道尾秀介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
がまくら市という架空都市の舞台を各作家たちがシェアして描かれた作品集
伊坂さん目当てで購入して読んだ。
想像以上におもしろかった。
道尾秀介さんの作品が最初でよかったと思う。
多視点で描かれていてミステリーとして楽しめたし、
伏線や環境設定も詳しく描かれていたので、その後の
ほかの作家の作品へのリンクが見つけやすくなっていたと思う。
伊坂作品も登場人物の少なさ、限定された環境の中でもさらに狭い環境でキャラを立たせてすごいと思った。
大山さんの密室ものも不可能犯罪係という部署を設けて真知博士という人物が登場し、その後にも顔を見せておもしろい。
福田さんの「大黒天」はそれの真実を求める姉 -
Posted by ブクログ
架空の都市を舞台にした連作短編集。
章ごとに作者が違い、それぞれクセのある文章
なのに、違和感なく1冊の中に納まっていました。
道尾秀介さん:どちらにしてもバッドエンドな感じで、
うわぁ!と思いましたが、実際に事件として起きる
としたら、こういう風に解決しきる前にぷっつりと
途切れる終わり方をして、その後も人々の暮らしは
続いていくのかと考えさせられました。
伊坂幸太郎さん:インパクトはそれほどでもないかなと
思いました。世の中にはきっと、こういう職業で
生活している人もいらっしゃるだろうと思いつつ
読み終えました。
各作家さんがどういう順番で物語を仕上げたのは
不明ですが、道尾さんがトッ -
Posted by ブクログ
内容は精神科医?の妻が癌で亡くなったのを発端に、友人の女性が自殺をし、その関係者の人間ドラマと事件の真相が解明されていくサスペンスです。
あまりにもある人物が事件に関して序盤から怪しい感、満載で話が進んでいくのですが、こういうパターンの小説はだいたいは怪しいと思われていた人物は実は真犯人ではなく、実は怪しく無さそうな奴が犯人だったりすることが多いので、犯人はあいつかな?と思いながら読んでいきましたが、やはり最後、事件の鍵を握る人物(真犯人)は読みどおり、その人物でした。
でも事件の真相までは読めなかったですね。
人間の先入観や思い込みによる危険性を精神科を舞台として専門用語をうまく絡ませること -
Posted by ブクログ
主人公を含む4人の大学生の青春とつながる、とある事故。
その事故から広がっていく運命と人間模様。
この年代の人たちからしか発せられないような滑稽さと素直さと、
そこにはやっぱりある、恋の花や芽のビタースウィートさ、
そういった生活を飲み込みながら最後まで走っていくミステリーでした。
面白かったです。
道尾さんの文体は、序盤のほうなんかはともすると、
自分の他所行きの文体に似ているかもしれない、と
思いましたが、どんどん内容が深まっていくにつれて、
その体力、知的体力も含めた持久力と、クスっと笑えてしまうセンスなどに
「やる人だなぁ」と思いました。
素人が書いたフリーの小説は、このWEB世界に -
Posted by ブクログ
月9ドラマ見てました。
ただし4話くらいまで見て、見るのやめちゃった気がします。
当時は道尾さんのこと知らなかったんですが、最近あのドラマの原作書いてたのが道尾さんだということを知り、ちょっと気になって読んでみました。
内容は、ドラマとかなり違いますね。(ドラマの内容途中までしか知らないけど)
恋愛漫画みたいなハッピーエンドの円満恋愛小説って感じでした。
個人的には結構好きです。
さくさく読めました。
あとがきにも書いてあったけど、2つの違ったストーリーが楽しめるっていうのもおもしろいですね。
私は道尾さんの小説はまだそんなに読んでないんですが、それでもこれはあまり道尾さんっぽくない小説だ -
大切な存在を近くで発見できる
子供時代、それがこの世のすべてだった。そんなことを懐かしく思い出させてくれる物語です。ちょっと切ない異性との関係、絶望的な大人との関係。その時は何が起こっているのか、ちゃんと理解できていなかったはずなのに、分かったつもりでいた。同級生の変化、自分の変化、町の変化、3人で決めた不思議な儀式。。。読み終わったとき、とても切なくなって、小学校の卒業アルバムを開きたくなった。この作品は直木賞を受賞している。しかし、決して娯楽作品ではない!
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Posted by ブクログ
ネタバレとてつもなく駄目男に絵に描いたようにだまされた弥生
やはり、つらいことのあとにある出会いは意味があるのかな
今まで読んだ道尾さんの小説にしては、現実的というか
刹那感がないような気はしながらも、ストーリーの面白さに
どんどん惹かれて、読みやすい文章に乗せられて一気に読みました
映像としての線香花火は、想像するに幻想的で美しかった
あとがきを読んで知ったのは、この小説は
フジテレビの月9の原作として書かれた小説だったのですね
実際は、ドラマとは登場人物も内容もかなり違ったものになったようですが
ドラマのストーリーとしてテレビ局から様々な希望、制約があったので
いつも「映像化できないこと」を前提に -
Posted by 読むコレ
今まで読むのを取っておいた道尾作品。
ミステリフロンティアからの作品だし期待度は
自然と高い。
その期待に充分な内容でした。結構扱いが
難しい内容にも関わらず重くなる事なく
上手く着地させてくれます。倫理的にはどうか...と
思いますが個人的にはこの結果に胸を撫でおろしました。
とかく暗く、重い印象のある道尾作品ですが、今作の
意外性は好きです。
明らかに伏線と分かる仕掛けや、ミスリードを
完全に誘導させる書き方はミステリとしての体裁を
しっかりと保ちつつ...しかもクオリティ高いし。
読むのを取っておいて良かったー。
段々とミステリテイストの少ない作品が増えてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ道尾作品を何冊か読んだあとだと、みんなが疑わしく見えてくるんですよね。もう最初から疑ってかかってしまうというか。
今回は凰介か田地が嘘を言っている(=犯人)、もしくは精神状態がおかしいと思ってました。登場人物があまり多くないからその2人くらいしか疑えないのですが、道尾作品なので絶対どこかにトリックがあるはずだと。
どちらの家族もお母さんがいなくなってしまったわけだけど、それほど暗いエンディングでもなかったように思います。むしろ未来が開けたかな。後味は悪くないです。
でも凰介も亜紀も子供らしくない。とても小学生には見えない。最低でも中学生くらいに見える。凰介が怪しかったのはそのせいかもしれません