道尾秀介のレビュー一覧
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ネタバレ初めから読み返して伏線を回収していきたいと思う作品。
登場人物同志の細かい心理描写が過去の出来事、体験に対する直感的な共感であることが多かった。
飛躍してしまうようだが、
「他人の過去の出来事に触れる時、似た体験をしていて心情がわかる事と、その人自身に寄り添うことのどちらが大切なのか」
と読書中に考えてしまった。実際に、夏都は最後まで智弥の気持ちを菅沼先生の体験に投影することで理解していたようだが納得はしていない様子で、人との間の愛情をただ信じることでしか寄り添うことができていなかった。
だが、分からなくたって愛していたいと思うのではないか。分からないからこそそばにいて、いつか過去に触れて -
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最初から最後まで、全く展開が読めない(^ ^; 乱暴な言い方をお許しいただければ、「プロットをちゃんと考えずに取りあえず書き始めて、キャラが勝手に動いてくのを追っかけて一作にしました」みたいな、余談の許されなさ(^ ^; もちろん、そんなことはなく、きちんと計算され尽くしている訳で(^ ^ 最後の最後になって「壮大な釈迦の掌」に驚かされる。
登場人物は、みな「漫画っぽい」感じで、それがドタバタと大きなうねりに巻き込まれ、取り込まれ、ハラハラドキドキなかなかなサスペンス感(^ ^ この辺はRPG感と言うか(^ ^
とにかく菅沼先生がいい味出してる(^ ^ 世間からずれまくった数学バカ...か -
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道尾作品では珍しい続編。詐欺から足を洗って真っ当な仕事(実演販売員)をしている武沢のところに転がり込んできた中学生、キョウ。母親が詐欺に会い自殺したという。相手の男に復讐するためにお金を稼いで探偵を雇いたいと言う。復讐は遂げられるのか。後半、急展開。武沢にキョウ、まひろ、やひろ、貫太郎、テツが正義のために立ち上がる。アメリカンジョークっぽさがまったくないハードボイルドな、それでいてホッとする詐欺集団がかっこいい。欺し欺されの二転三転どんでん返し。一番上手だったのはいったい誰?また続編が出ないかな。人間はどこから来たのかじゃなくて、どこへ行くのかが大事だ。
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ネタバレ零細な釣り堀とそれがある街を舞台に、個性の強い人々がそれぞれの思惑に翻弄される物語
(簡潔に説明するのが難しい作品…)
文庫版は最初のページに
登場人物が描かれたタロットカードがあり、序盤各人の登場シーンはそれを見ながらなんとなくの人物像をイメージできた
読み終わった後にもう一度タロットカードを見ると、絵の細かいところの意味も分かっておもしろい
登場人物たちの
忘れられない記憶や、邪な狙い、不安や懸念、期待などが目線を変えて語られるので
読者としては俯瞰して状況を把握するかたちになる
彼らの思いが絶妙にすれ違って、思いがけないかたちで噛み合ってしまったりするのが楽しくて仕方なかった
あと -
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ネタバレ児童文学でつながる3編の連作小説
それぞれの話の中、不穏な空気は漂いつつも、だれも悲しくさせない結末に辿り着いてにっこり
特に「光の箱」が好きだった(ミスリードにもちゃんと引っかかったし)
作中に出てくる児童文学、本当に絵本になってくれたらいいのに
蛍とカブト虫とヤモリの話とか、大人も考えさせられる絵本になりそう
お話を自分で作ることは難しい
でも、誰かが作ったお話の中に逃げ込む感覚は身に覚えがある
本を読む時間、物語に潜り込む時間は孤独ではあるけど
みんなそうやって逃げ込める場所を持ってるのかなと思うと少し安心する
物語好きを包み込むみたいな優しいお話だった -
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盗聴専門の探偵が、受けた依頼によって巻き込まれる事件
彼を取り巻く人々やその過去
新しくスカウトした同業の女性
複数の要素が出てくるけど、短い章立てで組み立てられていてするすると読める
でも、この"するする読める"ということすらたぶん罠
本を読むとき、目の前にあるのは文章だけで
その文章を頭の中に取り込んで映像化してそれを動かしている、という感覚がある
"するする読める"と感じているとき、その映像は滑らかで滞りない
頭の中の映像が恣意的なものであることも自覚せずに、物語の中を進んでいる
自分の描いてた映像がことごとく間違いであることが、この本の最後 -
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さすが道尾先生というか、このもどかしさとやりきれなさから更にずぷりと沈め込まれるような痛み、心グサグサやられてしまう。毎回しんどさのメーター振り切れるんじゃないかってくらいなんだけど、これがクセになるんだっ。やめられない重痛の魅力。
主人公の床下の行動は乱歩作品みたいな変質っぷりだなぁと引いてしまいましたが(笑)
タイトルへの繋がりが出てくるたびにいつも成程、と息が漏れます。こんな自分が嫌なのに、嫌だから更に上塗りしてまた嫌だなと嘆く。誤魔化しながら、言い訳しながら、欲に手を伸ばして。主人公のみならず、自分までグサグサ刺される。
重なる嘘は、どれがどこから何が嘘で真実だったのか。その明確な答え -
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『光媒の花』と同じくリンクしていく連作短編集。各章共通する登場人物達なのだけれど、全く違う道を歩んでいるお話。生と死と、昏く重みある先に、光を見出すような最終章のまとめかたが相変わらず凄い。
あの時ああしていれば、そんな生きていく上で思わずにはいられない幾つもの「もしも」。分岐の世界の中にも更なる「もしも」に捉えられていく。
最終章に到達するまでとんでもなく各章、やりきれない思いが胸を打つ。苦しく、悲しく、後悔と絶望、罪として責めるほどの喪失。
この思わず頭を抱え唸りたくなるような悲劇の書かれ方が道尾先生作品だーっとなる。そこにきちんと温かさも存在する。でも重い。でも一筋の光がある。まるっとス -
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妻子と別れ落ちぶれた風情の『大洞』。娘『明』に良いところを見せようと、世話を任されていた鯉を盗み、彼女のバイト先の釣り堀『カープ・キャッチャー』へ放すが失敗。一方明は、Wev受講しているヒツギム語の講師が拉致されるのを目撃してしまって以来、身に危険を感じていた。
その後大洞は鯉の持ち主である富豪の老婦人『霧山』から大金で捜索を依頼され釣り堀に向かうも、その鯉は『神』と呼ばれる釣り名人『ヨネトモ』に釣られた後だった。大洞と明、明に一目ぼれした引きこもりの『賢史』と妹の『智』、ヨネトモ、さらには訳ありそうな婦人『市子』が集まり、夜の川で鯉の捕獲作戦を決行する。
場末の釣り堀から始まる群像劇。短い