道尾秀介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
貴重な読書体験だった。
名のない毒液と花→笑わない少女の死→消えない硝子の星→眠らない刑事と犬→飛べない雄蜂の嘘→落ちない魔球と鳥
の順で読んだが、最後に読んだのが「落ちない魔球と鳥」でよかったと思った。
巻末の解説でも、私とは別の順番で読んだにも関わらず、この順番で読んでよかったと記されており、他の順番でまた読み返したいと思わされた。
読み進めるごとに、他の章とのつながりが意識され、既読の章のページを捲り、また戻って読み、を繰り返しながら読んだ。
物語の絡み合い方が絶妙であるが、もちろんそれぞれに出てくるストーリー単体も面白く、美しい描写が多く、映像が頭に浮かんでくるようだった。
また少し話を忘れてきた頃に読み返すだろう。
そのときが今から楽しみ。 -
Posted by ブクログ
1話1話の完成度が短編としてかなり高くて毎回震えた。話の繋がり方もすごく自然で、それでいて毎回名前が出たり、時系列がわかったり、その人の過去がわかったりする度に鳥肌が立った。切なくて、感動的でちょっと救いのある話だった。読む順番によってどの事実を先に知るかが変わり、どこで衝撃を受けるかがかわる。謎が生まれ、解決されるという体験が読む順番によってどこで謎が生まれどこで解決されるのかが変わるというすごく面白い体験をした。きっとひとりでは楽しめなくて、他の人にも読んでもらってその感想から新たな「N」を知れるんだと思った。個人的には消えない硝子の星の話と江添&吉岡の話が大好きだけど、まじで全員好きニシキモさんもヨウムの2人も新間せんせいも。この物語にモブキャラは居ない。実際にはいるのだが、しかしその人たちにもそれまでの物語があり、これからの未来もある。ぼんやりとした俺の生活にもいつか天使の梯子が降りて光の花が咲いてくれるような少しだけ前向きになれた。俺は「笑わない少女の死」→「落ちない魔球と鳥」→「消えない硝子の星」→「飛べない雄蜂の嘘」→「眠らない刑事と犬」→「名のない毒液と花」の順で読んだ。
-
Posted by ブクログ
子供たち(利一、慎司、悦子、清孝、宏樹、劉生)がみな生き生きとしていて、「こんな子いたなあ」と不思議な懐かしさに浸ってしまった。
特に、貧しい環境の清孝君の健気さと強さを読んで、「小学校の同級生だったあの子は今頃どうしているだろうか」と気になった。
「ポックリ」先生のマネをする慎司の場面では、顔がニヤけた。他にも利一による描写が、いちいちツボに嵌り、数ページ置きに吹き出した。
子供の頃の大冒険を、その中のひとりが後に「作家」として書き記す、という構成は、スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」を思い出させる。
大林宣彦さんの解説を読むまで、冒頭の扉の1頁に隠されたメッセージを理解出来ていなかった。さすが道尾秀介。隅々まで無駄のない構成。
大人の中では、清孝のばあちゃんの「キュウリー夫人」が最高だ。犬にも子どもにも、本気で向き合う真剣さが素晴らしい。変なあだ名が付いているくらいなので、子供から見て「素晴らしい大人」ではないのだろうが、犬のワンダに四つん這いで張り合うくらいだから、インパクトが絶大なのは間違いない。
全7章のうち、6章と最終章が繋がっている以外は、連作短編風ではあるが、登場人物の配置は一貫しているので、全体でひとつの長編小説として読むのが正しいのだろう。が、敢えて一篇を選ぶとすれば、第二章の「女恋湖の人魚」がお勧め。(小粒ながら)最も謎解きの要素が多く、かつ、伏線回収も見事だし、教頭先生の哀愁もよい。
-
Posted by ブクログ
ネタバレはじめての道尾秀介先生作品。
めちゃくちゃおもしろかった。
どんでん返しとはこれか!というほど想像つかないラストでした。
一区切りついたとこで終わるかな〜と思ってたのですがまさかのラスト・・・
色々ミスリードはあったようですが、全く気づきまへんでしたよ!
また詐欺がテーマなのですが、
「騙されたことに気づかないのが理想的な詐欺」と我々が騙されたことに気づくようになっている本作というのが対比になってるのもおしゃれポイントですよね。
内容ですが、詐欺師の2人組がひょんなことから
5人と1匹になって、復讐相手にみんなで大ペテンをしかけてやろうぜ!って話。
キャラクター1人1人がそれぞれ辛い過去を持っており、共依存のように5人と1匹で暮らしていく
(5人のうち2人は少女で主人公はおじさん)。
なんか、おじさんと少女って相性いいですよね。
好みの問題ですかね笑
本作でとても好きなシーンがありまして、
主人公(おじさん)がまひろ(少女)の持つ重そうなバッグを気にかけた際に、まひろはバッグの片方の持ち手を主人公に渡します。すると、主人公は「いいよめんどくせえ」と言ってバッグを1人で持って行ってしまいます。
すると、まひろは少し悲しそうな顔をします。
まひろはバッグを持って欲しかったのではなく、
一緒に持ちたかった(父親がいないことによる憧れ)
ことが伺えてもう好きです。はい。
ナルトが自来也先生にアイス半分もらうとこくらい好きです。伝わらない人はナルト読んでね。
次に好きな言い回しです。
「ミーミー足にまとわりついてかるトサカ(同居する猫)を餌で黙らせ〜」
猫ガン無視で笑っちゃいましたね。
餌で黙らせると言う表現、どっかで使いたいですね笑
長くなりましたが、まとめとして本作を一言で表すと"大どんでん返しサスペンス!"ですかね。
今まで読んだ本でも飛び抜けてびっくりでした!