道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前情報なしに読んだため、序盤は吐き気を催す描写に心折れかけたけど、世界観を受け入れた後は、するすると一気読みできた。
構成や伏線回収もとても気持ちが良く、イヤミスと言われればイヤミスだけど、そこよりも深い題材があって満足感は高かった。読み終わって、プロローグをもう一度読み返すと、更にこの作品の解像度が上がる仕掛けで面白い。
ただ、人におすすめするには、かなり慎重になる作品。動物・虫への描写や、子供に対する歪んだ感情や性癖。特に動物への辛い描写が多いため、生き物へのそういった描写が苦手な人へはおすすめできない。(現に、序盤で吐き気を催したのはそのせい。)
それでも、道尾先生の文章力や構成、人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回の物語の核となる、蜘蛛になったS君が『僕は自殺じゃない、殺されたんだ』と言ったのも、ミチオが都合良く練り上げた妄想だった、というのが衝撃でした。
終盤の対決では、ミチオが何もかも見透かしすぎてて、泰造の気持ちが手に取るようにわかりました。
ミチオが泰造に言った『ただ逃げ出したいだけなんだよ』ってセリフ。
お前が言うんかいって言いたくなりますが、ミチオはそもそも自分が現実逃避しまくってるから、泰造の思考回路や行動が手に取るようにわかってしまうんでしょうね。
そのわかりすぎる感じが脅威でしたね。
あのラストは、終わらない悲劇と言うか、ミチオはこれからも自分が作り上げた物語の中で生きていく、生き -
Posted by ブクログ
大衆向けエンターテインメントとしては抜群に面白かった。
東野圭吾作品のような読みやすさがあり、キャラクターも一人ひとりしっかり立っている。場面も映像として想像しやすく、最後までテンポよく一気に読ませる力がある。一方で、「小説だからこそ味わえる」という魅力はそこまで強くなく、疑似家族的な関係性にも深く感情移入したというより、個性的な登場人物たちが集まって動いていく面白さの方が印象に残った。
そして最大の仕掛けについては、正直少し引っかかった。振り返れば伏線は張られているし、読者に明確な嘘をついているわけでもない。ただ、人物の感情や情報の隠し方まで含めて、かなりフェアプレーぎりぎりを攻めている -
Posted by ブクログ
ネタバレ何を書いてもネタバレになってしまいそうで、なかなか感想を書くのが難しい作品だ。
序盤から違和感は付き纏っていたはずなのに、「こういう設定なのだ」と納得してしまうと、見事に騙される。最後はすべてが回収され、思わず「なるほど」と言いたくなるので、ミステリーとしての完成度は高いのだと思う。
解説にも好き嫌いが分かれる作品と書かれていたが、いじめ、小児性愛、動物虐待などが描かれているため、苦手な人は多いかもしれない。
ただ、この作品でも、人はそれぞれ自分なりの物語を生きたがり、ときには自分に都合の良いように現実を捻じ曲げてしまうというテーマが描かれていることが印象的だった。