道尾秀介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレゲオスミン→ペトリコールの順
以下、ネタバレある内容メモ
すごく面白かった。この順で読めて良かった。
怒りや憎しみ、孤独、そういう強い思いが人を化け物にしてしまうことが悲しい。
あんなメッセージを送ってしまったお姉ちゃんも、その時は化け物になってしまったのだろうと思う。ずっと学校に行けていないのに、優秀で人気者を演じて。どんどん深まっていく信頼の中、きっと火傷を克服して劇団という帰るべき場所に去ってしまうであろう唯一の友達を、自分だけのものにしたくなってしまったのかな。
ゲオスミン内の「おかあさん」ギミックとか、読む順以外にも楽しめる仕掛けたくさんでずっとワクワクできた。でもなんだか寂寥感が残る味わいが、とても好きな読者体験になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ゲオスミン」→「ペトリコール」の順番で読みました。
なんとなく最終的にたくさんの人を救いたい。という気持ちで、最初にどちらかと言えば怖い単語の「ゲオスミン」から読み始めました笑
一度読んだだけでは、スッキリせず、もう一度両編の重要箇所を読み込み納得。
赤い傘、そして時系列。最初のこの順番で読みます。という書き込みの一と二が繋がるとは。
ペトリコールの夕歌と先輩と関係が良かった。
最初ゲオスミンを読んでる時の早く先が読みたい!気になる!って感覚が読書をしていて久しぶりだった。
え、そういうこと?って2.3回なった気がする。
これが読書の楽しいところでもある気がする。
とても良い読書体験をありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
子どもたちは悪くない。
ただ皆一生懸命に生きているだけなのだ、そう思う。
脇にいる大人たちだってそうなりたくてなっているわけじゃない。ささやかな幸せを喜び、時に運命を翻弄される出来事に流されまいと必死にしがみついてでも生きている。
ただそれだけなのだ。
月と蟹。
手に取ったときにはわからなかったタイトルの意味。
それは子どもたちの放課後の遊びでもあり、昭三爺さんが死ぬ前に慎一に遺した遺言のような話しでもある。
表紙の絵、
よくみると誰かの影が写り込んでいる。
物語を読み進めるとそのことに気がつく仕掛けなのか、
最初全く気がつかなかった。
そしていよいよラストになって表紙の意味していることがわかるのだ、。
途中からページをめぐる手が止まらず一気に読んだ。
それにしても毎度焼かれるヤドカリが可哀想〜と思いながら読んでいたのはわたしだけかしら?
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの感想は読まないでください。自戒用です。本書のトリックの内容に触れます。ネット上に公開しないことを冒頭で触れております。ただ、本当によく分からない人は見てもいいんじゃないかなと思っています。
そのせいで、この本の面白さが分からないままになることの方が、私は問題だと思います。
ゲオスミンからぺトリコールを読むと
夕歌(姉)はタガマ妻に殺され、その日に姉を赤い傘を取って探すことになる。
このせいで、野宮は赤い傘を発見しないため、劇団員を殺しにいかない。
(野宮の娘が死んだ理由の傘は、何にも関係がない)
ぺトリコールの主人公と、多くの人(劇団員)が救われる。
最後の火事は、夕歌家の火事
ぺトリコールからゲオスミンを読むと
夕歌(姉)はもっと昔に死んでいて、その時、姉を探しに行った妹は赤い傘を取って探す。このことが原因で野宮の娘がいじめで死ぬことになる。
結果として、タガマ妻の手によって、夕歌(妹)は殺されてしまう。
赤い傘は置かれたまま、劇団員殺しは実行されてしまう。
ぺトリコールの主人公夕歌(妹)と、劇団員が死ぬことになる。
最後の火事は、劇団員殺しの火事
-
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!!怖かった!!すぐに読んじゃった~
主人公のミチオくんがかなり歪んでるからこそ、この叙述トリック(?)文章による仕掛けが成り立つんだなと思う。
人って分からないし怖いわ。子供の生育環境がいかに人格形成に影響を与えるか、って考えてしまう。
岩村先生、キモすぎるしいつか必ず裁かれて欲しいけど殺人に何も関与してなかったのは驚いた。絶対何かしら関わってるだろ!って思っちゃった!でも本当に暴かれて欲しい。
最初から3歳がこんなにスラスラと喋れるはずがないとは思っていたから、ミチオくんは自分の無意識と会話しているんだろうなと思ってた。ミカちゃんにも自分が言って欲しいことを言わせてるし、Sにも真相から目を背けるためのことを言わせてるんだろうなと。トコお婆さんとかスミダさんのことは全く予想してなかったから驚き!おもしろい!こわい! -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはまた凄い小説を読んでしまった。YouTubeで「絶対に読んで欲しい作品」として紹介されていたので、なんとなく書店で買ってみたところが大当たり。しかもほとんど前知識がない状態で読めたので感動もひとしお。
しかし好き嫌いが分かれる作品だとは思う。私はS君が蜘蛛に生まれ変わるところもすんなり受け入れられたので、本当のところはどうなのか、というミステリー的な展開を純粋に楽しむ事ができた。冒頭の「ラテックスのつくり物のようにすべすべした、あのお腹」「あの綺麗な丸い眼」という表現から、ミカは爬虫類ではないかと考えていたが、まあ当たりという事にしておこう。お母さんがやたら可愛がってお化粧してあげたりしているミカは何なのか、という疑問に対する答えは、ちょっと普通すぎた気がするが。
実際の自分を受け入れられずに、都合よく作った物語の中を生きている、というのは自分も感じていた事だけれど、こんなに面白く上手に表現出来るなんて凄い!と素直に感動した夜でありました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読む順番は完全ランダムで決め
4-6-5-1-2-3章の順番で読みました。
最後が3章はナシだよと、読み終わったあと軽く頭を抱えました笑
3章読む前までは完璧な順番で読んだなと思っていました。
・6章で精一が死ぬことを知っていたため、唐突な精一の死に対して心の準備が出来ていたこと
・江添の能力についても語られていたため、もやもやしないで1章を読めたこと
・最初に読んだ4章で登場する錦茂が、ニシキモとして2章で登場し天から咲く花を見られたことが判明したこと
2章を読み終わったあとはもう読み終えてもいいと思うほど最高の読後感に浸っていました。
しかし3章を読み、最高の読後感はどこかへと消え去りました。
私が一番好きだった話は5章です。2章と4章、1章と6章はそれぞれ強い繋がりがあり、セットで読んで本領を発揮したという印象でしたが、5章はたった1つの章として段違いに面白いと思います。
10歳とは思えないほどのオリアナの心の強さや、ステラの本心が描かれる場面は、今でも特に強く印象に残っています。
だからこそ3章がとても苦しいのです。
笑わない少女がオリアナを形容する言葉であると気づいた瞬間に気分はどん底へと沈みました。
5章を読み終わった段階ではオリアナはホリーとの別れを受け入れ、ステラとの新しい生活をして幸せに過ごすストーリーを思い浮かべていました。
しかし、3章においてそんな上手くできたお話は無情にも粉砕されてしまいました。
------------------------
読み終わったあと思ったことをひたすら文章に起こしてみて、自分は綺麗な話を求めてるんだなと気付きました。
5章は知真目線での話で、オリアナがホリーとの別れを受け入れたなんて書かれていません。そして実際には受け入れられていませんでした。
10歳の子どもが親の、しかもただ唯一の親の死を乗り越えるなんて簡単にできるものでないなと今になってそう感じます。
綺麗な終わり方に強引に当てはめることは、登場人物の感情を半ば無視していることに繋がってしまうのだと痛感しました。
小説などの物語はただの娯楽であり、
ハッピーエンドだと見てよかったと思うし、バッドエンドで気分が沈むなら時間をかけなきゃよかったと思っていました。
けれど、登場人物は私を楽しませるための道具ではなく本の中で生きている人間であると、この作品では感じることができました。物語に対する楽しみ方の幅が広くなったような気がします。
正直、読む順番が720通りあっても大して変わらないだろうと考えていました。ですが、今では、読む順番が違えば絶対にこんな感想を抱かなかったと断言できます。それほどまでに読む順番によって作品の見え方が変わることに、この作品の面白さや奥深さ、そして少しの恐ろしさを感じました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に面白かった。
ミカの思考と口調があまりにも大人びていて3歳の発言とは到底思えないので、亡くなっているんだろうなとは思っていた。ただ、それを受け入れられない母親のことを思いミチオも妹を存在しているかのように振舞っているんだなと思っていたけれど、ミチオが誰よりも狂っていたとは…(登場人物全員狂気を感じるけど群を抜いてミチオがやばい)
どんでん返しが1回で終わらなかったのも面白かった。色んな人の視点で物語が進んでいくので、語り手の主観が入り、辻褄が合わない部分が出てくるところで一気に話に引き込まれたし、登場人物たちの言動に完全に騙されてしまったのが悔しいし痛快だった。
道尾秀介大好きになりました。 -
Posted by ブクログ
全部で6章、720通りのパターンというふれこみで自分も自由に話を選択して1パターンで通して読んでみた。
あれ?何か気持ちよくすんなりハマって終わったぞ。自分が最後に選んだのは、消えない硝子〜の話。花を眺めつつ綺麗に終わった。
でもこの後に、笑わない少女〜の話を入れていたらどよ~んとして同じく罪悪感を持って終わったのか。
花を眺めるパターンが多い気はしたけど印象はだいぶ変わるよね。この後再読は多分しないけど色んな終わり方のイメージはしてみるけど、途方もないな。ただの群像劇ではなく、おっしゃる通り実験的な作風で楽しめた。
I、はどんなんなんだろう。