道尾秀介のレビュー一覧

  • カエルの小指 a murder of crows
    まず、カラスの親指の登場人物が皆個性的で大好きだったのでまたその続きを読めることが素直に嬉しかった。
    個人的には佳境のまさかの展開は前作よりも驚かされ、そのエピソードの数も多かったように感じる。
    今回感情移入した登場人物はキョウで、少女の強い決意の裏にある健気で痛々しいまでの心情や行動に胸を打たれた...続きを読む
  • カエルの小指 a murder of crows
    「カラスの親指」の続編!
    作者が、「登場人物たちにまた会いたくなったから」が続編作る動機だけあって、ええ感じに仕上がってます!

    今は、実演販売士として生きてるタケさん。確かに、前職が生きるかも?
    人を騙す!いやいや、商品の魅力を分かって貰う職業やな(^◇^;)

    そこに、過去に母親を助けた縁のある...続きを読む
  • カエルの小指 a murder of crows
     前作「カラスの親指」は記憶の遥か彼方に飛んでいってしまい、思い出す事が難しかったが、作品中に出てくる「思い出」を通し、少しずつだがあらすじを呼び起こす事ができた。前作発売からの時間もだいぶ経っているが、続けて読めばきっと道尾秀介の作品の中でもドラマとしての成り立ち、構成がずば抜けていると感じるシリ...続きを読む
  • フォトミステリー - PHOTO・MYSTERY -
     ※一巡目を終えて。全ての謎は当然わからないが。ひとまず。

     道尾秀介のアイデアそしてチャレンジについて本当に尊敬できる。ミステリー小説というジャンルに囚われず、あらゆる方法を駆使して読者を悩ませようとする頭脳は、最近の作家の中でもずば抜けているのではないだろうか。
     今回は、「フォトミステリー」...続きを読む
  • スタフ staph
    最初から最後まで、全く展開が読めない(^ ^; 乱暴な言い方をお許しいただければ、「プロットをちゃんと考えずに取りあえず書き始めて、キャラが勝手に動いてくのを追っかけて一作にしました」みたいな、余談の許されなさ(^ ^; もちろん、そんなことはなく、きちんと計算され尽くしている訳で(^ ^ 最後の最...続きを読む
  • スケルトン・キー
    サイコパスだらけ
    ボウフラのたとえが気持ち悪くてゾワゾワした
    錠也と間戸村の二人暮しが微笑ましい
    というか、間戸村は無茶な事はさせるけど凄く人情味のある人だなと思った、けど、週刊誌の記者かあ...、でもやっぱりいい人だなと思う
    鍵人の行方が分からないから怖いし、再開した時何が起こるか不安すぎるけど、...続きを読む
  • 鬼の跫音
    2006〜08年にかけて『野性時代』に掲載された作品を
    まとめて単行本化された、初の短編集。
    デビューからまだ2年、からの作品だから驚き。

    6つの物語からなる本作。
    どれも仄暗い物語ですが、
    不思議で幻想的なアプローチに一気に惹かれました。
    それぞれの作品が一筋縄ではいかず、
    必ず驚かせてくれると...続きを読む
  • 花と流れ星
    『骸の爪』の後に読みました。
    真備シリーズの3冊目。短編5話。
    『オディ&デコ』では、風邪をひいた真備さんの”方言”に笑ってしまった。
    『花と氷』では、”氷”と向き合いながら生きていく真備さんと北見さんに元気をもらった。
    素敵な表現だと思った。
  • 骸の爪
    ”笑う仏”、”血を流す仏”、”ばつ2”、”返却された仏”どれも物知りでないと
    分からないトリックや理由で真備さんでないと解けなかったさすが名探偵。
    最後が衝撃的だった。
    毎回事件を持ってくる道尾くん、何かしらやってくれる道尾くんが愛くるしい。
  • 本格王2021
    方丈さんが好きで方丈さん目当てで買った。
    アミュレットホテル、とても楽しく読めて好き。

    他にも初読みの作家さんが多く、楽しく読め気になる作家さんが増えた。
  • 龍神の雨
    ものすごく良かった。
    ここまで本に集中したのは久しぶりだ。

    今回道尾秀介さんの作品を初めて読んだ。今までも読んでみたいとは思っていたのだが何となくこれまで読めていなかった。今回空いた時間が見つかったので軽い気持ちで読書開始。心地よいテンポと読みやすい文章、かっこいい表現で次々と読み進められる。これ...続きを読む
  • 背の眼(下)
    下はとても息をつかせない展開で、終始怖かった。
    ところどころ切ないシーンもあった。
    そして、タイトルの意味が秀逸。
  • ソロモンの犬
    秋内静含む4人の大学生の幼い友人の陽介が散歩中に事故死。
    秋内静は生物に詳しい大学教授の間宮と協力し犯人を突き止める青春ミステリー。

    終始伏線が沢山散りばめられていて登場人物みんな怪しく思えた。そしていくつか予想を裏切られた。最後のどんでん返しはしばらくよむのを止めたぐらいやられた。こうも予想を裏...続きを読む
  • サーモン・キャッチャー the Novel
    零細な釣り堀とそれがある街を舞台に、個性の強い人々がそれぞれの思惑に翻弄される物語
    (簡潔に説明するのが難しい作品…)

    文庫版は最初のページに
    登場人物が描かれたタロットカードがあり、序盤各人の登場シーンはそれを見ながらなんとなくの人物像をイメージできた
    読み終わった後にもう一度タロットカードを見...続きを読む
  • ノエル―a story of stories―
    児童文学でつながる3編の連作小説

    それぞれの話の中、不穏な空気は漂いつつも、だれも悲しくさせない結末に辿り着いてにっこり
    特に「光の箱」が好きだった(ミスリードにもちゃんと引っかかったし)

    作中に出てくる児童文学、本当に絵本になってくれたらいいのに
    蛍とカブト虫とヤモリの話とか、大人も考えさせら...続きを読む
  • 光媒の花
    陰鬱な雰囲気にぐっと吸い込まれそうでした。
    重く、決して明るくはない話が、後半に向かって光が射してくるところがよかった。ラストの章、主人公の心の声に思わず目頭が熱くなる。
    この世界は光ったり翳ったりしながら動き、高い場所から見てみれば、全てが流れ繋がり合い、いつも世界は新しいと。
    ミステリー要素とい...続きを読む
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)
    盗聴専門の探偵が、受けた依頼によって巻き込まれる事件
    彼を取り巻く人々やその過去
    新しくスカウトした同業の女性

    複数の要素が出てくるけど、短い章立てで組み立てられていてするすると読める
    でも、この"するする読める"ということすらたぶん罠

    本を読むとき、目の前にあるのは文章だけで
    その文章を頭の中...続きを読む
  • ソロモンの犬
    大学生の青年と動物生態学者が、幼い少年の命を奪った交通事故の真相に迫っていく長編

    事件の深刻さ(重々しい雰囲気)と大学生の青春事情?という軽さのバランスが不気味で、「子どもが目の前で亡くなったんですよね??」となるけど
    その軽さと明るさがあるために読みやすく、手が止まらなくなる
    青春ミステリって青...続きを読む
  • 球体の蛇
    さすが道尾先生というか、このもどかしさとやりきれなさから更にずぷりと沈め込まれるような痛み、心グサグサやられてしまう。毎回しんどさのメーター振り切れるんじゃないかってくらいなんだけど、これがクセになるんだっ。やめられない重痛の魅力。
    主人公の床下の行動は乱歩作品みたいな変質っぷりだなぁと引いてしまい...続きを読む
  • 鏡の花
    『光媒の花』と同じくリンクしていく連作短編集。各章共通する登場人物達なのだけれど、全く違う道を歩んでいるお話。生と死と、昏く重みある先に、光を見出すような最終章のまとめかたが相変わらず凄い。
    あの時ああしていれば、そんな生きていく上で思わずにはいられない幾つもの「もしも」。分岐の世界の中にも更なる「...続きを読む