道尾秀介のレビュー一覧
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6つの短編で構成されているが、読む順番は自由。
720通りの読み方があるという仕掛け。
企画としてはとても挑戦的かつ面白いものである。
大学の友人と共にペット探偵なるものを始めた旦那を持つ中学の理科教師。
弱小野球部を甲子園の一歩手前まで導いた偉大なる兄を持つ弟。
兄と違い野球はからきしな弟が出会った「死んでくれない」と喋る灰色の鳥。
英語を全く喋れないベテラン英語教師が
旅行先のダブリンで出会った物乞いの真似をする少女。
酒に酔った恋人から毎夜酷い暴力を受ける女と、
そのDV彼氏を殺しに来たと言う謎の男との奇妙な出会い。
ダブリンにて、在宅での終末期医療に切り替えた患者の
訪問介護を受け持 -
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ネタバレ3.5くらい。
面白かったというか、面白くなりそう、面白くなりそう、がちょこちょこ続いたけど期待は超えなかったなあという感じ。
雷とキノコと祭りのミステリー。
ミスリードの嵐。
に、よる違和感いろいろ。
幸人に2本線を足して南人にしたのかと思ったら
雪に2本線を足して雷。Qサマって感じのクイズ。お父さんよく咄嗟にこんなこと思いつくな。
お父さんかと思ったらお姉ちゃんキノコ投入。
お姉ちゃん記憶なくしてないふり30年間するの強すぎ。そしてまた一気に記憶蘇って人殺しまくるの波瀾万丈すぎ。
おばあちゃん「死んじまっていいって言ってた」
しんじまっていい→しんでもいい→しなくてもよい
まさかの「死 -
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ネタバレ気持ち悪いだとか鬱だとかは最後の驚きで吹き飛んでしまって、ずっと何を読まされていたのかと喪失感のようなものが残った。妹もどうやら虫なのではないかと疑うこともあったけど、母親の反応とかから違うと判断したし、そもそも、この虫に生まれ変わるという概念はどこまで作中で共有の概念なのかわからなくてずっとモヤモヤしていた。その謎を明かしつつのどんでん返しは想像を超えていた。みんな自分に都合のいい世界で生きているんだという内容かと思ったら実はそれすら全てミチオの都合のいい世界の中の話だったというオチ。アンフェアだとも思わないし、今までにみたことないような内容だった。
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ネタバレ道尾先生の作品は大好きで、謎解きゲームも含め体験していますが、今回も読みやすく楽しかったです。
時系列を整理して読まないと、結局結末がどうなったのか?理解するのに時間がかかりましたが、メモをしながら読み返して納得です。
詳しくはネットには載せないよう注意がありますので、大きくは言えませんが、□に入る数字がキーポイントとなり、さらにはとった赤い傘が誰のものだったかで運命が変わるということなのかと思います。
バッドエンドルートは連鎖的な不幸が続き救いがなく、救われるエンドは少しでも、主人公が前を向けたのかなと思うようにしたいです。
色々なところに運命の選択肢が散りばめられているようで、たった2 -
Posted by ブクログ
各章の終わりにある1枚の写真で真実が見えてくる。
面白い仕掛けだと思う。
たぶんそう…だよね?でもあの件はどうなった…?と自分の推理と理解力にあまり自信のないまま次の章へと読み進み、前の章との点と点が繋がって「なるほど」と腑に落ちる。
最後まで読むとほとんどの謎は明らかになるが、細かい疑問は残り、読み手の解釈に任される部分もあるのでその辺りは好みが分かれるところかもしれない。
3章まではテーマも重くこちらの気分も沈みそうだったのに、4章では眩しいくらいの晴れやかな空気に一変する。が、これで良いのか?と問われると 答えは『いけない』のだと思う。
不思議な読後感に包まれた。