道尾秀介のレビュー一覧

  • 骸の爪

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    前作も面白かったのでシリーズものとして読んでみた。
    いやぁ、今回も凄まじい量の伏線回収が最後の最後まで炸裂していた。
    途中まで少し退屈する場面が続くが、すでに真実に繋がる鍵は出てきているため要注意。
    全く予想はつかなかったし、登場人物それぞれが抱える思いや決意が交錯したどり着くラストには、心が震えた。
    あと、道尾さん自身の知識量が尋常でない。
    フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットの3つどれもが物語にしっかり組み込まれていて、総合力の高い作品だなと思いました。

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    2023年08月06日
  • 月と蟹

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    小学5年生、少年から大人に向かおうとする子ども達の話。

    心理描写が的確過ぎて、昔を思い出して
    胸が痛くなる。

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    2023年07月15日
  • スタフ staph

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    ネタバレ

    初めから読み返して伏線を回収していきたいと思う作品。
    登場人物同志の細かい心理描写が過去の出来事、体験に対する直感的な共感であることが多かった。
    飛躍してしまうようだが、
    「他人の過去の出来事に触れる時、似た体験をしていて心情がわかる事と、その人自身に寄り添うことのどちらが大切なのか」
    と読書中に考えてしまった。実際に、夏都は最後まで智弥の気持ちを菅沼先生の体験に投影することで理解していたようだが納得はしていない様子で、人との間の愛情をただ信じることでしか寄り添うことができていなかった。


    だが、分からなくたって愛していたいと思うのではないか。分からないからこそそばにいて、いつか過去に触れて

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    2023年07月12日
  • 本格王2022

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    2023.06.30
    こういう読み比べはとても楽しいです。
    やはり、1番は道尾秀介。次は大山誠一郎。3番手に浅倉秋成を推す。
    私は特殊設定ものが苦手ということもわかったのも収穫。

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    2023年06月30日
  • スタフ staph

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    最初から最後まで、全く展開が読めない(^ ^; 乱暴な言い方をお許しいただければ、「プロットをちゃんと考えずに取りあえず書き始めて、キャラが勝手に動いてくのを追っかけて一作にしました」みたいな、余談の許されなさ(^ ^; もちろん、そんなことはなく、きちんと計算され尽くしている訳で(^ ^ 最後の最後になって「壮大な釈迦の掌」に驚かされる。

    登場人物は、みな「漫画っぽい」感じで、それがドタバタと大きなうねりに巻き込まれ、取り込まれ、ハラハラドキドキなかなかなサスペンス感(^ ^ この辺はRPG感と言うか(^ ^

    とにかく菅沼先生がいい味出してる(^ ^ 世間からずれまくった数学バカ...か

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    2023年05月25日
  • スケルトン・キー

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    ネタバレ

    サイコパスだらけ
    ボウフラのたとえが気持ち悪くてゾワゾワした
    錠也と間戸村の二人暮しが微笑ましい
    というか、間戸村は無茶な事はさせるけど凄く人情味のある人だなと思った、けど、週刊誌の記者かあ...、でもやっぱりいい人だなと思う
    鍵人の行方が分からないから怖いし、再開した時何が起こるか不安すぎるけど、母親からのテープを鍵人にも聞いてもらいたいと思った
    錠也の心が変化しつつあって嬉しい

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    2023年05月20日
  • カエルの小指 a murder of crows

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    道尾作品では珍しい続編。詐欺から足を洗って真っ当な仕事(実演販売員)をしている武沢のところに転がり込んできた中学生、キョウ。母親が詐欺に会い自殺したという。相手の男に復讐するためにお金を稼いで探偵を雇いたいと言う。復讐は遂げられるのか。後半、急展開。武沢にキョウ、まひろ、やひろ、貫太郎、テツが正義のために立ち上がる。アメリカンジョークっぽさがまったくないハードボイルドな、それでいてホッとする詐欺集団がかっこいい。欺し欺されの二転三転どんでん返し。一番上手だったのはいったい誰?また続編が出ないかな。人間はどこから来たのかじゃなくて、どこへ行くのかが大事だ。

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    2026年01月12日
  • 骸の爪

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    ”笑う仏”、”血を流す仏”、”ばつ2”、”返却された仏”どれも物知りでないと
    分からないトリックや理由で真備さんでないと解けなかったさすが名探偵。
    最後が衝撃的だった。
    毎回事件を持ってくる道尾くん、何かしらやってくれる道尾くんが愛くるしい。

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    2023年05月02日
  • 花と流れ星

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    ネタバレ

    『骸の爪』の後に読みました。
    真備シリーズの3冊目。短編5話。
    『オディ&デコ』では、風邪をひいた真備さんの”方言”に笑ってしまった。
    『花と氷』では、”氷”と向き合いながら生きていく真備さんと北見さんに元気をもらった。
    素敵な表現だと思った。

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    2023年05月02日
  • サーモン・キャッチャー the Novel

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    ネタバレ

    零細な釣り堀とそれがある街を舞台に、個性の強い人々がそれぞれの思惑に翻弄される物語
    (簡潔に説明するのが難しい作品…)

    文庫版は最初のページに
    登場人物が描かれたタロットカードがあり、序盤各人の登場シーンはそれを見ながらなんとなくの人物像をイメージできた
    読み終わった後にもう一度タロットカードを見ると、絵の細かいところの意味も分かっておもしろい

    登場人物たちの
    忘れられない記憶や、邪な狙い、不安や懸念、期待などが目線を変えて語られるので
    読者としては俯瞰して状況を把握するかたちになる
    彼らの思いが絶妙にすれ違って、思いがけないかたちで噛み合ってしまったりするのが楽しくて仕方なかった

    あと

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    2023年03月31日
  • ノエル―a story of stories―

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    ネタバレ

    児童文学でつながる3編の連作小説

    それぞれの話の中、不穏な空気は漂いつつも、だれも悲しくさせない結末に辿り着いてにっこり
    特に「光の箱」が好きだった(ミスリードにもちゃんと引っかかったし)

    作中に出てくる児童文学、本当に絵本になってくれたらいいのに
    蛍とカブト虫とヤモリの話とか、大人も考えさせられる絵本になりそう

    お話を自分で作ることは難しい
    でも、誰かが作ったお話の中に逃げ込む感覚は身に覚えがある
    本を読む時間、物語に潜り込む時間は孤独ではあるけど
    みんなそうやって逃げ込める場所を持ってるのかなと思うと少し安心する

    物語好きを包み込むみたいな優しいお話だった

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    2023年03月28日
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)

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    盗聴専門の探偵が、受けた依頼によって巻き込まれる事件
    彼を取り巻く人々やその過去
    新しくスカウトした同業の女性

    複数の要素が出てくるけど、短い章立てで組み立てられていてするすると読める
    でも、この"するする読める"ということすらたぶん罠

    本を読むとき、目の前にあるのは文章だけで
    その文章を頭の中に取り込んで映像化してそれを動かしている、という感覚がある
    "するする読める"と感じているとき、その映像は滑らかで滞りない
    頭の中の映像が恣意的なものであることも自覚せずに、物語の中を進んでいる

    自分の描いてた映像がことごとく間違いであることが、この本の最後

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    2023年03月18日
  • 球体の蛇

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    さすが道尾先生というか、このもどかしさとやりきれなさから更にずぷりと沈め込まれるような痛み、心グサグサやられてしまう。毎回しんどさのメーター振り切れるんじゃないかってくらいなんだけど、これがクセになるんだっ。やめられない重痛の魅力。
    主人公の床下の行動は乱歩作品みたいな変質っぷりだなぁと引いてしまいましたが(笑)
    タイトルへの繋がりが出てくるたびにいつも成程、と息が漏れます。こんな自分が嫌なのに、嫌だから更に上塗りしてまた嫌だなと嘆く。誤魔化しながら、言い訳しながら、欲に手を伸ばして。主人公のみならず、自分までグサグサ刺される。
    重なる嘘は、どれがどこから何が嘘で真実だったのか。その明確な答え

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    2023年02月22日
  • 鏡の花

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    『光媒の花』と同じくリンクしていく連作短編集。各章共通する登場人物達なのだけれど、全く違う道を歩んでいるお話。生と死と、昏く重みある先に、光を見出すような最終章のまとめかたが相変わらず凄い。
    あの時ああしていれば、そんな生きていく上で思わずにはいられない幾つもの「もしも」。分岐の世界の中にも更なる「もしも」に捉えられていく。
    最終章に到達するまでとんでもなく各章、やりきれない思いが胸を打つ。苦しく、悲しく、後悔と絶望、罪として責めるほどの喪失。
    この思わず頭を抱え唸りたくなるような悲劇の書かれ方が道尾先生作品だーっとなる。そこにきちんと温かさも存在する。でも重い。でも一筋の光がある。まるっとス

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    2023年02月22日
  • シャドウ

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    重い溜息が出るわぁ…
    道尾秀介氏の作品は「そう来たか」としか言えないけどまじでやられた。
    これは確かに界隈で有名な作品として挙げられるわ。面白かったぁ。

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    2023年02月19日
  • サーモン・キャッチャー the Novel

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    妻子と別れ落ちぶれた風情の『大洞』。娘『明』に良いところを見せようと、世話を任されていた鯉を盗み、彼女のバイト先の釣り堀『カープ・キャッチャー』へ放すが失敗。一方明は、Wev受講しているヒツギム語の講師が拉致されるのを目撃してしまって以来、身に危険を感じていた。
    その後大洞は鯉の持ち主である富豪の老婦人『霧山』から大金で捜索を依頼され釣り堀に向かうも、その鯉は『神』と呼ばれる釣り名人『ヨネトモ』に釣られた後だった。大洞と明、明に一目ぼれした引きこもりの『賢史』と妹の『智』、ヨネトモ、さらには訳ありそうな婦人『市子』が集まり、夜の川で鯉の捕獲作戦を決行する。

    場末の釣り堀から始まる群像劇。短い

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    2023年02月13日
  • 鏡の花

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    あの行動をとらなければ、あの時ほんの少し違ったら、別の世界になる。
    これは家族を失う喪失の物語だ。
    だが次の章になると家族の中の生者と死者が入れ替わり、残された家族の人生が全く違ったものになる。その時、家族の別の一面が明らかになる。
    そしてある家族の喪失の物語が別の家族の物語へと繋がっていく。
    なんて哀しくて不思議な物語だろう。
    中表紙にある挿し絵のように、一輪の百合を角度を変えた鏡で写していくと、少しづつ違った百合の姿を写しながら無限に広がっていく。目眩を感じる世界。幻想的で怖く、美しい。

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    2023年01月23日
  • 貘の檻

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    おもしろかった。誰が悪い訳でもなく、思い込みと思い違いが悲しい結果を生んでしまっていて、それが最後まで重なり合う事はなかった。結局子供であるはずの俊也が一番素直で冷静でたくましかった。
    途中の悪夢の回想部分が少しくどくどしくて苦手だった、、。

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    2023年01月04日
  • サーモン・キャッチャー the Novel

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    あー面白かった!!
    上質コメディです。
    道尾秀介さんの小説って映像が浮かぶんですよね。もうコメディドラマか漫画を見ているようでした。
    一つ一つのエピソードは重いのに、どうしてもこんなに軽やかな読後感。爽快感半端ない!
    本当に楽しいひとときをもらいました。

    ヒツギム語、本当にあるの?と思って検索しちゃいました。笑
    ずらかれがモヤシッコ、ただいまがイソジンって…もう作者、遊びすぎでしょ!!

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    2022年12月31日
  • 光

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    田舎町で暮らす少年少女の物語。毎日が冒険で友達と過ごす日々は本当に光り輝いていた。成長物語の要素はもちろんのこと、ちゃんとミステリの要素もある。道尾秀介さんはホラーなんかもあるため身構えることも多いけれど、本作は爽やかな読み心地なので安心して読んでほしい。自分の子供の頃を思い出すからか心に残った作品になった。

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    2022年12月30日