしていれば、そんな生きていく上で思わずにはいられない幾つもの「もしも」。分岐の世界の中にも更なる「もしも」に捉えられていく。
最終章に到達するまでとんでもなく各章、やりきれない思いが胸を打つ。苦しく、悲しく、後悔と絶望、罪として責めるほどの喪失。
この思わず頭を抱え唸りたくなるような悲劇の書かれ方が道尾先生作品だーっとなる。そこにきちんと温かさも存在する。でも重い。でも一筋の光がある。まるっとス -
Posted by ブクログ
妻子と別れ落ちぶれた風情の『大洞』。娘『明』に良いところを見せようと、世話を任されていた鯉を盗み、彼女のバイト先の釣り堀『カープ・キャッチャー』へ放すが失敗。一方明は、Wev受講しているヒツギム語の講師が拉致されるのを目撃してしまって以来、身に危険を感じていた。
その後大洞は鯉の持ち主である富豪の老婦人『霧山』から大金で捜索を依頼され釣り堀に向かうも、その鯉は『神』と呼ばれる釣り名人『ヨネトモ』に釣られた後だった。大洞と明、明に一目ぼれした引きこもりの『賢史』と妹の『智』、ヨネトモ、さらには訳ありそうな婦人『市子』が集まり、夜の川で鯉の捕獲作戦を決行する。
場末の釣り堀から始まる群像劇。短い