道尾秀介のレビュー一覧
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人は、いかに主観だけで物事を捉えているかを思い知らされる作品だった。
作中に散りばめられた「思い込みの種」があまりに巧みである。
その種から導き出した結論めいたものは、物語が進むにつれて、ことごとく覆されていく。
どんでん返しの快感を存分に味わえた。
そしてストーリー展開の面白さに加え、引き込まれるのは登場人物たちの複雑な感情の描写だ。
特に姫川が抱え続けている深い哀しみや、母との関係性に苦しむ姿には胸が締めつけられる。
「思い込み」は、その対象への想いが強いほど誤った方向へと勝手に歪んでいく。
原因は愛なのか、憎しみなのか、それとも執着のような感情なのか……。
さらにエピローグが素晴らしい。
疾走してきた物語は、ここでやっとスピードを落とす。
ラストでは、ほのかな救いの光を見るのだが……。
胸の奥に哀しみが沈んだまま、切ない余韻が長く残る読後感だった。 -
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ネタバレ道尾秀介さんの作品は、大好きなので、読み漁っている感じなのですが、前に読んだ「I」と同様に、新感覚のエンターテイメント小説であり、非常に面白かったです。
1話目の「聞こえる」は、最後に、殺された夕紀乃の父親を装った男が荷物を回収しに来ますが、その男こそが、犯人であったことに、寒気を感じました。
2話目が、個人的に1番怖く、叙述トリックのような形で紡がれていた感じでした。音を聴くことによって、自分は今まで何を読まされていたのだろうと思わされぐらい、ミスリードが巧みでした。講演者と主人公の境遇が、全然違ったことに、戦慄を覚えました。
3話目は、唯一のハートウォーミングであったような終わり方でした。最初、読んだときは不思議な終わり方でしたが、理解すると、セミが勘違いしてしまい、主人公に自分の命を授けようとしていたところが、印象的でした。セミは、主人公のことを思う人物像が浮かびあがってきました。結果的に、セミは勘違いをしていただけで、親には見捨てられていなくて、良かったです。
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ネタバレ道尾秀介さんの本は向日葵の咲かない夏、いけない、に続き3作目。向日葵の咲かない夏と同様不穏で重苦しいのに読み進めずにはいられない。以下ネタバレ含む感想。
わりとはじめの方で脅迫者は父の死を知らず父を脅しているつもりなのでは、過去の件で脅しているのでは、という可能性に思い至ったのだけれど、その後の丹念なミスリードによって主人公が犯人で脅迫者は勘違いをしていて姉は主人公の犯罪をやめさせようとしてるのでは、と考えてしまった。さすがに終盤ミスリードあからさまだったのでこれはやはり・・・と勘付いたけど。あと手紙は二本の線以外にも「、と十」を書き出してるのではないかと思ったけどこれは私の勘違いかもしれない。そして人ならざる雰囲気を漂わせていた胡乱な探偵役の秘密が何かあるかと思ったけど凄い探偵の素質があるだけの人だった。
個人的には向日葵の咲かない夏よりも良かった。
それにしても救いのない終わり方をせずにはいられないのだろうか、この方は。容赦ない。 -
Posted by ブクログ
全ての伏線を華麗に回収している本だと聞いて購入しました。たしかに華麗に回収されていて、そうなるか〜という感想でした。
第1話 谷口楽器で秋絵と出会った。7年前に別れ、その1ヶ月後に秋絵は死んだ。
第2話 盗聴専門の探偵事務所に谷口楽器社長と刈田がやってきた。黒井楽器が新デザインをパクっていると思うとのこと。
第3話 バー「地下の耳」で三梨は夏川冬絵と飲んでいる。冬絵はファントムで働いてくれることになった。
第4話 冬絵は黒井楽器に潜入する。鍵のかかった引き出しを探ってもらう。
第5話 5階企画部。解錠してデスクを探る。
第6話 探った書類はデザインの盗用とは無関係。
第7話 谷口楽器の刈田に進捗状況を伝える。カセットコンロを取り出して寄せ鍋にする。
第8話 秋絵のお箸で冬絵が食べる。写真が一枚もないと言ったら、冬絵も写真が嫌いだという。
第9話 四菱エージェンシーをやめたかったのだと冬絵がいう。
第10話 トウヘイが現れてトランプ占いをしてくれたが、意味がわからない。
第11話 今夜黒井楽器が動くという情報。
第12話 黒井楽器の村井さんが殺される。携帯電話をみると、公衆電話から昼と夜の2回電話があったようだ。
第13話 タバタという女が関与していて、凶器の文化包丁に指紋の拭き残しがあった話をすると冬絵は帰ってしまった。
第14話 保坂くんが僕は役に立っていますかと訊く。
第15話 焼き豚パーティーをすることになって、冬絵に連絡する。トウヘイがトランプ占いをする。冬絵が来る。
第16話 冬絵はどうやら部屋の片付けをしていない。そして、料理をしない。
第17話 秋絵の命日が近い。墓参りに行く。なぜか背面に穴の空いた招き猫がいる。秋絵の父母が来る。家に誘われた。
第18話 秋絵の逸話にあまり意外なものはなかった。ただ高校卒業以来家に寄りつかなかったらしい。泊まっていくことになった。
第19話 両親が秋絵の部屋にあった白い封筒と赤いビニールテープの話をしだす。しかも運動着に着替えて髪を不揃いに切っていたらしい。いつも持っていたハンドバッグもなかったらしい。父親は殺人を疑っているらしい。
第20話 冬絵の電話を漏れ聞く。タバタと名乗っていた。
第21話 谷口楽器に契約解除を告げる。冬絵の四菱エージェンシーでの偽名が田端冬美だとわかる。冬絵は昔若い女を殺したという。ひょっとしたら秋絵を殺した?
第22話 冬絵は出て行った。あの女はやめたほうがいいとマスターがいう。
第23話 悪人は深海魚と一緒で、いくら周りから圧を受けても潰れない。
第24話 新聞に殺人犯は若い女と出る。刈田が匿名で通報したようだ。
第25話 谷口社長に会う。冬絵の悲鳴が聞こえる。
第26話 冬絵が乗っていると思しきヴァンを追いかけるがまかれる。行き先はわからない。トウヘイに占わせる。ダイヤの4。
第27話 四菱エージェンシーでは三梨を警戒している。2階から冬絵の声が聞こえる。
第28話 解除して入ると男が10人ほどいた。殴られる。
第29話 なぜか野原の爺さんが現れて冬絵を連れて帰る。ミニクーパーが迎えに来る。
第30話 四菱は昔野原探偵事務所にいたらしい。
第31話 冬絵は打撲程度。本当に四菱から抜けたかったそうだ。
第32話 冬絵が秋絵と無関係だった。そして殺人事件の解明に向かう。
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購入済み
いろいろと
教訓めいた言葉や豆知識も織り込みながら
沢山の伏線を撒きながら、最後はちゃんと
しっかり回収
それ程重い部分もなく、サクッと
しっかり裏切られながら読めました -
Posted by ブクログ
ネタバレ「カラスの親指」で活躍したあのメンバーが帰ってくる続編ということで、前作も再読してから読んだ。テツさんの大掛かりなペテンにまんまとはまってから数年、詐欺から足を洗って暮らしていた武沢の前に、詐欺師に欺された母親が飛び降りを図ったという少女キョウが現れる。取られた金額の回収と、組織を白日の下に晒すために、武沢は一度限り再び詐欺を働くことを決意するーーー。
とはいっても、この作品だけに一筋縄ではいかず、後半になるにつれ明らかになる武沢の本当の計画、そしてそれだけではない今回のストーリーの全貌、、、と、前作と同じように二重三重に張り巡らされた仕掛けと伏線のオンパレードに、舌を巻くばかりだった。やはり最後は温かい気持ちになる終わり方も、変わらずに良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ謎解きは苦手だし、ミステリも推理しながら読むことはなく探偵役の言うことを鵜呑みにしているけど、『いけない』で初めて謎を解く楽しさを味わえて、本作でも同様だった。頑張ればわかる難易度になっていてありがたい!この難易度の謎解きなら何度もやりたい!
2話目はイヤフォンで聴くことによって、寺門の位置(入口側・左側)から脅迫するセリフが聞こえ、最初に想定していた立場と逆だ!と気づけた。立体音響的に聞こえたけど合ってるかな?冒頭でイヤフォン・ヘッドフォンの使用を推奨していたのはこのためか!と思った。
ただ1話目が腑に落ちない。真相はわかったけど、犯人何者なの?とか、なんで音楽聴いてる時に話しかけてきたの?など疑問がある。
3話目も玄関から音声って聞こえる?と思ったけど、玄関の近くの部屋ならまあ聞こえるか……
これだけはハッピーエンドでホッとした。
腑に落ちない点もあるけど、読書体験としてはとてもおもしろかったので高評価つけました。 -
購入済み
これでもか
これでもかと続くどんでん返し
もうこの著者さんの作品には騙されないぞ
と毎回読み始めますが
今回もまさかまさかのどんどんでんでん返し
と伏線回収