道尾秀介のレビュー一覧

  • シャドウ
    重い溜息が出るわぁ…
    道尾秀介氏の作品は「そう来たか」としか言えないけどまじでやられた。
    これは確かに界隈で有名な作品として挙げられるわ。面白かったぁ。
  • サーモン・キャッチャー the Novel
    妻子と別れ落ちぶれた風情の『大洞』。娘『明』に良いところを見せようと、世話を任されていた鯉を盗み、彼女のバイト先の釣り堀『カープ・キャッチャー』へ放すが失敗。一方明は、Wev受講しているヒツギム語の講師が拉致されるのを目撃してしまって以来、身に危険を感じていた。
    その後大洞は鯉の持ち主である富豪の老...続きを読む
  • 龍神の雨
    道尾秀介の描く情景描写が好きで、これはそれが存分に出ている一冊。読んでいて、ずっと雨音に囲まれているようなそんな感覚になる。何度も読んだし、忘れた頃にまた読みたい。
  • 鏡の花
    あの行動をとらなければ、あの時ほんの少し違ったら、別の世界になる。
    これは家族を失う喪失の物語だ。
    だが次の章になると家族の中の生者と死者が入れ替わり、残された家族の人生が全く違ったものになる。その時、家族の別の一面が明らかになる。
    そしてある家族の喪失の物語が別の家族の物語へと繋がっていく。
    なん...続きを読む
  • 背の眼(下)
    霊の仕業なのか人間の仕業なのか、オカルトなのかミステリーなのか、それがこの作品の面白いところだと思った。
    新しい読み心地。

    上巻の前半強は冗長気味ではあったものの、後半から下巻終わりまで、どんどん変わっていく展開を夢中になって読んだ。
    怖くないな〜と思ってたらいつの間にか怖い場面もあって、作者の強...続きを読む
  • 背の眼(上)
    「ホラーだから時と場所を選んで読も……」って思ってたのに!
    つ、続き気になる〜〜!
    あらかじめ下巻も買っておくべきだった。

    ホラーはあまり得意ではなく恐る恐る読んでいたけれど、途中から一気に読んでしまった。
    何となく「これ伏線だな〜〜」みたいなのはわかるけれど、下巻の予想は全然できない。

    提示さ...続きを読む
  • 貘の檻
    おもしろかった。誰が悪い訳でもなく、思い込みと思い違いが悲しい結果を生んでしまっていて、それが最後まで重なり合う事はなかった。結局子供であるはずの俊也が一番素直で冷静でたくましかった。
    途中の悪夢の回想部分が少しくどくどしくて苦手だった、、。
  • サーモン・キャッチャー the Novel
    あー面白かった!!
    上質コメディです。
    道尾秀介さんの小説って映像が浮かぶんですよね。もうコメディドラマか漫画を見ているようでした。
    一つ一つのエピソードは重いのに、どうしてもこんなに軽やかな読後感。爽快感半端ない!
    本当に楽しいひとときをもらいました。

    ヒツギム語、本当にあるの?と思って検索しち...続きを読む
  • 光

    田舎町で暮らす少年少女の物語。毎日が冒険で友達と過ごす日々は本当に光り輝いていた。成長物語の要素はもちろんのこと、ちゃんとミステリの要素もある。道尾秀介さんはホラーなんかもあるため身構えることも多いけれど、本作は爽やかな読み心地なので安心して読んでほしい。自分の子供の頃を思い出すからか心に残った作品...続きを読む
  • 背の眼(下)
    霊現象か精神疾患か。
    ホラーミステリーを楽しみつつ、大事な人を失った人達のさまさま様相が書かれていて、自分の場合はどのようになるのか少し考えてしまう。

    重々しい気持ちになりたくて手に取ったけど、思っていたより爽やかな終わり方だった。

    まぁ多少はダメージをくらっているが。
  • 月の恋人―Moon Lovers―
    久しぶりにただただ好き!となる本に出会った感じ。途中であれ、これ誰の本だっけって作者を見返したくらい、道尾秀介っぽくない文章だったけど、あとがきを読んで納得しました。確かに読んでる時ずっと映像が脳内にあったかも!雨とか風景の描写、ここまで分かりやすく表現されるのねって思ってたらそういう事だったのか。
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)
    ミステリーだけではなく、外見や見えるものだけで判断することついて考えさせられた。
    自分の外見を気にしないからこそ強いのだと。
    そして、どんな人にでもただの一人の人として向き合うことの意味を学んだ。
    ミステリーとしてではないがとても面白い作品だった。
  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
  • 光媒の花
    切なさ暖かさ溢れる美しい小説でした。平凡な日常の中の忘れられないワンシーン…5編の短編の何処かに自分と接する世界があるんじゃないかと、帯のコメントのように錯覚しました。最後の話…自分が小4時の担任と雰囲気が被っていて、勝手に懐かしんでいました笑
  • 光媒の花
    ひらり舞う蝶が人と人を繋ぐかのような連作短編集。この装丁が美しい。
    移りゆく季節を感じさせる丁寧な描写。陽光、夕闇が登場人物達を映し出しているかのような表現。
    胸が締め付けられるような寂しさや哀しみ、じわりと灯る優しさと温かさを感じて胸がいっぱいに満たされるお話。
    前半、不穏と闇がある展開に沈殿しそ...続きを読む
  • 片眼の猿―One-eyed monkeys―(新潮文庫)
    とても良かった!犯人が想像ついてしまっていたので、そこは少し残念だったけど、それよりも主人公の心情や周囲の人たちとの関係がとても良かった。
    大好きな叙述トリックでいえば、もう最初の章から騙された。そしてそれを知った後も勘違いしていたとは…うまいなぁ
    冬絵と同じ悩み持ってる…
  • 球体の蛇
    最近読んだ中小説の中で一番好みな作品。
    実に美しく物語が展開され、また収束していく。
    終盤ギリギリまで本当に救いようが無い息苦しさを感じさせ、最後は読者に任せる形を取っていたのも良かった。
    小賢しい人間に特に刺さる傑作だと思う。
  • 光媒の花
    ドロっとした暗い沼地から、だんだんと光が射し込んでくるような一冊だった。

    6話連作短篇集。
    3話までは、とてもダークな道尾作品だと覚悟して読んでいたが、少しずつ光に導かれていった。

    全ての話に出てくる白い蝶。蝶にしか見えない蝶道というものがあるらしく、ヒラヒラと明るい光の方へ舞っていく。

    【春...続きを読む
  • 鬼の跫音
     ファンタジーとホラーの中間って感じがして、凄い不気味で良かったです。それだけになんか実際にありそうで怖いなと思いながら床につきます。
  • 光媒の花 3
    みっちりと密度の濃い漫画でした。ふつうの少女漫画だと3巻はあっという間に読めますが、こちらはじっくり時間をかけてよみこんでしまう。
    悲しいけど充足感と未来への淡い希望が残る、そんな作品です。