道尾秀介のレビュー一覧

  • 龍神の雨

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    血の繋がりのない親と人生を歩む事になってしまった2組の兄弟(妹)の物語。作中ずーっと雨が降り続いている様子が、すれ違う思いと意外な結末へと導く展開を、しとしとと、ジメジメと、切なさを倍増させていきます!!
    感動とハラハラが楽しめる珠玉の作品!!

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    2025年01月14日
  • 雷神(新潮文庫)

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    ネタバレ

    最高。

    久し振りに移動時間や寝る前の時間が待ち遠しくなる本に出会えた。

    30年前、心優しい姉が母親の仇を取るためにお祭りのキノコ鍋に毒を盛った。
    事実を知った主人公の父は自らが罪をかぶり、娘が責められぬよう、娘の失った記憶が戻ることがないよう、一生を終える。

    15年前、主人公の心優しい娘のささやかな心配りが原因で、妻が事故に遭い亡くなってしまう。
    主人公もまた、その事実に娘が気付くことがないよう、秘密を胸に抱えて一生を終えると決意する。

    2つの事件が絡み合い、さらなる凄惨な事件を引き起こす。
    冬の雷の無慈悲さが心を打つ。

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    2025年01月14日
  • カササギたちの四季

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    「嘘」を基点とした物語。誰かの嘘に嘘を重ね の推理を正当化する。あくまで謎の解決はその結果生まれたものだという展開が面白い。
    面白かった…と同時にこれだけ複雑な展開を明瞭に違和感なく落とし込める道尾さんの技量に感服する。

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    2025年01月07日
  • 雷神(新潮文庫)

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    ネタバレ

    2本の線がどこに加わったのか、手紙を注意深く読んだが、すぐには気付きませんでした…
    雷と雪の字が似ていることに加え、手書き文字の妙が活かされたトリックだと感じました。
    最後の1行もそうですが、最後から2行目を読んだときにハッとさせられました。

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    2024年12月15日
  • わたしの名店

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    様々な方がお気に入りのお店を、そのお店のエピソードと共に紹介してくれる1冊

    朝井リョウさんはギャグ漫画のような語彙力高すぎの表現力でガリガリ君が1本刺さってるサワーを出す早稲田大学生の定番丸八を

    孤独のグルメの作者である久住さんは佐賀の絶品餃子を南吉を

    人それぞれの名店をこれでもかとくらい惜しみなく紹介してくれる、読むための食べログ

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    2024年11月28日
  • 透明カメレオン

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    完璧じゃないって、いいなって。だからさ、自分が弱いこととか、不完全なこととか、僕は誇りに思ってるよ。弱かったり不完全だったりするのはいいことなんだっていう、その事実の生き証人になってやるつもり。

    鳥みたいに空を飛んでみろと言われたって、そんなことはできない。でも、そのかわり僕たち人間は、空を飛ぶのを夢見ることができる。願うことができる。そういったことが、何よりの力になる。

    素敵な言葉で胸に突き刺さりました。

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    2024年11月23日
  • 満月の泥枕

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    おもしろかった!!
    半分もいかないくらいでもう山場となる場面がきてしまい、この後は一体どうするのかと思いきや…。そこから流れががらっと変わり、その後も予期せぬ展開が続くので、最初から最後までずっと楽しめた。物語の序盤だけでなく、途中何度も「これからどうなるの!?」という期待を持たせてくれて、ちゃんとそれを裏切らないからおもしろい。
    くすっとしたり、心が温かくなったり、はらはらしたり、いろいろな感情が味わえる。
    そして、登場人物たちは人生に少しつまづいたりした人が多いのだが、人間味があってなんだかあたたかくてみんな好きになってしまう。
    本当にこれは読んでよかった。

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    2024年11月21日
  • 龍神の雨

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    すごく良かったです。
    道尾秀介先生の作品はどれも好きなんですが、
    ドラマチックで、切なくて。
    あっと驚くところもあって。
    かなりおすすめです!

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    2024年11月14日
  • 貘の檻

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    道尾作品の独特の雰囲気、不気味さ、徐々に迫り来る真相が同時に味わえる物語だった。特に夢の描写はこの気持ち悪さこそが道尾秀介だ!と叫びたくなるくらいファンとしてとても嬉しくなった。「向日葵の咲かない夏」越えの衝撃は言い過ぎかもしれないが、それでも劣らないほどの衝撃はしっかり受けた。圧巻の小説なのでぜひ。

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    2024年10月28日
  • ソロモンの犬

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    とても面白かったです
    秋内、京也、ひろ子、智佳の大学生4人が大学の先生の息子陽介の事故に関わった話
    キーとなるのはオービーという飼い犬。
    ラストにどんでん返しはあるけど嫌なショックは少なく全体を通して青春ストーリーなので読みやすかった

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    2024年10月20日
  • 花と流れ星

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    真備シリーズの短編集。

    冒頭の「流れ星のつくり方」は、かつて読んだ最初の道尾作品なのだが、これにすっかり魅了されてしまって、道尾さんのファンになったのだった。

    何度読み返しても、好きな作品だなぁと思う。

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    2024年10月17日
  • ラットマン

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    非常に面白かった
    作中でも説明があるがラットマンは同じ絵でも横に書いてある絵を見たことにより違った絵に見える騙し絵のこと
    みんなラットマンを見ていたのだ

    登場人物がそれぞれ違うラットマンを見ているのだが不思議と話が繋がる
    ひかりが死んだ事件の結末を知った時なるほどやられるた!
    っと思ったがエピローグで23年前の事件の結末も明かされた時ダブルパンチでやられた気持ちになった。
    悲しくも嬉しいような自分でも初めての感情に驚かされた

    過ちと正しさがそっくり同じ顔をしているのであれば誰がそれを見分けられるというのだ

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    2024年09月27日
  • 透明カメレオン

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    漫画のような展開で油断していた。ラストに明かされた真実には胸が苦しくなったし温かさもあった。存在するって当たり前じゃないし、脆いもの同士の積み重ねなんだろうなと再確認できた。数日経ったらまた忘れるんだろうけど、度々思い出したい。

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    2024年09月14日
  • スケルトン・キー

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    まんまと騙された。
    章ごとに感じる違和感はなんとなくあったし、サイコパスの例のあたりで気づけたのかもしれないけど、、、
    サイコパスだしな〜で納得していた〜。
    相変わらず描写が鮮明すぎて、文章なのにグロかった。
    とにかく最後まで一気に面白かった!

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    2024年08月31日
  • 光

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    ネタバレ

    よかった。とてもよかった。
    こんな子供時代を過ごしてみたかったと思わせる一作です(ただし危ない目に遭ったのを除く)。

    仲間たちもすごくいいですよね。間違った行動をしてしまう時もあるけれど、それが仲間のためっていうのがすごく素敵。

    夢を語り合って、それが叶ったり叶わなかったりするのも結構リアル。

    あと余計なことかもしれませんが、最初の赤い水の物語で、この作者の別の作品が頭をよぎって、また狂った少年が出てきたと思いましたが、全然勘違いでした。すみません清孝くん(汗)。

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    2024年08月22日
  • 龍神の雨

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    ネタバレ

    「まぁ、俺そのうち痩せてカッコよくなるけどね」
    逆裁DL6号事件のあの一言の時の「…は?」と同じ恐怖と戸惑いと鳥肌を味わった。
    「オイオイオイ何が起きてるんやちょっと待ってくれ」てなってひとまず本置いてトイレ行って落ち着こうとした思い出。
    トイレ出てまたすぐ続き読み始めてそこから一気に読んだ思い出。
    全部分かったうえでもう1回読みたいな。

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    2024年08月01日
  • 鏡の花

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    この本全体が一本の大きな木のように思えた。あちこちに伸びていく枝葉のように、物語は違った方向へ進んでいく。

    最後はたくさんの物語と思いを乗せながら一本の木として光に向かって伸びていく様を思わせた。

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    2024年07月25日
  • わたしの名店

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    読んで、めちゃくちゃ敷居が高いけど、銀座の久兵衛で江戸前鮨を食べてみたくなった。
    もうカウンターで食べても許される歳ではある(笑)

    佐賀には行ったことがないけれど、あの餃子食べてみたい!ゴローさんも食べたかな。

    澤村伊智さんが、コロナが明けたら真っ先に行きたいと言っていたお店、イラストの下に小さく閉店文字があって切なくなった。

    藤岡陽子さんのおばあちゃんとお姑さんの、キッチンゴンに出前を頼む時の言葉には、昼休みなのに涙がじんわり出てしまったよ。

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    2024年07月23日
  • 光媒の花

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    とても面白かったです
    短編集と思いきやそれぞれの話の時間軸や登場人物などがつながっている。
    途中で風媒花の説明シーンがある。
    風媒花は風を媒介して受粉する花らしい。
    光媒の花という作品名はまるで次の話次の話と読み進めることによって咲く花(本作)のようだ
    解説にもあったが最初は短編のつながりに少し強引さを感じたこともあった
    しかし個人的には世の中のつながりは思ってるよりも身近にあってそれぞれが繋がっていてそれぞれに光があるんだというメッセージなのかなと思った

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    2024年07月21日
  • 月と蟹

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    直木賞受賞作品です。
    舞台は鎌倉。小学4年生という
    幼い少年の心の内を描いた小説です。秘密基地的な遊び、子ども時代特有の生き物に対する残酷さ、背伸びをした悪い遊びなどを描きつつ、話は進んでいきます。

    主人公の慎一、春也そして鳴海という同級生。皆、家庭や過去に悩みを抱えています。
    基本的には慎一の内省を描いた暗めのタッチですが、クライマックスでの疾走感溢れる文体と、ラストの静かな終わり方が印象的です。

    小学生の高学年という、子供から脱皮していく微妙な時期の心のうちを見事に描いた素晴らしい作品です。



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    2024年07月07日