道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ道尾作品3作目。読んだ中では一番面白かった。「スケルトンキー」のサイコパス兄弟の設定や「ひまわりの咲かない夏」の信頼できない語り手よりもリアル志向な展開なのが好みだし、章の最後に提示される写真によって物語の真相が明らかになる構造も面白かった。
最後弓子が代筆した告白文が白紙だったことに救われない夫婦の間にある絆を感じた。また、竹梨の告白文も目の見えない邦夫が破いたことで世に出ることは無くなった。ただ、これでよかったのか。二人はもう殺人の罪を償うことができなくなってしまったし、おそらく子供達は人を殺したことをほとんど悔やまずに成長していく。
「平和っていうか」と表現される街の景色には、その美しさからは想像できないような人間の罪が渦巻いている。 -
購入済み
星が少なめ
著氏の作品をデグっている最中ですが
データ容量少なめの本作を拝読
特にハラハラ、ドキドキ、
ドンデン返しもなく、伏線回収もなく
そう言う作品を期待してたのなら
星も少なめ
題名通りの作品 -
Posted by ブクログ
父の愛、記憶の欠けた子ども
この親子関係をベースとして過去と現在の物語が繋がっていく。
読む時はいつも頭の中にそのシーンをイメージしながら読み進めていくのですが、後半、あーわかっちゃった、と思ったら結局うまくうまく騙されていて•••いい気分です笑
でもラスト2行、何がそんなに衝撃的なのか、自分にはさっぱり•••。ネットで考察を見ましたが、???な感じです。
それは別として。
初の道尾作品、とても印象深いものでした。
暗くて重いテーマですが読み応えありました。
登場人物は違うけど、「神」シリーズなんですね。
別の作品もまた読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
面白い。一休みの時はこんな読みやすく面白いものがいい。でもやはり道尾作品、あなどれない。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
細かく文字の詰まった分厚い本を読んでいて疲れたので、ぱらぱらとめくってこの本に換えた。
最近の文庫は、以前のものに比べて1ページは二、三行少ない、一行の文字数も、二、三文字減っている。その分文字が大きくなって紙も少し厚めでページも少なく、気楽で読みやすい。
買うには躊躇するが読むときには、気分転換になっていい。
本代を、乏しい小遣いから捻出していた子供時代は、文字がぎっしり詰まっていて出来れば2段組で分厚いものが嬉しかった。
重いので転がっては読めない、机に座って支えがあって読めるようなものがよかった。
今はこのように会話も一行になっていると、ますます嬉しくなる。
これなら読み終わるのもすぐだろう、中身は読んでみてから、道尾作品はあまりはずれが無かったし。
主人公の三梨幸一郎は、遠くの音を聞き分ける才能を生かして、探偵業をしているが、それで住んでいるローズ・フラットの家賃は払えるし部下を一人雇うくらいの収入はある。
通りがかりに聞こえてきた話から、電車の中で不審な行動をする女に目をつけて部下に加える。
彼女は悪徳だという評判の興信所に勤めていた。実入りのいい裏の仕事を捨てて、なぜかあっさり承諾して仲間になった。
三梨は一年同居した秋絵が、7年前に自殺したことが心の傷になっている。
採用した女は冬絵といった、名前を見ても縁があったのかもしれないと三梨は思った。
引き受けた仕事は、依頼主は大手楽器屋の会長で、競争相手がどうも新製品のデザインを盗んでいるらしい、という調査依頼だった。成功報酬も高い。
夜、人気の無い時間に聞き耳を立てながら冬絵を忍び込ませて証拠を探すが、手がかりが無い。しかしそのあとすぐ、足音がして建物の中で殺人があったような物音と声を聞く。
通報で殺人が見つかり、警察が捜査を始める。三梨はその隙を狙って証拠集めをするが、いろいろと不審な出来事に当たる。
冬絵はなぜ二つ返事で承知したのか
三梨は忍び込んだ楽器屋のビルで経営者のヤクザたちに暴行を受けた。
瀕死状態のとき、ローズ・フラットの住人が駆けつけてくる。中には地下のスナック「地下の耳」のマスターまでいた。
瀕死に見えたが、マスターからもらった人形が三梨を助け、三梨はそれでも壁際にあったデータサーバーを持って、一行はほうほうの体で退散する。
このデータがさまざまな疑問に答えてくれる。
だがそれだけではなかった。
読み始めは、道尾さんも読みやすいライトな作家だったのかな、と思いながら小見出しの3くらいまで読んだ。
止めないでよかった、そこからが加速度的に面白くなった。
そして急転直下、命拾いをするところから、ローズ・フラットの住人(お爺さん、お婆さん、神様に脳をいじられた青年、特徴のある双子、過去が暗いらしいマスター、気のいい部下)のいわくのある話が、それまでの小出しにされた筋書きにつながり、冬絵のことまでうまく収まる。作者は準備怠り無かった、書き出しまで解決する。
意識的なぼかしや消化不良になりそうな部分もあるが、この本は、読む前にネタばれの感想文は読まないほうがいいと思う。
冬絵さんについてはもう少し意外性もあっていいのではないかと思うが。犯人当てのミステリではなく、ストーリに巻きこまれて、流されて、ミスリードまでされそうになって(されてしまって)、ついに本音が聞けると思えば、理屈ではないところが面白い。技あり!。
読みやすく面白く次にとりかかる元気が出た。。 -
Posted by ブクログ
物語にある二次元コードを読み取って音声(youtubeでした)を再生、それが物語の重要なピースとなっている。
そんな新しい試みの小説、読もう読もう(聞こう?)と思っていたのだが、だいぶ後回しになってしまった。
さて、その音声だが、臨場感を考慮してだとは思うが、割とぼそぼそしゃべっていたり、肝心なところが小さかったりして何度も聞いてしまう(謎解きの解説をしているものじゃないので、結局何度かは聞いて推理するのだが)。最後のやつがなかなか難しく、やっとわかったときはズルい!とも思ったけど、気づいた時の快感は他より強い。
情報の出し方を工夫して物語に色を付けてきた著者の特徴がよく出ているような作品です。