道尾秀介のレビュー一覧

  • わたしの名店

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    色んなエピソードと共に語られるそれぞれのわたしにとっての名店。読んでるだけでお腹が空いちゃう一編から、切なくて目頭が熱くなる一編、一緒に居心地の良い空間でくつろいでいる気持ちになれる一編…このページ数でここまで心を揺さぶってくるのはきっとわたしにも素敵なお店と出会った経験があるから。わたしにとってのいちばんの名店探しの旅はまだ続きそうです。

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    2024年07月04日
  • 光

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    切なく、郷愁を誘う少年たちの物語。
    それぞれの小さな胸の裡にある未完成な思いや大きな夢を、宝物のように大事に読んだ。

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    2024年07月01日
  • 龍神の雨

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    母を亡くし、継父と暮らす添木田蓮、楓の兄妹。
    父母を亡くし、継母と暮らす溝田辰也、圭介の兄弟。

    "家族"がテーマのかなり重めの作品。
    複数視点で物語は進んでいく。


    タイトルにもある通り、"雨"がキーワードになってくる。台風により雨が降り続くが、終始薄暗く不穏な雰囲気が漂っている。
    雨が降っていたから、こんなことになってしまった…?雨が降っていなければ…?

    登場人物の心理、降り続く雨、そして龍の描写が良かった。


    「想像は人を喰らう」という表現が出てくるが、添木田兄妹も溝田兄弟も、そして読者の自分も、想像と思い込みで決めつけてしまっていた部分があ

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    2024年06月29日
  • 貘の檻

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    闇の中を微かな光明を頼りに少しずつ這い進むような話だった。
    夢の話は、怖いのに目を逸らすことができないような奇妙な引力があった。

    人間は怖いけれど助け合うこともできるっていう希望を持ちたい。

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    2024年06月23日
  • 龍神の雨

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    家族って血の繋がりだけではなく信頼の道筋の方向が同じってことだと思います。
    蓮と楓。辰也と圭介と里江さん。
    物語の続きは読者に委ねられたのだろうけど、きっと哀しいけど潔い行動を2人はとったでしょうね。
    再読だけど途中まですっかり忘れていた。
    なので再度楽しめてお得でした(笑)

    道尾秀介さんは本当に好きです。
    いつも楽しませてもらっています。

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    2024年06月21日
  • 光媒の花

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    哀しさと苦しさと辛さと、そして一筋の光が見えるような一冊だった。人生は一色ではなく、どのような色に彩られた人生だったかその最期に見えるだろうか。

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    2024年06月18日
  • 龍神の雨

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    道尾秀介のこの手の話が好きだーーー

    風神雷神読んでいて、龍神があったことにこの間初めて気がついた。即購入。
    嫌な予感とそれでも読み進めたい興味で一気読み。途中から読むのがもったいなくなった。
    巡らされた伏線と人間関係、一人一人の背景。気づかずにいたミスリード。一つ一つに意味のある描写。
    読みながら興奮してしまう。

    そして解説がよかった。道尾秀介作品は私が隠された意図を読み込めていない(という自覚はある)ので、解説読んですごくすっきりした。ありがたい。

    2人はどんな選択をするのか。
    そこが描かれてないの、またよい。

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    2024年06月15日
  • 龍神の雨

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    ネタバレ

    道尾秀介6作目
    やっぱり読みやすいし引き込まれる
    後半はいつものごとく一気読みだった
    終始陰鬱で重めな雰囲気だけど
    雨の日に是非

    ■兄妹(兄弟)
    兄弟って大体は、血が繋がっていて幼い頃から一緒に育った年の近い人間
    両親と同じく唯一無二の関係性だなぁ
    喧嘩をすることもあるが二組ともお互いのことをよく見ていて、気づかれていないと思っている心の内も読まれていた
    心の奥では互いを気遣って心配しあっている、いい関係性だ。


    ■あとがき
    解釈は色々とあるんだろうけどあとがき見るとより楽しめる
    本編が気になって章の間のニュースは流しぎみに読んでしまった…
    地理の知識もガバガバだし…

    二組の兄妹(兄弟)

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    2024年06月01日
  • 光媒の花

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    ネタバレ

    各作品が完成されているのに、全部どこか繋がっていて光はどんな時も見えるはずっていう最終章のメッセージが好きだった。
    第一章の美の狂気みたいな気持ち悪い描写が最高においしかったです…

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    2024年05月23日
  • 透明カメレオン

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    見た目残念、声イケボなラジオパーソナリティの恭太郎が通う行きつけのバー。
    そこで毎日のように顔を合わせる仲間たち

    ある日突然来店した不思議な女性にみんなが振り回される。

    中盤くらいまでは話の柱を見つけられないまま進むが後半がすごい!

    そんな伏線回収が潜んでいたとは、、

    何がいいってそれぞれこキャラクターとバーの仲間のチーム感がいいです!

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    2024年05月14日
  • 鬼の跫音

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    地味にずっと気になっていた道尾さんの短編集。
    いやーーー、全話怖かった。
    6篇からなる短編集でしたが、いずれも最後に唸らされ、流石道尾秀介!となりました。
    物凄い殺戮シーンやトリック、とんでもない動機などはありません。
    しかし、語り手の持つ特徴•プロットにより、ここまで恐ろしさを感じされられるなんて…
    全然落ちの予想がつきませんでした。
    また、「冬の鬼」では、幻想的な表現も用いられていて、それがまた不気味でいい味が出ていました。
    ミステリーでもありホラーでもあり。
    やはり道尾秀介の作品は面白いです。

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    2024年05月10日
  • 晴れた日は謎を追って がまくら市事件

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    ネタバレ

    がまくら市という架空の町を舞台に、様々な事件に遭遇する作品集です。
    5つのお話が収録されておりますが、どれもとても興味深い内容でした。

    1.弓投げの崖を見てはいけない
    5年目の結婚記念日のプレゼントを買いに行った帰りに若者たちの不注意で事故に遭い、しかも証拠を消す為に殺そうとするなんて…。
    犯人たちへの憤りとともに、このお話に一気に引き込まれました。
    しかし登場人物のうち3人が物を持ったまま走る描写があり、最後に車で跳ねられた人物の手に持っていたものが飛んでいくシーンがありましたが、具体的に誰かは書かれておらず…。
    結末を読者に委ねる展開はあまり好きではなかったのですが、あとがきを読んでびっ

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    2024年05月09日
  • 風神の手(新潮文庫)

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    雷神を読んで、この作者の別作品も気になったので手に取りました。
    雷神同様に、本書も読んでいてその情景を読者が想像しやすい作品です。とくに登場人物の息遣いが伝わってくる……というか、過剰な心理描写もないのでとても読みやすい一冊でした。

    中身については風吹けば桶屋が儲かるというかバタフライエフェクトというか……。

    ここに自分が存在する理由って、いろんな事象が重なっている結果なのだなと思わせられます。
    そして終盤の伏線回収といいますか、答え合わせは美しいですね。ああなるほどな……と感じるばかりです。

    良い作者見つけました、自分を褒めたい笑

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    2024年05月02日
  • 光

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    存在しないはずの記憶が思い起こされる物語。子供時代の好奇心や、仲間といる時のワクワク感が目の前に浮かんでくるようだった。ラストの目が離せない展開もハラハラしておもしろかった。もう戻れないんだな、と切なくもなり、余韻がしばらく続くような小説だった。

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    2024年04月28日
  • カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

    購入済み

    えぐい

    騙された

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    2024年04月27日
  • 月と蟹

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    小学生の少年がヤドカリ様に祈りをするというストーリー。子供ならではの残虐性や考え方など、もう子供じゃない自分が読むと感慨深いものがあった。大人になるということについて考えさせられたのもよかった。物語自体はすごくダークで惹き込まれる。誰もが経験したことのある感情が比喩を用いて明瞭に描かれており、共感することが多かった。直木賞は伊達じゃないと思われされる作品だった。

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    2024年04月14日
  • 風神の手(新潮文庫)

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    めぐりあわせ

    あれがあったら、これがなかったら
    考えてしまう
    でも過去違う選択をしていたら今の自分はきっといない
    今生きてるんだから生きるしかない

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    2024年04月13日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    綾辻さんもいつの間にかもうかなりのベテランっていうのが驚き。今をときめく若手の書き手の対談はとても興味深いし面白い。ホストが綾辻さんだから成り立っている部分が多分にありそう。もっと分量を読みたいし、他の方との対談も読んでみたい。

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    2024年04月06日
  • 貘の檻

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    閉鎖的な村で起きた過去の出来事が重すぎる。しかしそれでも道尾秀介さんの得意とする最後に解けていく謎、すれ違いからの殺人のやるせなさ等、読んでしまう…。
    デビューから約10年経っての作品で、まだまだホラー気味がある作風。昨今では様々な試みの作品が多い中で、どっぷりと暗い気持ちになれるのが『貘の檻』だ。

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    2024年03月02日
  • 風神の手

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    めちゃ、良かった!

    根底にあるテーマは「許し」
    だと感じた。悪事をはたらいた人も
    事情があって、許し合うことで、最後は
    みんなが、ひとつの情景に溶け込むような美しいラスト。ウミホタルは
    読者の心の中で、光るかのごとく。

    頭の中に
    登場人物や風景が
    自然とうかんで、
    なんだか香りや風や
    光や影まで感じられる
    素晴らしい文章。

    少年少女の淡く苦い恋。
    小5のまめとでっかちコンビの友情と冒険。
    この2つの話が
    繋がって、
    他の登場人物たちやエピソードも
    繋がって、
    パズルのピースが綺麗にはまっていく感覚が、心地よい。



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    2024年02月27日