道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供時代特有の輝き、いつまでも続く感じ
大人になった今、振り返った時のあの眩しさ、切なさが丁寧に表現されていて、結構好きな作品です!
子供時代を振り返る教頭先生が印象的で好きでした
誰しもが、子供時代の記憶は楽しい部分も苦い部分もそれぞれ持ち合わせており、ふとしたきっかけでそれに光が当てられた時、まるで化石が(本作になぞらえるとアンモナイトが)蘇るような感覚に包まれるんじゃないかと心底思いました。
大人になると悔しいことに懐疑的になるもので、素直に物事を信じることができなくなってしまいますよね、、子供が計画する未知の洞窟探検や「アジト」での話し合いから滲み出るワクワク感、この世の秘密を独占していることへの優越感には共感できると思いますよ!
読後に、最近強く願ったことって何かあったっけ?と考えてみたところ、1つあったなーって
「サッカーW杯、vsスペイン戦、日本の勝利」奇跡がマジで起こったって興奮してたっけ笑 -
Posted by ブクログ
貴重な読書体験だった。
名のない毒液と花→笑わない少女の死→消えない硝子の星→眠らない刑事と犬→飛べない雄蜂の嘘→落ちない魔球と鳥
の順で読んだが、最後に読んだのが「落ちない魔球と鳥」でよかったと思った。
巻末の解説でも、私とは別の順番で読んだにも関わらず、この順番で読んでよかったと記されており、他の順番でまた読み返したいと思わされた。
読み進めるごとに、他の章とのつながりが意識され、既読の章のページを捲り、また戻って読み、を繰り返しながら読んだ。
物語の絡み合い方が絶妙であるが、もちろんそれぞれに出てくるストーリー単体も面白く、美しい描写が多く、映像が頭に浮かんでくるようだった。
また少し話を忘れてきた頃に読み返すだろう。
そのときが今から楽しみ。 -
Posted by ブクログ
子供たち(利一、慎司、悦子、清孝、宏樹、劉生)がみな生き生きとしていて、「こんな子いたなあ」と不思議な懐かしさに浸ってしまった。
特に、貧しい環境の清孝君の健気さと強さを読んで、「小学校の同級生だったあの子は今頃どうしているだろうか」と気になった。
「ポックリ」先生のマネをする慎司の場面では、顔がニヤけた。他にも利一による描写が、いちいちツボに嵌り、数ページ置きに吹き出した。
子供の頃の大冒険を、その中のひとりが後に「作家」として書き記す、という構成は、スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」を思い出させる。
大林宣彦さんの解説を読むまで、冒頭の扉の1頁に隠されたメッセージを理解出来ていなかった。さすが道尾秀介。隅々まで無駄のない構成。
大人の中では、清孝のばあちゃんの「キュウリー夫人」が最高だ。犬にも子どもにも、本気で向き合う真剣さが素晴らしい。変なあだ名が付いているくらいなので、子供から見て「素晴らしい大人」ではないのだろうが、犬のワンダに四つん這いで張り合うくらいだから、インパクトが絶大なのは間違いない。
全7章のうち、6章と最終章が繋がっている以外は、連作短編風ではあるが、登場人物の配置は一貫しているので、全体でひとつの長編小説として読むのが正しいのだろう。が、敢えて一篇を選ぶとすれば、第二章の「女恋湖の人魚」がお勧め。(小粒ながら)最も謎解きの要素が多く、かつ、伏線回収も見事だし、教頭先生の哀愁もよい。