道尾秀介のレビュー一覧
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ほんタメで「感動どんでん返し」として紹介されていたこの作品。
主人公はめちゃくちゃええ声やけど外見は残念なラジオDJ。
そのDJが行きつけのバーで常連さんと飲んでいたら急に扉が開かれ、知らない女性が立っていた。そして一言。
「…コースター」
全員「コースター?」
コースターを受け取ると女性はどこかへ立ち去った。
そして誰かが気付く「さっきのって『…コースター』じゃなくって『…殺した』って言ったんじゃない…?」
みたいな感じのあらすじ。ここだけ見るとちょっとホラーというかシリアスな感じがするかもやけど、中身は結構ポップな感じで描かれていて、序盤からすごい文章も読みやすく軽快。そのまま最後の方 -
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題名になっている『ラットマン』とは、思い込みにより同じ絵なのに人によって別のものに見えるという錯視を利用した有名な騙し絵のこと。
高校時代に結成し活動を続けるアマチュアバンド“Sundowner”、ライブに向けスタジオで練習中に事件が起きる。事故か?作為によるものか?
バンドのギタリストである主人公の姫川は平常を装いつつ淡々と無機質な生活を送っている。それは23年前に起きた父と姉の死に起因している。
父の遺した最後の言葉『俺は正しいことをした…』
その言葉を自分に言い聞かせ、父の行動を模倣する。姫川は何を正しいと考え、何をしたのか?
物語の核心となる23年前の過去の真実を小出しにしつつ、現 -
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道尾秀介の作品は子どもの世界を描いたものが多い印象。
「月と蟹」も、高学年の小学生3人がメインです。
ただでさえ大人になりかけの微妙な時期。少ーしだけ見える子どもらしく無邪気な部分にやたら安心するのは、ほぼずっと息が詰まりそうな展開だからかも。
子どもって大人が思うよりも大人を冷静に見てるものですよね。
どうしたって大人の事情に心が振り回されてしまうのが、仕方ないけど辛い。
大人が言い訳したり取り繕ろったりするのも、子どもにとってはさらにキツい。
子どもの世界にもいろいろあるなぁ、しかもけっこう残酷。
なんとか自分を守ってほしいと思いながらも、それぞれに立ち向かう姿に苦しくなりました。 -
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ネタバレ連作中編集。
3つの中編とまとめ的な1編の構成。
上上町と下上町での出来事が各パートで語られ、その登場人物たちがリンクしていく。
各パートごとでも謎や解決があるが、次のパートで見方が変わり真実が明らかになったりする。
ミステリーではあるけど、ヒューマンドラマ的な感じ。
1編目 漁師見習と女子高生の恋愛物語。女子高生は家庭の事情で引越すことが決まっている中、彼氏が事故に遭い死んだと告げられるが、数年後再会する。
2編目 まめとでっかち小学生2人の物語。
3編目 女子高生の家庭の事情は祖父の会社が起こした事故と隠ぺいなのだが、それが事故ではなく人的に起こされたことが真実として語られる。 -
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バンド仲間との青春物語かと思いきや、想像を超える重苦しい展開に引き込まれ、一気読みしてしまった。どんでん返しに次ぐどんでん返しにまんまと騙され、予測はことごとく裏切られる。単なる「反転」や「トリック」では到底語れない、怒涛の物語。
「ラットマン」とは、見る角度によって印象が変わる絵。その構造が物語全体に張り巡らされ、真実と思っていたものが何度も覆される。登場人物たちは皆、思い込みや勘違いを抱えたまま、それぞれの優しさが絡み合って複雑な人間関係を生んでいく。
現在の事故と23年前の事故。この二つの出来事に翻弄される主人公・姫川の苦悩が痛いほど伝わってくる。特に真相を知ったあとの彼の感情は、読